目次

「ただワイヤーで引っ張ってるだけじゃないの?」
実は、ワイヤー矯正には歯の根っこや骨が関係する、驚きの仕組みが隠されています。

このページでは、矯正を始める前に知っておきたい「歯が動く理由」や「装置の種類」、「治療中の痛みやケア」までをやさしく解説。
矯正初心者の方でも安心して読める内容です♪

ワイヤー矯正は、歯の表面に「ブラケット」と呼ばれる小さな装置をつけ、そのブラケットにワイヤーを通して歯を少しずつ動かしていく矯正治療法です。
多くの症例に対応でき、ガタガタの歯並びから出っ歯・受け口まで幅広く対応できるのが特徴です。

見た目が気になる方には目立ちにくいセラミックブラケットや、裏側に装置をつける「舌側矯正」などもあり、審美性と機能性の両立が可能になっています。

ワイヤー矯正
ワイヤー矯正

🔍 なぜ歯が動く?ワイヤー矯正の“原理”

ワイヤー矯正で歯が動くのは、「歯根膜(しこんまく)」と「歯槽骨(しそうこつ)」の働きによるものです。

  • 歯は歯根膜というクッションのような膜で骨に支えられています。
  • ワイヤーで歯に持続的な力がかかると、圧迫された側の骨が吸収され、引っ張られた側に新しい骨ができるという「リモデリング」が起こります。
  • このように、骨が変化することで少しずつ歯が動いていくのです。

💡ポイント:強すぎる力は逆効果!
適切な弱い力を“持続的に”かけることで、安全に歯を動かせます。

🏛 ワイヤー矯正の歴史と進化(エジプトからデジタル矯正まで)

実はワイヤー矯正の歴史は非常に古く、古代エジプトのミイラにも矯正器具のようなものが見つかっています。当時は金属線や動物の腱を使っていたという記録もあります。

  • 🏺 古代ローマ時代:歯に金属線を巻きつける方法が確認されている
  • 🏥 20世紀初頭:ブラケットとワイヤーによる近代矯正がスタート
  • 💻 現在:3DスキャンやAI分析を用いたデジタル矯正が主流に

進化したワイヤー矯正では、より正確で効率的な歯の移動が可能になり、治療期間の短縮や痛みの軽減にもつながっています。

ワイヤー矯正で歯が「なぜ動くのか?」その答えは、歯の周囲にある“歯根膜”と“歯槽骨”の働きにあります。
実は、歯そのものが動くのではなく、歯を支えている骨が変化することで、歯が少しずつ新しい位置へ移動しているのです。

この骨の変化の仕組みを「リモデリング」と呼びます。

歯の移動には歯根膜が関与
歯の移動には歯根膜が関与

🦷 歯根膜の役割と矯正力の伝わり方

歯根膜は、歯の根元と歯槽骨の間にある薄い膜で、クッションのような働きをしています。

  • 歯根膜には血管や神経が張り巡らされており、力の変化に敏感
  • 矯正装置から加わる持続的な力を感知すると、骨に「動いていいよ」というサインを送ります
  • このサインに反応して、骨が吸収されたり、新しく作られたりするのです

つまり、歯を動かす主役はワイヤーではなく、歯根膜の働きとも言えます。

🧬 圧迫側 vs 牽引側|骨吸収と再生のバランス

歯が動く方向に応じて、歯根膜は**片側が押され(圧迫)、反対側が引っぱられる(牽引)**状態になります。

  • 🔴 圧迫側では…歯槽骨が破骨細胞により吸収され、歯が移動しやすくなります
  • 🟢 牽引側では…骨芽細胞が新しい骨を作り、歯の位置をしっかりと支え直します

このように、吸収と再生のバランスを取りながら歯が少しずつ動いていくのです。
1か月で動く距離はわずか1mm程度とされており、ゆっくり時間をかけることが成功の秘訣です。

💡 矯正力が強すぎるとどうなる?歯根吸収・後戻りのリスク

「早く動かしたいから強く引っ張ったほうがいい」と思うかもしれませんが、それは大きな間違いです。

矯正力が強すぎると歯は傾斜
矯正力が強すぎると歯は傾斜
  • ❌ 強い力は歯根膜を痛め、歯根が吸収されて短くなったり
  • ❌ 骨がうまく再生できず、歯ぐきが下がったり、ぐらついたりすることがあります
  • ❌ 矯正力が不適切だと、歯が傾いたりねじれたりするリスクも…

