- 1. 【🎞️44秒】「なんとなく不調」の正体はTCHかも?顎や首の不快感と歯の関係
- 2. TCH(歯牙接触癖)とは
- 2.1. TCHと食いしばりの違い
- 2.2. TCHと顎関節症の関係
- 3. TCHがある方にみられることがある症状
- 3.1. 顎の痛み・疲労感
- 3.2. 頭痛や首・肩周囲の不快感
- 3.3. 歯や詰め物・被せ物への負担
- 4. TCHが起こりやすい場面
- 5. 自分でできるTCHのセルフチェック
- 5.1. STEP1 力を抜く
- 5.2. STEP2 上下の歯を確認する
- 5.3. STEP3 日常生活でも確認する
- 6. TCHを改善する方法
- 6.1. 歯の接触に気づくきっかけをつくる
- 6.2. 顎や肩の力を抜く
- 6.3. 作業環境を見直す
- 7. 歯科医院で行うTCHへの対応
- 7.1. マウスピースが必要になることもある
- 8. まとめ
- 8.1. 関連記事
- 9. 無意識に歯を接触させていませんか?
- 10. 【動画】差し歯やブリッジが取れた時の応急処置
- 11. 筆者・院長
- 11.1. 深沢 一
- 11.1.1. メッセージ

「特に噛んでいるつもりはないのに、気づくと上下の歯が触れている」
このような状態が続いている場合、TCH(Tooth Contacting Habit:歯牙接触癖)がみられる可能性があります。
TCHとは、食事や会話など必要な場面以外でも、上下の歯を無意識に接触させる習慣のことです。強く噛みしめていなくても、歯の接触が長時間続くことで、顎の筋肉や顎関節への負担につながる場合があります。
この記事では、TCHとはどのような状態なのか、食いしばりとの違いや関連する症状、セルフチェック、改善方法について解説します。
【🎞️44秒】「なんとなく不調」の正体はTCHかも?顎や首の不快感と歯の関係
TCH(歯牙接触癖)とは
TCH(Tooth Contacting Habit:歯牙接触癖)とは、食事や会話などの必要な場面以外でも、上下の歯を無意識に接触させる習慣を指します。
通常、リラックスしているときは上下の歯は接触しておらず、わずかな隙間があります。この隙間は「安静空隙」と呼ばれます。
TCHがあると、強く噛みしめていなくても歯の接触時間が長くなり、咀嚼筋や顎関節に負担がかかる可能性があります。

TCHと食いしばりの違い
TCHと食いしばりは似ていますが、一般的には次のような違いがあります。
| TCH | 食いしばり |
|---|---|
| 軽い力で上下の歯が接触する状態が続く | 上下の歯を比較的強い力で噛みしめる |
| 日中の作業中などにみられることがある | 日中だけでなく睡眠中にもみられる |
| 接触時間が長くなりやすい | 強い力が加わる場合がある |
ただし、両者を明確に分けられない場合もあり、TCHと食いしばりが併存していることもあります。
TCHと顎関節症の関係
TCHは、顎関節症との関連が研究されている習癖の一つです。
顎関節症は、顎関節や咀嚼筋などに痛みや機能障害が生じる病態の総称で、その発症には複数の要因が関係すると考えられています。
そのため、「TCHがあれば必ず顎関節症になる」「顎関節症の原因はTCHである」とは限りません。
一方で、上下の歯を長時間接触させる習慣があると、咀嚼筋などへの負担が増え、顎関節症の症状の発症や持続に関与する可能性があります。
TCHがある方にみられることがある症状
TCHそのものに特有の症状があるわけではありません。
しかし、歯の接触が長時間続いて咀嚼筋や顎関節などへの負担が増えることで、さまざまな症状に関係する場合があります。
顎の痛み・疲労感
TCHによって上下の歯の接触時間が長くなると、咬筋や側頭筋などの咀嚼筋が活動する時間も増える可能性があります。
その結果、
- 顎が疲れる
- 顎の周囲がだるい
- 口を開けたときに痛む
- 食事中に顎が疲れる
- 口を開けにくく感じる
などの症状がみられる場合があります。
なお、顎を動かしたときの音は症状の一つとしてみられることがありますが、音だけで治療が必要とは限りません。
頭痛や首・肩周囲の不快感
顎関節症や咀嚼筋の緊張がある方では、頭痛や首・肩周囲の不快感を伴うことがあります。
ただし、肩こりや首の痛み、頭痛にはさまざまな原因があります。
そのため、これらの症状をTCHだけが原因と考えるのは適切ではありません。
症状が強い場合や長期間続く場合には、必要に応じて医科での診察も検討しましょう。
歯や詰め物・被せ物への負担
上下の歯が接触する時間が長くなることで、歯や歯周組織、詰め物・被せ物などに負担が加わる可能性があります。
ただし、
- 歯の摩耗
- 歯の亀裂
- 詰め物や被せ物の破損・脱離
- 歯の破折
などは、TCHだけでなく、歯ぎしりや強い食いしばり、噛み合わせ、歯の状態、修復物の状態など複数の要因が関係します。
「TCHがあると歯が割れる」と単純に考えるのではなく、口腔内全体を確認して判断することが大切です。
TCHが起こりやすい場面
TCHは、仕事や作業などに集中しているときにみられることがあります。

