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ミュータンス菌はどこから来る?
虫歯菌を赤ちゃんへうつさない方法

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ミュータンス菌はどこから来るのでしょうか? 

接触頻度の高い保護者、主に母親から赤ちゃんへ移ります。うつりやすい赤ちゃんの年齢は1歳半~2歳半頃です。

虫歯菌の感染を防ぐには家族全員でキシリトールガムを噛む、フッ素入り歯磨きを使うなどが有効です。

ミュータンス菌はどこから来てうつるのか?

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虫歯の原因菌・ミュータンス菌とは

ミュータンス菌のイメージ写真

ミュータンス連鎖球菌群

ミュータンス連鎖球菌にはStreptococcus mutansとStreptococcus sobrinusの2種類が存在しています。これを総称してミュータンス菌と呼んでいます。

虫歯は、口腔内の酸性度合いを示すpH が5.5以下になると作られます。口腔内には多くの細菌がいて、食後、食べカスを栄養にして酸を作り出します。

pHが次第に低くなり、5.5以下になってくるとミュータンス菌とラクトバチラス菌以外の細菌は酸を作るのを停止します。

つまり、多くの口腔内細菌は、酸性の環境下では酸を作り出す能力を失いますが、ミュータンス菌とラクトバチラス菌は酸性の環境でも平気で生き延び、更に酸を作り続けることが可能なのです。

そのためミュータンス菌(ストレプトコッカス・ミュータンス;ミュータンス・レンサ球菌)と乳酸桿菌(ラクトバチルス菌:Lactobacillus)が虫歯の原因菌と呼ばれています。

ミュータンス菌の特徴

ミュータンス菌はエナメル質のツルツルな面にも砂糖を餌にネバネバの不溶性グルカンをつくり、歯にぴったりくっつくことが出来るので、歯のどこの部位でも容易に虫歯を発生させることが出来るのが特徴です。

一方、ラクトバチラス菌は歯の表面のツルツルした所には生息出来ず、ニュータンス菌によって作られた虫歯のザラザラした部分や大臼歯の溝などに生息します。

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ミュータンス菌は母親から赤ちゃんにうつる

ミュータンス菌の感染(菌がうつる)⇒赤ちゃんに定着(菌が棲み着く)⇒虫歯(発症)
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ミュータンス菌(虫歯菌)はどこからくるのか?

口腔内細菌の中でも最も強力に酸を作り、歯を脱灰(虫歯を作る)する力を持った細菌がミュータンス菌です。

ミュータンス菌はうつっただけでは虫歯として発症することはなく、口腔内にしっかりと定着することが条件となります。


ミュータンス菌は生後約19ヶ月~31ヶ月(1歳半~2歳半)の「感染の窓」と言われる期間に、赤ちゃんと接触頻度が高い保護者(主に母親)から赤ちゃんへ移り、定着しやすいと言われています。※1993年 Caufield 他


しかし、近年の研究では、歯が生える生後6ヶ月以前からミュータンス菌が口腔内に定着しているとの報告があります。また、ミュータンス菌の感染は、一生に渡って起こります。

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ミュータンス菌(虫歯菌)を赤ちゃんへうつさない為に、いつからいつまで頑張れば良いの?

【結論】出産前1年から生後2歳半

ミュータンス菌のうつりやすさは家族(主に母親)の口腔内に存在しているミュータンス菌の量に比例します。従って、赤ちゃんが生まれる最低1年前から母親の口腔内のミュータンス菌の数を減らす努力が必要となります。

さらに、赤ちゃんへうつる時期が遅れれば遅れるほど、その後の虫歯になるリスクが低下するので、母親や家族が頑張る目安は概ね生後2歳半までです。

もちろん、3歳以降でもミュータンス菌がうつる事は起こりえますが、虫歯になったとしても軽症で済みます。

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ミュータンス菌が無い子供の割合

ミュータンス菌(虫歯菌)が無い子供の割合
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ミュータンス菌(虫歯菌)がいない子供の割合は4歳で約15%に

生まれたての0歳児の赤ちゃんにはミュータンス菌(虫歯菌)は全く存在していません。

1歳頃になるとミュータンス菌(虫歯菌)を持った子供の割合は約8%くらいになり、2歳児で約52%、3歳児で約72%、4歳児で約85%の子供にミュータンス菌が感染し定着する様になります。

出典 Li, et, al 2005年

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ミュータンス菌(虫歯菌)を全く持っていない大人はいるのか?

