伝えたい! 歯の疑問:歯科全般

歯周病で歯茎が腫れるP急発が起きたら
歯茎切開と暫間固定

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歯周病で急に歯茎が腫れることをP急発(歯周病の急性発作)と言います。

処置は麻酔をかけ腫れた歯茎を切開します。歯茎から膿を出すと内圧が下がり痛みが一気に引きます。

次に歯周組織の安定化を図るために暫間固定(ワイヤーとスーパーボンドで固定)を行います。

■ 奥歯の歯茎に膿が溜まり歯医者で切開し膿が出たので痛みはだいぶ治まりました。夕方、違和感があり、まだ膨れているので綿棒で押してみると白い膿と血が混ざったものが大量に出ました。 まだ傷口は塞がっていないので自分でどんどん出して大丈夫でしょうか?

■ 歯茎が腫れかなりの痛みがあります。抗生物質の投薬治療だけでなく切開による膿の取り出しなどをしてほしいのですが…

■ スーパーボンドで動揺歯を暫間的に固定するということは、いずれスーパーボンドをとることになるのですが、スーパーボンドをとった後はどうするのでしょうか?

歯茎が広範囲に腫れて痛みが出ると、食事が出来なくなり、どうしていいか困りますよね。

ここでは、歯周病で歯茎が急に腫れるP急発とその応急処置である歯茎切開や暫間固定などについて解説します。

目次


歯周病で歯茎が腫れるP急発(急性発作)

1

P急発とは歯周病で歯茎が急に腫れること

突然歯茎が広範囲に腫れ痛みが!

歯周病は慢性疾患ですが、急性症状が現れることがあります。これをP急発(歯周病の急性発作)と言います。


P急発では当該歯を中心に歯茎に膿が溜まり広範囲に腫れます。歯はグラグラと動揺が強くなり、自発痛を伴い上下の歯を接触させただけで痛くて噛めない状態になります。


また、歯周ポケットから膿が出て歯周病特有の口臭も強くなります。


2

歯周病で急性発作(P急発)が起こる原因

重度歯周病に起こりやすいP急発

歯周病の急性発作(P急発)は、歯槽骨の吸収が進んだ重度歯周病のケースで起こりやすく、ストレスや疲れなど体調が悪化した時、あるいはプラークコントロール不良が続いた時に突発的に歯茎の腫脹が起こります。

全身的な要因として糖尿病の悪化、高血圧、動脈硬化などメタボリックシンドロームとも関係していると考えられます。


歯周ポケットから膿が出る
歯周ポケットから膿が出る

歯周病の急性発作では自然出血を伴った歯茎の腫脹が特徴です。歯周ポケットからはジワジワと膿が出ます。

3

P急発で腫れた歯茎の切開

歯周病で腫れた歯茎を切開し排膿させる
ステップ 1

腫れた歯肉に表面麻酔と浸潤麻酔

歯周病で歯茎が腫れると歯周組織は酸性に傾きます。歯科麻酔薬は酸性の状態では効きづらい上、腫れた場所にダイレクトに注射を打つと麻酔液の圧力により飛び上がるほど痛みが出ます。

そこで、腫れた歯茎の周囲の炎症が起こっていない場所に表面麻酔をし、浸潤麻酔を徐々にかけていき、切開する場所まで麻酔薬の効果を届かせます。

この様な処置により、麻酔時の注射の痛みや切開の痛みを極限まで下げることが出来ます。

ステップ 2

歯茎を切開し排膿させる

十分に麻酔がかかったことを確認し、膿が溜まり波動を触れた歯茎に垂直にメスを入れます。

P急発で歯茎が腫れた場合の切開は、骨膜に達する所まではメスを入れません。

歯茎を切る手術は数秒で終わり、十分な膿が出たことを確認します。切開後に膿が出ることで内圧が下がり一気に痛みが引いていきます。

切開後の歯茎は、縫合せず少しずつ膿を排出させます。数日後には切った歯肉はくっつき治癒に向かいます。

切開した場所が白っぽくなることがありますが、心配いりません。

切開後の食事は手術直後から取って構いませんが、数日間は反対側で食べるようにして下さい。

※ 歯周ポケットから排膿が認められる場合には、そこから排膿させる事もあります。

切開以外の方法

フォトダイナミックセラピーによる光殺菌。

光線力学療法(ペリオウェブ・システム)と呼ばれ、薬を使わない、光による殺菌システムです。

4

抗生物質・痛み止めの投薬

抗生物質・痛み止めの投薬
腫れや痛みの原因に関わらず

虫歯、歯根破折、歯周病、親知らず等が原因で腫れや痛みが起これば抗生物質と痛み止めの投与がなされます。

5

P急発時に行う暫間固定(ざんかんこてい)

