目次

その症状は虫歯ではない可能性があります。

楔状欠損は、歯と歯ぐきの境目がくさび状に削れてしまう病気です。初期にはほとんど症状がありませんが、進行すると知覚過敏や歯の破折につながることがあります。

□ 歯の根元がへこんでいる

□ 冷たい水がしみる

□ 歯ブラシが当たると痛い

□ 歯ぐきが下がった気がする

□ 「強く磨きすぎ」と言われたことがある

□ 歯ぎしり・食いしばりがある

□ 歯ブラシがすぐ開いてしまう

1つでも当てはまる方は楔状欠損の可能性があります

特に「知覚過敏だと思っていたら楔状欠損だった」というケースは少なくありません。


楔状欠損とは、歯の根元(歯頚部)がくさび状に削れてしまう状態です。

虫歯のように細菌が原因ではなく、歯磨きの力・歯ぎしり・食いしばり・酸性飲食物などによって徐々に歯質が失われます。

添付写真の赤矢印部分は楔状欠損を示しています。

緑矢印部分はコンポジットレジン(CR)によって修復された部位です。

虫歯との違い

項目楔状欠損虫歯
原因咬合力・歯磨き・酸蝕細菌感染
発生部位歯の根元咬合面・歯間部
色調白色〜黄色黒色〜褐色
治療原因除去+修復虫歯除去+修復

楔状欠損は自然に治ることはありません。

放置すると徐々に進行し、歯の寿命を縮める原因になります。

STEP1 知覚過敏

冷たいものや歯ブラシの刺激でしみるようになります。

STEP2 欠損拡大

歯の根元がさらに削れていきます。

STEP3 レジン充填が必要

見た目や症状の改善のために修復が必要になります。

STEP4 歯が割れる

歯の強度が低下し、破折のリスクが高まります。

STEP5 神経の治療・抜歯

重症化すると根管治療や抜歯が必要になる場合があります。

楔状欠損はひとつの原因だけで起こることは少なく、複数の要因が重なって発症します。

原因① 強すぎる歯磨き

硬い歯ブラシで強く横磨きを続けると、歯の根元に摩耗が生じます。

特に歯ブラシの毛先が1か月以内に開いてしまう方は注意が必要です。

原因② 歯ぎしり・食いしばり

現在では楔状欠損の大きな原因の一つと考えられています。

歯に強い力が加わると歯がわずかにたわみ、歯の根元に応力が集中します。

この現象を

アブフラクション(Abfraction)

と呼びます。

歯ぎしりや食いしばりが強い方では、レジン修復を繰り返しても再発することがあります。

原因③ 酸蝕症

酸性飲食物を頻繁に摂取すると歯の表面が軟化し、削れやすくなります。

代表例

  • 炭酸飲料
  • スポーツドリンク
  • レモン
  • 柑橘類
  • ワイン
  • 酢を多く使った食品

原因④ TCH(歯列接触癖)

上下の歯は本来接触していません。

しかし無意識に歯を接触させ続ける癖(TCH)があると、歯に持続的な負担が加わります。

特に

  • パソコン作業中
  • スマートフォン操作中
  • 運転中
  • 集中作業中

に起こりやすいことが知られています。

歯ブラシがすぐ開く


ブラッシング圧が強い可能性

朝起きると顎が疲れている


歯ぎしり・食いしばりの可能性

炭酸飲料を毎日飲む


酸蝕症の可能性

日中気付くと歯が接触している


TCHの可能性

複数当てはまる場合は、原因が重なっていることも珍しくありません。

楔状欠損は犬歯や小臼歯に多く見られます。

左右に多数の楔状欠損が認められる症例

複数歯に同時に発症し、一部はレジン修復が行われています。

側の楔状欠損

上顎右側3番から6番までと下顎4番と5番に楔状欠損が出来ています。緑色矢印の歯にはコンポジットレジンが充填されています。上顎5番はコンポジットレジンが取れかかっています。

