- 1. 【📹1分】口呼吸が原因?アデノイド顔貌の特徴と治療の選択肢
- 2. アデノイド顔貌とは?
- 2.1. アデノイド顔貌とはどのような状態?
- 2.2. アデノイド肥大との違い
- 2.2.1. アデノイド肥大
- 2.2.2. アデノイド顔貌
- 3. あなたは大丈夫?セルフチェック
- 3.1. 顔つき・口元のチェック
- 3.2. 呼吸・睡眠のチェック
- 3.3. 歯並び・噛み合わせのチェック
- 3.4. 3項目以上当てはまる場合は要注意
- 4. アデノイド顔貌の特徴
- 4.1. 子どもの特徴
- 4.1.1. 口を閉じている時間が短い
- 4.1.2. 鼻ではなく口で呼吸している
- 4.1.3. 顔が細長く見える
- 4.1.4. 出っ歯や歯並びの乱れ
- 4.1.5. いびきをかく
- 4.2. 大人の特徴
- 4.2.1. 下顎が小さく見える
- 4.2.2. 口元が突出して見える
- 4.2.3. 口が閉じにくい
- 4.2.4. 二重顎になりやすい
- 4.2.5. 睡眠や健康への影響
- 5. アデノイド顔貌の原因
- 5.1. 口呼吸との関係
- 5.1.1. アデノイド顔貌の最大の原因は「口呼吸」
- 5.1.1.1. 鼻呼吸の場合
- 5.1.1.2. 口呼吸の場合
- 5.2. なぜ口呼吸で顔つきが変わるの?
- 5.3. 口呼吸が引き起こす問題
- 5.3.1. 歯科への影響
- 5.3.2. 呼吸への影響
- 5.3.3. 全身への影響
- 5.4. アデノイド肥大
- 5.4.1. アデノイドとは?
- 5.4.2. アデノイド肥大で起こる症状
- 5.5. アレルギー性鼻炎も原因になる
- 5.6. 舌の位置・姿勢・生活習慣
- 5.6.1. 舌の位置(低位舌)
- 5.6.2. 姿勢の悪さ
- 5.6.3. 食生活も関係する
- 5.6.4. 指しゃぶり・舌癖にも注意
- 5.7. 成長期の生活習慣が将来の顔立ちを左右する
- 6. アデノイド顔貌を放置すると起こりやすい影響
- 6.1. 歯並び・噛み合わせへの影響
- 6.1.1.1. アデノイド顔貌の正面 歯並びは出っ歯
- 6.1.1.2. 同症例の側面
- 6.2. 虫歯・歯周病・口臭のリスク
- 6.3. 睡眠への影響
- 6.4. 発音や飲み込みへの影響
- 6.5. 顔立ちへの影響
- 6.6. 成長期は早めの相談が大切です
- 7. アデノイド顔貌と似た状態との違い
- 7.1. 口ゴボとの違い
- 7.2. 出っ歯との違い
- 7.3. 受け口との違い
- 7.4. 面長との違い
- 7.5. 正しい診断が適切な治療につながります
- 8. アデノイド顔貌の治療法
- 8.1. 小児矯正
- 8.1.1. 成長する力を利用できることが最大のメリット
- 8.1.2. 小児矯正で期待できる効果
- 8.2. MFT(口腔筋機能療法)
- 8.2.1. MFTとは?
- 8.2.2. MFTで改善を目指す内容
- 8.2.3. MFTが必要な人
- 8.3. プレオルソ
- 8.3.1. プレオルソとは?
- 8.3.2. プレオルソの特徴
- 8.3.3. プレオルソが向いているケース
- 8.4. 拡大床
- 8.4.1. 少しずつ上顎を広げる取り外し式の装置
- 8.5. 急速拡大装置
- 8.5.1. 上顎を効率よく広げる固定式の装置
- 8.6. 成人矯正
- 8.6.1. 大人でも治療は可能です
- 8.6.2. 主な治療方法
- 8.6.2.1. ワイヤー矯正
- 8.6.2.2. マウスピース矯正
- 8.6.3. 成人矯正で改善が期待できること
- 8.7. 外科矯正
- 8.7.1. 骨格に大きな問題がある場合
- 8.7.2. 外科矯正の流れ
- 8.7.3. 保険適用となる場合も
- 8.8. 耳鼻咽喉科での治療
- 8.8.1. 歯科だけでは改善しないケースもあります
- 8.8.2. アデノイド切除術
- 8.8.3. アレルギー性鼻炎の治療
- 8.9. 歯科と耳鼻咽喉科が連携した治療が重要です
- 9. 自宅でできる改善方法
- 9.1. 鼻呼吸を意識する
- 9.2. 舌を正しい位置に置く
- 9.3. よく噛んで食べる
- 9.4. 姿勢を改善する
- 9.5. MFT(口腔筋機能療法)を継続する
- 9.6. あいうべ体操
- 10. 年齢別の治療
- 10.1. 3〜5歳
- 10.2. 6〜12歳
- 10.3. 中学生
- 10.4. 高校生・大人
- 11. よくある質問(FAQ)
- 11.1. Q1. アデノイド顔貌は自然に治りますか?
- 11.2. Q2. 子どもは何歳から相談できますか?
- 11.3. Q3. 何歳までに治療するのが理想ですか?
- 11.4. Q4. 口呼吸だけでも受診した方が良いですか?
- 11.5. Q5. アデノイド顔貌は出っ歯と同じですか?
- 11.6. Q6. プレオルソだけで治りますか?
- 11.7. Q7. 鼻炎を治せばアデノイド顔貌も改善しますか?
- 11.8. Q8. 子どものいびきは放置しても大丈夫ですか?
- 11.9. Q9. 矯正治療だけで改善しますか?
- 11.10. Q10. どの診療科を受診すれば良いですか?
- 12. まとめ
- 12.1. 関連記事
- 13. お子さんの「ぽかん口」、気になったら早めにご相談ください
- 14. 【動画】アデノイド顔貌
- 15. 筆者・院長
- 15.1. 深沢 一
- 15.1.1. メッセージ

