目次

保険・セラミック・ジルコニアの違い

「銀歯が気になるので白い歯にしたい」
「保険と自費では何が違うの?」
「セラミックやジルコニアは本当に長持ちする?」
「どの被せ物を選べば後悔しない?」

虫歯や歯の破折などで歯を大きく削った場合、歯を保護し、噛む機能や見た目を回復するために「被せ物(クラウン)」による治療が行われます。

しかし、現在では保険診療・自費診療を合わせるとさまざまな種類のクラウンがあり、それぞれ特徴や適応、耐久性、見た目、費用が異なります。

「費用だけ」で選んでしまうと、

  • 数年でやり直しになった
  • 思ったより目立つ
  • 色が変わってしまった
  • 歯ぐきとの境目が黒く見える

といった後悔につながることもあります。

この記事では、

  • 被せ物(クラウン)とは何か
  • 保険と自費の違い
  • クラウンの種類と特徴
  • 自分に合った素材の選び方

について、歯科医師の視点から分かりやすく解説します。

歯全体を覆って機能と見た目を回復する治療です

被せ物(クラウン)とは、大きく削った歯や神経の治療(根管治療)を行った歯を、歯全体で覆って保護する人工の歯です。

天然歯は虫歯を削るほど強度が低下します。

特に神経を取った歯は水分量が減少し、健康な歯よりも割れやすくなるため、そのままでは長期間機能させることが難しくなります。

クラウンは歯を補強しながら、

  • 噛めるようにする
  • 見た目を回復する
  • 発音を改善する
  • 噛み合わせを整える
  • 歯の寿命を延ばす

という重要な役割を担っています。

被せ物が必要になる主なケース

次のような場合には、クラウンによる治療が必要になることがあります。

大きな虫歯

虫歯が大きく歯を大幅に削った場合、詰め物だけでは強度が不足するため、クラウンで歯全体を保護します。

神経を取った歯

根管治療後の歯は割れやすくなるため、多くの場合でクラウンによる補強が推奨されます。

歯が欠けたり割れたりした場合

転倒や事故、硬いものを噛んだことで歯が大きく欠けた場合にも、クラウンによって形態と機能を回復します。

古い被せ物のやり直し

古い銀歯や被せ物の内部で虫歯が再発した場合、新しいクラウンへ交換することがあります。

見た目を改善したい場合

前歯の変色や形、すき間などを改善するために、セラミッククラウンなどを選択することもあります。

詰め物(インレー)との違い

患者さんから最も多い質問の一つが、

「詰め物と被せ物は何が違うのですか?」

というものです。

違いは覆う範囲です。

比較項目詰め物(インレー)被せ物(クラウン)
治療範囲歯の一部分歯全体
削る量比較的少ない多い
強度残っている歯に依存歯全体を保護
適応小〜中程度の虫歯大きな虫歯・神経治療後

歯をできるだけ残すことが理想ですが、残存歯質が少ない場合には、クラウンの方が歯を長持ちさせられるケースが多くあります。

被せ物を選ぶ際、多くの患者さんが最初に悩むのが、

「保険と自費では何が違うの?」

という点です。

価格だけを見ると保険診療の方が安く感じますが、素材や見た目、耐久性、精度などには大きな違いがあります。

保険診療の被せ物とは

保険診療は、健康保険が適用されるため費用を抑えられることが最大のメリットです。

一方で、

  • 使用できる材料
  • 製作方法
  • 適応部位

には一定の制限があります。

素材によっては、

  • 金属色が目立つ
  • プラスチック部分が変色する
  • 摩耗しやすい

といった特徴があります。

自費診療の被せ物とは

自費診療では保険の制限がないため、一人ひとりのお口の状態に合わせて素材を選択できます。

例えば、

  • オールセラミック
  • ジルコニア
  • メタルボンド
  • ゴールド

など、機能性や審美性に優れた素材を選択できます。

見た目だけではなく、

  • 適合精度
  • 耐久性
  • 汚れの付きにくさ
  • 金属アレルギーへの配慮

など、多くの面でメリットがあります。

保険と自費の違いを比較

比較項目保険診療自費診療
費用比較的安い高額になりやすい
見た目素材によっては金属色が見える天然歯に近い美しさ
透明感やや少ない非常に自然
変色プラスチックは変色しやすい変色しにくい
耐久性素材により異なる長期間使用しやすい
適合精度標準的より精密に製作できる
金属アレルギー素材によっては注意が必要金属を使用しない素材も選択可能

