- 1. 【動画 27秒】保険適用で経済的!コンポジットレジン治療
- 2. コンポジットレジンとは?
- 2.1. 光を当てて固める仕組み
- 2.2. コンポジットレジンはこんな方に適しています
- 3. コンポジットレジンで治療できる主な症例
- 3.1. 小さな虫歯
- 3.2. 前歯の虫歯
- 3.3. 欠けた歯の修復
- 3.4. 奥歯の小さな虫歯
- 3.5. 歯と歯の間の虫歯
- 3.6. 前歯のすき間や形の修正
- 4. コンポジットレジンの治療例
- 4.1. 複数の前歯をコンポジットレジンで修復した症例
- 4.2. 前歯の隣接面にできた虫歯を修復した症例
- 4.2.1.1. 上顎1番にC2の虫歯
- 4.2.1.2. コンポジットレジンで修復
- 5. コンポジットレジンのメリット
- 5.1. 保険診療でも白い詰め物にできる
- 5.2. 歯を削る量を抑えやすい
- 5.3. 多くの場合は1回で治療できる
- 5.4. 自然な色に仕上げやすい
- 5.5. 金属を使用しない
- 5.6. 部分的な修理ができる場合がある
- 6. コンポジットレジンのデメリット・注意点
- 6.1. 経年変化によって着色することがある
- 6.2. セラミックより摩耗しやすい
- 6.3. 強い力で欠けたり割れたりすることがある
- 6.4. 再虫歯が起こることがある
- 6.5. 広い虫歯には適さない場合がある
- 6.6. 仕上がりが治療環境や技術に影響される
- 7. 奥歯のコンポジットレジンはすり減りやすい?
- 7.1. 摩耗によって起こり得る変化
- 7.2. 奥歯の摩耗症例
- 8. コンポジットレジンは何年もつ?
- 8.1. コンポジットレジンの交換を検討するサイン
- 8.2. 長持ちしやすいケース・劣化しやすいケース
- 9. 変色したコンポジットレジンを再治療した症例
- 9.1.1.1. コンポジットレジン充填部が各所で変色
- 9.1.1.2. コンポジットレジンを再充填
- 10. コンポジットレジンとセラミックの違い
- 10.1. コンポジットレジンが適しているケース
- 10.2. セラミックが適しているケース
- 10.3. コンポジットレジンと銀歯の違い
- 10.4. コンポジットレジンとインレーの違い
- 10.4.1. コンポジットレジン
- 10.4.2. インレー
- 11. 保険のコンポジットレジンと自費のダイレクトボンディングの違い
- 12. コンポジットレジン治療の流れ
- 12.1. STEP1 診察・検査
- 12.2. STEP2 麻酔
- 12.3. STEP3 虫歯の除去
- 12.4. STEP4 治療部位の防湿
- 12.5. STEP5 接着処理
- 12.6. STEP6 コンポジットレジンの充填
- 12.7. STEP7 光を照射して硬化
- 12.8. STEP8 形態・噛み合わせの調整
- 12.9. STEP9 研磨
- 13. 治療後に気をつけること
- 13.1. 麻酔が切れるまでは食事に注意する
- 13.2. 硬いものを修復した歯だけで噛まない
- 13.3. フロスや歯間ブラシを使用する
- 13.4. 低研磨性の歯磨き剤を選ぶ
- 13.5. 定期検診を受ける
- 14. 歯ぎしりがある場合の対策
- 15. コンポジットレジン治療の費用
- 15.1. 保険診療の場合
- 15.2. 自由診療の場合
- 16. 小児歯科でもコンポジットレジンを使用できる?
- 17. よくある質問
- 17.1. コンポジットレジンの治療は痛いですか?
- 17.2. コンポジットレジンは保険でできますか?
- 17.3. 前歯にも使えますか?
- 17.4. 奥歯にも使えますか?
- 17.5. コンポジットレジンは何年もちますか?
- 17.6. 2~3年ごとに交換する必要がありますか?
- 17.7. 変色したら虫歯ですか?
- 17.8. 変色したレジンを白くできますか?
- 17.9. ホワイトニングでコンポジットレジンも白くなりますか?
- 17.10. 治療後すぐに食事できますか?
- 17.11. コーヒーやカレーを食べても大丈夫ですか?
- 17.12. レジンが取れたらどうすればよいですか?
- 17.13. 欠けた部分だけ修理できますか?
- 17.14. コンポジットレジンの上から再びレジンを足せますか?
- 17.15. 銀歯をコンポジットレジンへ替えられますか?
- 17.16. 金属アレルギーがあっても使えますか?
- 17.17. 歯ぎしりがあっても治療できますか?
- 17.18. 妊娠中でも治療できますか?
- 17.19. 子どもにも使用できますか?
- 17.20. コンポジットレジンとダイレクトボンディングは同じですか?
- 18. まとめ
- 19. 白い詰め物をご検討中の方はご相談ください
- 20. 筆者・院長
- 20.1. 深沢 一
- 20.1.1. メッセージ