日本人でミュータンス菌を持っていない大人は10%以下と言われています。しかし、臨床的にはもっと少ないのではという印象です。(論文が見当たらないので断定は出来ません。)

ただし、今後、様々なことを駆使してミュータンス菌を持たない大人が増え、10%以上になるとは十分可能であると考えます。

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ミュータンス菌(虫歯菌)が虫歯を発生させるプロセス

① ミュータンス菌が砂糖(ショ糖)を餌とする
① 砂糖を餌とする
  • ・ミュータンス菌は歯面に付着した砂糖(ショ糖)を餌とします。
ミュータンス菌は酸を作る
② ミュータンス菌は酸を作る
  • ・ミュータンス菌は代謝産物として酸を作り出します。
pH5.5以下になると虫歯が出来る
③ pH5.5以下になる
  • ・酸によりpH が5.5以下になると歯の脱灰(虫歯)が始まります。

虫歯菌が赤ちゃんへうつらないようにする方法

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虫歯菌(ミュータンス菌)の感染経路を断つ

母親から赤ちゃんへのミュータンス菌(虫歯菌)の感染経路を断つ

感染経路の遮断は難しいのが現実

「箸やスプーンの共有」「噛み与え(口移し)」はNG

「箸やスプーンの共有」「噛み与え(口移し)」

ミュータンス菌は、唾液による接触感染のため感染経路を断ってしまえば良いということになります。

妊娠期にミュータンス菌の感染について保健指導を受けますが、これを実行するのはかなり困難です。さすがに噛み与え(口移し)を行う保護者は、少なくなりましたが、「箸やスプーンの共有」についてはダメな事は分かっていても出来ないのが現状です。


仲井雪絵らの調査によると、「箸やスプーンの共有」をしていると答えた母親は80%以上に及んでいます。

その他、感染経路として「同じ食べ物の共有」「母親と赤ちゃんのキス」「熱いものをフーフーして与える」などが挙げられます。


ミュータンス菌がうつらないに越したことはないが、余り神経質になりすぎないことも重要です。赤ちゃんとの接触を完璧に断つことは不可能だからです。

ミュータンス菌の感染は接触頻度や母親の菌量に依存するため他の方法で対処するという柔軟な考え方を持つことも重要です。

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キシリトール100%ガムを噛む

キシリトール100%ガムを噛む

両親(母親)のミュータンス菌(虫歯菌)を減らす

赤ちゃんへミュータンス菌(虫歯菌)をうつさないようにするには両親(母親)のミュータンス菌を減らすことが最も効果が高いと言えます。

ミュータンス菌の数を減らす方法で最も効果があるのは、キシリトールガム100%を噛むことです。


キシリトールガム100%の噛み方

1日につき4~5粒をそれぞれ一粒ずつ食べます。

キシリトール100%ガムはいつからいつまで食べれば良いの?

赤ちゃんへのミュータンス菌感染を防止出来るレベルまで母親のミュータンス菌量を減らすには、妊娠の約1年前からキシリトールガムを噛み始める必要があります。また、赤ちゃんが2歳半~3歳になるまで噛み続けることで、赤ちゃんへの感染を防げます。

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フッ素入り歯磨き粉を使う

フッ素入り歯磨き粉を使う

フッ素の抗菌作用

フッ素の水溶液は、ミュータンス菌(虫歯菌)に対する抗菌作用を有しています。

フッ素入り歯磨き粉でブラッシングする事でミュータンス菌の活動が抑制されます。

また、フッ素入り歯磨き子よりフッ素の効果を高めた場合には、フッ素洗口剤ミラノール顆粒の使用が有効です。


キシリトールガム100%の噛み方

1日につき4~5粒をそれぞれ一粒ずつ食べます。

キシリトール100%ガムはいつからいつまで食べれば良いの?