「保険だから悪い」「自費だから絶対良い」ではありません

実際には、

  • 奥歯で費用を優先したい
  • 前歯なので見た目を重視したい
  • 歯ぎしりがある
  • 金属アレルギーがある

など、患者さんによって最適な選択は異なります。

そのため、「価格だけ」で判断するのではなく、お口の状態やライフスタイル、将来の再治療リスクまで考慮して選択することが大切です。

現在使用されるクラウンは、大きく分けると保険診療自費診療の2つに分類されます。

それぞれに特徴があり、「どれが一番良い」というわけではありません。

歯の位置や噛み合わせ、見た目、ご予算などを考慮しながら選択します。

保険診療で使用される主なクラウン

これらは保険診療で使用できる代表的なクラウンです。

費用を抑えられる一方で、素材によって審美性や耐久性に違いがあります。

自費診療で使用される主なクラウン

自費診療では、見た目だけでなく、適合精度や耐久性、機能性にも優れた素材を選択できます。

クラウンの種類を比較

種類見た目強度変色しにくさ金属アレルギーへの配慮おすすめの部位
銀歯★★☆☆☆★★★★★★★★★★★★☆☆☆奥歯
CAD/CAM冠★★★☆☆★★★☆☆★★☆☆☆★★★★★条件を満たす前歯・小臼歯・奥歯
硬質レジン前装冠★★★☆☆★★★☆☆★★☆☆☆★★☆☆☆主に前歯(適応条件あり)
オールセラミック★★★★★★★★★☆★★★★★★★★★★前歯
ジルコニア★★★★☆★★★★★★★★★★★★★★★前歯・奥歯
メタルボンド★★★★★★★★★★★★★★★★★☆☆☆前歯・ブリッジ
ゴールド★★☆☆☆★★★★★★★★★★★★★★☆奥歯

「白い歯にしたいけれど、できるだけ費用は抑えたい」
「保険でどこまで白くできるの?」
「銀歯しか選べないと思っていた」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

現在の保険診療では、歯の部位や噛み合わせなど一定の条件を満たせば、白い被せ物(CAD/CAM冠)を選択できるケースもあります。

一方で、保険診療は費用を抑えられる反面、使用できる材料や製作方法に制限があり、見た目や耐久性、経年変化などに違いがあります。

それぞれの特徴を理解し、ご自身に合った治療を選ぶことが大切です。

銀歯(金銀パラジウム合金)

銀歯(金銀パラジウム合金)
銀歯(金銀パラジウム合金)

銀歯とは

銀歯は、保険診療で最も一般的に使用されている金属製のクラウンです。

正式には金銀パラジウム合金という金属で作られており、長年にわたり多くの症例で使用されてきました。

非常に丈夫で噛む力に強く、奥歯など強い力が加わる部位でも使用できます。

メリット

  • 保険適用のため費用を抑えられる
  • 強度が高く奥歯でも使用しやすい
  • 割れにくい
  • 長年の治療実績がある

デメリット

  • 金属色が目立つ
  • 金属アレルギーの原因となる可能性がある
  • 歯ぐきが黒ずむことがある(メタルタトゥー)
  • 温度を伝えやすく、しみることがある
  • 接着剤の劣化により二次虫歯の原因になることがある

このような方におすすめ

  • 費用をできるだけ抑えたい
  • 奥歯なので見た目をあまり気にしない
  • 強度を重視したい

CAD/CAM冠(キャドキャム冠)