「虫歯を白い詰め物で治したい」
「銀歯を入れずに治療できる?」
「できるだけ歯を削りたくない」
「コンポジットレジンは何年くらいもつ?」
このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
コンポジットレジンは、虫歯を削った部分や欠けた歯を修復するために使用する、歯科用の白い樹脂材料です。
歯の色に近い材料を直接詰めて光で固めるため、型取りを必要とせず、多くの場合は1回の治療で修復できます。また、虫歯の部分を中心に削って修復できるため、健康な歯質をできるだけ残しやすいことも特徴です。
ただし、すべての虫歯をコンポジットレジンで治療できるわけではありません。虫歯の大きさや位置、残っている歯の量、噛み合わせ、歯ぎしりの有無などによっては、インレーや被せ物のほうが適している場合があります。
この記事では、コンポジットレジンの特徴、メリット・デメリット、寿命、費用、セラミックとの違いについて詳しく解説します。
【動画 27秒】保険適用で経済的!コンポジットレジン治療
コンポジットレジンとは?

コンポジットレジンとは、歯科治療で使用される白い修復材料です。「CR」や「レジン」と呼ばれることもあります。
主に以下のような材料を組み合わせて作られています。
- 合成樹脂であるレジン
- 強度や耐摩耗性を高める無機フィラー
- 光によって硬化反応を起こす成分
- 歯の色を再現するための顔料
日本歯科医師会では、コンポジットレジンを、セラミックスの細かな粒子を樹脂で固めた材料と説明しています。歯科用接着材を使用して歯に接着させるため、金属の詰め物と比べて、修復に必要な範囲を小さくしやすいことが特徴です。
光を当てて固める仕組み
コンポジットレジンは、ペースト状の材料を歯へ詰め、専用の光照射器で光を当てることによって硬化します。
材料を一度に詰めるのではなく、虫歯の深さや形に応じて少しずつ重ねながら光を照射します。最後に噛み合わせを調整し、表面を滑らかに研磨して治療は完了です。
型取りや歯科技工所での製作が必要ないため、小さな虫歯であれば、その日のうちに治療を終えられることがあります。
コンポジットレジンはこんな方に適しています
コンポジットレジンは、次のような希望を持つ方に適した治療方法です。
- 保険診療で白い詰め物にしたい
- 小さな虫歯を治療したい
- 健康な歯をできるだけ削りたくない
- 金属の詰め物を避けたい
- 前歯の小さな欠けを治したい
- 治療回数をできるだけ少なくしたい
- 金属アレルギーが心配
- 欠けた部分だけを修復したい
ただし、適応できるかどうかは、虫歯の大きさだけで決まるわけではありません。
奥歯で強い力がかかる部分、歯の大部分を失っている場合、歯と歯の間を大きく修復する場合などは、コンポジットレジンでは十分な強度や形を確保できないことがあります。
コンポジットレジンで治療できる主な症例
小さな虫歯
コンポジットレジンは、初期から中程度までの比較的小さな虫歯に多く使用されます。
虫歯になった部分を除去し、削った場所へ直接レジンを詰めるため、インレーを入れる場合と比べて健康な歯質を残しやすい治療方法です。
ただし、虫歯が神経に近い場合や広範囲に及んでいる場合は、コンポジットレジンだけでは対応できないことがあります。
前歯の虫歯
前歯は、口を開けたときに目立ちやすい場所です。
コンポジットレジンには複数の色調があり、周囲の歯に近い色を選んで修復できます。そのため、前歯の虫歯にも広く使用されています。
欠けた歯の修復
転倒や衝突、硬いものを噛んだことなどによって、前歯の先端が小さく欠けた場合にも使用できることがあります。
欠けた範囲が大きい場合や、歯の神経まで損傷している場合は、神経の治療や被せ物が必要になることがあります。
奥歯の小さな虫歯
奥歯の噛み合わせの溝や頬側にできた小さな虫歯も、コンポジットレジンの適応になる場合があります。
一方、奥歯には強い噛む力が加わります。修復範囲が大きい場合や、歯ぎしり・食いしばりが強い場合は、破折や摩耗のリスクを考慮して別の材料を検討します。
歯と歯の間の虫歯
歯と歯の間にできた虫歯にも使用できます。
ただし、隣の歯との接触点や歯の形を正確に再現する必要があるため、治療の難易度が高くなります。虫歯の範囲によっては、インレーのほうが適している場合もあります。
前歯のすき間や形の修正
自由診療のダイレクトボンディングでは、前歯の小さなすき間や形、左右差などをコンポジットレジンで整える場合があります。
ただし、すき間の原因が歯並びや噛み合わせにある場合は、レジンで埋めるだけでは安定しないことがあります。矯正治療を含めて検討したほうがよいケースもあります。
コンポジットレジンの治療例
複数の前歯をコンポジットレジンで修復した症例

