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「入れ歯を入れると歯ぐきが痛い」「噛むたびに違和感がある」「調整してもすぐ痛くなる」――このようなお悩みを抱えている方は少なくありません。

入れ歯の痛みは、単なる慣れの問題ではなく、入れ歯の不適合や噛み合わせの異常、顎の骨や歯ぐきの変化などが原因となっていることがあります。痛みを我慢したまま使用を続けると、口内炎や顎の骨の吸収、食事や会話への支障につながることもあります。

この記事では、入れ歯が痛くなる主な原因、放置するリスク、自宅でできる対処法、歯科医院で行う治療について歯科医の視点から詳しく解説します。快適に噛める入れ歯を長く使うためのポイントをぜひ参考にしてください。

入れ歯を使っていると、「噛むと痛い」「歯ぐきが擦れる」「外すときに痛む」といったトラブルが起こることがあります。入れ歯の痛みは単なる慣れの問題ではなく、不適合や噛み合わせの異常、口腔内の変化などが原因となっているケースも少なくありません。

痛みを我慢して使い続けると、口内炎や潰瘍、顎の骨の吸収などを招き、さらに入れ歯が合わなくなる悪循環に陥ることがあります。ここでは、入れ歯が痛くなる原因と対処法について詳しく解説します。

入れ歯の接触でできる“白い潰瘍”―義歯性口内炎の典型例

入れ歯の縁や不適合による圧迫・すれが原因で、粘膜に白っぽい潰瘍(びらん)が生じた状態。赤い炎症と、その中心に白い膜様部分が見えるのが特徴です。食事時に鋭い痛みが出やすく、義歯の調整や粘膜保護が必要となる所見です。

白くただれた粘膜が入れ歯の接触によって炎症を起こし、食事時に痛みが出ている状態です。
白くただれた粘膜が入れ歯の接触によって炎症を起こし、食事時に痛みが出ている状態です。