一気に動かそうとせず、100〜150g程度のやさしい力で、じわじわ動かすのが理想的です。
この“ゆるやかな圧”が、後戻りしにくく、健康的な歯の移動につながります。

ワイヤー矯正では、「ワイヤーだけで歯が動く」と思われがちですが、実は複数の装置が連携して歯を理想の位置へ導いています
ここでは、歯を動かす仕組みを支える主要な装置について解説します。

⚙️ ブラケットの種類と機能(メタル・セラミック・セルフライゲーション)

ブラケットとは、歯の表面に直接つける小さな矯正装置で、ワイヤーを通すための「支点」のような役割を担います。

ブラケットとワイヤーとの関係
ブラケットとワイヤーとの関係

🛠 主な種類と特徴

種類特徴向いている人
🧲 メタルブラケット強度・耐久性が高く、コストも抑えられる費用を抑えたい・効率重視
🪞 セラミックブラケット白くて目立ちにくいが、少し壊れやすい見た目が気になる人
🌀 セルフライゲーション摩擦が少なく、歯の移動がスムーズ治療期間を短くしたい人

※セルフライゲーションはワイヤーを固定するゴムが不要で、清掃性が高く、痛みも少ないとされています。

🧵 アーチワイヤーの種類と形状(丸・角・材質の違い)

アーチワイヤーは、ブラケットに通して歯を動かす「主役の力の源」です。
形状や素材によって、歯に与える力のかかり方が異なります。

🔹 形状の違い

  • 丸型ワイヤー:柔らかく、初期段階に使われる。傾きの調整向き。
  • ◼️ 角型(四角形)ワイヤー:精密な歯の回転・位置調整に適しており、仕上げに使われる。

🔸 材質の違い

材質特徴
ニッケルチタン(Ni-Ti)弾力性があり、やさしく持続的に力を加える。初期治療向き。
ステンレススチール強度があり、しっかり歯を動かせる。中~後期に使用。
βチタン(TMA)弾性と強度のバランスが良く、細かい調整に最適。

🧷 ゴム・スプリング・顎間ゴムの補助装置

ワイヤーだけではカバーできない微調整を行うために、補助装置が活躍します。

🟠 エラスティック(小さな輪ゴム)

  • ワイヤーとブラケットを結び、歯への力を調整
  • 主に歯の回転や傾き修正に使用

🌀 コイルスプリング

  • 歯の間にスペースを作る(スペースメイキング)
  • 抜歯後の隙間を閉じたり、隣の歯を押し広げたりする

🔁 顎間ゴム(上下の歯をつなぐゴム)

顎間ゴム、パワーチェーン、スプリング
顎間ゴム、パワーチェーン、スプリング
  • 上下の噛み合わせを調整し、出っ歯・受け口の改善に使われる
  • 毎日患者さんが装着することで効果を発揮(協力度が大切!)

これらの装置が一体となって作用し、数ミリずつ精密に歯を動かすのがワイヤー矯正のすごさです。

ワイヤー矯正は、装置をつけたら終わりではありません。段階ごとにワイヤーの太さや形を変えながら、歯を少しずつ動かしていくプロセスです。
ここでは、一般的な治療の流れを4つのステップに分けて解説します。

ワイヤー矯正の治療ステップ
ワイヤー矯正の治療ステップ

1️⃣ 初期ステップ|細い丸ワイヤーで傾斜移動

治療のはじめは、細くて柔らかい丸型ワイヤー(形状記憶合金)が使われます。

  • 凸凹の歯並びにやさしくフィットし、自然な力で歯の傾きを整える段階
  • 矯正力は弱めですが、持続的に加わるため痛みも少なめ
  • 主に「見た目の変化」がわかりやすい時期です

📝この時期は、歯が「並び始めた!」と実感しやすく、モチベーションが上がる方も多いです。

2️⃣ 中期ステップ|角型ワイヤーで3次元コントロール

傾斜が整ってきたら、太くて角ばったワイヤーに切り替わります。

  • 断面が四角いため、ブラケットのスロットにしっかり固定される
  • 歯を「傾き・ねじれ・上下・前後」と3次元的にコントロールできるように
  • 咬み合わせのバランスを整えたり、抜歯したスペースを閉じたりする重要な期間

