目次

はじめに

「もっと力が出せる気がする…」「集中力が続かない」
そんな悩み、マウスピース一つで変わるかもしれません。

スポーツマウスピースは、歯や顎を守るだけの道具ではありません。
**噛み合わせを整え、呼吸をスムーズにし、筋力や集中力まで高める――まさに“見えないギア”**として、多くのトップアスリートに選ばれています。

この記事では、スポーツマウスピースの効果から、競技別の選び方、オーダーメイドの価値、注意点まで網羅的に解説。
あなたのパフォーマンスを一段階引き上げるためのヒントが、ここにあります。

スポーツマウスピース(別名:スポーツマウスガード)は、競技中の接触や衝撃から歯や顎、口腔内の軟組織を保護する装置です。ボクシングやラグビーといった激しいスポーツはもちろん、サッカーや野球など意外な競技でも使用されています。

近年では「歯を守る」だけでなく、噛み合わせを安定させてパフォーマンスを高めるアイテムとしても注目されています。競技力を維持したい学生からプロアスリートまで、多くの選手が導入している装備です。

スポーツマウスピース
スポーツマウスピース

🛡 マウスピースとマウスガードの違い

「マウスピース」と「マウスガード」は、実はほぼ同じものを指します。呼び方の違いにすぎず、どちらも歯や口元を守るための装置です。

ただし、歯ぎしり用やホワイトニング用など、用途によって形状や素材が異なるため注意が必要です。スポーツで使用する場合は、**衝撃吸収性に優れた設計の「スポーツマウスピース」**を選びましょう。

👄 どんな仕組みで歯を守るのか?

スポーツマウスピースは、柔らかく弾力のある素材で作られており、歯列や歯茎を覆うように装着されます。口元に強い力が加わった際、衝撃を分散・吸収することで、歯が折れる・抜ける・口腔内を切るなどのケガを防ぎます

また、歯と歯の直接的な接触を防ぐ構造になっており、顎関節や歯根へのダメージを軽減します。とくにカスタムメイド(オーダーメイド)タイプでは、噛み合わせまで調整された設計により、フィット感と安全性が大きく向上します。

🧠 脳震盪予防にも効果的って本当?

はい。衝撃が歯から頭蓋骨に伝わるのを抑える設計により、脳震盪(のうしんとう)のリスクを減らす効果が期待されています。

とくにアメリカンフットボールやラグビーなど、激しいコンタクトプレーが多い競技では、歯から伝わる衝撃が脳へ与える影響が問題視されており、スポーツマウスピースはその対策として推奨されています。

脳震盪の予防は100%ではありませんが、ダメージの緩和という観点では非常に重要な役割を果たします。

スポーツマウスピースは、単に歯を保護するだけでなく、全身のパフォーマンス向上にもつながる多機能アイテムです。競技力を最大限に発揮するために、正しい噛み合わせ・呼吸・集中力をサポートする設計がなされています。

アスリートの間では「マウスピースを着けるとプレーが安定する」「力が出しやすい」といった体感がよく語られ、科学的にもその有効性が報告されています。

スポーツマウスピースの効果とは?
スポーツマウスピースの効果とは?

💪 噛み合わせと筋力アップの関係

スポーツマウスピースは、歯列にフィットすることで適切な噛み合わせをキープします。これにより、無意識のうちに筋肉や関節のバランスが整い、効率的に力を発揮しやすくなります

特に、瞬発系のスポーツ(ジャンプ・スイング・タックルなど)では、歯を食いしばった際の力の伝達が安定し、筋出力が向上するという研究結果もあります。これは「咬合力」が体幹の安定に寄与しているためです。

つまり、噛むという動作が筋力パフォーマンスにも影響しており、マウスピースがその補助装置として機能しているのです。

🫁 呼吸が楽になるって本当?酸素供給の改善

高品質なスポーツマウスピースは、呼吸を妨げない設計になっています。特にオーダーメイドタイプは、会話・呼吸・水分補給の邪魔にならない構造となっており、運動中の酸素供給をスムーズにします