「口をぽかんと開けている」「横顔で顎が小さく見える」「出っ歯や歯並びが気になる」といった症状は、アデノイド顔貌が関係している可能性があります。放置すると歯並びだけでなく、呼吸や睡眠、発音にも影響することがあるため、早めの確認が大切です。
【📹1分】口呼吸が原因?アデノイド顔貌の特徴と治療の選択肢
アデノイド顔貌とは?
アデノイド顔貌とはどのような状態?

アデノイド顔貌とは、口呼吸が長期間続くことなどによって、顔や顎の成長バランスに特徴的な変化が現れた状態を指します。
正式な病名ではありませんが、歯科や耳鼻咽喉科では広く用いられている言葉です。
本来、人は鼻で呼吸をすることで舌が正しい位置に保たれ、顎や顔面骨はバランスよく発育していきます。
しかし、鼻づまりなどによって口呼吸が習慣化すると、
- 舌の位置が低くなる
- 唇を閉じる筋肉が十分に使われない
- 顎の正常な発育が妨げられる
といった変化が起こりやすくなります。
その結果、
- 顔が縦に長くなる
- 下顎が小さく後退する
- 口元が前に出て見える
- 口が閉じにくくなる
などの特徴的な顔立ちになることがあります。
近年では、アデノイド顔貌は見た目だけでなく、「口腔機能発達不全症」や「口呼吸」と深く関係する状態として注目されています。
アデノイド肥大との違い
「アデノイド顔貌」と「アデノイド肥大」は混同されやすい言葉ですが、それぞれ意味が異なります。
アデノイド肥大

アデノイドとは、鼻の奥(上咽頭)にあるリンパ組織(咽頭扁桃)のことです。
幼児から小学校低学年頃に大きくなりやすく、肥大すると鼻の空気の通り道が狭くなるため、
- 鼻づまり
- 口呼吸
- いびき
- 睡眠時無呼吸
などの原因になります。
アデノイド顔貌
一方、アデノイド顔貌は、アデノイド肥大やアレルギー性鼻炎などによる口呼吸が長期間続いた結果として現れる顔貌の変化を指します。
つまり、
アデノイド肥大が原因となり、その結果としてアデノイド顔貌になることがある
という関係です。
ただし、すべてのアデノイド顔貌がアデノイド肥大によるものではありません。
慢性的な鼻炎、舌の癖、姿勢、生活習慣など複数の要因が関係することもあります。
あなたは大丈夫?セルフチェック

アデノイド顔貌は、自分では気付きにくいことも少なくありません。
次の項目に当てはまるものがないか確認してみましょう。
顔つき・口元のチェック
□ 横顔で顎が小さく見える
□ 顔が縦長に見える
□ 口元が前に出ている
□ 自然に口を閉じていることが難しい
□ 二重顎になりやすい
□ 横顔のEラインが整っていない
呼吸・睡眠のチェック
□ 口呼吸が習慣になっている
□ 鼻づまりが多い
□ 寝ているときに口が開いている
□ いびきをかく
□ 朝起きると口が乾いている
□ 熟睡できないことがある
歯並び・噛み合わせのチェック
□ 出っ歯と言われたことがある
□ 歯並びがガタガタしている
□ 前歯が噛み合わない
□ 食事中にクチャクチャ音がする
□ 発音しにくい音がある
3項目以上当てはまる場合は要注意
セルフチェックだけで診断することはできませんが、複数当てはまる場合はアデノイド顔貌や口呼吸、鼻づまりなどが関係している可能性があります。
気になる症状がある場合は、歯科や耳鼻咽喉科で相談することをおすすめします。
アデノイド顔貌の特徴
子どもの特徴