CAD/CAM冠
CAD/CAM冠

CAD/CAM冠とは

CAD/CAM冠は、コンピューター設計・加工によって製作される白い被せ物です。

ハイブリッドレジンという樹脂とセラミックを混ぜた材料を使用しており、条件を満たせば保険診療で白い歯を選択できます。

近年では保険適用範囲が拡大し、多くの患者さんに選ばれています。

メリット

  • 保険で白い歯にできる
  • 金属を使用しない
  • 金属アレルギーの心配が少ない
  • 見た目が自然

デメリット

  • セラミックより変色しやすい
  • 長期間使用すると摩耗しやすい
  • 強い歯ぎしりでは割れることがある
  • 透明感はセラミックより劣る

このような方におすすめ

  • 保険で白い歯にしたい
  • 金属アレルギーが心配
  • 奥歯でも見た目を改善したい

硬質レジン前装冠

硬質レジン前装冠
硬質レジン前装冠

硬質レジン前装冠とは

硬質レジン前装冠は、金属のフレームの表面に白いレジン(プラスチック)を貼り付けた被せ物です。

以前は前歯の保険診療で広く使用されていました。

正面から見ると白く見えますが、裏側には金属が使用されています。

メリット

  • 保険で白い前歯にできる
  • 金属冠より見た目が良い
  • 長年使用されている治療法

デメリット

  • プラスチック部分が変色する
  • 艶が失われる
  • 欠けやすい
  • 裏側は金属である

このような方におすすめ

  • 保険診療で前歯を治療したい
  • 費用を抑えたい

症例① 保険診療の被せ物(正面観)

保険適用の被せ物の症例:正面観
保険適用の被せ物の症例:正面観

症例の概要

この症例では、赤線で示した右上第二小臼歯から左上第二小臼歯までに保険適用の硬質レジン前装冠が装着されています。

正面から見ると白い歯が並んでいるように見えますが、材料には金属とレジンの両方が使用されています。

また、患者さんの右側上下の奥歯には保険の銀歯(金銀パラジウム合金冠)が装着されています。

そのため、

  • 前歯は審美性を重視
  • 奥歯は強度を重視

という保険診療で一般的な治療内容となっています。

観察ポイント

  • 前歯部は白く自然に見える
  • 奥歯には銀歯が確認できる
  • 保険診療でも十分な機能回復が可能

症例① 保険診療の被せ物(咬合面観)

保険適用の被せ物の症例:咬合面観
保険適用の被せ物の症例:咬合面観

症例の概要

こちらは同じ患者さんを上から見た写真です。

前歯部には硬質レジン前装冠が装着されていますが、口蓋側(裏側)には金属が露出しています。

これは強度を確保するための構造であり、硬質レジン前装冠の特徴の一つです。

また、左右の第一・第二大臼歯には銀歯が装着されています。

この写真で分かること

  • 表側だけ白い
  • 裏側は金属
  • 奥歯は銀歯
  • 保険診療特有の構造

症例② 硬質レジン前装冠が欠けた症例

前装部が欠けた症例
前装部が欠けた症例

前装部が欠けることがあります

硬質レジン前装冠は、金属フレームの上にレジンを接着して作られています。

長期間使用したり、強い噛み合わせが加わると、レジン部分だけが欠けることがあります。

写真の赤矢印部分では、レジンが欠けて内部の金属が露出しています。

なぜ欠けるのでしょうか?