呼吸がしやすくなると、持久力や集中力が向上するため、長時間にわたる競技(マラソン・サッカー・ラグビーなど)では大きなメリットになります。

呼吸のしづらい既製品や誤ったサイズのマウスピースを使用すると、かえってパフォーマンスが落ちる可能性もあるため、注意が必要です。

🎯 精密スポーツ(弓道・射撃)での集中力向上

弓道やアーチェリー、射撃などの精密スポーツでは「わずかな体のブレ」が命取りになります。こうした競技でもスポーツマウスピースが有効です。

適切な噛み合わせを維持することで、頭位や姿勢が安定し、全身の重心がぶれにくくなるため、狙いを定めやすくなるという仕組みです。また、顎の緊張が取れることで精神的なリラックス効果も期待され、集中力を維持しやすくなります。

このように、マウスピースは**「守る」だけでなく「高める」ギア**としての側面も持っています。

スポーツマウスピースの重要性は、競技によって異なるリスクと関係性があります。コンタクトの激しいスポーツはもちろん、意外なシーンでの衝撃や転倒も、歯や顎の損傷につながることがあります。

ここでは、代表的な競技別にマウスピースの必要性と導入メリットを解説します。

🥊 格闘技・ラグビー:脳震盪や顎骨折の予防に

ラグビー
ラグビー
ボクシングなどの格闘技
ボクシングなどの格闘技

ボクシングやキックボクシング、空手、ラグビーなどは、頭部や顔面への衝撃が日常的に発生するスポーツです。

こうした競技では、歯の破折・脱臼・顎の骨折・脳震盪のリスクが特に高いため、マウスピースの装着は義務化されている場合がほとんどです。

マウスピースが衝撃を吸収・分散することで、重症化のリスクを大幅に軽減します。オーダーメイドの多層構造タイプを使えば、激しい打撃にも対応できます。

⚾ 野球・サッカー:偶発的な衝撃から歯を守る

野球やサッカーは一見安全に思われがちですが、バットやボールの接触、肘・膝・頭との衝突など、突発的な事故が少なくありません。

特にキャッチャーやゴールキーパー、コンタクトの多いポジションでは、顔や顎に直接衝撃を受ける可能性があり、歯の欠損や唇の裂傷などの怪我が発生することも。

軽量でフィット感のあるマウスピースを使えば、呼吸や会話を妨げず安全性を高めることができます。

🎿 スキー・スノボ:転倒時のダメージ軽減

スノーボード、スキー
スキー・スノボ

スキーやスノーボードでは、転倒時に顔面を強打するケースが多発します。滑走中のスピードが速いため、転倒による顎や歯の損傷が重篤になりやすい競技です。

スポーツマウスピースを装着することで、転倒時の衝撃を和らげ、歯や顎関節、唇の裂傷などを予防できます。

また、冬季スポーツ用のマウスピースは軽量で保温性にも優れた素材が用いられることがあり、快適な装着感が求められます。

🥋 武道系:投げ技による口腔内の損傷予防

武道系
武道系

柔道や合気道、空手などの武道では、打撃だけでなく「投げ」や「受け身」による転倒・衝突がつきものです。

その際に起こりやすいのが、自分の歯による唇や舌の損傷、歯の破折です。特に道着の襟を引かれた際や床に倒れた時など、無意識に歯を食いしばる動作が多く、マウスピースによる保護は非常に有効です。

集中力を妨げないフィット設計のオーダーメイドタイプが最適です。

👧 子どもや女性選手も要注意!