📆この中期ステップは数ヶ月〜1年以上かけてじっくり進められることが多いです。

3️⃣ 後期ステップ|パワーチェーンやスプリングで仕上げ

歯並びがほぼ整ったら、細かな調整や仕上げに入ります。

  • 歯と歯のすき間を埋めたり、前後の位置を微調整したり
  • 「パワーチェーン(連続ゴム)」で隙間を縮める
  • 「コイルスプリング」や「顎間ゴム」で噛み合わせを最終調整

🔧この段階では、1本1本の歯を正確な位置に導く“職人技”のような調整が行われます。

4️⃣ 保定ステップ|リテーナーで後戻りを防ぐ

矯正が完了したからといって、油断は禁物。歯は元の位置に戻ろうとする性質があるため、必ず「保定」が必要です。

  • **リテーナー(保定装置)**を装着して、歯並びを安定させます
    • 固定式:歯の裏にワイヤーを接着
    • 取り外し式:透明なマウスピースタイプ
  • 装着期間の目安は1〜2年以上
    (特に最初の半年は1日中装着、それ以降は就寝時だけ)

🛡せっかく整った歯並びをキープするために、リテーナーの装着と定期的なチェックはとても大切です。

「矯正するならワイヤーとマウスピース、どっちがいいの?」という質問は非常に多いです。
このセクションでは、仕組み・適応・費用・見た目などの違いを比べながら、それぞれのメリット・デメリットを解説します。

🧩 固定式 vs 取り外し式の根本的な違い

まず最大の違いは、装置の「着け方」そのものです。

種類ワイヤー矯正マウスピース矯正
装置のタイプブラケットとワイヤーを歯に「固定」する透明なマウスピースを「自分で装着・取り外し」する
管理方法医院側が管理(患者の手間は少ない)患者が自己管理(毎日20時間以上の装着が必要)
装着感違和感あり、口内炎ができることも違和感は少ないが慣れは必要

📌装置のつけ外しができるかどうかは、ライフスタイルや性格によって向き・不向きが分かれます。

📏 対応症例・治療期間・通院頻度の違い

それぞれに「得意な症例」と「苦手な症例」があります。

項目ワイヤー矯正マウスピース矯正
対応症例軽度~重度まで幅広く対応可能(抜歯症例もOK)軽度〜中等度の症例向き(抜歯が必要な症例には不向き)
治療期間比較的短め(2年〜2年半)症例により前後(2〜3年が目安)
通院頻度月1回程度(調整のため)1.5〜3か月に1回(マウスピース受け取り時)

🦷難しい歯並びや顎のズレがある場合は、ワイヤー矯正のほうが精密な調整が可能です。

💸 費用面・審美性の比較

見た目の印象や費用感も、治療選びの重要なポイントです。

項目ワイヤー矯正マウスピース矯正
見た目表側矯正は目立つ/裏側矯正は目立たないほぼ透明で目立ちにくい
費用の目安60〜100万円(素材や医院により変動)80〜120万円(症例やマウスピース数で変動)
審美性セラミックブラケットである程度カバー可能高い審美性(営業・芸能など人前に立つ職業に人気)

💡コストを抑えたい場合は、表側ワイヤー矯正が有利です。
一方で、目立たず矯正したいならマウスピースが選ばれています。

矯正治療にはさまざまな方法がありますが、すべての人にマウスピース矯正が向いているわけではありません。
特に**ワイヤー矯正は“幅広い症例に対応できる万能型”**として、現在も多くの症例で選ばれています。

ここでは、ワイヤー矯正が特におすすめされる代表的なケースを3つご紹介します。

🧍 抜歯が必要な叢生(ガタガタ歯並び)

「歯が並ぶスペースが足りずにガタガタしている」状態を**叢生(そうせい)**と呼びます。
このような場合、小臼歯を抜いてスペースを確保しながら、歯列全体を整える必要があります。

🦷 ワイヤー矯正が有利な理由:

  • 抜歯後のスペースを正確にコントロールできる
  • 歯の移動量が大きくても、複雑な力の調整が可能
  • 前歯の位置や角度も細かく整えられる

💡マウスピース矯正では、大きな移動量やスペース閉鎖が苦手なことがあり、ワイヤー矯正が適しています。

😬 骨格的なズレがある不正咬合(出っ歯・受け口など)