赤ちゃんへのミュータンス菌感染を防止出来るレベルまで母親のミュータンス菌量を減らすには、妊娠の約1年前からキシリトールガムを噛み始める必要があります。また、赤ちゃんが2歳半~3歳になるまで噛み続けることで、赤ちゃんへの感染を防げます。

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ポイックウォーターでうがい

ポイックウォーターでうがい

次亜塩素酸水のポイックウォーターでうがい

ポイックウォーターの主成分である次亜塩素酸水の力でミュータンス菌を除菌し、その数を減らします。

in vitroの実験では、細菌に対して高い殺菌力を有していますが、口腔内に使った時に、殺菌効果があるかどうかのエビデンスは分りません。

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母親の砂糖(ショ糖)入りおやつは1日1回まで

ショ糖(砂糖)入りのおやつは1日1回まで
お母さんの間食は1日1回まで

ショ糖(砂糖)はミュータンス菌の餌となります。従って、ショ糖(砂糖)入りのおやつを食べるとミュータンス菌の量を減らしにくくなります。

甘いものの間食は、1日2回以下にして下さい。

また、ショ糖(砂糖)を頻回に摂取すると歯の脱灰が起こり、お母さんに虫歯が発生してしまいます。

料理にもショ糖(砂糖)は控えた方が無難です。代わりに、オリゴ糖やハチミツで代用出来ます。

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子供(赤ちゃん)の砂糖(ショ糖)摂取制限

砂糖(ショ糖)の摂取制限を続けるのは難しい

ショ糖(砂糖)の入ったおやつはNG
「砂糖(ショ糖)の入ったおやつ」

ショ糖(砂糖)の入ったジュースや清涼飲料水、クッキー、アメ、ケーキといった食べ物を子供(赤ちゃん)が大量に摂取するとミュータンス菌は効率よく定着します。


しかし、感染経路の遮断と同様、ショ糖(砂糖)の摂取を制限することはかなり困難なようです。

仲井雪絵らの調査によると、80%以上の母親が砂糖(ショ糖)入りの食べ物を与えていると回答したと報告しています。知識はあってもなかなか実践出来ない、或は長期間持続出来ないというのが現状ではないでしょうか。

従って、砂糖(ショ糖)の摂取制限が不可能というのであれば、母親、父親、おじいちゃん、おばあちゃんなど家族全員でキシリトールやフッ素を使って口腔内のミュータンス菌(虫歯菌)を減らし、善玉菌優位にするというのが現実的ではないでしょうか。

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授乳はミュータンス菌をうつりやすくする

「母乳を欲しがるたびに与える」「夜間の授乳」

授乳とミュータンス菌の関係

「授乳でミュータンス菌の定着」

赤ちゃんが「母乳を欲しがるたびに与える」「夜間の授乳」など、おっぱいを頻繁に与えることでミュータンス菌(虫歯菌)がうつりやすくなり、定着が促進されます。

しかし、おっぱいを与えないと泣いてなかなか寝てくれないなど問題があります。

従って、頻繁の授乳は虫歯のリスクがあることは分かっていてもなかなか止められないのが現状でしょう。


授乳は歯並びに重要

一方で、授乳は綺麗な歯並びを作るために極めて重要です。断乳ではなく、卒乳を目指すにしましょう。

また、母乳が出ない時には咀嚼型ニプルの使用も考慮する必要があります。

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帝王切開か自然分娩で異なるミュータンス菌の感染

帝王切開か自然分娩で異なるミュータンス菌(虫歯菌)の子供への定着率

帝王切開か自然分娩で異なるミュータンス菌(虫歯菌)の子供への定着率

「帝王切開はミュータンス菌の定着を促進」

自然分娩で生まれた子供より帝王切開で生まれた子供の方がミュータンス菌の定着が11ヶ月程早かっ

たという研究結果の報告があります。

これについては予防することは出来ませんが、帝王切開で生まれ子供はミュータンス菌の定着が起こりやすいのだという視点で見ることが出来、リスク管理に役立ちます。

Li Y,Caufield 2005年

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ふかさわ歯科クリニック院長 歯科医師の深沢一

執筆者 院長 深沢一

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