左側の楔状欠損
側の楔状欠損

上顎左側の2番から5番と下顎3番、4番に楔状欠損が出来ています。

レジン脱離症例

過度な咬合力によってレジンが脱離しています。

コンポジットレジンの脱離症例
コンポジットレジンの脱離症例
レジンが脱離した楔状欠損(写真の赤矢印)。写真の緑矢印は楔状欠損がコンポジットレジン充填されています。
レジンが脱離した楔状欠損(写真の赤矢印)。写真の緑矢印は楔状欠損がコンポジットレジン充填されています。

進行症例

象牙質が大きく露出し、知覚過敏を伴っています。

進行した楔状欠損
進行した楔状欠損

進行度によって治療方法が異なります。

軽度

フッ素塗布

歯質を強化し、知覚過敏を抑制します。

経過観察

原因の除去と定期的なチェックを行います。

中等度

知覚過敏処置

知覚過敏抑制剤を使用します。

コンポジットレジン充填

削れた部分を修復します。

保険診療で対応可能です。

重度

再充填

脱離したレジンの再修復を行います。

補綴治療

欠損が大きい場合は被せ物による治療を検討します。

クラウン治療

歯全体を保護し、破折リスクを軽減します。

楔状欠損によって削れた歯の根元は、コンポジットレジン(CR)で修復できます。歯の色に近く目立ちにくいため、多くの症例で行われる治療法です。

コンポジットレジン充填
コンポジットレジン充填

メリット

  • 見た目が自然
  • 1回の治療で完了することが多い
  • 保険適用で治療可能

注意点

  • 経年的に変色することがある
  • 充填部の周囲に着色が生じることがある
  • 歯ぎしりや食いしばりがあると脱離しやすい

大切なポイント

楔状欠損はレジンを詰めるだけでは再発を防げません。歯ぎしり対策や正しい歯磨き、定期的なメンテナンスを併せて行うことが重要です。

患者さまから最も多くいただく質問の一つです。

主な原因

歯ぎしり

睡眠中に強い力が繰り返し加わる

食いしばり

日中の無意識な咬みしめ

強い咬合力

特定の歯への負担集中

歯のたわみ(アブフラクション)

歯そのものがわずかに変形する

これらの力が繰り返されることで、

  • レジンと歯の境目が弱くなる
  • 接着力が低下する
  • レジンが欠ける
  • レジンが脱離する

という流れが起こります。

つまり

「埋めるだけでは再発する」

可能性があります。

原因そのものへの対策が重要です。

正しい歯磨き

やさしい力で磨く

硬い歯ブラシを避ける

ペングリップで持つ

ナイトガード

歯ぎしりや食いしばりによる負担を軽減します。

保険診療で作製可能です。

TCH改善

上下の歯を離す意識を持つことが重要です。

定期メンテナンス

レジンの劣化や脱離を早期に発見できます。

3〜6か月ごとの定期検診をおすすめしています。

Q. 楔状欠損は自然に治りますか?

自然に治ることはありません。

進行を止めるためには原因への対策が必要です。

Q. 保険で治療できますか?

コンポジットレジン充填やナイトガードは保険適用で対応可能です。

Q. レジンは何年持ちますか?

咬合状態によって異なりますが、歯ぎしりや食いしばりが強い場合は脱離することがあります。

Q. 虫歯との違いは?

虫歯は細菌感染、楔状欠損は物理的・化学的要因による歯質の欠損です。

江戸川区篠崎で歯の根元の削れが気になる方へ

歯の根元の削れは、早期発見・早期治療が大切です

「しみるだけだから大丈夫」と放置すると、知覚過敏や歯の破折につながることがあります。

まずは原因を正しく診断し、あなたに合った予防・治療方法をご提案します。

当院で対応している内容

✓ 楔状欠損の原因診断

✓ 知覚過敏治療

✓ 保険適用のレジン修復

✓ 歯ぎしり・食いしばり対策

✓ ナイトガード作製

✓ ブラッシング指導

✓ 定期メンテナンス

歯の根元の削れや知覚過敏が気になる方は、早めの受診をおすすめします。

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筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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