金属とレジンでは硬さや変形量が異なるため、境界部分に力が集中しやすくなります。

そこへ

  • 食いしばり
  • 歯ぎしり
  • 強い噛み合わせ
  • 長年の使用

が加わることで、レジンだけが欠ける(チッピング)ことがあります。

欠けたまま放置すると…

  • 見た目が悪くなる
  • 食べ物が詰まりやすくなる
  • 虫歯になりやすくなる
  • 被せ物全体をやり直すことがある

そのため、欠けたり外れたりした場合は早めの受診をおすすめします。

保険の被せ物はこんな方におすすめ

保険診療のクラウンは、費用を抑えながら歯の機能を回復したい方に適した治療法です。

特に次のような方に向いています。

  • 治療費をできるだけ抑えたい
  • 奥歯なので見た目をあまり気にしない
  • 保険の範囲内で白い歯を希望している
  • 強度を重視したい

一方で、前歯など見た目を重視する部位や、長期間にわたって美しさや耐久性を維持したい場合には、自費診療のセラミックやジルコニアクラウンが適していることがあります。

「できるだけ自然な白い歯にしたい」
「長く使える被せ物を選びたい」
「銀歯を白い歯に替えたい」

このようなご希望がある場合には、自費診療のクラウンが選択肢になります。

自費診療では保険診療のような材料の制限がないため、見た目・耐久性・適合精度・機能性を重視したさまざまな素材から選択できます。

特に前歯など審美性が求められる部位や、再治療をできるだけ減らしたい方には、自費診療が選ばれることが多くあります。

オールセラミッククラウン

オールセラミッククラウン
オールセラミッククラウン

オールセラミッククラウンとは

オールセラミッククラウンは、金属を一切使用せず、すべてセラミック(陶材)で作られた被せ物です。

天然歯に近い透明感と光の透過性を再現できるため、前歯の治療で特に人気があります。

隣の天然歯と調和しやすく、自然で美しい仕上がりが期待できます。

メリット

  • 天然歯のような透明感
  • 変色しにくい
  • 表面が滑らかで汚れが付きにくい
  • 金属アレルギーの心配がない
  • 歯ぐきが黒ずまない

デメリット

  • 保険適用外
  • 強い食いしばりでは破折することがある
  • 奥歯では症例を選ぶことがある

このような方におすすめ

  • 前歯を自然に治したい
  • 審美性を重視したい
  • 金属を使用したくない

ジルコニアクラウン

ジルコニアクラウン
ジルコニアクラウン

ジルコニアクラウンとは

ジルコニアは「人工ダイヤモンド」とも呼ばれるほど高い強度を持つセラミック素材です。

非常に丈夫で、噛む力が強い奥歯にも使用できることから、現在では自費診療の代表的なクラウンとなっています。

近年は審美性も大きく向上し、前歯にも適応されることが増えています。

メリット

  • 非常に強い
  • 割れにくい
  • 摩耗しにくい
  • 金属を使用しない
  • 金属アレルギーでも安心
  • 長期間美しさを維持しやすい

デメリット

  • 保険適用外
  • オールセラミックより透明感はやや劣る場合がある
  • 噛み合わせの調整が重要

このような方におすすめ

  • 奥歯を白くしたい
  • 長持ちさせたい
  • 歯ぎしりがある
  • 強度を重視したい

メタルボンドクラウン

メタルボンドクラウン
メタルボンドクラウン

メタルボンドクラウンとは

メタルボンドクラウンは、内側を金属、外側をセラミックで製作したクラウンです。

金属による強度とセラミックの美しさを兼ね備えたクラウンとして、長年多くの症例で使用されています。

ブリッジなど強度が必要なケースでも選択されます。

メリット

  • 強度が高い
  • 見た目が自然
  • 長年の実績がある
  • ブリッジにも適している

デメリット

  • 金属を使用する
  • 歯ぐきが下がると金属が見えることがある
  • 金属アレルギーには適さない

このような方におすすめ

  • 前歯のブリッジ
  • 強度も審美性も重視したい

ゴールドクラウン

ゴールドクラウン
ゴールドクラウン

ゴールドクラウンとは

ゴールドクラウンは、高カラットの金合金を使用したクラウンです。