「まだ本格的な競技じゃないから大丈夫」と思いがちですが、成長期の子どもや女性アスリートこそマウスピースの使用が重要です。

子どもは転倒や接触が多く、乳歯・永久歯の移行期は歯根が未完成でダメージに弱いため、損傷すると将来的な歯並びにも影響を与えます。

また、女性は顎が小さく、歯列が比較的狭いため、衝撃の分散力が弱いという特徴も。軽量で違和感の少ないタイプを選ぶことで、安全性と快適性の両立が可能です。


このように、スポーツマウスピースの必要性は競技や個人の特性に応じて異なります。自分に合ったマウスピースを選ぶことで、安全性だけでなくパフォーマンスの向上にもつながります。

スポーツマウスピースには、素材・構造・作製方法などによりさまざまなタイプがあります。使用する競技の特性や年齢、運動レベルに応じて適したタイプを選ぶことが、安全性とパフォーマンスの向上につながります。

ここでは、「市販品 vs オーダーメイド」「構造別の特徴」「成長期におすすめのタイプ」といった観点で、選び方のポイントを解説します。

🧵 オーダーメイド vs 市販品の違い

市販品(既製品)は、スポーツショップや通販で購入でき、価格も1,000~3,000円程度と手頃です。ただし、万人向けのサイズで作られているため、フィット感が不十分で外れやすく、呼吸や発音に支障が出ることもあります。

とくに「Boil & Bite(ボイル・アンド・バイト)」と呼ばれるタイプは、熱湯で柔らかくして自分の歯型を取る仕組みですが、正しい噛み合わせが再現されづらく、保護力も限定的です。

ストックタイプ

ストックタイプ
ストックタイプ
既成品をそのまま装着

スポーツ用品店などで簡単に購入できるものです。口を開けるとすぐに落ちてしまう。呼吸がしづらい。しゃべりにくい。正しい噛み合わせができず、顎関節を痛める

危険を伴う場合があるので、あまりお薦め出来ません。

Boil&Biteタイプ

Boil&Biteタイプ
Boil&Biteタイプ
熱湯で柔らかくして

熱湯に浸けて軟化させたものを口腔内で噛んで成型するタイプです。このタイプしか使用したことのない人は、「マウスピースは気持ち悪い」「しゃべりにくい」「外れやすい」など、悪いイメージを持つ場合が多く見られます。

また、危険を伴う可能性があるため、あまりお薦めできません。

一方、オーダーメイド品は歯科医院で歯型を取り、専門の技工所で1人ひとりの口腔構造に合わせて製作されます。価格は1万〜4万円と高価ですが、以下のようなメリットがあります。

  • ✅ 正確な噛み合わせとフィット感
  • ✅ 衝撃吸収性の高い多層構造が可能
  • ✅ 呼吸・会話を妨げにくく快適

本格的な競技に取り組む方や、安全性を最優先したい方にはオーダーメイド一択と言えるでしょう。

🛠 構造別(単層・二層・三層)の特長と用途

スポーツマウスピースは、「単層構造」から「多層構造」まで、構造の違いによって保護性能と用途が変わります

構造特徴適した競技・用途
単層タイプ軽量・簡易設計。比較的安価。初心者、低衝撃競技、短時間の使用向け
二層タイプ柔らかい内層+硬めの外層で衝撃吸収力アップサッカー、野球など中程度の接触スポーツ
三層タイプ各層の硬度を変え、最も高い保護性能を実現格闘技、ラグビー、アメフトなどハードコンタクト競技

とくに**三層構造(プレッシャーラミネートタイプ)**は、強い打撃や転倒時の力を分散するため、プロや上級者が選ぶ高機能モデルです。

📏 初心者・成長期の子どもにはシートタイプが最適

スポーツを始めたばかりの方や、6か月〜1年で歯並びが変化しやすい成長期の子どもには、**一層構造の「オーダーメイドシートタイプ」**が最適です。

このタイプは、

  • 軽量で違和感が少ない
  • 短期間で買い替えやすい価格帯(1〜1.5万円前後)
  • 乳歯と永久歯が混在していても作製可能

というメリットがあり、導入用マウスピースとして理想的です。

また、チームでまとめて作成すると割引が適用されるケースもあるため、部活やクラブチーム単位での導入もおすすめです。


スポーツマウスピースは「何を守りたいか(安全性)」「どこまで求めるか(快適性・競技力)」を基準に選ぶことがポイントです。目的に合った最適なタイプを選び、安全で高パフォーマンスなスポーツライフを送りましょう。