左右の上顎中切歯と右上顎側切歯の合計3本に対し、4か所のコンポジットレジン修復を行った症例です。
周囲の歯の色や形に合わせてレジンを充填することで、修復箇所が目立ちにくい自然な仕上がりを目指しました。
※治療結果には個人差があります。
前歯の隣接面にできた虫歯を修復した症例

上顎1番にC2の虫歯
上顎1番の隣接面にC2の虫歯が出来ています。

コンポジットレジンで修復
上顎1番の隣接面にできたC2の虫歯を、コンポジットレジンで修復しました。
充填部分はよく見てもほとんど分からないほど自然な仕上がりで、審美性にも優れています。
上顎前歯の歯と歯の間にできた虫歯を除去し、コンポジットレジンで修復した症例です。
前歯では、虫歯を取り除くだけでなく、歯の丸みや透明感、隣の歯との境界を自然に再現することが重要です。
※治療結果には個人差があります。
コンポジットレジンのメリット
保険診療でも白い詰め物にできる
コンポジットレジンは、虫歯治療など一定の条件を満たす場合、保険診療で使用できます。
銀色の金属を使用せず、歯に近い色で修復できるため、費用を抑えながら見た目に配慮した治療を受けられることがメリットです。
ただし、歯の形や色を審美目的で整える治療は、保険適用外になることがあります。
歯を削る量を抑えやすい
金属やセラミックのインレーを入れる場合は、詰め物が外れない形や十分な厚みを確保するために、虫歯以外の歯質も一定量削ることがあります。
コンポジットレジンは歯へ直接接着させるため、虫歯になった部分を中心に除去し、健康な歯質をできるだけ残せる可能性があります。
これは、歯をなるべく削らず、できる限り残す「MI(Minimal Intervention:最小限の侵襲)」の考え方に沿った治療です。厚生労働省の資料でも、コンポジットレジン修復はMIの理念に基づき、健全な歯質を可能な限り保存する治療として扱われています。
多くの場合は1回で治療できる
コンポジットレジンは、歯へ材料を直接詰めて固める治療です。
型取りや歯科技工所での製作が必要ないため、比較的小さな虫歯であれば、1回の通院で治療が完了することがあります。
ただし、虫歯が深い場合や複数の歯を治療する場合、治療中に痛みがある場合などは、複数回の通院が必要になることがあります。
自然な色に仕上げやすい
コンポジットレジンには、明るさや色調、透明感の異なる複数の種類があります。
周囲の歯に近い色を選び、必要に応じて複数の色を重ねることで、修復部分を目立ちにくくできます。
ただし、天然歯と全く同じ色や透明感を再現できるとは限りません。特に広い範囲を修復する場合は、セラミックのほうが色調を再現しやすいことがあります。
金属を使用しない
コンポジットレジンは、基本的に金属を使用しない修復材料です。
そのため、口を開けたときに金属色が目立たず、歯科用金属によるアレルギーが心配な方にも選択肢となります。
部分的な修理ができる場合がある
コンポジットレジンの一部が小さく欠けた場合、状態によっては修復物をすべて除去せず、欠けた部分だけを追加修復できることがあります。
再研磨によって表面の着色やざらつきを改善できる場合もあります。
コンポジットレジンのデメリット・注意点
経年変化によって着色することがある