上あごと下あごのバランスが悪い「骨格性の不正咬合」の場合も、ワイヤー矯正の出番です。

🔄 対象となる不正咬合の例:

  • 出っ歯(上顎前突)
  • 受け口(下顎前突)
  • 開咬(上下の歯が噛み合わない)
  • 交叉咬合(左右のズレ)

このような骨格の問題は、ワイヤーとゴム、顎間ゴムなどを併用して前後・上下のバランスを微調整する必要があります。

📌成長期の子どもなら、**あごの成長を利用した矯正(成長誘導)**にも対応可能です。

🏥 マウスピースでは対応困難なケース

以下のようなケースでは、マウスピース矯正では対応が難しい、または限界があるとされます。

🔹 ワイヤー矯正が必要な症例:

  • 歯のねじれや回転が強い
  • 歯の移動距離が大きい(上下左右に大きく動かす必要がある)
  • かみ合わせが複雑(クロスバイト・ディープバイトなど)
  • 患者がマウスピースの装着時間を守れない可能性がある

ワイヤー矯正なら、歯1本ずつに直接力を加えられるため、細かい制御が可能です。

ワイヤー矯正は、見た目が変わっていく喜びと同時に、「痛み」や「装置トラブル」に悩まされることもあります。
でもご安心ください。痛みやトラブルには必ず理由があり、適切な対処で乗り越えられます。

ここでは、よくある3つの悩みに分けてご紹介します。

🌀 矯正痛の原因と対処法

歯が動く=骨が変化している証拠。そのため、ワイヤー調整後に痛みを感じるのは自然な反応です。

🦷 主な原因:

  • 矯正力が加わることで歯根膜に圧迫がかかる
  • 骨の吸収・再生(リモデリング)が活発化する
  • ワイヤーの形状が変わることで、歯への力が変化する

💡痛みのピークは「調整から1〜3日後」で、通常は1週間以内に落ち着きます。

🛟 対処法:

  • 市販の鎮痛薬(ロキソニン・イブなど)を服用
  • 柔らかい食事で歯への負担を減らす
  • 歯ぐき周辺を冷やす(保冷剤や冷水でうがい)

📌それでも強い痛みが続く場合は、無理せず歯科医院に相談を。

🩹 ワイヤー外れ・口内炎・ブラケット脱落の対処法

装置が口の中にある以上、多少のトラブルはつきものです。

🪛 よくあるトラブルと応急処置:

トラブル内容応急処置備考
ワイヤーが飛び出したワックスでカバー or 清潔な爪切りでカット歯科医院に早めに連絡を
ブラケットが外れた無理に触らず、装置は保管して医院へ持参再接着で対応可能
口内炎ができたワックス使用・口腔軟膏の塗布・ビタミンB摂取刺激物を避ける

🧼口腔内が清潔に保たれていないとトラブルも起きやすくなるため、歯磨きと洗口液の併用がおすすめです。

🍬 食事制限とおすすめメニュー

ワイヤー矯正中は、装置が壊れないように「食べるもの」にも注意が必要です。

🚫避けたい食品:

  • 硬いもの:せんべい・ナッツ・氷・フランスパン → ブラケットが外れる原因に
  • 粘着性のあるもの:キャラメル・餅・ガム → ワイヤーに絡まりやすい
  • 炭酸や砂糖入り飲料:虫歯リスクが高まるため、控えるのがベター

✅おすすめメニュー:

  • 柔らかく煮込んだスープやシチュー
  • 豆腐・バナナ・卵料理などの栄養満点食材
  • ヨーグルト・ポタージュなど、冷たくて口当たりの良いもの

🥄ポイントは「噛まずに済む・やわらかい・冷たい」の3拍子。調整直後の食事にもおすすめです。

ワイヤー矯正中は、装置があるぶん食べかすや歯垢(プラーク)が溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まるのが現実です。
しかし、正しいケア方法と専用アイテムを使えば、トラブルはしっかり予防可能!
毎日のケアを見直すことが、きれいな歯並びと健康な口元を守るカギになります。

🪞 歯磨き方法とおすすめアイテム(V字ブラシ・タフト・フロス)