スポーツマウスピースは、使用する競技の強度や目的に合わせて構造が異なります。構造によって保護性能・装着感・価格帯も大きく変わるため、自分のレベルや競技特性に合ったものを選ぶことが重要です。

ここでは代表的な3タイプを比較して、それぞれの特徴と選び方のポイントを解説します。

🧱 ヘビープロ:格闘技・プロスポーツ用

**ヘビープロ(Heavy Pro)**は、プロ格闘家やラグビー選手など、激しい衝突・打撃が避けられないスポーツ向けに設計された最上級モデルです。

ヘビープロ
ヘビープロ
ヘビープロ構造
ヘビープロ構造
  • 🔧 構造:三層構造(プレッシャーラミネートタイプ)
  • 📏 厚み:前歯部で約6〜7mm
  • 💥 用途:ボクシング、K-1、ラグビー、アメフト、MMAなど
  • 特徴
    • 衝撃が集中する部位に厚みを持たせて強力に保護
    • 頭部や顎への衝撃伝達を最小限に抑制
    • 発音や呼吸のしやすさにも配慮された設計

安全性を最重視したいハードコンタクト競技のアスリートに最適で、パフォーマンスと安心感を両立できる一品です。

🧰 ミディアム:全コンタクトスポーツ対応

ミディアム(Medium)は、プロ・アマ問わず幅広いスポーツで使える汎用性の高いモデルです。ラグビー、サッカー、バスケットボールなどの中〜高強度の競技に向いています。

ミディアム
ミディアム
ミディアム構造
ミディアム構造
  • 🔧 構造:二層構造(内層+外層ラミネート)
  • 📏 厚み:前歯部で約4〜6mm
  • 💥 用途:ラグビー、サッカー、バスケ、柔道、スキーなど
  • 特徴
    • 外層が硬め、内層が柔らかく、衝撃を分散
    • 顎関節や歯根への負担を減らす
    • フィット感と快適性のバランスが良い

週に数回練習がある部活生や、アマチュア競技者にとって、コストと機能性のバランスが非常に良い選択肢です。

🪶 シートタイプ:初めての方や子ども用

シートタイプは、成長途中のお子さまやマウスピース初心者に向けた導入用モデルです。軽量で装着時の違和感が少ないため、継続的な使用がしやすいのが特徴です。

シートタイプ
シートタイプ
シートタイプ構造
ドシートタイプ構造
  • 🔧 構造:一層構造
  • 📏 厚み:前歯部で約2〜4mm
  • 💥 用途:成長期の子ども、初心者、非接触スポーツ
  • 特徴
    • 定期的な作り替えが前提(約6か月ごと)
    • 軽く、口の小さい方にもフィットしやすい
    • 比較的安価で、導入のハードルが低い

永久歯がまだ生え揃っていないお子さまや、マウスピースの装着に慣れていない方にも、快適な第一歩としておすすめです。

🧾 比較表でまとめ!

タイプ構造厚み(前歯部)対象競技価格帯(目安)特徴
ヘビープロ三層構造約6〜7mm格闘技、ラグビー、アメフト約38,000円〜最強の耐衝撃・プロ仕様
ミディアム二層構造約4〜6mmサッカー、バスケ、柔道約23,000円〜万能型・フィット性と保護性◎
シートタイプ一層構造約2〜4mm子ども、初心者、低衝撃競技約13,000〜15,000円軽量・導入向け・低価格

構造の違いによって「何を守るか」「どこまで求めるか」が明確に変わります。迷ったときは、競技の強度と装着者の年齢・経験値を基準に選ぶと失敗がありません。

オーダーメイドのスポーツマウスピースは、市販品とは異なり、ひとりひとりの口腔内に完全フィットするように専門の工程で作製されます。

歯科医院では、単に歯型を取って終わりではなく、「噛み合わせ」や「衝撃吸収性」まで細かく調整し、競技に最適な仕上がりを目指します。

🧪 歯型取りから完成までのステップ解説

オーダーメイドマウスピースの製作工程は、以下のようなステップで進行します:

  1. カウンセリング
    • 競技種目や使用目的、装着中の要望をヒアリング。
    • 競技によって必要な構造(単層〜三層)を決定。
  2. 歯型取り(印象採得)
    • アルジネートという印象材を使って、上顎(必要に応じて下顎も)の歯型を精密に採取。
    • これにより、個人専用の石膏模型が作成される。
歯型取り(印象採得)
歯型取り(印象採得)
  1. 石膏模型の作製
    • 採得した歯型に石膏を流し込み、マウスピースのベースとなる模型を作成。
    • バリ取りや気泡修正も丁寧に行い、滑らかな表面に整える。
  2. 形成・ラミネート工程へ移行
    • 次工程で詳述。
形成・ラミネート工程
形成・ラミネート工程

このプロセスにより、市販品では実現できない高精度なフィット感が得られるのです。

🎛 咬合器を使った精密な噛み合わせ調整

オーダーメイドマウスピース最大の特長は、**「噛み合わせの調整」**にあります。そのために使用されるのが「咬合器(こうごうき)」という専門機器です。

咬合器を使った精密な噛み合わせ調整
咬合器を使った精密な噛み合わせ調整
  • 上下の石膏模型を咬合器にセットし、実際の顎の動きをシミュレート
  • 下顎の圧痕(噛んだときの跡)を正確に反映させることで、顎関節の負担を軽減
  • 噛み締め時の力の分散がスムーズになり、パフォーマンスの向上や顎関節症の予防にも効果的

この調整を行うことで、マウスピースは**「守る」だけでなく「高める」ツール**として完成します。

🧑‍🔧 加圧形成とラミネート技術の違い

マウスピースの成形には、**「加圧形成」と「ラミネート技術」**という2つの工法が使われます。それぞれに特徴があり、目的や構造によって使い分けられます。

✅ 加圧形成(単層構造などに使用)

  • 真空や圧力を使って、柔らかいシートを歯型に沿って押し当てて成形
  • 比較的短時間で作製可能
  • 主にシートタイプや初心者向けの一層マウスピースに採用される
  • コストが抑えられ、成長期の子どもに最適

✅ ラミネート技術(二層・三層構造に使用)

  • 素材のシートを2~3枚重ねて接着・圧着形成
  • 部位ごとに異なる硬さ・厚みを設計できるため、衝撃吸収性が飛躍的に向上
  • 格闘技やラグビーなどハードコンタクト競技で必須
  • 製作には専門技工所での工程が必要で、価格は高め

この違いを知っておくことで、目的に応じたマウスピース選びが格段にスムーズになります。


歯科医院での製作工程は「オーダーメイド」の名にふさわしく、緻密で専門的な技術が詰め込まれた工程です。競技中の安全性を守るだけでなく、**アスリートの可能性を最大限に引き出すための“秘密兵器”**とも言えるでしょう。

スポーツマウスピースの購入を検討する際、最も気になるのが「いくらかかるのか?」という費用面でしょう。とくにオーダーメイドタイプは、市販品に比べて価格が高めな印象を持たれがちです。

しかしその背景には、専門的な工程・精密な設計・カスタムフィットという価値がしっかり存在します。

💸 オーダーメイドの価格帯(1万〜4万円)

オーダーメイドのスポーツマウスピースは、使用目的や構造によって価格が変動します。以下が一般的な相場です。

タイプ構造価格帯(税抜)特徴
シートタイプ一層構造13,000〜15,000円初心者・子ども向け、軽量で安価
ミディアムタイプ二層構造約23,000円幅広い競技に対応する万能型
ヘビープロタイプ三層構造約38,000円プロ仕様、高強度コンタクト用

⚠️ 製作費用には、歯型取り・咬合調整・技工所での製作料も含まれます。
そのため、市販品より高価ですが、安全性・フィット感・パフォーマンス面では大きな差があります。

