歯列矯正をする際に抜歯矯正か非抜歯矯正か悩みが尽きないと思います。
口元を引っ込めるためには抜歯することが有利になることが多いですが、年齢や顔の骨格によっても判断が分かれるところです。
骨格の3フェイシャルタイプ
抜歯矯正・非抜歯矯正を分ける
頭の骨を横から撮影するセファログラム規格エックス線写真によって頭骸骨、上顎骨、下顎骨の形態を分析(様々な角度や長さを計測)し、ドリコフェイシャル(長顔型)・ブレーキーフェイシャル(短顔型)・メジオフェイシャル(中顔型)の三つの横顔の骨格のフェイシャルタイプに分類します。
メジオフェイシャル(中顔型)は、ドリコフェイシャルとブレーキーフェイシャルタイプの中間型です。
ドリコフェイシャル(長顔型)
ドリコフェイシャルの横顔
ドリコフェイシャルは少し面長で顎やエラがないタイプです。極端なケースに鳥貌やアデノイド顔貌があります。
日本人は欧米人に比べドリコフェイシャル傾向が強いのが特徴です。
ドリコフェイシャルの骨格
ドリコフェイシャルの傾向が強まるほど、矢印で示した下顎角と呼ばれる角度が大きくなるのが特徴です。
セファログラムX線写真を分析する際には10個以上の計測項目から総合的に判断してフェイシャルパターンを識別します。
抜歯矯正になりやすいドリコフェイシャル
ドリコフェイシャルタイプの傾向が強くなると、矯正治療により大臼歯の挺出(歯冠方向へ動く)が起こりやすく、同時に前歯のオープンバイトが発生しやすいのが特徴です。
ドリコフェイシャルタイプでは、前歯の出っ歯や乱杭歯・八重歯などを治すのに第1小臼歯の四本を抜歯することが多くなります。
ゴリラ顔の口ゴボを矯正治療で治す方法は、第1小臼歯4本を抜歯して、そのスペースを使って犬歯や前歯を後方に引きます。これにより口元を引っ込めることが出来て、Eラインの改善にもつながります。
※ 八重歯があっても八重歯を抜く事はしません。
ブレーキーフェイシャル(短顔型)
ブレーキーフェイシャルの横顔
イラストはブレーキーフェイシャルの出っ歯・口ゴボの症例です。
「顎が張った人」「エラが張った人」「顎が角張った人」と表現され横顔のタイプです。
イラストの様な出っ歯で口コボのケースでは、非抜歯矯正で口元を改善出来る可能性が高まります。
芸能人の「片桐はいり」さんは典型的なブレーキーフェイシャルですね。
ブレーキーフェイシャルの顎骨
ブレーキーフェイシャルの傾向が強まると下顎角は小さくなり、90度に近づきます。
ブレーキーフェイシャルタイプの傾向が強くなると、上下の歯を噛み込む力が強く、歯に矯正力をかけても歯が動きにくいのが特徴です。
非抜歯矯正になりやすいブレーキーフェイシャル
出っ歯や乱杭歯・八重歯などの矯正治療で非抜歯になるケースが多くなります。
特に、成長過程の子供においてはバイオネーター、プレオルソ、MFTなどを駆使して非抜歯矯正で治療が終了する場合があります。
ただし、大人になって成長が止まってしまった場合には抜歯矯正になることがあります。
子供なら非抜歯矯正が増える
ゴリラ顔の口ゴボを改善
顎の成長が活発に行われている4歳くらいから10歳くらいまでの間であれば写真の様なプレオルソという装置を使って非抜歯矯正で治療を行うことが出来る可能性が高まります。
プレオルソは不正咬合の原因である口呼吸や舌突出癖などを矯正する装置で、健全な顎骨の成長を促してくれるのが特徴です。
成長している期間でブレーキーフェイシャルタイプでは、バイオネーターという取り外し式の装置で抜歯をせずに出っ歯や口ゴボを治すことも可能です。
綺麗なEラインを作るなら抜歯矯正
横顔に鼻の先端から顎の先端に引いたラインをEライン(エステティックライン)と呼びます。矯正で歯並びが綺麗になっても口元が引っ込まなければ、綺麗なEラインの横顔になるとは限りません。
ゴリラ顔の口元を引っ込める為には小臼歯の抜歯が必要になることもあります。
江戸川区篠崎で口ゴボのゴリラ顔の矯正治療をご検討の方へ
ふかさわ歯科クリニック篠崎では、矯正装置の見た目が気になるという方でも、審美性に配慮した目立たないマウスピース矯正装置をご用意しております。患者さま一人ひとりの口腔内状況を拝見した上でご要望をしっかりと聞き、痛みの少ない無理のない治療計画をご提案いたします。江戸川区篠崎にて口ゴボのゴリラ顔の矯正治療をご希望の方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。
【動画】アデノイド顔貌
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。