🔑基本の磨き方のポイント:

  • 歯ブラシはブラケットに対して斜め45度に当てる
  • ワイヤーの上下・装置のすき間・歯と歯ぐきの境目を丁寧に磨く
  • 歯の表面だけでなく、裏側やかみ合わせ面も忘れずに

🛠おすすめケアアイテム:

アイテム特徴使用方法
🔺 V字カット歯ブラシワイヤーの形にフィットしやすい普段使いのメインブラシに
🪥 タフトブラシ(ワンタフト)ブラケットの周りや奥歯の裏など細かい部分に◎ピンポイントで当ててクルクル動かす
🧵 矯正用フロス(スーパーフロス)先端が固く、ワイヤーの下にも通しやすい歯と歯の間を1本ずつ丁寧に清掃

📌とくに夜の歯磨きは念入りに。汚れを残さないことが、虫歯・歯肉炎の最も大きな予防になります。

💧 洗口液・口腔洗浄器も活用しよう

忙しい日や歯ブラシが届きにくい部分には、補助的なアイテムの活用もおすすめです。

🧴 洗口液(フッ素入りタイプ)

  • 細菌の繁殖を防ぎ、虫歯や歯肉炎の予防に効果的
  • 就寝前や外出時に活用することで、歯磨きのサポートになります

💦 口腔洗浄器(ウォーターフロス)

  • 水流でワイヤーの下や歯と歯の間の食べかすを吹き飛ばす
  • フロスが通しにくい部分でも、短時間でスッキリ清掃可能

🛁 特に、食後やおやつの後に軽く使用するだけでも、虫歯予防の効果は格段にアップします。

「矯正は子どものうちにやるもの」と思っていませんか?
実は、大人になってからでもワイヤー矯正は十分に可能です。
近年では、20代~60代まで幅広い年齢層の方が矯正に取り組んでおり、健康・美容・自信回復など多くのメリットが期待できます。

🔄 成人矯正と子どもの違い

ワイヤー矯正は、子どもと大人で「目的」と「アプローチ」がやや異なります。

比較項目子ども大人
骨の状態成長中の柔らかい骨骨の成長は完了・硬め
治療の目的骨格の成長誘導も含む歯列や噛み合わせの修正が中心
期間骨が柔らかいため早めに進行ゆっくり動かすため期間はやや長め
治療選択肢拡大床や部分矯正も可能本格的な全体矯正が主流

📌大人でも骨があれば矯正可能です。ただし、あごの骨格の大きなズレがある場合には外科矯正が必要になることもあります。

🦴 歯周病リスクや骨の動きの違い

大人の矯正で特に気をつけたいのが「歯周組織の状態」です。

歯周病リスク
歯周病リスク
  • 加齢とともに歯ぐきが下がったり、歯周病になりやすくなる
  • 矯正前に歯周病の有無をしっかりチェックし、必要があれば先に治療を行う
  • 骨の代謝が落ちるため、歯の動くスピードはやや遅め

🧠 それでも、適切な矯正力をコントロールすることで安全に歯を動かすことは可能です。
また、歯並びが整うことで以下のようなメリットも。

✅ 歯磨きがしやすくなり、虫歯・歯周病の予防につながる
✅ 噛み合わせが整い、顎関節や肩こりの改善にも効果的
✅ 見た目の印象が変わり、表情や自信にも良い影響

ワイヤー矯正を検討中の方からは、治療前に知っておきたい疑問や不安の声が多く寄せられます。
ここでは、特に多い3つの質問について、わかりやすくお答えします。

❓ 抜歯は必ず必要?

必ずしも抜歯が必要というわけではありません。
抜歯の有無は「歯とあごのスペースのバランス」によって判断されます。

🦷 抜歯が必要なケース:

  • 歯が大きくてスペースが足りない「叢生(ガタガタ)」
  • 前歯が突出している「出っ歯」
  • 噛み合わせのズレが強い場合

🦷 抜歯が不要なケース:

  • 軽度のすきっ歯や歯並びのズレ
  • 拡大装置やIPR(歯の表面をわずかに削る処置)でスペースが確保できる場合

📌 歯科医師の診断によって最適な治療法を提案しますので、不安な方はまず精密検査を受けることが第一歩です。

❓ 費用や保険はどれくらい?