🚫 保険適用外の理由とコスト感

スポーツマウスピースは**「予防目的の装置」**に該当するため、健康保険の適用対象外です。医療保険制度では、原則として「治療を目的としない処置」は保険が使えません。

ただし、次のようなケースは保険適用の可能性があります:

  • ✅ 歯ぎしり防止用のマウスピース(ナイトガード)
  • ✅ 顎関節症の治療用スプリント

一方で、スポーツ用マウスピースは**自費診療(自由診療)**扱いとなるため、価格は全額自己負担になります。

💡 ポイント:
「高いから市販品でいいか」と妥協すると、合わないマウスピースで集中力や安全性を損なう可能性があります。身体の一部として使うものだからこそ、投資価値は十分にあります。

🧾 団体・チーム割引の有無もチェック!

実は、部活やクラブチームでまとめて依頼することで、割引が適用される歯科医院も多数あります。

たとえば:

  • 🧑‍🎓 小・中・高校・大学の5名以上の団体申込で割引
  • 🎨 チームカラーでの製作(オーダーカラー)にも対応
  • 📦 同時製作で納期が短縮されることも

⚠️ 割引の有無や内容は医院によって異なるため、事前に問い合わせるのが安心です。


費用は「安全への投資」であり、「競技力向上の鍵」でもあります。
自分のレベルや競技に合わせて、無理のない範囲で最適なタイプを選びましょう。

スポーツマウスピースは、安全性とパフォーマンスを支える重要なアイテムですが、使用目的に合わない使い方や誤った使用法には注意が必要です。間違った使い方は効果を損なうばかりか、歯や顎、健康に悪影響を及ぼすこともあります。

🔄 歯ぎしり・ホワイトニングへの流用は?

✅ 歯ぎしり防止としての代用は“条件付きで可”

柔らかい素材のスポーツマウスピースは、一時的な歯ぎしり防止用としての使用も可能ですが、以下の注意点があります:

  • 💡 歯ぎしり用マウスピースよりも耐久性が低く、摩耗しやすい
  • 💡 医療用ではないため、保険適用にならずコストパフォーマンスが悪い

▶ 歯ぎしり目的であれば、保険が適用される「ナイトガード」を歯科で作る方が安全・経済的です。

✅ ホワイトニング用としての使用も可(自己責任)

マウスピース内にホワイトニングジェルを塗布して、自宅でのホームホワイトニングに利用する例もあります。ただし、

  • ☑️ ジェルはこぼれないように米粒大程度の量で
  • ☑️ 清掃はしっかり行い、劣化・変形に注意
  • 🚨 歯科医の指導なしでの使用は自己責任となります

❌ 顎関節症や矯正用には使用不可

スポーツマウスピースは、顎関節症の治療や歯列矯正のために作られる装置とは全く構造が異なります。

  • ❌ 顎関節症のマウスピース:硬い素材で精密な咬合調整が必要
  • ❌ 矯正用マウスピース(インビザラインなど):歯を動かすための設計が施されている

スポーツマウスピースは噛み合わせを保つ設計ではありますが、歯を動かす力や治療的な作用はありません。誤って使用すると症状を悪化させる可能性があります。

🤢 吐き気や違和感がある場合の対処法

「マウスピースをつけると吐き気がする」「違和感が強くて続けられない」──そんな声も少なくありません。とくに初めて使う方は、嘔吐反射や異物感を覚えることがあります。

📌 原因と対処法:

原因対処法
奥歯の内側が深く覆われている🪚 内側を薄く・短く削ることで嘔吐反射を軽減
厚みが合っていない🔄 噛み合わせの再調整を依頼
発音しづらい・会話が困難📏 軽量タイプや薄型に変更し、様子を見る

🦷 オーダーメイドであれば、違和感の原因を分析して再調整が可能です。無理に使い続けず、歯科医院に相談しましょう。

🚨 その他の注意ポイントまとめ

  • 🔥 熱湯消毒はNG:変形の原因になります
  • 🧼 洗浄は中性洗剤または水のみで:入れ歯洗浄剤は劣化を招く可能性
  • 🌞 直射日光を避けて保管:変形・退色を防止
  • 🔄 変形・破損を感じたらすぐ交換:安全性が大きく低下します

