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舌や頬の内側に白い苔のようなものが付着したり、口の中にヒリヒリとした痛みや違和感が続いたりしていませんか?

「口内炎かな?」
「舌苔が増えただけ?」
と思って、そのまま様子を見る方も少なくありません。

しかし、このような症状は口腔カンジダ症によって起こっている可能性があります。

口腔カンジダ症は、口の中にもともと存在するカンジダ菌が増殖して起こる病気です。適切な治療によって改善が期待できますが、原因となる口腔乾燥や義歯の衛生状態、全身疾患などが改善されないと、再発を繰り返すことがあります。

この記事では、口腔カンジダ症の原因・症状・治療法・再発予防について分かりやすく解説します。

次のような症状や状態がある場合は、口腔カンジダ症が関係している可能性があります。

□ 舌や頬の内側に白いものが付着している

□ 白い部分を拭うと赤くなる

□ 口の中がヒリヒリする

□ 味を感じにくい・味がおかしい

□ 入れ歯を使用している

□ 最近、抗菌薬を服用した

□ 吸入ステロイド薬を使用している

□ 口の乾燥が気になる

□ 糖尿病などの基礎疾患がある

□ 体調を崩した後から症状が出ている

当てはまる項目があるからといって、必ずしも口腔カンジダ症とは限りません。

白い病変や痛みが続く場合は、自己判断せず歯科・口腔外科で診察を受けることが大切です。

下顎歯槽堤にみられる口腔カンジダ症
下顎歯槽堤にみられる口腔カンジダ症
白苔(はくたい)や口の中の痛み
白苔(はくたい)や口の中の痛み

口腔カンジダ症とは、カンジダ属の真菌(カビの仲間)が口腔内で増殖し、粘膜に炎症などを起こす病気です。

カンジダ菌は健康な方の口腔内にも存在することがある常在微生物の一つです。そのため、単純に「外から感染した」というよりも、口腔内や全身の環境が変化して菌が増えすぎることで発症するケースが多くみられます。

代表的な症状には、

  • 舌や頬の内側などに白い苔のようなものが付着する
  • 口の中がヒリヒリする
  • 粘膜が赤くなる
  • 食べ物や飲み物がしみる
  • 味を感じにくい
  • 口角が切れる

などがあります。

一方で、白い苔が目立たず、粘膜の赤みやヒリヒリ感を中心とするタイプもあります。

口腔カンジダ症が疑われる症状を「そのうち治るだろう」と長期間放置することはおすすめできません。

症状が続くと、

  • ヒリヒリした痛みが強くなる
  • 食事がしづらくなる
  • 味覚に異常を感じる
  • 入れ歯を装着すると痛む
  • 症状を繰り返す

といった問題につながることがあります。

免疫機能が大きく低下している方などでは、口腔内だけでなく咽頭や食道などに病変が及ぶこともあります。

また、口の中が白くなる病気はカンジダ症だけではありません。別の口腔粘膜疾患を見逃さないためにも、症状が続く場合は早めの診断が重要です。

白い苔のようなものが付着する

舌、頬の内側、上あごなどに、白色〜乳白色の苔のようなものが付着することがあります。

白い部分を拭うと赤くなる

タイプによっては、白い部分をガーゼなどで拭うと剥がれ、その下の粘膜に赤みがみられることがあります。

ただし、無理にこすって剥がすことは避けてください。

口の中がヒリヒリする

粘膜に炎症が起こると、ヒリヒリした痛みや灼熱感が生じることがあります。

熱いもの、辛いもの、酸味の強いものなどで症状が強くなる場合があります。

味覚に異常を感じる

味を感じにくくなったり、いつもと違う味や不快な味を感じたりすることがあります。

口角が切れる

カンジダ菌が関係する口角炎を併発し、口角が赤くなったり、切れて痛んだりすることがあります。

口腔カンジダ症は、カンジダ菌が増えやすい条件が重なることで発症しやすくなります。

特に注意したいのは、

  • 高齢の方
  • 乳児
  • 入れ歯を使用している方
  • 口腔乾燥(ドライマウス)がある方
  • 糖尿病などの基礎疾患がある方
  • 抗菌薬を使用している方
  • 吸入ステロイド薬を使用している方
  • がん治療などにより免疫機能が低下している方