🧾 ワイヤー矯正は基本的に**保険適用外(自費診療)**となります。

💰 費用の目安:

  • 全体矯正(表側):60〜100万円程度
  • 裏側矯正やハーフリンガル矯正:100〜130万円前後
  • 調整料(月1回):3,000〜5,000円程度

🩺 保険が適用される例:

  • 顎変形症など、外科手術と連携する高度な症例
  • 指定の医療機関で治療を受ける場合に限られます

📌 医療費控除の対象になることが多いため、年間の治療費は確定申告で一部還付される可能性もあります。

❓ 目立ちにくくしたい場合の選択肢は?

矯正中の「見た目が気になる」という声はとても多く、審美性を重視した装置も多数あります。

👀 目立ちにくい矯正の選択肢:

方法特徴向いている人
セラミックブラケット歯の色に近く目立ちにくい表側矯正でも自然に見せたい方
裏側矯正(舌側矯正)歯の裏側に装置をつける人前に出る仕事・芸能関係など
ハーフリンガル矯正上だけ裏側・下は表側審美性とコストのバランスを取りたい方
マウスピース矯正透明で取り外し可能軽度の症例・装置を見せたくない方

📌 見た目だけでなく、治療の適応範囲や希望の仕上がりに合わせて選ぶことが大切です。

ワイヤー矯正は、ただ「歯を動かす」のではなく、緻密な仕組みと時間をかけた骨の変化によって成り立つ治療法です。
その仕組みを理解することで、痛みや期間の理由、装置の選び方にも納得がいくはずです。

✅ 仕組みを理解すれば「なぜ時間がかかるのか」も納得できる

矯正は、「歯を押す」のではなく、「骨を変えて、歯の位置を整える」医療です。

  • 歯根膜や歯槽骨の働きによって、毎月わずか1mmずつ歯が動く
  • 一気に動かせばよいわけではなく、身体が無理なくついてこれるスピードが最優先

🕰 だからこそ、矯正は数ヶ月〜数年かかるのが当然。仕組みを知ることで、「遅い」と感じる不安も自然と減っていきます。

✅ 正しい知識で装置や痛みとうまく付き合う

装置の種類や矯正力の強さ、痛みの原因などを理解しておけば、

  • 調整後の痛みも「動いている証拠」と前向きに捉えられる
  • トラブル時にも正しく対処でき、ストレスが少ない
  • ケア方法を知ることで、虫歯や歯周病もしっかり予防できる

📘「矯正はつらい」ではなく、「矯正を楽しめる」ようになるには、知識こそ最大の味方です。

✅ 自分に合った矯正法を選ぶための第一歩に

ワイヤー矯正、マウスピース矯正、ハーフリンガル…
今は選択肢が増えているからこそ、どれが自分に合っているか見極めることが重要です。

  • 歯並びの状態
  • 生活スタイル
  • 見た目の希望
  • 予算や期間

こうした要素をふまえた上で、専門の矯正歯科でしっかり相談することが成功への近道です。


🦷ワイヤー矯正は「見た目」だけでなく、機能・健康・自信にもつながる一生ものの治療です。
仕組みを理解し、自分の未来の笑顔に投資する第一歩を踏み出してみませんか?

江戸川区篠崎でワイヤー矯正をお考えの方へ|仕組みを分かりやすく解説!

江戸川区篠崎で歯並びのお悩みを解決しませんか?
当院では、ワイヤー矯正の仕組みを丁寧に説明し、患者様に最適な矯正プランを提供しています。

🔹 ワイヤー矯正の仕組みとは?
ワイヤー矯正は、ブラケットとワイヤーの力で歯を少しずつ理想的な位置へ動かす治療法です。歯の根元を支える歯槽骨が適応しながら、無理なく美しい歯並びを作ります。
軽度から重度の歯列不正にも対応可能
噛み合わせを整え、歯の健康維持にも貢献
経験豊富な歯科医師による丁寧な診療

当院では、見た目が気になる方のために透明ブラケットや目立ちにくい矯正方法もご用意!
また、矯正中の痛みや食事の注意点など、気になることは何でもご相談ください。

🏥 江戸川区篠崎駅から徒歩1分の便利な立地!
カウンセリング実施中!お気軽にお問い合わせください。

【動画】アデノイド顔貌

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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