マウスピースは“正しく使ってこそ”最大の効果を発揮します。使用目的を守り、定期的なメンテナンスとチェックを怠らないことが、あなたの歯とパフォーマンスを守る鍵です。

スポーツマウスピースは、正しく使い、丁寧に手入れすることで、その性能と寿命を最大限に引き出すことができます。逆に、間違った洗い方や保管法を続けると、劣化・変形・衛生面でのトラブルにつながることも。

ここでは、毎日のケアから交換時期の見極め方まで、長持ちさせるための実践的ポイントを解説します。

🧽 正しい洗浄と変形を防ぐ保管方法

✅ 洗浄方法(使用後のルーティン)

  1. 使用後はすぐに流水で洗い流す
  2. 柔らかい歯ブラシで表面の汚れを優しく除去
  3. 中性洗剤を使ってもOK(食器用洗剤など)
  4. よくすすいで、水気をしっかり拭き取る

🚫 NG行為に注意!

  • ❌ 熱湯での洗浄 → 材料が変形
  • ❌ 硬いブラシでゴシゴシ → 表面が傷つき劣化
  • ❌ アルカリ性洗浄剤(入れ歯洗浄剤など) → 材質を傷める原因に

✅ 保管方法(清潔&形状キープ)

  • 通気性のある専用ケースに保管
  • 直射日光・高温多湿を避ける(車内や洗面所などはNG)
  • 完全に乾かしてから収納 → カビ・細菌の繁殖を防止

🔁 寿命はどれくらい?交換タイミングの目安

スポーツマウスピースの耐用年数は、使用頻度や衝撃の強さによって大きく異なります。一般的な目安は以下の通りです。

🕒 使用年数の目安

使用状況寿命の目安
ラグビー・格闘技など毎日使用約6ヶ月〜1年
部活や週2〜3回の使用約1〜2年
子ども(成長期)6ヶ月ごとの再製作が推奨

🔍 交換が必要なサイン

  • マウスピースがぐらつく・外れやすい
  • 表面に亀裂や破れ、削れがある
  • フィット感が悪くなった
  • 臭いが取れない、衛生面が気になる

⚠️ 劣化したマウスピースは、かえってケガのリスクを高めることもあるため、定期的な見直しが大切です。

🛍 石膏模型は大切に保管しよう

オーダーメイドでマウスピースを作製した際、歯科医院から**「自分専用の石膏模型」を渡されることがあります。これはマウスピースの修理や再製作に不可欠なデータ**です。

なぜ保管が重要?

  • 🔁 マウスピースが変形しても、模型があれば修復が可能
  • 🆕 同じ型で再製作がスムーズにできる
  • ⏱ 歯列に大きな変化がなければ、時間と費用の節約にも

📦 保管のポイント:

  • 湿気の少ない場所に箱で保管
  • 落下や破損に注意
  • 引っ越しや進学時にも忘れず持参!

スポーツマウスピースは「装着したら終わり」ではなく、適切なケアとメンテナンスで初めて真価を発揮します
大切な歯とパフォーマンスを守るために、毎日の手入れと定期的な見直しを忘れずに行いましょう。

スポーツマウスピースについての不安や疑問に、歯科医師の見地をもとにお答えします。初めての方でも安心して使えるよう、わかりやすく解説します。

🦷 矯正中や乳歯が残っていても作れますか?

はい、矯正中でも乳歯があっても作製可能です

  • 乳歯の場合:生え変わりの時期に合わせて、必要に応じて再製作を行います。安全性の観点から、むしろ着用を推奨されます。
  • ワイヤー矯正中:装置の上からフィットするように設計できます。矯正中は歯茎が傷つきやすいため、保護効果が重要です。

⚠️ 注意:矯正の進行に応じてマウスピースが合わなくなることがあるため、定期的な確認と再作製が必要です。

👄 上下両方にマウスピースは必要?