コンポジットレジンは、長期間使用するうちに表面の光沢が失われたり、色が変化したりすることがあります。
着色の程度は、次のような条件によって異なります。
- コーヒーや紅茶を頻繁に飲む
- 赤ワインや色の濃い食品を多く摂る
- 喫煙習慣がある
- レジンの表面に傷やざらつきがある
- 歯磨きや定期的なクリーニングが不足している
- 修復から長期間が経過している
表面の着色であれば、クリーニングや再研磨で改善できることがあります。
一方、歯とレジンの境界に沿って変色している場合は、段差や隙間、再虫歯が生じていないか確認する必要があります。
セラミックより摩耗しやすい
コンポジットレジンは、セラミックや金属と比べると柔らかく、長期間使用することで少しずつ摩耗することがあります。
特に奥歯の噛み合わせの面では、次のような変化が起こる場合があります。
- 修復面が平らになる
- 歯の溝や山の形が失われる
- 表面の光沢がなくなる
- 歯と歯の接触が弱くなる
- 食べ物が詰まりやすくなる
- 境界部分に段差ができる
摩耗の程度は、噛む力、歯ぎしり、食いしばり、修復範囲などによって異なります。
強い力で欠けたり割れたりすることがある
コンポジットレジンは、強い噛む力が加わると欠けたり、外れたりすることがあります。
特に注意が必要なのは、次のようなケースです。
- 奥歯を広範囲に修復している
- 歯ぎしりや食いしばりがある
- 硬い食品を頻繁に噛む
- 前歯で硬いものを噛み切る癖がある
- 噛み合わせが一部の歯に集中している
- 修復物の厚みを十分に確保できない
強い噛む力が予想される場合は、セラミックや金属のインレー、アンレー、被せ物などを検討することがあります。
再虫歯が起こることがある

コンポジットレジンに限らず、治療した歯は再び虫歯になることがあります。
歯とレジンの境界に汚れがたまったり、材料が摩耗して段差や隙間ができたりすると、再虫歯のリスクが高まります。
また、コンポジットレジンは硬化するときにわずかに収縮します。これを「重合収縮」と呼びます。
現在は接着材や充填方法が改良されていますが、修復範囲が広い場合や治療中に唾液・湿気が入った場合などは、接着の安定性に影響することがあります。
古い臨床研究では、コンポジットレジンの再治療原因として二次う蝕が多く認められ、噛み合わせの状態も修復物の生存期間に関連していました。
広い虫歯には適さない場合がある
コンポジットレジンは、小さな範囲を修復する場合に特に適しています。
一方で、次のような場合は十分な強度を確保しにくくなります。
- 歯の大部分が失われている
- 歯の山である咬頭まで虫歯が広がっている
- 歯と歯の間を大きく修復する必要がある
- 神経を取った歯で残っている歯質が少ない
- 歯にひび割れがある
- 強い噛む力が加わる
このような場合は、インレー、アンレー、オーバーレイ、クラウンなどを検討します。
仕上がりが治療環境や技術に影響される
コンポジットレジン修復では、虫歯の除去だけでなく、次のような繊細な操作が必要です。
- 治療部位へ唾液を入れない防湿
- 接着材の適切な使用
- レジンを少量ずつ重ねる充填
- 十分な光照射
- 歯の形や接触点の再現
- 噛み合わせの調整
- 表面の研磨
特に歯と歯の間や前歯の広い範囲では、自然な形や色を再現する難易度が高くなります。
奥歯のコンポジットレジンはすり減りやすい?
奥歯には、食事のたびに大きな力が加わります。
そのため、奥歯へ広範囲にコンポジットレジンを詰めた場合、長期間の使用によって摩耗や欠けが生じることがあります。
摩耗によって起こり得る変化
- 噛み合わせの面が平らになる
- 歯の溝や山が失われる
- 修復物の端が薄くなる
- 境界部分に段差ができる
- 食べ物が詰まりやすくなる
- 表面がざらつき、着色しやすくなる
- 再虫歯のリスクが高まる
すべての奥歯でコンポジットレジンが短期間に摩耗するわけではありません。
小さな虫歯で、噛み合わせや清掃状態に問題がなければ、長期間使用できることもあります。材料だけでなく、修復範囲や噛み合わせ、治療後の管理を含めて判断することが大切です。
奥歯の摩耗症例