子どものアデノイド顔貌は、成長途中だからこそ特徴が現れやすく、早期に気付くことが重要です。
特によく見られる特徴は次のとおりです。
口を閉じている時間が短い
テレビを見ているときや遊んでいるとき、無意識に口が開いていることがあります。
鼻ではなく口で呼吸している
慢性的な鼻づまりやアレルギー性鼻炎などが原因で、口呼吸が習慣になっているケースが少なくありません。
顔が細長く見える
上下方向への成長が強くなり、顔全体が縦長に見えることがあります。
出っ歯や歯並びの乱れ
上顎が狭くなりやすく、出っ歯や叢生(歯並びのガタつき)、開咬などの不正咬合につながることがあります。
いびきをかく
寝ているときのいびきや睡眠時無呼吸は、アデノイド肥大が隠れているサインの可能性があります。
成長期は骨格がまだ発育途中であるため、早期に原因へ対応することで、正常な成長を促せる可能性があります。
大人の特徴

大人の場合は骨格の成長が終了しているため、顔立ちの特徴が固定されていることが多くなります。
代表的な特徴には以下があります。
下顎が小さく見える
横顔では顎が後退し、フェイスラインがぼやけた印象になることがあります。
口元が突出して見える
実際には下顎が後退しているため、口元が前に出ているように見えるケースが多くあります。
口が閉じにくい
安静時でも唇が自然に閉じられず、口呼吸になりやすい状態が続きます。
二重顎になりやすい
下顎後退によって首との境界が不明瞭になり、体重に関係なく二重顎のように見えることがあります。
睡眠や健康への影響
口呼吸や気道の狭窄によって、
- いびき
- 睡眠時無呼吸症候群
- 日中の眠気
- 集中力の低下
などにつながることもあります。
さらに、見た目のコンプレックスから人前で話すことや写真撮影を避けるようになるなど、心理的な負担を感じる方も少なくありません。
大人では骨格そのものを大きく変えることは難しい場合がありますが、歯科矯正や口腔筋機能療法(MFT)、耳鼻咽喉科での治療などを組み合わせることで、噛み合わせや口腔機能、呼吸の改善が期待できるケースがあります。
アデノイド顔貌の原因
アデノイド顔貌は、生まれつきの骨格だけで決まるものではありません。口呼吸をはじめとする日常生活の習慣や鼻の病気、舌や口周りの筋肉の使い方など、複数の要因が重なって発症すると考えられています。
特に成長期は、顎や顔面骨が大きく発達する重要な時期です。この時期に口呼吸や舌の位置異常が続くと、顔や顎の正常な成長が妨げられ、特徴的な顔立ちや歯並びになることがあります。
ここでは、アデノイド顔貌の主な原因について詳しく解説します。
口呼吸との関係
アデノイド顔貌の最大の原因は「口呼吸」