基本的には上顎用のみで問題ありません。

  • 多くのスポーツでは、上の歯列だけを保護するタイプで十分な効果が得られます。
  • 下顎にも強い衝撃が加わる競技(例:サバイバルゲーム、特殊な格闘技)では、上下両方に対応したタイプを作る場合もあります。

▶ 通常のスポーツであれば、上顎用1つでOKと覚えておきましょう。

💧 水分補給や会話はできますか?

はい、会話も水分補給も基本的には問題なく行えます。

  • オーダーメイドタイプであれば、フィット感が高く、発音や呼吸を妨げにくい設計になっています。
  • 実際に試合中にマウスピースを付けたまま指示を出したり、水を飲んだりする選手も多くいます。

⚠️ 既製品や合わないマウスピースでは、**「しゃべりにくい」「すぐ外れる」**と感じることもあるため、違和感が強い場合は見直しをおすすめします。

🤢 嘔吐反射が出てしまいます。どうすればいい?

嘔吐反射が強い方には、マウスピースの内側や奥歯部分の調整で対応が可能です。

  • 主な原因は、奥歯の内側(特に6番・7番)が深く覆われすぎていることです。
  • 歯科医院では、内側を削って薄く・短く調整することで、反射を軽減できます。

▶ 無理に我慢せず、一度歯科に相談して微調整を受けるのが安心です。調整後は「全く問題なく使えるようになった」というケースも多くあります。

スポーツマウスピースは、単なる“歯の保護具”ではありません。
それは、あなたの命を守る安全装備であり、パフォーマンスを引き出すギアでもあるのです。

🛡 安さだけで選ばないで!

市販のマウスピースは手軽で安価ですが、以下のようなリスクがあります:

  • 😬 フィット感が悪く、外れやすい
  • ⚠️ 衝撃がうまく吸収されず、ケガに直結
  • 💨 呼吸・発声・集中力を妨げる可能性あり

大切なのは、「あなたに合ったもの」を選ぶこと。
価格だけで選ぶのではなく、目的・競技特性・成長段階に合った最適な選択を心がけましょう。

🏅 一流アスリートも「パフォーマンスのために」使っている

多くのトップアスリートが、マウスピースの装着によって:

  • 💪 筋力アップ・バランス向上
  • 🧠 集中力・反応力の最大化
  • 🛑 ケガの予防・精神的安心感

といったメリットを実感しています。

特に格闘技・ラグビー・野球・スキー・弓道など、ジャンルを問わず**「結果にこだわる選手たち」が選んでいます。**

🦷 歯科医院での製作こそ、最高の安全と効果を実現!

オーダーメイドで作るマウスピースは:

  • あなたの歯型・噛み合わせにピッタリフィット
  • 競技に合わせた構造・厚み・素材を選べる
  • 長時間使っても快適・しゃべれる・呼吸しやすい

そしてなにより、「命を守る装備」としての信頼性が段違いです。

✅ 最後にひとこと

スポーツマウスピースは、
🎯 あなたの 歯を守り
🏆 あなたの パフォーマンスを引き出し
🛡 あなたの 未来を守る投資 です。

迷ったらまずは、信頼できる歯科医院に相談してみましょう。
あなたのスポーツライフに、安全と進化を。

江戸川区篠崎でスポーツマウスピースで安全とパフォーマンスをサポート

スポーツマウスピースは、競技中に歯や顎を守るだけでなく、噛み合わせを安定させることでパフォーマンス向上にも貢献する、アスリートにとって欠かせないアイテムです。

当院では、患者様の競技特性やお悩みに合わせた最適なマウスピースを提供しています。オーダーメイドで作製するマウスピースは、耐久性が高く、安全性に優れています。特に激しいスポーツをされる方には最適な選択です。

競技中の安全性を高め、より高いパフォーマンスを目指したい方は、ぜひ当院でスポーツマウスピースをお試しください!お気軽にご相談をお待ちしております。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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