入れ歯の痛みにはさまざまな種類がある

入れ歯による痛みは、症状の現れ方によって原因を推測できます。

持続的にズキズキ痛む

入れ歯が歯ぐきや粘膜を過度に圧迫し、炎症を起こしている可能性があります。粘膜が赤く腫れていることも少なくありません。

チクチク・ピリピリと痛む

部分入れ歯のバネ(クラスプ)が歯ぐきに当たっていたり、入れ歯の縁が鋭くなっていたりすると起こります。

噛んだときだけ痛む

噛み合わせの不均衡により、一部の歯ぐきや骨に咬合力が集中している状態です。放置すると骨の吸収や入れ歯の不安定化につながることがあります。

入れ歯が痛くなる主な原因

入れ歯が痛くなる主な原因
入れ歯が痛くなる主な原因

1. 初めての入れ歯で粘膜が慣れていない

装着直後は異物感や軽い痛みが出ることがあります。多くは数日から2週間程度で改善しますが、強い痛みが続く場合は調整が必要です。

2. 噛み合わせが合っていない

上下の入れ歯の接触バランスが悪いと、一部の粘膜に強い力が集中し、痛みや炎症を引き起こします。

3. クラスプ(バネ)の圧迫

部分入れ歯では、クラスプが歯や歯ぐきに食い込むことで痛みが生じることがあります。

4. 入れ歯の変形や劣化

長期間使用した入れ歯は摩耗や変形が起こり、以前は問題なかった部分が痛みの原因になることがあります。

5. 義歯性口内炎

入れ歯の清掃不足により細菌やカンジダ菌が増殖すると、歯ぐきや粘膜に炎症が起こり、痛みやヒリヒリ感が生じます。

6. 顎の骨や歯ぐきの変化

加齢や長期間の使用によって顎の骨が痩せると、入れ歯との適合性が低下し、痛みが発生しやすくなります。

7. 支台歯の虫歯や歯周病

部分入れ歯を支える歯に問題があると、入れ歯装着時に痛みを感じることがあります。

8. 素材に対するアレルギー

まれに金属やレジンに対するアレルギー反応が原因となることがあります。

9. 歯ぎしり・食いしばり

強い咬合力によって入れ歯や粘膜に過剰な負担がかかり、痛みを生じることがあります。

10. 既存の被せ物やブリッジとの干渉

過去の補綴物が入れ歯と干渉し、不適合を引き起こしている場合もあります。

痛みを放置すると起こるリスク

義歯性口内炎や潰瘍

慢性的な刺激によって歯ぐきがただれ、入れ歯を装着できなくなることがあります。

咀嚼能力の低下

痛みのために食事を避けるようになると、栄養不足やフレイル、誤嚥性肺炎のリスクが高まります。

顎の骨の吸収

合わない入れ歯による過度な圧迫は、顎の骨をさらに痩せさせ、入れ歯の不適合を悪化させます。

入れ歯が痛いときの対処法

入れ歯が痛いときの対処法
入れ歯が痛いときの対処法

歯科医院で調整を受ける

最も重要なのは、痛みの原因を正確に診断し、適切な調整を行うことです。

歯科医院では、

  • 痛みの部位の特定
  • 入れ歯内面の調整
  • 噛み合わせの修正
  • 粘膜の炎症の治療

などを行います。

入れ歯安定剤は応急処置として使用

安定剤やクッション材は一時的な症状緩和には有効ですが、長期間の使用はおすすめできません。原因の発見や適切な治療を遅らせる可能性があります。

毎日の清掃を徹底する

  • 毎食後に洗浄する
  • 専用ブラシを使用する
  • 就寝前は洗浄剤で除菌する
  • 就寝時は原則として外して粘膜を休ませる

といった習慣が大切です。

何度調整しても痛い場合の選択肢

何度調整しても痛い場合の選択肢
何度調整しても痛い場合の選択肢

新しい入れ歯への作り替え

長期間使用した入れ歯や適合が著しく悪い入れ歯は、作り直しが必要になることがあります。

ノンクラスプデンチャー

部分入れ歯で「バネ(クラスプ)が痛い・目立つ」と悩む方には、ノンクラスプデンチャースマイルデンチャー)という選択肢もあります。

金属バネを使用しないため、見た目が自然で歯や歯ぐきへの負担を軽減できます。

下顎4・5・6・7番部をカバーするスマイルデンチャー。金属バネを使わず、違和感を抑えながら奥歯の噛む力を補います。
下顎4・5・6・7番部をカバーするスマイルデンチャー。金属バネを使わず、違和感を抑えながら奥歯の噛む力を補います。

インプラントオーバーデンチャー

数本のインプラントで入れ歯を固定する方法です。

  • ズレにくい
  • よく噛める
  • 痛みが出にくい
  • 取り外して清掃できる

といったメリットがあります。

インプラントという選択肢

「そもそも入れ歯が合わない、もうガタガタするのはイヤ…」という方には、インプラントという選択肢もあります。

上顎4・5・6番部インプラント手術中の所見(4番埋入済み/5・6番埋入準備)
上顎4・5・6番部インプラント手術中の所見(4番埋入済み/5・6番埋入準備)
上顎4・5・6番部へのインプラント埋入完了(5・6番部は太径インプラント)
上顎4・5・6番部へのインプラント埋入完了(5・6番部は太径インプラント)

上顎4・5・6番相当部の複数歯欠損に対して行ったインプラント治療の術中経過を示す写真です。
1枚目では、4番部にインプラントをすでに埋入し、5・6番部については埋入に向けた骨形成(ドリリング)を完了した段階を示しています。
2枚目では、4・5・6番すべての部位にインプラント埋入が完了しており、特に咬合力の負担が大きい5・6番部には太径インプラントを選択しています。
骨量や咬合力を考慮し、部位ごとにインプラント径を使い分けることで、初期固定の確保と長期的な安定性を重視した治療計画に基づく症例です。

入れ歯の痛みは、「慣れれば治る」と我慢するものではありません。痛みの原因は、入れ歯の不適合、噛み合わせの異常、顎の骨の変化、支台歯のトラブルなど多岐にわたります。

特に、痛みを放置すると口内炎や骨吸収、咀嚼機能の低下につながるため、早めの受診が重要です。適切な調整や作り替えを行うことで、快適に噛める入れ歯へ改善できる可能性があります。入れ歯に痛みや違和感を感じたら、まずは歯科医院で相談しましょう。

江戸川区篠崎で入れ歯の痛み・ズレ・噛みにくさにお悩みの方へ

「入れ歯が痛くて食事が楽しめない」「入れ歯が外れそうで会話が不安」「硬いものが噛めない」――そんなお悩みはありませんか。

入れ歯の痛みやズレは、単なる慣れの問題ではなく、入れ歯の不適合や噛み合わせの変化、顎の骨の吸収などが原因となっていることがあります。我慢して使い続けると、口内炎や顎の骨の痩せ、さらに噛みにくくなる悪循環を招くことも少なくありません。

江戸川区篠崎の当歯科クリニックでは、入れ歯の調整はもちろん、ノンクラスプデンチャーや金属床義歯、インプラントオーバーデンチャーなど、患者様のお口の状態やご希望に合わせた治療をご提案しています。

「痛くない入れ歯にしたい」「もっとしっかり噛みたい」という方は、お気軽にご相談ください。快適な食事と笑顔を取り戻すお手伝いをいたします。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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