上顎の第一大臼歯と第二大臼歯にコンポジットレジン修復が行われ、経年的な摩耗が認められた症例です。
修復面の一部が平坦化し、周囲には着色や汚れの付着も見られます。
このような場合は、レジンの欠けや段差、再虫歯の有無、噛み合わせなどを確認します。必要に応じて再研磨、部分修復、再充填、別の材料への変更を検討します。
コンポジットレジンは何年もつ?
コンポジットレジンの寿命を、一律に「何年」と決めることはできません。
修復物の状態は、次のような条件によって大きく異なるからです。
- 修復した歯の位置
- 虫歯の大きさ
- 残っている歯質の量
- 噛み合わせ
- 歯ぎしりや食いしばり
- 接着や充填の状態
- 歯磨きの状態
- 定期検診の有無
- 食生活や喫煙習慣
数年で着色や欠けが生じることもあれば、10年以上問題なく使用できることもあります。
過去の一般歯科医院における調査では、コンポジットレジン修復の平均生存期間は約9.7年で、推定10年生存率は60.4%でした。ただし、この研究は1991~2005年に行われた治療を対象としたものであり、現在の材料や接着技術とは異なる点に注意が必要です。
したがって、「2~3年で必ず交換が必要」というわけではありません。見た目の変化だけで交換するのか、欠けや再虫歯があるため治療するのかによっても判断は異なります。
コンポジットレジンの交換を検討するサイン
次のような変化がある場合は、歯科医院で確認を受けましょう。
- 詰め物の一部が欠けた
- レジンが外れた
- 歯とレジンの境界が黒くなった
- 表面がざらざらする
- フロスが引っかかる、切れる
- 食べ物が詰まりやすくなった
- 冷たいものや甘いものがしみる
- 噛むと痛む
- 噛み合わせに違和感がある
- 修復した歯の周囲から臭いや味を感じる
境界部分が黒く見えても、必ずしも虫歯とは限りません。単なる着色の場合もあるため、自己判断で交換せず、診察やレントゲン検査を受けることが大切です。
長持ちしやすいケース・劣化しやすいケース
| 長持ちしやすいケース | 劣化しやすいケース |
|---|---|
| 修復範囲が小さい | 修復範囲が広い |
| 噛む力が集中していない | 歯ぎしり・食いしばりが強い |
| 歯磨きが適切にできている | 歯垢が残りやすい |
| フロスを使用している | 歯と歯の間を清掃していない |
| 定期検診を受けている | 痛みが出るまで受診しない |
| 甘い飲食物の回数が少ない | 間食や糖分を含む飲み物が多い |
| 唾液量が十分にある | 口が乾燥しやすい |
| 喫煙しない | 喫煙習慣がある |
修復物を長持ちさせるためには、材料の種類だけでなく、虫歯になりにくい口腔環境を整えることが重要です。
変色したコンポジットレジンを再治療した症例

コンポジットレジン充填部が各所で変色
複数歯に渡ってコンポジットレジン充填部の変色が認められます。

コンポジットレジンを再充填
変色したコンポジットレジンをすべて削り取って再充填が完了した所です。
複数の歯に充填されていたコンポジットレジンに、経年的な変色や境界部分の着色が認められた症例です。
古いレジンと虫歯の有無を確認し、必要な部分を除去して再充填しました。
変色しているレジンを、必ずすべて削り取るとは限りません。
再研磨で改善できる場合や、問題のある部分だけを修理できる場合もあります。反対に、レジンの内側で再虫歯が進行している場合は、修復物を除去して治療し直す必要があります。
※治療結果には個人差があります。
コンポジットレジンとセラミックの違い
コンポジットレジンとセラミックは、どちらも白い材料ですが、治療方法や耐久性、費用が異なります。
| 比較項目 | コンポジットレジン | セラミック |
|---|---|---|
| 主な材料 | 樹脂と無機フィラー | 陶材・二ケイ酸リチウムなど |
| 治療方法 | 歯へ直接詰める | 型取りや口腔内スキャン後に製作 |
| 治療回数 | 多くは1回 | 一般的に2回以上 |
| 保険適用 | 虫歯治療などで適用される場合がある | 原則として自由診療 |
| 歯を削る量 | 小さく抑えやすい | 材料の厚みを確保するため一定量必要 |
