伝えたい! 歯の疑問:審美歯科

ジルコニアクラウンとジルコニアセラミッククラウン
の違いとメリット・デメリット

皆様の健康をトータルサポート。

グラデーションタイプのジルコニアディスクの開発でフルジルコニアクラウンのメリットである強度に透明性が高まり審美性が格段に向上。

しかし、一本だけの歯では、ジルコニア表面にセラミックを焼き付けるジルコニアセラミッククラウンとすることも。

審美性が向上したジルコニアクラウン

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ジルコニアとは

前歯6本のジルコニアクラウン
前歯6本のジルコニアクラウン

審美性が向上したジルコニアクラウン。

グラデーションタイプのジルコニアディスクが開発されたことでジルコニア単体(フルジルコニアクラウン)で前歯の審美的作成が可能になりました。

写真の様に前歯6本を同時に作成する場合にはフルジルコニアクラウンで審美的に作成出来ます。

一方、1本だけの場合で、隣の歯との色合わせが困難なケースでは表面の見える部分のみに陶材(セラミック)を焼き付けるジルコニアセラミックで作成することがあります。

ジルコニアとは

1892年ジルコニウム鉱物(Zr)が発見されます。金属であるジルコニウムの酸化物の粉末( Z ro2/二酸化ジルコニウム) を焼き固めたものがジルコニアです。

2018年現在、日本において約182万本のジルコニアが患者さんの口の中に入れられていると推定され、今後もさらに需要が伸びる予想です。


歯科以外の用途

ジルコニアの融点は2,715°Cと極めて高く、スペースシャトルの外壁断熱保護材として使用されたり、対摩耗性が高いためF1カーのブレーキディスクなどに使用されています。

これは高温高圧下のもとでの耐久性に優れていることの証です。

人工ダイヤモンドとして法装飾品としての価値もあります。

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人工ダイヤモンド・キュービックジルコニア

人工ダイヤモンド・キュービックジルコニア

宝飾品のキュービックジルコニアとは

ジルコニアにY2O3(酸化イットリウ ム),CaO(酸化カルシウム),MgO(酸化マグネシウム)などの酸化物を添加して固溶させると結晶構造が立方晶に変化して室温でも安定して存在で出来るようになります。これを安定化ジルコニアと言います。

これをキュービックジルコニア(cubic zirconia, CZ)とも呼び,透明で高い屈折率を有しています。ダイヤモンドの様な見た目から人工ダイヤモンドとして用いられることがあります。

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ジルコニアとセラミックの違い

ジルコニアはセラミックの一種

酸化物の焼結体のことをセラミックと言います。ジルコニアは金属酸化物の焼結体であることから、金属であるということも出来ます。一方で、セラミックでもあると言えます。

そのためジルコニアのことをジルコニアセラミックと呼ぶ場合もあります。

※ 用語で混乱
人工歯の内側をジルコニアで作り、外側に陶材(セラミック)を焼き付けて作る歯もジルコニアセラミックと呼ぶ場合があります。

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審美性が向上したジルコニアクラウン

フルジルコニアクラウン

発売当初のジルコニアディスクは、透明性がなく、且つ真珠(オパール)の様にピカピカ光るため、見るからに人工物に見えてしまい審美的に満足のゆくものではありませんでした。そのため、ジルコニア単体(フルジルコニア)では審美性の要求度が高い前歯には使いづらく、目立たない奥歯のみに適応していました。


ジルコニアセラミッククラウン

ジルコニアを前歯に使う場合には噛むところなどベースになる部分はジルコニアで作り、見える表面部分のみにポーセレン(陶材)を焼き付けて作るジルコニアセラミッククラウンが主流になりました。

この方法は、従来からある内側が金属で、外側がセラミック(ポーセレン)のメタルボンドと同じような作り方です。そのため費用が増してしまうばかりが、セラミック部分が欠けてしまう欠点があります。つまり、ジルコニアのメリットである耐摩耗性や強度を十分に生かせないという欠点があります。


フルジルコニアクラウンが主流に

その後、技術革新が進み、色が何層にも重ねられたグラデーションタイプのジルコニアディスクが発売されると透明性も増し、ステイン(色付け)を付与することでほぼ天然歯と見分けが付かないくらい審美性が向上しました。

そのため、現在ではジルコニア単体で作るフルジルコニアクラウンが主流になり、費用も従来よりも安く抑えることが出来るようになりました。

しかし、前歯で1本~2本のみを補綴する場合で、フルジルコニアクラウンでは隣接する天然歯と同じような色にするのが困難な場合には、表面のみをセラミックで作成するジルコニアセラミッククラウンで作成することもあります。

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ジルコニアクラウンの作り方

ジルコニアクラウンの作り方
ジルコニアディスクをミリングマシンで削りだして作る

削った歯の状態を口腔内スキャナーを用いてデジタルデータとしてパソコンに保存するか、アナログではシリコン印象材などを用い印象採得を行い石膏模型を作ります。


これらを技工所に送り、口腔スキャナーのデータはそのまま、石膏模型の場合には、それをデジタル化した後パソコン上でデザインし、ミリングマシン(加工機)でジルコニアディスクから人工歯を削り出します。


削り出されたジルコニアの歯は焼成、仕上げ研磨などの工程を経て歯科医院に届きます。


つまり、技工所においては、完全にデジタルで行う作業となります。


※ ジルコニアリスクから20本ほどの歯を削り出すことが出来ます。

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費用

ジルコニアクラウン・ジルコニアインレーは保険適用外

内容 向いている症例 費用(税別)
ジルコニアクラウン
(フルジルコニアクラウン)
奥歯や複数本連続した前歯 \ 75,000
ジルコニアセラミッククラウン 1~2本の色合わせが難しい前歯 \ 100,000
ジルコニアインレー 奥歯の大きな虫歯(ダイレクトボンディングが困難な症例) \ 42,000