アデノイド顔貌の原因として最も深く関係しているのが口呼吸です。
本来、人は鼻で呼吸をする「鼻呼吸」が正常な状態です。鼻呼吸では舌が上顎に自然と接し、口唇や頬の筋肉とのバランスによって顎が正常に発育します。
しかし、鼻づまりなどが原因で口呼吸が習慣になると、このバランスが崩れてしまいます。
鼻呼吸の場合
- 舌が上顎に正しく接する
- 上顎が十分に成長する
- 顔全体のバランスが整う
- 唇を閉じる筋肉が発達する
口呼吸の場合
- 舌が低い位置に下がる
- 上顎が狭くなる
- 顎の成長が妨げられる
- 唇が閉じにくくなる
- 顔が縦方向へ成長しやすくなる
このような変化が積み重なることで、アデノイド顔貌へつながる可能性があります。
なぜ口呼吸で顔つきが変わるの?
舌は単に食べたり話したりするための器官ではありません。
成長期には、舌が上顎を内側から支えることで顎を広げ、正常な顔面の発育を促す役割があります。
ところが口呼吸では舌が下がったままになるため、
- 上顎が十分に広がらない
- 歯が並ぶスペースが不足する
- 下顎が後退しやすくなる
- 顔が細長くなる
などの変化が起こりやすくなります。
また、常に口が開いていることで口輪筋(口を閉じる筋肉)も十分に発達せず、「ぽかん口」がさらに悪化するという悪循環に陥ることがあります。
口呼吸が引き起こす問題
口呼吸は顔つきだけでなく、全身にもさまざまな影響を与えます。
歯科への影響
- 出っ歯
- 歯並びの乱れ
- 開咬
- 虫歯
- 歯周病
呼吸への影響
- いびき
- 睡眠時無呼吸症候群
- 鼻づまりの悪化
全身への影響
- 睡眠の質の低下
- 集中力の低下
- 疲れやすい
- 口臭
- 口腔乾燥
「口で呼吸するくらい大丈夫」と思われがちですが、長期間続くと顔の成長だけでなく健康にも影響を及ぼす可能性があります。
アデノイド肥大
アデノイドとは?
アデノイドとは、**鼻の奥(上咽頭)にあるリンパ組織(咽頭扁桃)**です。
細菌やウイルスから体を守る免疫組織の一つで、小さなお子さんでは比較的大きく、5~7歳頃に最も発達します。
通常は思春期頃から自然に小さくなりますが、肥大した状態が続くと鼻の通り道が狭くなり、口呼吸の原因となります。
アデノイド肥大で起こる症状
アデノイドが大きくなると、鼻で呼吸しにくくなります。
その結果、
- いつも口が開いている
- 鼻づまり
- いびき
- 睡眠時無呼吸
- 寝相が悪い
- 朝すっきり起きられない
などの症状が現れることがあります。
成長期のお子さんでは、こうした状態が長く続くことでアデノイド顔貌の形成につながる可能性があります。
アレルギー性鼻炎も原因になる
口呼吸の原因はアデノイド肥大だけではありません。
以下のような病気でも鼻呼吸が妨げられます。
- アレルギー性鼻炎
- 花粉症
- 副鼻腔炎(蓄膿症)
- 鼻中隔弯曲症
- 鼻ポリープ
鼻づまりが慢性的に続く場合は、歯科だけでなく耳鼻咽喉科で原因を調べることも重要です。
舌の位置・姿勢・生活習慣
舌の位置(低位舌)
本来、舌は上顎の前方(スポットと呼ばれる位置)に軽く触れているのが正常です。
しかし、口呼吸の方は舌が下がっている「低位舌」が多く見られます。
低位舌になると、
- 上顎が狭くなる
- 出っ歯になりやすい
- 歯並びが悪くなる
- 飲み込み方が乱れる
- 発音しづらくなる
などの問題が起こります。
歯並びだけを治しても、舌の位置が改善されなければ後戻りする可能性もあります。
姿勢の悪さ
姿勢も顔の成長に大きく影響します。
特に
- 猫背
- ストレートネック
- 巻き肩
があると、頭が前に出る姿勢になります。
この姿勢では下顎が後方へ引っ張られやすく、口呼吸もしやすくなるため、アデノイド顔貌の進行を助長することがあります。
食生活も関係する
現代では柔らかい食べ物が増え、噛む回数が少なくなっています。
噛む刺激が不足すると、
- 咀嚼筋
- 顎の骨
- 口周りの筋肉
の発達が不十分になり、顎が小さくなりやすいと考えられています。
そのため、
- 繊維質の多い野菜
- よく噛む必要のある食材
- 一口30回程度を目安によく噛む習慣
を意識することも大切です。
指しゃぶり・舌癖にも注意

小さなお子さんでは、
- 指しゃぶり
- 舌で前歯を押す癖(舌突出癖)
- 唇を噛む癖
- 頬杖
なども顎や歯並びに影響を与えることがあります。
特に舌突出癖は、出っ歯や開咬、アデノイド顔貌の悪化につながることがあるため、早めの改善が望まれます。
成長期の生活習慣が将来の顔立ちを左右する
アデノイド顔貌は、一つの原因だけで起こるものではありません。
- 口呼吸
- 鼻づまり
- アデノイド肥大
- 舌の位置
- 姿勢
- 食生活
- 日常の癖
などが複雑に関係しながら、少しずつ顔や顎の成長に影響を与えます。
特に子どもの成長期は改善しやすい時期でもあります。気になる症状がある場合は、「様子を見る」のではなく、歯科や耳鼻咽喉科で早めに相談することが大切です。
アデノイド顔貌を放置すると起こりやすい影響
アデノイド肥大や鼻づまりなどによって口呼吸が続くと、舌が本来あるべき上顎付近から下がりやすくなります。
成長期にこうした状態が続くと、顎の発育や歯並び、睡眠などに影響することがあります。
歯並び・噛み合わせへの影響
舌には、上顎の成長や歯列の形に関わる役割があります。口呼吸によって舌の位置が低くなると、上顎の横方向への成長が十分に得られず、歯が並ぶスペースが不足することがあります。

