口ゴボとは

  • 歯並びは良く出っ歯じゃないのに口元が出ている口ゴボの原因は、上顎・下顎共に頭蓋骨に対して前方に出ている両顎前突だからです。
  • 子供で成長過程なら口ゴボを自力で治し横顔を綺麗にすることは可能です。

綺麗な歯並びなのに口元が突き出した口ゴボの横顔や、顎の先端に梅ぼしジワができたりと悩んでいる人は多いと思います。

綺麗な歯並びであることと横顔が綺麗であることは必ずしも一致しません。12歳くらいまでの子供なら自力で改善することも可能ですが、中学生以上になった場合、第一小臼歯の抜歯矯正で治療するのが一般的です。

ここでは、歯並びが良くて出っ歯ではないのに横顔を見ると口が出ているのはなぜなのか?ということについて解説します。

口ゴボ

歯並びは良いのに口ゴボになる理由

歯並びは綺麗なのに横から見ると口元がゴリラの顔の様に出ている口ゴボは、上下の顎の骨が両方とも頭蓋骨(頭の骨)に対して前方に出ているケースで多く見られます。上顎骨だけが頭蓋骨に対して前方に出ている出っ歯のケースでも口ゴボに見えることはあります。

横顔だけでなく前から見ても口元が出ていることがわかる人は重度かもしれませんね。

また、口ゴボになる原因は遺伝的要因も否定出来ませんが、その他後天的要因も様々あり、アデノイド顔貌と成因が似ている部分が多々あります。

矯正治療で目標にする綺麗な横顔は、eラインを基準に判断されます。

両顎前突

両顎前突
両顎前突

上顎骨・下顎骨共に頭骸骨に対して前方に出ている場合、横から見ると、口元が突出して見える口ゴボとなります。

綺麗な歯並びの条件は、歯列だけの問題ではなく、上下顎骨の頭骸骨に対する前後的位置関係も深く関係しているということが出来ます。

歯並びだけを見れば綺麗でも横顔に審美的問題があるのであれば矯正治療の対象になります。

通常、第一小臼歯を4本抜歯して、そのスペースを使って前歯や犬歯を後方に移動させます。

子供の口ゴボを自力で治す方法

小学6年生(12歳)頃まで

身長が伸びている小学6年生(12歳)ぐらいの年齢までは盛んに顎骨の成長が行われています。この年齢までなら骨の成長方向を誘導するような力を自力でかけることで、口ゴボを治すことも不可能ではありません。

特に小学1年生くらいから5年生くらいにかけて高い効果が期待出来る時期です。

残念ながら中校生くらいになり成長が止まると、上下顎の骨が固まり自力で治すことはほとんど不可能になります。

自力で治す方法

Method

リットレメーター・リットレMP

リットレメーターやリットレMPは唇の周りの筋肉である口輪筋を鍛えることで口ゴボを改善する器具です。詳細は、自力で綺麗なeラインの作り方のページで具体的な器具の使用法を解説しています。

Method

あいうべ体操

自分自身で簡単に行える舌と唇のトレーニング法である「あいうべ体操」も参考にして下さい。

詳細は「舌で歯を押す癖・舌突出癖を治す方法」のページを参照してください。

歯科医の指導下で自力で治す方法

Method

プレオルソ

プレオルソは子供の取り外し式矯正装置で3歳~10歳が適応年齢です。

適応症例は出っ歯、受け口、乱杭歯など子供の歯列不正はすべてに対応できます。主に夜寝る時に使用します。装置を口の中に入れることで、自分の筋肉の力で歯や骨の成長をコントロールするものです。

プレオルソ

Method

MFT

MFT(口腔筋機能療法)は舌などの口腔周囲筋をトレーニングして舌癖(舌突出癖)を除去する方法です。

歯科医院でやり方を継続的に指導し、徐々にステップアップしていきます。学習した内容を各自自宅で実践してもらいます。

MFT

大人の口ゴボを歯列矯正で治す

抜歯矯正
抜歯矯正

抜歯矯正

写真は綺麗な歯並びで出っ歯ではないのに口ゴボになっている症例です。

この治療は通常、ワイヤー矯正で行われます。インビザラインなどのマウスピース矯正を希望される方がいますが、抜歯ケースでは不向きです。

重度の口ゴボでは、顎の骨を切る外科矯正が必要になることもあります。

治療ステップ

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 第一小臼歯4本抜歯

成長が止まった大人で行う方法です。上顎・下顎の小臼歯(全部で4本)を抜歯します。

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 犬歯の遠心移動

抜歯して出来たスペースを使って4本の犬歯を第2小臼歯と接する位置まで移動させます。

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 前歯4本を後方移動

犬歯と側切歯間にスペースが出来ます。このスペースを埋めるように前歯4本を後方に引っ張ります。

親知らずを抜歯すれば口ゴボは治る?

下の親知らずが横向きに埋まったままだと第2大臼歯を押すことで順次前歯まで力が伝わり、前歯が突出してくる可能性は十分にありえます。

しかし、親知らずを抜いたからといって、口ゴボが改善することはありません。ただし、矯正治療を行う場合には、真横に埋まった親知らずの抜歯は不可欠です。 何故なら、せっかく綺麗に並んだ歯並びが後戻りするリスクがあるからです。

ふかさわ歯科クリニック篠崎では、矯正装置の見た目が気になるという方でも、審美性に配慮した目立たないマウスピース矯正装置をご用意しております。患者さま一人ひとりの口腔内状況を拝見した上でご要望をしっかりと聞き、痛みの少ない無理のない治療計画をご提案いたします。江戸川区篠崎にて歯の正中線のずれの治療をご検討の方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。

【動画】歯並びは良いのに口ゴボ?

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

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メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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