見た目は金色ですが、適合精度・耐久性・生体親和性に優れ、歯科医療では非常に評価の高い材料です。

奥歯では現在でも「最も長持ちするクラウンの一つ」と考えられています。

メリット

  • 適合精度が非常に高い
  • 歯に優しい
  • 割れにくい
  • 二次虫歯になりにくい
  • 長寿命

デメリット

  • 金色なので目立つ
  • 保険適用外
  • 金価格の影響を受ける

このような方におすすめ

  • 奥歯を長持ちさせたい
  • 噛む力が強い
  • 再治療を減らしたい

症例 メタルコア装着後の状態

メタルコア装着
メタルコア装着

症例の概要

この症例では、根管治療(神経の治療)が終了した上顎前歯に、白金加金製のメタルコア(土台)が装着されています。

歯冠部は失われていますが、歯根は保存できているため、土台を築造し、その上にクラウンを装着する計画です。

メタルコアの役割

メタルコアは、クラウンを支える柱の役割を果たします。

この症例では白金加金を使用しており、

  • 高い強度
  • 優れた適合性
  • 耐腐食性

を備えています。

現在では審美性を考慮し、ファイバーコアを選択するケースも増えていますが、症例によってはメタルコアが適している場合もあります。

現在の治療段階

この写真はクラウン装着前の準備段階です。

この後、

  • 支台歯形成
  • 精密な型取り
  • 仮歯
  • クラウン製作
  • 装着

という流れで治療を進めます。

症例 メタルボンドクラウン装着後

メタルボンドクラウンを装着
メタルボンドクラウンを装着

症例の概要

こちらは前述の症例で、最終補綴物としてメタルボンドクラウンを装着した状態です。

クラウンが周囲の天然歯と調和し、自然な口元へ回復しています。

この症例で注目したいポイント

自然な色調

隣接する天然歯との色調差が少なく、非常に自然な仕上がりです。

歯ぐきとの調和

歯肉の炎症や黒ずみも認められず、健康的な状態が維持されています。

噛み合わせ

クラウンの形態も適切に調整されており、機能面でも良好な状態です。

総評

この症例では、

  • 根管治療
  • メタルコア築造
  • メタルボンドクラウン装着

という一連の治療を行い、機能性・審美性ともに良好な結果が得られました。

適切な材料選択と精密な治療によって、天然歯に近い見た目としっかり噛める機能を回復できます。

自費の被せ物はこんな方におすすめ

自費診療のクラウンは、単に「白い歯にする」ためだけの治療ではありません。

見た目だけでなく、適合精度や耐久性、生体へのやさしさまで考慮して設計・製作されるため、長期的な満足度につながりやすいことが特徴です。

特に次のような方におすすめです。

  • 前歯を自然で美しく仕上げたい
  • 銀歯を白い歯へ替えたい
  • 再治療のリスクを減らしたい
  • 金属アレルギーが心配
  • 長く快適に使える被せ物を選びたい
  • 見た目と耐久性の両方を重視したい

患者さんに最適な素材は、歯の位置や噛み合わせ、歯ぎしり・食いしばりの有無、ご希望やご予算によって異なります。十分なカウンセリングを行い、それぞれの素材の特徴をご理解いただいたうえで、最適な被せ物をご提案することが大切です。

1️⃣ 歯の土台(コア)を作る
2️⃣ 型取りまたはスキャン
3️⃣ 仮歯の装着
4️⃣ 技工所で製作(1〜2週間)
5️⃣ 完成したかぶせものを装着

前歯の土台形成から仮歯装着までの治療プロセス

前歯の土台(コア)形成と最終印象に向けた準備
前歯の土台(コア)形成と最終印象に向けた準備
前歯部の仮歯(プロビジョナル)装着による形態・噛み合わせの確認
前歯部の仮歯(プロビジョナル)装着による形態・噛み合わせの確認

根管治療後の前歯にファイバーコアやメタルコアを築造し、クラウン装着のための形態に整えた段階です。歯ぐきの炎症状態や支台の形を確認しながら、次のステップである「精密な型取り(印象採得)」に進む準備をしています。

赤矢印の部分に仮歯を装着し、見た目・噛み合わせ・発音のバランスを確認している段階です。仮歯は最終的なクラウンを製作する前に、歯ぐきの治癒状態や歯列の調和を整える重要なステップとして使用されます。