| 色調 | 自然な色を再現できる | より透明感や色調を再現しやすい |
| 変色 | 経年的に起こることがある | 比較的起こりにくい |
| 摩耗・強度 | 広範囲や強い咬合力では不利 | 適切な厚みがあれば比較的安定 |
| 修理 | 部分修理できる場合がある | 破損時は作り直しになる場合がある |
| 費用 | 比較的抑えやすい | 高額になりやすい |
コンポジットレジンが適しているケース
- 虫歯が比較的小さい
- 歯を削る量を抑えたい
- 保険診療を希望している
- 1回で治療を終えたい
- 欠けた部分だけを修復したい
セラミックが適しているケース
- 虫歯や修復範囲が比較的大きい
- 変色しにくい材料を希望している
- より高い審美性を求めている
- 奥歯で一定の強度が必要
- 長期的な形態安定性を重視している
どちらが優れているということではなく、歯の状態に適した材料を選ぶことが重要です。
コンポジットレジンと銀歯の違い
| 比較項目 | コンポジットレジン | 金属の詰め物 |
|---|---|---|
| 見た目 | 歯に近い白色 | 銀色 |
| 治療方法 | 直接詰める | 型取りをして製作することが多い |
| 治療回数 | 多くは1回 | 一般的に2回以上 |
| 歯を削る量 | 抑えやすい | 外れにくい形を作るため多くなる場合がある |
| 強度 | 広範囲では欠けることがある | 強度を確保しやすい |
| 金属アレルギー | 金属を使用しない | 使用金属によっては注意が必要 |
| 修理 | 部分修復できる場合がある | 基本的に作り直しになることが多い |
現在では、すべての奥歯に銀歯が必要というわけではありません。
ただし、修復範囲や噛み合わせによっては、コンポジットレジンよりも金属やセラミックのほうが適している場合があります。
コンポジットレジンとインレーの違い
コンポジットレジン修復は、歯科医師が口の中で直接材料を詰める「直接修復」です。
一方、インレーは、歯型や口腔内スキャンをもとに、口の外で製作した詰め物を歯へ装着する「間接修復」です。
コンポジットレジン
- 多くは1回で治療できる
- 歯を削る量を抑えやすい
- 小さな虫歯に適している
- 部分的な修理がしやすい
- 広範囲では形や強度の確保が難しい
インレー
- 型取りやスキャンが必要
- 完成まで複数回の通院が必要
- 広い範囲の形を再現しやすい
- 材料に必要な厚みを確保するため、歯を削る量が増える場合がある
- 金属、セラミック、CAD/CAM材料などを選択できる
保険のコンポジットレジンと自費のダイレクトボンディングの違い
同じコンポジットレジンを使用していても、保険診療と自由診療では治療の目的や方法が異なります。
| 比較項目 | 保険診療 | 自由診療 |
|---|---|---|
| 主な目的 | 虫歯や欠損による機能回復 | 審美性を含めた精密な形態回復 |
| 適用条件 | 保険制度の範囲内 | 医院ごとに設定 |
| 使用材料 | 保険適用材料 | 色調や特性の異なる材料を選択できる場合がある |
| 色の再現 | 周囲の歯に近い色を選択 | 複数色を重ね、透明感や質感まで調整する場合がある |
| 治療時間 | 保険診療の範囲内 | 十分な治療時間を確保する場合がある |
| 対象 | 主に虫歯や歯の欠損 | すき間、形、左右差などの審美修復を含む |
| 費用 | 一部負担 | 全額自己負担 |
自由診療であれば、必ず変色せず、欠けないというわけではありません。
自由診療のダイレクトボンディングでもコンポジットレジンを使用するため、経年変化や摩耗、破折などが起こる可能性があります。
コンポジットレジン治療の流れ
STEP1 診察・検査
口腔内を確認し、必要に応じてレントゲン撮影などを行います。
虫歯の大きさや深さ、歯のひび、残っている歯質の量、噛み合わせを確認し、コンポジットレジンが適しているか判断します。
STEP2 麻酔
虫歯の深さや位置に応じて局所麻酔を行います。
小さく浅い虫歯では、麻酔を使用せず治療できることもあります。
STEP3 虫歯の除去

