フィステルとは

  • フィステルが出来る原因は、歯根嚢胞内で作られた膿を排出するためで、歯茎表面に作られます。
  • 見た目は歯茎に白いぶよぶよした半球状のニキビの様な腫れです。
  • フィステルは出来たり消えたりを繰り返します。
  • 口腔癌の色は「赤」「白」「赤と白の混在」などがあり、形態は潰瘍型、白板型、肉芽型、びらん型など様々で、フィステルとはかなり異なります。

 フィステルと口内炎との違いが判らない

フィステルは歯茎に出来るニキビの様なできものと聞きましたが、口の中に出来る小さい水泡(口内炎)との違いが分りません。

 フィステルは神経を取らなくても出来る?

子供の奥歯に虫歯があり少し削り詰めました。1ヶ月後、乳歯の歯茎に丸いできものが出来ました。多分フィステルだと思います。神経を取ってないのに出来るものでしょうか?

フィステルの原因

江戸川区篠崎駅前の歯医者・ふかさわ歯科クリニック篠崎では、虫歯に対して可能な限り削らない・極力痛くない無痛治療にこだわっています。歯茎に小さなプチっとした腫れが出来てお悩みの方はぜひ、当院に遠慮なくご相談ください。

フィステルが出来る過程


フィステル

STEP

歯根嚢胞

虫歯が進行し、虫歯菌が歯の神経まで入り、さらに根の先端を超えて骨まで感染が波及すると歯根先端部分の骨に膿の袋を作ります。これを歯根嚢胞と言います。


STEP

歯根嚢胞の内圧が高くなり激痛

疲れやストレスなどが引き金となり炎症が急激に進むと歯根嚢胞内で膿が沢山作られます。膿を溜める袋は手狭になり、内圧が高まります。この状態になると激痛が続きます。


STEP

膿の排出管形成

激痛が1週間ほど続いた後、内圧を下げる為に骨の柔い所を選んで歯茎の表面まで膿を排出するための管が作られます。


STEP

フィステル

歯茎に出来たぷくっとした”白っぽいできもの”は、フィステルと呼ばれる膿が出る場所です。フィステルが形成されると同時に、それまで激痛であったものが嘘の様に痛みが消えていきます。


フィステルは神経を抜いても出来ます

根管治療後の歯根嚢胞

根管治療後の歯根嚢胞

根管治療後のフィステル

虫歯が神経まで達すると神経を取る治療(抜髄)を行います。抜髄後は根管内をガッタパーチャーで満たします。この一連の治療が根管治療です。

根管治療が上手くいかないと歯根嚢胞を作りフィステルが出来ます。根管治療が上手く出来ない大臼歯に多く発生します。

フィステルは出来たり消えたりを繰り返す

フィステル

疲れやストレスで歯根嚢胞が急性化

歯根嚢胞は慢性疾患のため何年もの間、自覚症状なく経過します。その間、フィステルは自然消滅したり、再び出来たりを繰り返します。

しかし、フィステルが消えても歯根嚢胞自体が治ったわけではありません。疲れなど体調の変化で免疫力が下がり急激に歯根嚢胞が大きくなると歯茎が広範囲に腫れ激痛が起こることがあります。

根尖性歯周組織炎が急性化するとズキズキとする自発痛ばかりではなく、上下の歯が触れただけでも痛みを感じるようになります。これは歯根膜に炎症が及んだことが理由です。

フィステルは主に差し歯の根元の歯茎に直径1~3mm程度の半球状のぶよぶよとした腫れとして現れます。全体的に赤っぽく一番高い部分は白っぽく見えます。

触れた程度では痛みが起こりませんが、強く押すとやや痛みが起こります。大きくなったり、消えて無くなったりしますが自然治癒はしません。

フィステルから出る膿の量は極めて少量とは言え、徐々に出続けるため口臭の原因ともなります。

フィステルの画像一覧

上顎4番が原因のフィステル

上顎4番が原因のフィステル


上顎4番の歯根先端相当部にできた歯茎の腫れ。上顎4番は根管治療がなされ金属冠(保険適用の歯)が装着されています。

この写真では、小さな白いできもの様に見えます。

ポッツとした小さな腫れのテッペンには、穴が開いていて膿が出てきます。

上顎5番が原因のフィステル

顎5番が原因のフィステル


写真は、上顎5番の歯根上部に出来た歯茎の腫れ、フィステルです。上顎5番は根管治療後にメタルボンド(自費の歯)が装着されています。

歯茎の赤いぶよぶよは大豆大に大きくなっています。

下顎6番が原因のフィステル

下顎6番が原因のフィステル


写真は、下顎6番の歯頚部近くに出来た歯茎の腫れ(フィステル)です。

フィステルは発赤し、中はかなり膿や血が溜まっているように見えます。

下顎6番は歯根が四本あり湾曲しているため、根管治療が困難で歯根嚢胞が出来やすい歯です。

下顎6番が原因のフィステル

下顎6番が原因のフィステル


写真は、下顎6番の歯茎に水ぶくれの様な白いできものが出来ています。これは歯根嚢胞からの膿の出口であるフィステルです。

唇の内側近くにあるため、粘液嚢胞の様にも見えます。

フィステルと口腔癌の見た目の違い

歯茎の歯肉癌

歯茎に出来た肉芽型の歯肉癌

歯茎の歯肉癌

写真は歯茎に出来た肉芽型の歯肉癌です。赤と白の混在が見られ肉塊を形成しています。口腔癌では舌癌が最も多く、表面の色は、”赤””白””赤と白の混在”などがあり、形態は潰瘍型、白板型、肉芽型、びらん型などに分類されます。

フィステルと口内炎の見た目の違い

舌の側面に出来た口内炎

舌の側面に出来た口内炎

舌の側面に出来た口内炎

舌に出来た口内炎の写真です。中心部は、白っぽく周りはやや赤くなっています。

一般的に口内炎と呼ばれるアフター性口内炎の見た目は、直径2~3mm 程度の白っぽい潰瘍を作り周囲が赤くなるのが特徴です。

好発部位は唇、頬の粘膜、舌などで、触るとピリピリした痛みを感じます。

長くても2週間ほどで自然治癒するのが普通です。

ふかさわ歯科クリニック篠崎では、天然歯の保存にこだわります。まずは初期虫歯は自然治癒させることを目標とし、極力抜かない・削らない・痛みの少ない低侵襲な虫歯治療が基本です。

患者様一人ひとりの虫歯の進行程度をしっかり診査・診断し、症状にあった適切な治療法をご提案いたします。江戸川区篠崎でフィステルの治療をご希望の方はぜひ、お気軽に当院までご相談下さい。

【動画】歯茎の出来物、フィステル、口内炎、口腔癌の見分け方

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

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メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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