アデノイド顔貌の正面 歯並びは出っ歯
アデノイド顔貌の口腔内です。出っ歯で、前歯の間に隙間が出来た悪い歯並びです。歯列は狭くV 字型になって、犬歯の萌出スペースが不足しています。
矯正治療しないで成長し大人になるとさらに酷い出っ歯でガタガタの乱杭歯になるでしょう。

同症例の側面
矢印は歯茎の中に埋まった犬歯(永久歯)の先端部を示しています。萌出するスペースが不足し、犬歯の幅の半分ほどしかありません。このままでは確実に八重歯なってしまいます。
これは、口呼吸のため十分に顎骨が成長出来ずにV字型の狭いアーチになっているからです。
その結果、
- 出っ歯(上顎前突)
- ガタガタの歯並び(叢生)
- 八重歯
- 開咬
- 交叉咬合
などにつながる可能性があります。
歯並びの問題は見た目だけでなく、噛みにくさや歯磨きのしにくさにも関係します。
虫歯・歯周病・口臭のリスク
口呼吸では口の中が乾燥しやすくなります。
唾液には、汚れや細菌を洗い流したり、歯の再石灰化を助けたりする働きがあります。そのため、口腔内が乾燥すると、虫歯や歯肉炎、歯周病、口臭などのリスクが高くなることがあります。
睡眠への影響
アデノイド肥大や鼻づまりによって気道が狭くなると、いびきや睡眠時無呼吸などを伴うことがあります。
svg耳鼻咽喉の病気
特にお子さんでは、
- 大きないびきをかく
- 寝相が悪い
- 夜中に何度も目を覚ます
- 朝起きにくい
- 日中に眠そうにしている
- 集中力が続かない
といった変化がみられることがあります。
睡眠は子どもの心身の成長に重要です。いびきや呼吸の停止がみられる場合には、歯並びだけの問題と考えず、耳鼻咽喉科などで気道の状態を確認することも大切です。
発音や飲み込みへの影響
舌の位置が低い状態が続くと、発音や飲み込み方にも影響することがあります。
サ行・タ行・ラ行などが発音しにくくなったり、舌で前歯を押して飲み込む「舌突出癖」がみられたりすることがあります。
こうした舌の癖は、歯並びや噛み合わせにも影響するため、必要に応じてMFT(口腔筋機能療法)などを検討します。
顔立ちへの影響
成長期に口呼吸や低位舌が続くと、
- 顔が縦に長く見える
- 下顎が小さく、後退して見える
- 口元が前に出て見える
- 口が閉じにくい
といった顔貌の特徴がみられることがあります。
ただし、顔立ちは遺伝や骨格などさまざまな要因によって決まるため、見た目だけでアデノイド顔貌と判断することはできません。
成長期は早めの相談が大切です
成長期のお子さんでは、顎の成長を利用して治療できる場合があります。
一方、骨格的な問題が大きくなってから治療を始めると、本格的な矯正治療が必要になることもあります。
「いつも口が開いている」「鼻づまりがある」「いびきをかく」「顎が小さい」「歯並びが悪くなってきた」といった症状があれば、早めに歯科や耳鼻咽喉科へ相談しましょう。
アデノイド顔貌と似た状態との違い
アデノイド顔貌は、口ゴボや出っ歯、受け口、面長などと見た目が似ていることがあります。
しかし、原因が異なるため、治療方法も同じではありません。
口ゴボとの違い
「口ゴボ」は医学用語ではなく、上下の唇や口元が前方へ突出して見える状態を表す一般的な言葉です。
口ゴボは、歯や顎の位置によって口元が前に出ているケースが中心です。
一方、アデノイド顔貌では、下顎が小さく後退していることで、相対的に口元が前に出て見える場合があります。また、口呼吸や鼻づまり、いびきなどを伴うことがあります。
出っ歯との違い
出っ歯(上顎前突)は、上の前歯や上顎が前方へ突出した状態です。
アデノイド顔貌でも出っ歯を伴うことがありますが、すべての出っ歯がアデノイド顔貌というわけではありません。
アデノイド顔貌では、
- 口呼吸がある
- 口が閉じにくい
- 下顎が小さく見える
- 顔が縦長に見える
- 鼻づまりやいびきがある
など、歯並び以外の特徴も確認することが重要です。
受け口との違い
受け口(反対咬合)は、下の前歯が上の前歯より前に出ている噛み合わせです。
アデノイド顔貌では下顎が後退して見えることが多いのに対し、骨格性の受け口では下顎が前方に位置していることがあり、横顔の特徴は大きく異なります。
面長との違い
面長は、顔の縦方向が比較的長い「顔立ち」を表す言葉であり、それ自体は病気ではありません。
アデノイド顔貌でも顔が縦長に見えることがありますが、
- 口呼吸
- ぽかん口
- 鼻づまり
- いびき
- 下顎の後退
- 歯並びや噛み合わせの異常
などを伴っているかを総合的に確認する必要があります。
正しい診断が適切な治療につながります
アデノイド顔貌は、見た目だけでは判断できません。
歯並びや顎の成長だけでなく、鼻呼吸ができているか、舌が正しい位置にあるか、睡眠中の呼吸に問題がないかなどを総合的に確認することが大切です。
原因によっては、歯科矯正やMFTだけでなく、耳鼻咽喉科での検査・治療が必要になる場合もあります。
当院では、歯並びや噛み合わせ、顎の成長、横顔のバランス、口呼吸の有無などを確認し、一人ひとりの状態に合わせた治療方法をご提案しています。
アデノイド顔貌の治療法
アデノイド顔貌の治療は、「顔つきを治す」ことだけが目的ではありません。
口呼吸や鼻づまりなどの原因を改善し、顎や歯並びの成長を正しい方向へ導くことが重要です。
治療方法は、
- 年齢
- 骨格の状態
- 歯並び
- 口呼吸の原因
によって異なります。
特に成長期のお子さんでは、顎の発育を利用できるため、大人よりも改善が期待しやすいケースが多くあります。
小児矯正
成長する力を利用できることが最大のメリット
小児矯正では、まだ成長途中の顎の骨を利用して治療を行います。
歯並びだけを整えるのではなく、
- 顎の発育
- 鼻呼吸
- 舌の位置
- 噛み合わせ
を総合的に改善することが目的です。
成長期に適切な治療を開始することで、将来的に抜歯や外科矯正が必要になるリスクを減らせる可能性があります。
小児矯正で期待できる効果
- 顎の正常な発育を促す
- 歯が並ぶスペースを確保する
- 口呼吸の改善を目指す
- 出っ歯や叢生の予防
- 噛み合わせの改善
- 将来の本格矯正の負担を軽減
子どもの成長は一度しかありません。
そのため、気になる症状があれば早めの相談が大切です。
MFT(口腔筋機能療法)
MFTとは?