虫歯に感染した歯質を丁寧に除去します。
必要以上に歯を削らず、健康な歯質をできるだけ残すように処置します。
STEP4 治療部位の防湿
コンポジットレジンを歯へ安定して接着させるためには、唾液や湿気を入れないことが重要です。
治療部位によっては、ラバーダムや防湿器具、綿などを使用します。
STEP5 接着処理
歯の表面を処理し、コンポジットレジンを接着させるための接着材を塗布します。
STEP6 コンポジットレジンの充填

歯の色に合わせたレジンを、削った部分へ少しずつ詰めます。
広い範囲や前歯では、色調の異なる材料を重ねることがあります。
STEP7 光を照射して硬化

専用の光照射器を使用し、レジンを硬化させます。
材料の厚みや種類に応じて、複数回に分けて照射します。
STEP8 形態・噛み合わせの調整

天然歯に近い形へ整え、噛んだときに一部だけ強く当たっていないか確認します。
STEP9 研磨
修復物の表面と歯との境界を滑らかに磨きます。
適切に研磨することで、ざらつきや汚れの付着、着色を抑えやすくなります。
治療後に気をつけること
麻酔が切れるまでは食事に注意する
麻酔が効いている間は、頬や舌、唇を誤って噛んだり、熱いものでやけどしたりすることがあります。
感覚が戻るまでは、食事を控えるか、十分に注意してください。
硬いものを修復した歯だけで噛まない
治療直後から通常の食事はできますが、氷、硬いせんべい、骨付き肉などを修復した歯だけで強く噛むことは避けましょう。
特に前歯を修復した場合は、袋を歯で開けたり、硬いものを前歯で噛み切ったりしないことが大切です。
フロスや歯間ブラシを使用する
歯と歯の間を修復した場合は、歯ブラシだけでは境界部分の汚れを十分に落とせません。
フロスや、歯間の大きさに合った歯間ブラシを使用しましょう。
フロスが頻繁に引っかかったり切れたりする場合は、修復物に段差がある可能性があるため、歯科医院へご相談ください。
低研磨性の歯磨き剤を選ぶ
強い研磨剤を含む歯磨き剤を長期間使用すると、レジン表面に細かな傷がつき、着色しやすくなる可能性があります。
着色が気になる方は、低研磨性の歯磨き剤について歯科医師や歯科衛生士へご相談ください。
定期検診を受ける
コンポジットレジンの状態は、ご自身では確認しにくい部分があります。
定期検診では、次のような点を確認します。
- 欠けや摩耗
- 歯とレジンの境界の段差
- 再虫歯
- 噛み合わせ
- フロスの通り方
- 着色や表面のざらつき
必要に応じてクリーニングや再研磨、部分修理を行うことで、修復物を長く使用できる可能性があります。
歯ぎしりがある場合の対策
歯ぎしりや食いしばりがある方は、コンポジットレジンに繰り返し大きな力が加わり、摩耗や欠けが起こりやすくなります。
次のような症状がある場合は、歯科医院へご相談ください。
- 朝起きると顎が疲れている
- 歯がすり減っている
- 詰め物が何度も欠ける
- 舌や頬に歯の跡がついている
- 寝ているときの歯ぎしりを指摘された
- 頭痛や肩こりがある
必要に応じて、就寝中に使用するナイトガードを作製し、歯や修復物へ加わる力を軽減します。
コンポジットレジン治療の費用
保険診療の場合
虫歯の治療や、事故などによって欠けた歯の機能回復を目的とする場合は、保険診療の対象になることがあります。
実際の窓口負担額は、次の条件によって異なります。
- 初診か再診か
- 虫歯の大きさや深さ
- 修復する面の数
- レントゲン撮影の有無
- 麻酔の有無
- 同時に行う検査や処置
- 患者さんの負担割合
- 診療報酬改定
そのため、コンポジットレジンの処置料だけを見ても、当日の支払総額とは一致しません。
また、保険点数は診療報酬改定によって変更されるため、掲載時点の固定金額を断定せず、診察時に確認することをおすすめします。
自由診療の場合
前歯のすき間を埋める、歯の形や左右差を整えるなど、審美目的のダイレクトボンディングは自由診療となる場合があります。
費用は、治療する歯の本数、修復範囲、難易度、使用材料、治療時間、保証内容などによって異なります。
自由診療の費用については、治療前に見積もりと治療内容をご確認ください。
小児歯科でもコンポジットレジンを使用できる?
コンポジットレジンは、乳歯や生えたばかりの永久歯の虫歯治療にも使用されます。
白い材料で修復でき、比較的小さな虫歯であれば削る量を抑えやすいことがメリットです。
ただし、コンポジットレジンを歯へ安定して接着させるためには、治療中に唾液が入らないようにする必要があります。
お子さんが長時間口を開けることが難しい場合や、歯が十分に生えておらず防湿しにくい場合は、別の材料を使用したり、複数回に分けて治療したりすることがあります。
よくある質問
コンポジットレジンの治療は痛いですか?
虫歯の深さや位置によって異なります。
浅い虫歯では麻酔を使わず治療できることもありますが、象牙質まで進んだ虫歯や、しみる症状がある場合は局所麻酔を行います。
コンポジットレジンは保険でできますか?
虫歯や歯の欠損を治療する目的で、適応条件を満たす場合は保険診療となります。
前歯のすき間や形を整えるなど、審美目的の治療は自由診療になることがあります。
前歯にも使えますか?
使用できます。
前歯の虫歯や小さな欠けは、コンポジットレジンの代表的な適応です。修復範囲が広い場合は、セラミック治療や被せ物を検討することがあります。
奥歯にも使えますか?
比較的小さな虫歯であれば、奥歯にも使用できます。
ただし、広い範囲や強い噛む力がかかる部分では、摩耗や破折を考慮して別の修復方法をご提案する場合があります。