治療期間は2〜3回の通院で完了することが多いですが、歯の状態によって変わります。

「セラミックなら一生もちますか?」
「銀歯は何年くらい使えますか?」

このような質問をよくいただきます。

実際には、どんな素材でも毎日のお手入れや噛み合わせの状態によって寿命は大きく変わります。

せっかく治療した被せ物を長く快適に使うためには、ご自宅でのセルフケアと歯科医院での定期的なメインテナンスが欠かせません。

毎日の歯磨きを丁寧に行う

被せ物そのものは虫歯になりませんが、被せ物と歯の境目には細菌が付着しやすく、そこから**二次虫歯(被せ物の下で再び虫歯になること)**が発生することがあります。

歯ブラシは境目に毛先を当て、小刻みに動かして磨くことが大切です。

デンタルフロス・歯間ブラシを使う

歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れは十分に落とせません。

特にクラウンを装着した歯は、境目に汚れが残りやすいため、

  • デンタルフロス
  • 歯間ブラシ

を併用することで、虫歯や歯周病の予防につながります。

定期検診を受ける

被せ物は見た目が問題なくても、

  • 接着剤の劣化
  • 小さな欠け
  • 噛み合わせの変化
  • 歯周病

などが起こることがあります。

定期検診では、

  • 被せ物の状態
  • 噛み合わせ
  • 歯周病
  • 二次虫歯

をチェックし、必要に応じて早期に対応します。

歯ぎしり・食いしばりを放置しない

寝ている間の歯ぎしりや日中の食いしばりは、被せ物に大きな負担をかけます。

特に、

  • セラミックの破折
  • レジンの欠け
  • 接着剤の劣化

の原因となることがあります。

歯ぎしりがある方には、就寝時にナイトガード(マウスピース)の使用をおすすめしています。

硬いものを噛む習慣に注意

氷や硬い飴、硬いナッツなどを強く噛む習慣は、被せ物だけでなく天然歯にも負担をかけます。

無意識の習慣がある方は注意しましょう。

以下のような要因が重なると、被せ物の寿命が短くなることがあります。

  • 歯磨き不足
  • 二次虫歯
  • 歯周病
  • 歯ぎしり・食いしばり
  • 強い噛み合わせ
  • 被せ物の破損
  • 接着剤の劣化
  • 定期検診を受けていない

適切なケアを続けることで、被せ物をより長く使用できる可能性が高まります。

Q1. 被せ物の寿命はどれくらいですか?

一般的な目安は5〜15年以上ですが、素材や噛み合わせ、セルフケアによって大きく異なります。定期的なメインテナンスを受けることで、より長く使用できる場合があります。

Q2. セラミックは割れますか?

強い衝撃や歯ぎしりなどで破折することがあります。ただし、近年のジルコニアは非常に強度が高く、奥歯にも広く使用されています。

Q3. ジルコニアとセラミックはどちらがおすすめですか?

前歯で自然な透明感を重視する場合はオールセラミック、強度を重視する場合はジルコニアが適していることが多いです。歯の位置や噛み合わせによって最適な素材は異なります。

Q4. 保険でも白い被せ物はできますか?

条件を満たせばCAD/CAM冠などの白い被せ物を保険で選択できる場合があります。ただし、適応部位や材料には一定の制限があります。

Q5. 被せ物の中が虫歯になることはありますか?

はい。被せ物自体は虫歯になりませんが、歯との境目から細菌が入り込むことで二次虫歯になることがあります。

Q6. 銀歯を白い歯に替えることはできますか?

はい。現在装着している銀歯をセラミックやジルコニアなどの白い被せ物へ交換できる場合があります。

Q7. 金属アレルギーでも治療できますか?

オールセラミックやジルコニアなど、金属を使用しない素材を選択することで対応できる場合があります。

Q8. 被せ物が取れたらどうすればいいですか?

無理に接着剤で付け直さず、できるだけ早めに歯科医院を受診してください。外れた被せ物を再利用できる場合もあるため、保管して持参してください。

Q9. 神経のない歯でも被せ物はできますか?

はい。根管治療後には土台(コア)を築造し、その上にクラウンを装着することが一般的です。

Q10. 被せ物の色は周りの歯に合わせられますか?

自費診療のセラミックやジルコニアでは、周囲の天然歯に合わせて色や透明感を細かく調整することが可能です。

被せ物(クラウン)には、

  • 保険診療
  • 自費診療

それぞれに特徴があります。

「どれが一番良い」ということではなく、

  • 見た目を重視するのか
  • 長持ちさせたいのか
  • 費用を抑えたいのか
  • 奥歯なのか前歯なのか

によって、適した素材は変わります。

後悔しないためには、それぞれのメリット・デメリットを理解し、ご自身のお口の状態に合った被せ物を選ぶことが大切です。

「銀歯を白い歯に替えたい」
「保険と自費で迷っている」
「できるだけ長持ちする被せ物を選びたい」

このようなお悩みはありませんか?

当院では、お口の状態や噛み合わせ、ご希望、ご予算を丁寧に確認し、一人ひとりに適した被せ物をご提案しています。

素材ごとのメリット・デメリットや費用、治療期間についても分かりやすくご説明いたします。

被せ物をご検討中の方は、お気軽にご相談ください。

【動画】ステイン着色汚れをクリーニングするエアフロー

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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