エアフローとは

  • 歯科のエアフロー(歯面清掃器)は、歯周病や虫歯のメインテナンスに効果的です。
  • 歯や歯茎を傷付けずに歯面や歯周ポケットの歯垢やバイオフィルムを破壊し除去しますが、呼吸器系疾患などは禁忌です。
  • 条件により保険適用となります。

虫歯・歯周病の再発防止に!エアフローの効果と症例紹介

歯周病や虫歯は一度治してもそのまま放置すると再発してしまうことがよく見られます。歯周病や虫歯の原因は、原因菌が造るバイオフィルムです。

エアフローは、歯周ポケット内のバイオフィルムを破壊するために開発された器械です。

もちろん、虫歯の原因となる磨き残しによるミュータンス菌の除去にも効果的です。

エアフローの効果

エアフローの術前(症例1)

エアフローの術前(症例1)


前歯3本のメタルボンド以外の歯に大量のステインが付いています。

エアフローの術後(症例1)

エアフローの術後(症例1)


エアフローによりステインを除去することでメタルボンドの色とほぼ同じになりました。

エアフローの術前(症例2)

エアフローの術前(症例2)


歯面に付着したステイン(着色汚れ)だけでなく、歯と歯の間にプラークの付着が認められます。

エアフローの術後(症例2)

エアフローの術後(症例2)


エアフローによりステインやプラークの除去を行い歯茎がだいぶ引き締まってきているのが分かります。

エアフローの術前(症例3)

エアフローの術前(症例3)


磨きにくい場所にはタバコのヤニや茶渋などが顕著に付着しています。歯の隙間には目に見えない古い歯垢(プラーク)によるバイオフィルムが形成されています。

エアフローの術後(症例3)

エアフローの術後(症例3)


エアフローの目的は歯の間や歯周ポケットなどのブラッシングしづらい場所に残存するバイオフィルムを徹底的に破壊・除去することです。

ステイン着色汚れをピカピカにクリーニング

ステイン着色汚れをピカピカにクリーニング
ステイン着色汚れをピカピカにクリーニング

エリスリトールパウダー

エアフローは、超音波スケーラーやハンドスケーラーによる歯石除去やPMTCなどでは除去出来ない歯肉縁下(歯周ポケット)やアンダーカットに付着したバイオフィルムが対象です。

スケーリングやPMTCでの歯の掃除は、必ず非接触箇所が生じ、点状・線状にバイオフィルムが残存してしまいます。

エアフローは粒子の直径がわずか14μmの「エリスリトール」の粒子をパウダーとして使用し、ステイン着色汚れやバイオフィルムを短時間で徹底的に吹き飛ばしクリーニングします。その除去効率は絶大です。

エリスリトールは糖アルコールの一種で果物や醤油・味噌などの発酵食品に含まれています。ブドウ糖を酵母発酵させて作られる成分なので、安全性は高いと考えられています。

歯周ポケットの歯垢がターゲット

歯周ポケットの歯垢をクリーニング
歯周ポケットの歯垢をクリーニング

ポケットディプラーキング

歯周ポケット内のバイオフィルムを破壊し除去することをポケットディプラーキングといます。これは歯周病のメンテナンスに有効な方法です。

エアフローに付随している歯周ポケットの深さを測定するプローブと同一の直線的な形状をしたチップにより、効率よくバイオフィルムを清掃してくれます。

歯肉溝(歯周ポケット)に付着した(石灰化が始まり歯石になる直前)比較的柔らかいバイオフィルムを破壊することがディプラーキングの主要目的と言えます。

エアフローのデメリットと禁忌

歯茎の状態でエアフローの手技は変わります。

デメリット

PMTC と比較した場合、圧倒的にエアフローの方が、操作性や確実性はまさっていると思います。

従って、機械的歯面清掃を行う際に、これといったデメリットは感じませんが、歯周ポケットからの排膿や出血がある急性症状( P発)のケースには使用出来ないので注意が必要です。

禁忌

全身的疾患
使用するパウダーの影響で、重度の呼吸器疾患(気管支炎喘息など)。アレルギー体質、腎臓疾患、心臓疾患など。

皮下気腫
9mm以上の深い歯周ポケット。根尖から歯周ポケット底部までの距離が3mm未満の歯周ポケットではでは皮下気腫が起こるリスクがあります。

エアフローの機器

エアフローマスター

歯周ポケットやインプラントのメンテナンスに使用するハンドピースと歯肉縁上の歯面清掃に使うハンドピースの2種類が用意されています。

エアフローマスター

エアフローパウダー

エアフローパウダーにはアミノ酸の一種であるグリシンを主成分としたもの、炭酸水素ナトリウム(重曹)を主成分としたものがありますが、現在では主に、糖アルコールの一種であるエリスリトールを主成分としたものを使用しています。

エアフローパウダー

エアフローの費用

保健治療の場合

歯周病の治療後のメインテナンス

歯周病などの疾患があり、その治療の一環としてエアフローを使用した場合には保険適用となります。

当歯科医院では厚生労働省から「かかりつけ歯科医機能強化型歯科診療所」略して「か強診」の認定を受けているため、歯周病のメインテナンスにおいて、症例によってはエアフローを使用して、歯周ポケット内のバイオフィルムを破壊するなどの治療を毎月行うことも可能です。

か強診」認定歯科医院以外では、3ヶ月に1回のみとなっています。

したがって、歯周病であることを確定診断するため、まず検査を行わなければなりません。歯周病という病名が確定した上で、歯石除去を行い、次いでエアフローの使用が可能ということになります。

自費治療の場合

歯を綺麗にしたいといった審美的目的は保険適用外です。

項目価格(税込み)
エアフロー(30分)
7,700円
来院していきなりエアフローで歯を清掃してくださいというのでは保険適用外となります。

ふかさわ歯科クリニック篠崎では、このように虫歯や歯周病を未然に防ぐ予防歯科に力を入れ、患者様ご自身の歯が一生持つように予防主体の定期健診や定期的な歯のクリーニングを推奨しております。予防歯科は歯の寿命だけでなく病気の予防とも関係しています。江戸川区篠崎にて、エアフローで歯のクリーニングをご希望の方は当院までお気軽にご相談下さい。

【動画】ステイン着色汚れをクリーニングするエアフロー

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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