MFT(Myofunctional Therapy:口腔筋機能療法)は、
舌・唇・頬など口の周りの筋肉を正しく使えるようにするトレーニングです。
歯並びは、歯だけではなく筋肉のバランスによって維持されています。
そのため、矯正治療とMFTを組み合わせることで、より安定した治療結果が期待できます。
MFTで改善を目指す内容
- 舌の正しい位置
- 鼻呼吸
- 口を閉じる力
- 正しい飲み込み方
- 発音
- 口呼吸の改善
MFTが必要な人
次のような方はMFTが効果的な場合があります。
- いつも口が開いている
- 舌が前に出る癖がある
- 飲み込むときに舌で歯を押している
- 口呼吸をしている
- 矯正後の後戻りが心配
MFTは毎日の積み重ねが大切であり、ご家庭での継続的なトレーニングが治療効果につながります。
プレオルソ
プレオルソとは?

プレオルソは、成長期のお子さんを対象とした取り外し式のマウスピース型矯正装置です。
歯を無理に動かすのではなく、
- 舌
- 唇
- 頬
などの筋肉のバランスを整えながら、顎や歯並びの正常な発育を促します。
プレオルソの特徴
- 日中は1時間程度と就寝中に装着
- 痛みが比較的少ない
- 取り外しができる
- 口呼吸の改善が期待できる
- MFTとの併用で効果が高まる
プレオルソが向いているケース
- 口呼吸
- ぽかん口
- 出っ歯
- 軽度の歯列不正
- アデノイド顔貌の初期
ただし、すべての症例に適応できるわけではありません。
骨格や歯並びによっては他の装置を選択する場合もあります。
拡大床
少しずつ上顎を広げる取り外し式の装置

拡大床は、取り外し式の矯正装置です。上顎を少しずつ広げて歯が並ぶスペースを確保し、顎の正常な発育を促します。
適応例
- 上顎が狭い
- 歯が並ぶスペースが不足している
- 軽度〜中等度の歯並びの乱れ
メリット
- 取り外しができる
- 顎の成長を利用して自然に拡大できる
- 将来的な抜歯を避けられる可能性がある
急速拡大装置
上顎を効率よく広げる固定式の装置