例えば、
- デスクワーク
- パソコン作業
- スマートフォン操作
- 読書
- 車の運転
- 細かい作業
などをしているときです。
本人が歯を接触させていることに気づいていないケースもあります。
特定の性格の人が必ずTCHになりやすいとはいえないため、「真面目な人ほどなりやすい」などと決めつけず、どのような場面で歯が接触しているかを確認することが重要です。
自分でできるTCHのセルフチェック
TCHは、日常生活の中で上下の歯がどのような状態になっているかを確認することで気づける場合があります。

STEP1 力を抜く
楽な姿勢をとり、肩や顎の力を抜きます。
STEP2 上下の歯を確認する
口元を自然な状態にして、上下の歯が接触しているか確認します。
安静時には、一般的に上下の歯は接触していません。
STEP3 日常生活でも確認する
パソコンやスマートフォンを使っているとき、仕事に集中しているときなどに、上下の歯が接触していないか確認してみましょう。
次のような状態が頻繁にみられる場合には、TCHが習慣化している可能性があります。
- 気づくと上下の歯が触れている
- 作業中に歯を接触させていることが多い
- 歯を離すと違和感がある
- 顎に力が入っていることが多い
セルフチェックだけで診断することはできません。顎の痛みや歯の違和感などがある場合は、歯科医院で相談しましょう。
TCHを改善する方法
TCHへの対応では、まず「歯を接触させていることに気づく」ことが重要です。
歯の接触に気づくきっかけをつくる
パソコンやスマートフォンなど、日常的に目にする場所をきっかけとして、自分の上下の歯が接触していないか確認します。

例えば、
「歯を離す」
などのメモを目につく場所に貼っておき、それを見たときに口や顎の力を抜く方法があります。
重要なのは、常に歯を離そうと力を入れることではありません。
メモなどをきっかけに歯の接触へ気づき、肩や顎の力を抜いて自然な状態に戻すことを繰り返します。
顎や肩の力を抜く
TCHに気づいたときには、顎だけでなく肩や首などに余計な力が入っていないか確認しましょう。
ゆっくり呼吸しながら肩や顎の力を抜くなど、リラックスする習慣を取り入れるのも一つの方法です。
無理に顎を動かしたり、強くマッサージしたりする必要はありません。

作業環境を見直す
パソコンやスマートフォンを長時間使用している場合には、作業環境を見直すことも大切です。
- 同じ姿勢を長時間続けない
- 定期的に休憩する
- 肩や首に過度な力が入っていないか確認する
- パソコンのモニターや椅子の高さを調整する
などを意識しましょう。
姿勢そのものがTCHの直接的な原因とは限りませんが、作業中の緊張や歯の接触に気づくきっかけになります。
歯科医院で行うTCHへの対応
TCHは、レントゲン検査だけで判断できるものではありません。
歯科医院では、
- 日中に歯を接触させる習慣があるか
- 顎の痛みや疲労感があるか
- 口を開けにくくないか
- 歯ぎしりや食いしばりがないか
- 歯や詰め物・被せ物に問題がないか
などを確認し、必要に応じて顎関節や咀嚼筋、噛み合わせなどを診査します。
TCHへの対応では、歯の接触に気づき、接触する時間を減らしていくための行動変容が中心となります。
症状や状態に応じて、
- TCHへの気づきを促す
- 歯を接触させない習慣づけ
- 顎や咀嚼筋への負担を減らす生活指導
- 必要に応じた運動療法
などを行う場合があります。
マウスピースが必要になることもある
睡眠中の歯ぎしりなどを伴い、歯や顎への負担を軽減する必要がある場合には、マウスピース(スプリント)を使用することがあります。
ただし、マウスピースはTCHそのものを治すために必ず必要な治療ではありません。
症状や口腔内の状態を確認したうえで、必要性を判断します。
まとめ
TCH(歯牙接触癖)とは、食事や会話などの必要な場面以外でも、無意識に上下の歯を接触させる習慣のことです。
通常、リラックスしているときには上下の歯は接触していません。
TCHによって歯の接触時間が長くなると、咀嚼筋や顎関節への負担が増え、顎の痛みや疲労感などに関係する可能性があります。
ただし、顎関節症や頭痛、肩こり、歯のトラブルにはさまざまな要因が関係しており、TCHだけが原因とは限りません。
TCHへの対応では、まず日常生活の中で歯が接触していることに気づき、顎や肩の力を抜いて自然な状態に戻す習慣をつけることが大切です。
顎の痛みや口の開けにくさ、噛んだときの痛み、歯の違和感などが続く場合には、自己判断でTCHと決めつけず、歯科医院で原因を確認してもらいましょう。
関連記事
無意識に歯を接触させていませんか?

気づくと上下の歯が触れている、顎が疲れる、噛むと歯に違和感がある――そのような症状には、TCH(歯牙接触癖)や食いしばりなどが関係している場合があります。症状が続くときは、自己判断せず歯科医院でお口や顎の状態を確認しましょう。
あごの違和感や慢性的な肩こり、歯の負担が気になる方は、お気軽にご相談ください。
【動画】差し歯やブリッジが取れた時の応急処置
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。