などです。

「カンジダ菌に感染したから発症した」と考えられがちですが、カンジダ菌は健康な方の口の中にも存在することがあります。

発症までの流れを簡単にすると、

口腔内にカンジダ菌が存在

口腔乾燥・免疫機能の低下・薬剤などの影響

カンジダ菌が増殖

粘膜に炎症が起こる

というイメージです。

そのため治療では、抗真菌薬で菌の増殖を抑えるだけでなく、「なぜカンジダ菌が増えたのか」を確認することも重要です。

入れ歯の表面には微生物が付着しやすく、清掃状態などによってはカンジダ菌が増殖しやすくなります。

特に、

  • 入れ歯を長時間装着したままにする
  • 入れ歯の清掃が十分でない
  • 入れ歯が合っていない
  • 口腔内が乾燥している

といった状態が重なると、義歯性口内炎の原因になることがあります。

入れ歯と口腔内の両方を清潔に保ち、必要に応じて歯科医院で入れ歯の調整を受けることが大切です。

喘息などの治療で吸入ステロイド薬を使用している場合、口腔内に薬剤が残ることで口腔カンジダ症を発症することがあります。

予防のため、医師や薬剤師から指示されている方法に従い、吸入後のうがいを習慣にしましょう。

日頃から口腔内を清潔に保つことも重要です。

唾液には、口腔内を洗浄したり、微生物の増殖を抑えたりする働きがあります。

唾液が減少すると口腔内の環境が変化し、カンジダ菌が増えやすくなることがあります。

ドライマウスがある場合は、原因に応じて、

  • こまめな水分補給
  • 口腔用保湿剤の使用
  • 唾液腺への刺激
  • 服用薬や全身疾患の確認

などを検討します。

乾燥が強い場合は自己判断だけで対処せず、歯科医院などで原因を確認することが大切です。

舌や口の中が白くなっていても、必ずしも口腔カンジダ症とは限りません。

疾患・状態主な特徴
口腔カンジダ症タイプによって白い付着物が拭うと取れることがある
白板症白い病変が擦っても取れないことが多い
口腔扁平苔癬白い線状・網目状の模様がみられることがある
舌苔主に舌の表面に付着する

見た目だけで正確に判断することは難しいため、自己診断はおすすめできません。

特に、擦っても取れない白い病変、しこり、潰瘍、出血などが長く続く場合は、歯科・口腔外科で診察を受けてください。

白板症の一部には悪性化する可能性があるため、適切な診断と経過観察が重要です。

擦っても取れない白い病変|白板症

舌の裏に出来た白板症
舌の裏に出来た白板症
擦過しても残る白斑:白板症を疑う頬粘膜病変
擦過しても残る白斑:白板症を疑う頬粘膜病変

レース状の白い模様|口腔扁平苔癬

舌側面に認められた口腔扁平苔癬(レース状白斑)
舌側面に認められた口腔扁平苔癬(レース状白斑)

歯科・口腔外科では、口腔内の状態や症状、服用している薬、全身疾患などを確認します。

主に、

  • 口腔内の視診
  • 症状や既往歴、服薬状況の確認
  • 義歯や口腔乾燥の状態の確認
  • 必要に応じた真菌検査
  • 他の口腔粘膜疾患との鑑別

などを行います。

症状によっては、他の病気が隠れていないか確認することも重要です。

治療では、必要に応じて抗真菌薬を使用し、カンジダ菌の増殖を抑えます。

同時に、義歯の衛生状態やドライマウス、薬剤、基礎疾患など、発症の背景にある要因を改善することが再発予防につながります。

主に使用される抗真菌薬

口腔カンジダ症では、症状や全身状態、服用中の薬などを確認したうえで抗真菌薬を選択します。

代表的な薬剤には、

  • アムホテリシンB
  • ミコナゾール
  • イトラコナゾール
  • フルコナゾール

などがあります。

薬剤によって使用方法や他の薬との相互作用が異なるため、必ず医師・歯科医師の診断と指示のもとで使用してください。

治療期間はどのくらい?