歯がグラグラと動揺している時、歯周外科手術GTR法リグロス法)等の後、歯の脱臼の再植後などに、複数の歯にワイヤーを渡してスーパーボンドで固定する『暫間固定( T-Fix)』を行います。これによって歯とその周囲の組織が、物を噛む力や歯ぎしりなどに耐えられるようになります。


暫間固定は文字通りあくまでも暫く(しばらく)の間の処置です。状態が安定したら暫間固定を外します。


歯槽骨の吸収が進んでいる歯では、歯根膜の幅が正常であっても実際の動揺は大きくなります。 そのような歯は最終的にブリッジや連結冠などでつなぎ、動揺しないようにします(永久固定)。

健康な歯は指で押しても動揺しない
健康な歯は指で押しても動揺しない

歯周病になっていない健康な歯は、強い咬合力が加わってもびくともしません。

歯周病で骨が吸収され歯は指で押すと強い動揺がある
歯周病で骨が吸収され指で押すと強い動揺がある

重度歯周病の歯周組織です。歯槽骨がほとんど破壊されてグラグラになってしまった状態です。このままでは自然に抜けるのを待つか、P急発が起こる前に抜歯が必要です。

6

暫間固定の術式

暫間固定の術式
暫間固定の手順

ワイヤーを歯並びに沿わせて曲げます。エナメル質表面をエッチング処理し、ワイヤーを仮止めして各歯にスーパーボンドで止めていきます。

動揺が小さい場合には、ワイヤーは使わず、歯と歯の間をスーパーボンドで接着させる方法をとります。

ポイント
上下の歯を噛み合わせた状態でスーパーボンドを硬化させます。

ブラッシングしても綺麗に磨けなくなるので、いつも以上に念入りに歯磨きをしてください。接着強度が弱いため、外れてしまうことがあります。


暫間固定の除去

急性症状が治まり、歯周病の初期治療(歯石除去)を完了し、病状が安定すれば暫間固定を除去します。

歯槽骨の垂直性骨吸収がありP急発を起こしたレントゲン写真
歯槽骨の垂直性骨吸収がありP急発を起こす

第1第大臼歯と第二大臼歯との間の歯槽骨に垂直性骨吸収が見られます。

P急発により歯茎の腫れと咬合痛があるため、暫間固定(T-Fix)をします。

動揺が強く痛くて噛めない時には効果的です。暫間固定をすると炎症が早く治まり、腫れがひく期間も短くなります。

7

歯周病と噛み合わせ

噛み合わせが悪いと歯周病を悪化させる

健康なときの歯と歯周組織は、上下の歯を噛み合わせたときの力(咬合力/こうごうりょく)を十分に受けとめています。ところが歯周病が進行して歯を支えている歯槽骨(しそうこつ)が溶けていくと、歯の根が露出し歯肉もブヨブヨで噛み合わせの力に耐えることが出来なくなります。


歯周病と噛み合わせの関係は歯ぎしりとの関連性もあります。


歯周病を悪化させる要因として噛み合わせの悪さがあります。それにより歯を支えている周りの組織がもっとダメージを受け、歯周病がさらに悪化することがあります。歯周病はプラークが原因で発症する病気ですが、噛み合わせの力との関係も悪化させる要因になっています。 ですから、暫間固定(ざんかんこてい)はその改善を目的ともしています。

8

歯茎の切開、暫間固定の費用

歯茎の切開、暫間固定は保険適用

内容 保険点数
P急発の歯肉切開 歯肉膿瘍等の切開 180点
暫間固定-簡単なもの エナメルボンドシステムによるもの 200点
暫間固定-困難なもの エナメルボンドシステムによるもの 500点
暫間固定除去 1装置につき 30点

※ P急発で歯肉切開して暫間固定した場合の保険点数は簡単なもの200点になります。従って、3割負担の場合の総費用は1,140円になります。※ 麻酔費用は含まれます。

さらに、初診料、再診料、処方箋料、レントゲン撮影料などがかかります。薬は投薬内容により費用が異なりますが、薬局に支払う必要があります。

以後、歯周病の治療を行う場合には、歯周病の治療費、検査料、指導料などがかかります。

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ふかさわ歯科クリニック院長 歯科医師の深沢一

執筆者 院長 深沢一

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