※ 技術革新によりグラデーションタイプのジルコニアが開発されてジルコニア単体(フルジルコニア)でも審美性が高まったため、費用を安く抑えることが可能になりました。ジルコニアをベースにセラミックを表面に焼き付けるジルコニアセラミッククラウンは色合わせが困難なケースのみに行っています。

ジルコニアセラミッククラウンの欠点はセラミック部分が割れやすいことです。

ジルコニアのメリット・デメリット

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ジルコニアは硬く強いので審美歯科の範囲が拡大

ジルコニアはロングスパンブリッジにも適用可能

ロングスパンのブリッジにも適用可能

ジルコニアは強くて硬い特性があり、フルジルコニアクラウンによりロングスパンのブリッジにも適用可能となり、審美歯科治療の範囲が拡大しました。

従来は、ロングスパンのブリッジには金属を使うか、内側に金属を使うメタルボンドクランが主流でした。


寿命が延びる

ジルコニアは硬くて強いため、めったに欠けたり割れたりすることがありません。そのため補綴物の寿命が伸びました。

ジルコニアが硬くて強い理由

ジルコニアが硬くて強い理由
外力が加わるとジルコニアの結晶構造が変化

ジルコニアクラウンなどの被せ物に噛み合わせの外力が加わってクラックや亀裂が入ると、正方晶が単斜晶と呼ばれる結晶構造に変化します。

その時4%膨張することでクラックや亀裂部分を埋め、ジルコニア本体が破壊しないような機序が発現します。これがジルコニアが強い理由です。

部分安定化ジルコニア

ジルコニアは単斜晶という結晶構想で安定化します。

そこへさらに物性を高めるために3%のY2O3(酸化イットリウム)を配合します。

すると正方晶という結晶構造(部分安定化ジルコニア)に変化して歯科用の材料として使用出来るようになります。

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ジルコニアの曲げ強さ( MPa )

ジルコニアの曲げ強さ( MPa )
各種素材の曲げ強さの比較

グラフは各種歯科材料(陶材、硬質レジン、ハイブリットレジン、アルミナ、ジルコニア)に折り曲げる力を与えた時、破壊されるまでの強度を比較したものです。


ジルコニアの曲げ強さは1400( MPa )とメタルボンドに使われる陶材(ポーセレン)に比べ圧倒的に高いことがわかります。

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ジルコニアの硬さ( MPa )

ジルコニアの硬さ( MPa )
各種素材の硬さの比較

グラフは各種歯科材料(硬質レジン、ハイブリットレジン、金パラ、陶材、ジルコニア)に圧縮力を加えた時、破壊されるまでの強度を比較したものです。


ジルコニアの硬さは1200( MPa )で、陶材(ポーセレン)や金属の金パラなどよりも圧倒的に硬いことがわかります。

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ジルコニアと歯肉間にヘミデスモゾーム結合

ジルコニアと歯肉との間に起こるヘミデスモゾーム結合
歯肉とジルコニアクラウンの高い親和性

イラストは、インプラントの上部構造にジルコニアクラウンを使った場合のヘミデスモゾーム結合(緑色の部分)の様子を模式化したものです。

部分安定化ジルコニア

ジルコニアは結晶構造が緊密でチタンと比較しても、細菌やバクテリアなどが繁殖しにくいため、歯肉と接触する部分に使うのは極めて有効です。

天然歯のエナメル質と歯肉との間に存在するへミデスモゾーム結合(上皮付着)がジルコニアと歯肉との間でも起こると考えられています。

ヘミデスモゾーム結合が獲得出来れば歯周ポケットの深部への細菌の侵入を防げる可能性が高まります。そのため、インプラントの上部構造には最適と考えられます。

ジルコニアクラウンが歯肉と接触する部分のみにサンドブラスター処理を行うことで効率よくヘミデスモゾーム結合を誘導出来ると考えられています。

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その他のメリット

ジルコニアのその他のメリット
利点

金属アレルギーの方にも使用可能

ジルコニアクラウンやジルコニアインレーは、金属を使わない「メタルフリー素材」なので金属アレルギーの方にも安心して使用出来ます。


ブラックマージンや歯茎が黒く変色しない

金属を内側に使ったメタルボンドの治療では歯茎との境目に黒いライン(ブラックマージン)が出来たり、金属から溶け出すイオンによって差し歯の歯茎が黒くなるメタルタトゥーといった現象が起こることがありますが、ジルコニアではそういった問題は発生しません。

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デメリット

ジルコニアのデメリット
欠点

脱離しやすい

5年脱離率:ジルコニアクラウン4.7%、メタルボンドクラウン0.6%(2017年 学会誌)。

学会発表によると治療から5年間でジルコニアクラウンが取れる割合はかなり高めです。

しかし、歯面及びジルコニア内面に付着した唾液や血液などの接着阻害因子を適切に除去することで接着力はかなり高まります。また、ジルコニア内面のサンドブラスター処理や接着剤の適切な使用により脱離のリスクを低減させることが可能です。

欠点

保険適用外で高価

ジルコニアによる歯科治療は保険適用外なのでやや高価です。

欠点

ジルコニアセラミッククラウンは割れやすい

ジルコニアの表面にセラミックを焼き付けるジルコニアセラミッククラウンでは、セラミック部分が割れやすいのがデメリットです。

欠点

除去が困難

何らかの原因でジルコニアを除去する必要が出た場合、硬すぎて除去が難しいことがあります。通常、専用の除去バーを使い低速で除去します。

ジルコニアについてのご相談は

ふかさわ歯科クリニック院長 歯科医師の深沢一

執筆者 院長 深沢一

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