急速拡大装置は、歯に固定して使用する矯正装置です。上顎の骨を短期間で広げ、歯列や顎の成長を改善します。
適応例
- 上顎が著しく狭い
- 交叉咬合(クロスバイト)
- アデノイド顔貌
- 口呼吸による上顎の狭窄
メリット
- 骨格レベルで上顎を拡大できる
- 鼻呼吸がしやすくなる場合がある
- 将来的な抜歯や外科矯正を避けられる可能性がある
成人矯正
大人でも治療は可能です
「もう大人だから治らない」と思われる方もいますが、大人になってからでも矯正治療は可能です。
ただし、成長は終了しているため、小児矯正のように顎そのものを大きく成長させることはできません。
そのため、
- 歯の位置
- 噛み合わせ
- 見た目
を改善することが治療の中心になります。
主な治療方法
ワイヤー矯正

幅広い症例に対応できる標準的な治療法です。
細かな歯の移動が可能で、重度の歯並びにも対応できます。
マウスピース矯正
透明な装置を使用するため目立ちにくく、取り外しが可能です。
ただし、症例によっては適応できない場合があります。
成人矯正で改善が期待できること
- 歯並び
- 噛み合わせ
- 横顔
- 口元の突出感
一方で、骨格そのものの改善には限界があるため、重度の症例では外科矯正を併用することがあります。
外科矯正
骨格に大きな問題がある場合
下顎の後退が著しい場合などでは、
歯列矯正だけでは十分な改善が難しいことがあります。
そのような場合には、
顎の骨を移動させる外科矯正(顎変形症手術)
が選択されることがあります。
外科矯正の流れ
一般的には、
① 術前矯正
② 顎の手術
③ 術後矯正
という流れで進めます。
保険適用となる場合も
顎変形症と診断され、一定の条件を満たした場合には、健康保険が適用されることがあります。
詳しくは矯正歯科や口腔外科で相談しましょう。
耳鼻咽喉科での治療
歯科だけでは改善しないケースもあります
アデノイド顔貌の原因が、
- アデノイド肥大
- アレルギー性鼻炎
- 副鼻腔炎
- 鼻中隔弯曲症
などの場合には、耳鼻咽喉科での治療が必要です。
歯並びだけを治しても、鼻づまりが改善しなければ口呼吸が続き、後戻りの原因になることがあります。
アデノイド切除術
アデノイド肥大によって、
- 鼻呼吸ができない
- いびき
- 睡眠時無呼吸
などが強い場合には、アデノイド切除術が検討されます。
手術によって鼻呼吸が改善し、その後の顎や歯並びの発育に良い影響を与えることがあります。
アレルギー性鼻炎の治療
慢性的な鼻づまりでは、
- 抗アレルギー薬
- 点鼻薬
- 鼻洗浄
- 舌下免疫療法
- 必要に応じた手術
などが行われます。
鼻の通りを改善することは、口呼吸の改善につながる重要な治療です。
歯科と耳鼻咽喉科が連携した治療が重要です
アデノイド顔貌は、「歯並びだけ」「鼻づまりだけ」の問題ではありません。
口呼吸の原因となる鼻の病気を改善しながら、歯並びや顎の発育、舌や口周りの筋肉の機能を総合的に整えることが大切です。
当院では、口腔内や噛み合わせだけでなく、口呼吸や舌の位置、顎の成長バランスまで詳しく確認し、必要に応じて耳鼻咽喉科と連携しながら、一人ひとりに適した治療をご提案しています。
自宅でできる改善方法
アデノイド顔貌は、骨格の問題だけではなく、口呼吸や舌の位置、姿勢、生活習慣が大きく関係しています。
特に成長期のお子さんでは、毎日の習慣を見直すことで、正常な顎や顔の発育をサポートできる可能性があります。
ただし、すでに骨格の変化が大きい場合や鼻づまりがある場合は、自宅でのケアだけでは改善が難しいこともあります。症状が続く場合は、歯科や耳鼻咽喉科への相談をおすすめします。
鼻呼吸を意識する
アデノイド顔貌の改善では、まず鼻呼吸を習慣づけることが大切です。
鼻づまりがある場合はそのままにせず、耳鼻咽喉科で原因を調べましょう。
普段から、
- 口を閉じることを意識する
- 鼻からゆっくり呼吸する
- 鼻づまりを放置しない
ことが重要です。
舌を正しい位置に置く
舌は普段、
上顎の前歯の少し後ろ(スポット)
に軽く触れている状態が正常です。
舌が下がっていると、
- 上顎が狭くなる
- 出っ歯
- 口呼吸
につながりやすくなります。
よく噛んで食べる
現代は柔らかい食べ物が多く、顎を十分に使わない子どもが増えています。
毎日の食事では、
- 一口30回を目安によく噛む
- 繊維質の多い食材を取り入れる
- 左右均等に噛む
ことを意識しましょう。
姿勢を改善する
猫背やストレートネックは口呼吸を助長します。
普段から、
- 背筋を伸ばす
- 顎を軽く引く
- スマートフォンを見続けない
ことも大切です。
MFT(口腔筋機能療法)を継続する
歯科医院で指導を受けたMFTは、自宅でも毎日続けることで効果が期待できます。
継続することが改善への近道です。
あいうべ体操