症状や原因によって異なりますが、適切な治療によって比較的短期間で症状が改善するケースもあります。

ただし、症状がなくなったからといって自己判断で薬を中止すると、十分な治療効果が得られなかったり再発したりする可能性があります。

処方された薬は、医師・歯科医師の指示に従って使用してください。

抗真菌薬ファンギゾンシロップ
抗真菌薬ファンギゾンシロップ

ファンギゾン®シロップ(アムホテリシンB)は、口腔カンジダ症の治療に使用される抗真菌薬の一つです。

口腔内に薬剤を行き渡らせて使用します。

実際の使用量・使用回数・使用期間は、症状や患者さんの状態によって異なります。処方時に説明された方法を守って使用してください。

フロリードゲル経口用2%
フロリードゲル経口用2%

フロリード®ゲル経口用2%(ミコナゾール)は、口腔カンジダ症に使用される抗真菌薬です。

口腔内に薬剤を行き渡らせて使用しますが、使用量や回数、治療期間は患者さんの状態によって異なります。

また、ミコナゾールはワルファリンをはじめとする一部の薬剤と重要な相互作用を起こすことがあります。

服用している薬がある場合は、お薬手帳などで必ず医師・歯科医師に確認してもらいましょう。

妊娠中・授乳中の方も、使用前に必ず相談してください。

義歯性口内炎を伴っている場合は、口腔内の治療だけでなく、入れ歯の清掃や管理も重要です。

マウスピースにフロリードゲル経口用2%を入れる
マウスピースにフロリードゲル経口用2%を入れる

症例によっては義歯の内面などへの薬剤の使用が検討される場合もありますが、薬剤ごとに正しい使用方法があります。

自己判断で義歯やマウスピースに薬を入れて長時間装着することは避け、必ず歯科医師の指示に従ってください。

ドライマウスが強い場合

口腔乾燥が強い方では、口腔用保湿ジェルなどを使用し、口の中の潤いを保つことも再発予防につながります。

症例によっては、口腔内の乾燥を軽減するための装置を検討することもあります。

口腔カンジダ症は、抗真菌薬だけで一時的に改善しても、菌が増えやすい環境が残っていると再発することがあります。

再発予防のためには、

  • 入れ歯を清潔に保つ
  • 口腔内を清潔にする
  • ドライマウスへの対策を行う
  • 吸入ステロイド薬使用後はうがいをする
  • 糖尿病などの基礎疾患を適切に管理する
  • 必要に応じて服用薬を確認する