コンポジットレジンは何年もちますか?
一律に決めることはできません。
修復範囲、噛み合わせ、歯ぎしり、虫歯のなりやすさ、セルフケア、定期検診などによって大きく異なります。数年で修理が必要になることもあれば、10年以上使用できることもあります。
2~3年ごとに交換する必要がありますか?
必ず交換する必要はありません。
表面の着色だけであれば再研磨で改善できる場合があります。欠け、段差、再虫歯などがなければ、経過観察できることもあります。
変色したら虫歯ですか?
変色だけで虫歯とは判断できません。
飲食物による表面着色や、歯とレジンの境界の着色である場合もあります。レントゲン検査や診察によって再虫歯の有無を確認します。
変色したレジンを白くできますか?
表面の着色であれば、クリーニングや再研磨で改善することがあります。
レジン自体が変色している場合や、再虫歯がある場合は、部分修理や再充填を検討します。
ホワイトニングでコンポジットレジンも白くなりますか?
コンポジットレジンは、ホワイトニング剤では白くなりません。
ホワイトニング後に天然歯だけが明るくなると、古いレジンとの色の差が目立つことがあります。前歯にレジンがある方は、ホワイトニングと再修復の順番を事前に相談しましょう。
治療後すぐに食事できますか?
コンポジットレジンは光を当てた時点で硬化しているため、麻酔を使用していなければ基本的に食事は可能です。
麻酔を使用した場合は、頬や舌を噛んだり、やけどしたりしないよう、感覚が戻ってから食事をしてください。
コーヒーやカレーを食べても大丈夫ですか?
通常の飲食は可能です。
ただし、コーヒー、紅茶、赤ワイン、カレー、喫煙などは、長期的には表面着色の原因になることがあります。飲食後のうがいや丁寧な歯磨きを心がけましょう。
レジンが取れたらどうすればよいですか?
取れた部分で硬いものを噛まず、できるだけ早く歯科医院を受診してください。
痛みがなくても、露出した歯質から虫歯が進んだり、歯が欠けたりすることがあります。
欠けた部分だけ修理できますか?
状態によっては可能です。
小さな欠けで、残っているレジンと歯に問題がなければ、部分的に追加修復できる場合があります。再虫歯や大きな亀裂がある場合は、修復物全体を除去することがあります。
コンポジットレジンの上から再びレジンを足せますか?
適切な表面処理と接着操作を行えば、追加できる場合があります。
ただし、古いレジンの劣化状態や接着面積によっては、すべて除去してやり直したほうがよいこともあります。
銀歯をコンポジットレジンへ替えられますか?
銀歯を外したあとの歯の状態によっては可能です。
ただし、銀歯の下に大きな虫歯がある場合や、残っている歯が少ない場合、奥歯で強い力がかかる場合は、セラミックや被せ物をご提案することがあります。
金属アレルギーがあっても使えますか?
コンポジットレジンは基本的に金属を使用しないため、歯科用金属アレルギーが心配な方にも選択肢となります。
ただし、使用する接着材やほかの修復物についても確認が必要です。アレルギー歴がある方は事前にお申し出ください。
歯ぎしりがあっても治療できますか?
治療できる場合もありますが、欠けや摩耗のリスクが高くなることがあります。
噛み合わせを確認し、必要に応じてナイトガードの使用や、より強度を確保しやすい修復方法を検討します。
妊娠中でも治療できますか?
妊娠中でも、体調や妊娠週数に配慮しながら必要な虫歯治療を行うことができます。
使用する麻酔やレントゲン撮影を含め、妊娠中であることを事前に歯科医師へお伝えください。
子どもにも使用できますか?
乳歯や永久歯の虫歯治療に使用できます。
ただし、治療中に唾液が入りやすい場合や、長時間口を開けられない場合は、別の方法を選択することがあります。
コンポジットレジンとダイレクトボンディングは同じですか?
どちらも歯へ材料を直接盛り付けて修復する治療ですが、一般的にダイレクトボンディングは、審美性や形態をより細かく整える自由診療を指すことが多くあります。
医院によって治療内容や呼び方が異なるため、使用材料、治療時間、費用、保証内容を確認しましょう。
まとめ
コンポジットレジンは、保険診療でも使用できる白い修復材料です。
比較的小さな虫歯や前歯の欠けなどに適しており、歯を削る量を抑えやすく、多くの場合は1回で治療できるというメリットがあります。
一方で、セラミックや金属と比べると、経年的な着色、摩耗、欠けが起こりやすく、広い虫歯や強い力がかかる奥歯には適さないことがあります。
コンポジットレジンが適しているかどうかは、虫歯の大きさだけでなく、残っている歯の量、噛み合わせ、歯ぎしり、清掃状態などを総合的に確認して判断します。
「白い詰め物にしたい」という希望だけで材料を選ぶのではなく、歯を長く保つために適した治療方法を歯科医師と相談することが大切です。
白い詰め物をご検討中の方はご相談ください

「保険で白い詰め物にしたい」
「銀歯を白い歯へ替えたい」
「できるだけ歯を削らずに治療したい」
「コンポジットレジンとセラミックで迷っている」
このようなお悩みがありましたら、ご相談ください。
虫歯の大きさや位置、残っている歯の量、噛み合わせ、ご希望、ご予算を丁寧に確認し、一人ひとりに適した治療方法をご提案いたします。
コンポジットレジンだけに限定せず、歯を長く保つことを第一に考え、必要に応じてインレーやセラミックなどの選択肢についてもわかりやすくご説明します。
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。