- 「あ・い・う・べー」と大きく口を動かして発音する
- 口輪筋や舌の筋肉を鍛え、口呼吸を改善
- 自宅でも取り組める簡単なトレーニング
軽度〜中度のアデノイド顔貌に対しては、あいうべ体操・MFTだけでも顔つき・機能ともに改善が期待できます。
年齢別の治療
3〜5歳
この時期は口呼吸や舌の位置、生活習慣の改善が中心になります。
必要に応じて耳鼻咽喉科で鼻づまりの治療を行います。
6〜12歳
最も治療効果が期待しやすい時期です。
顎の成長を利用できるため、
- プレオルソ
- MFT
- 拡大装置
- 小児矯正
などを組み合わせることで、将来的な本格矯正を回避できる可能性があります。
中学生
骨の成長は残っていますが、徐々に少なくなります。
歯並びだけでなく、口呼吸の改善も並行して行うことが重要です。
高校生・大人
骨格はほぼ完成しています。
そのため、
- ワイヤー矯正
- マウスピース矯正
- MFT
- 必要に応じて外科矯正
などを組み合わせて治療します。
よくある質問(FAQ)
Q1. アデノイド顔貌は自然に治りますか?
軽度では成長に伴って変化することもありますが、口呼吸や鼻づまりなどの原因が続いている場合は、原因に応じた対応が必要です。
Q2. 子どもは何歳から相談できますか?
3〜4歳頃から相談できます。特に「ぽかん口」「口呼吸」「いびき」「歯並び」が気になる場合は、早めにご相談ください。
Q3. 何歳までに治療するのが理想ですか?
顎の成長を利用できる時期に相談することが大切です。治療を始める適切な時期は、お子さんの成長や歯並びによって異なります。
Q4. 口呼吸だけでも受診した方が良いですか?
はい。口呼吸が続くと、歯並びや噛み合わせだけでなく、口腔内の乾燥や睡眠などにも影響することがあります。
Q5. アデノイド顔貌は出っ歯と同じですか?
同じではありません。アデノイド顔貌では出っ歯を伴うことがありますが、口呼吸や顎の成長、舌の位置など複数の要因が関係します。
Q6. プレオルソだけで治りますか?
症状や骨格によって異なります。MFT(口腔筋機能療法)や拡大装置など、ほかの治療を組み合わせることもあります。
Q7. 鼻炎を治せばアデノイド顔貌も改善しますか?
鼻づまりの改善は重要ですが、すでに歯並びや顎の成長、舌の癖などに問題がある場合は、歯科での治療が必要になることがあります。
Q8. 子どものいびきは放置しても大丈夫ですか?
大きないびきが続く、睡眠中に呼吸が止まるなどの症状がある場合は、放置せず耳鼻咽喉科などで相談しましょう。
Q9. 矯正治療だけで改善しますか?
原因によって異なります。鼻づまりやアデノイド肥大などが関係している場合は、矯正治療だけでなく耳鼻咽喉科での治療が必要になることがあります。
Q10. どの診療科を受診すれば良いですか?
歯並びや噛み合わせ、顎の成長が気になる場合は歯科・矯正歯科、鼻づまりやいびき、睡眠中の呼吸が気になる場合は耳鼻咽喉科への相談がおすすめです。
まとめ
アデノイド顔貌は、口呼吸や鼻づまりなどが原因となって起こることが多く、歯並びや見た目だけでなく、睡眠や発音、全身の健康にも影響を及ぼす可能性があります。
特に子どもの成長期は、顎や顔の発育をコントロールできる大切な時期です。
次のような症状がある場合は、早めの受診をおすすめします。
- いつも口が開いている
- 鼻づまりが続く
- 出っ歯や歯並びが気になる
- いびきをかく
- 横顔が気になる
早期に原因を見つけて適切な治療を行うことで、将来的な大掛かりな矯正治療を避けられる可能性があります。
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口呼吸や鼻づまり、いびき、出っ歯、顎の小ささは、成長期の顎や歯並びに影響することがあります。歯並びだけでなく、呼吸や舌の位置、顎の成長まで確認し、お子さんに合った治療方法をご提案します。
「これくらい大丈夫かな?」と迷われる場合でも、お気軽にご相談ください。
【動画】アデノイド顔貌
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。