ことが大切です。

プロペト
プロペト

口腔カンジダ症に伴って口角が切れたり、唇が乾燥したりする場合は、患部の保護と保湿が役立つことがあります。

プロペトは、白色ワセリンを精製した皮膚保護剤です。

乾燥した口唇や口角を外部刺激から守り、水分の蒸発を抑える目的で使用されます。

ただし、プロペト自体にカンジダ菌を治療する作用はありません。

口角炎の原因によって必要な治療が異なるため、症状が続く場合は歯科・医科で診断を受けましょう。

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重曹水
重曹水

重曹水は、口腔内をさっぱりさせたり、口の中の酸を中和したりする目的で使用されることがあります。

ただし、重曹水だけで口腔カンジダ症を治療することはできません。

また、「重曹に強い殺菌作用があり、カンジダ菌を治療できる」と考えるのは適切ではありません。

口腔カンジダ症と診断された場合は、必要に応じて抗真菌薬による治療を行い、重曹水などは補助的な口腔ケアとして考えることが大切です。

重曹水を使用する場合

使用する場合は、食品用として販売されている重曹を選びます。

濃すぎる重曹水は粘膜への刺激になる可能性があるため、自己流で濃度を高くしないようにしましょう。

口腔内に痛みやただれがある場合は、使用前に歯科医師へ相談してください。

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口腔カンジダ症では、口腔内を清潔に保つことが大切です。

ただし、刺激の強い洗口液を頻繁に使用すると、口腔乾燥や粘膜への刺激につながることがあります。

洗口液は症状や口腔内の状態に合わせて選びましょう。

当院では口腔ケアの一つとして、患者さんの状態に応じてポイックウォーターについてご案内する場合があります。

ポイックウォーター

口腔カンジダ症の再発を防ぐためには、毎日の口腔ケアと生活習慣の見直しが重要です。

  • 歯や口腔内を清潔に保つ
  • 舌を強くこすりすぎない
  • 入れ歯を毎日清掃する
  • 必要に応じて就寝時は入れ歯を外す
  • 口腔内の乾燥を防ぐ
  • こまめに水分を補給する
  • 吸入ステロイド薬使用後はうがいをする
  • 基礎疾患を適切に管理する
  • バランスの良い食生活を心掛ける

口の中に白いものが付着しているからといって、舌ブラシなどで強くこすり続けることは避けましょう。

粘膜を傷つけるとかえって症状が悪化することがあります。

口腔カンジダ症は人にうつりますか?

カンジダ菌は健康な方の口の中にも存在することがあるため、一般的な風邪のように「簡単に人から人へ感染する病気」とは性質が異なります。

ただし、乳児の鵞口瘡などでは、授乳などを介して母子間で菌が行き来することがあります。

市販薬で治せますか?

口の中の白い病変には、口腔カンジダ症以外にもさまざまな原因があります。

そのため、見た目だけで判断して市販薬を使用することはおすすめできません。

まず歯科・口腔外科で診断を受け、原因に応じた治療を行いましょう。

何日くらいで治りますか?

症状の程度や原因によって異なりますが、適切な治療によって1〜2週間程度で改善するケースもあります。

ただし、ドライマウスや義歯、基礎疾患などの原因が残っていると、治療後も再発することがあります。

自然に治ることはありますか?

体調や口腔環境が改善することで症状が軽くなる場合もあります。

しかし、白い病変やヒリヒリした症状が続く場合は、他の口腔粘膜疾患との鑑別も必要です。

自己判断で長期間様子を見ず、歯科・口腔外科を受診してください。

舌が白いだけでも受診したほうがいいですか?

一時的な舌苔であれば大きな問題がない場合もあります。

一方、

  • 白い部分がなかなか治らない
  • 擦っても取れない
  • 痛みやヒリヒリ感がある
  • 赤いただれを伴う
  • しこりや潰瘍がある
  • 症状を繰り返す

といった場合は、歯科・口腔外科で確認してもらうことをおすすめします。

口腔カンジダ症は、口の中にもともと存在するカンジダ菌が、口腔乾燥、免疫機能の低下、薬剤、義歯などの影響によって増殖することで発症する病気です。

舌や頬の内側に白い苔のようなものが付着するだけでなく、

  • 口の中がヒリヒリする
  • 粘膜が赤くなる
  • 食べ物がしみる
  • 味を感じにくい
  • 口角が切れる

といった症状が現れることもあります。

また、口の中の白い病変には、白板症や口腔扁平苔癬など、口腔カンジダ症とは異なる病気が隠れている場合があります。

白い部分が長く残っている、ヒリヒリした痛みが続く、何度も症状を繰り返す場合は、自己判断で薬やうがいを続けず、早めに歯科・口腔外科で診察を受けましょう。

原因を正しく確認し、口腔内の環境まで整えることが、症状の改善と再発予防につながります。

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口の中の白い苔やヒリヒリした痛みが続く場合は、口腔カンジダ症だけでなく、白板症や口腔扁平苔癬などとの鑑別も大切です。自己判断で様子を見続けず、まずはお口の状態を確認しましょう。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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