- 1. ミューイングとは
- 1.1. ミューイングで期待される効果
- 1.1.1. 横顔やフェイスラインへの影響
- 1.1.2. 鼻呼吸の習慣化
- 1.1.3. 姿勢や嚥下機能への影響
- 2. ミューイングの基本的なやり方
- 2.1. 舌の正しい位置
- 2.2. 歯の位置
- 2.3. 唇の状態
- 2.4. 呼吸方法
- 2.5. 嚥下時のポイント
- 3. ミューイングを継続するコツ
- 3.1. 日常的に意識する
- 3.2. 姿勢を整える
- 3.3. 力を入れすぎない
- 4. よくある間違い
- 5. ミューイングの効果が現れるまでの期間
- 6. ミューイングの注意点・デメリット
- 6.1. 効果には個人差がある
- 6.2. 顎関節への負担
- 6.3. 科学的根拠には限界がある
- 7. ミューイングとMFT(口腔筋機能療法)の違い
- 7.1. MFTとは
- 7.2. ミューイングとの違い
- 7.2.1. 共通点
- 7.2.2. 違い
- 8. よくある質問
- 8.1. 大人でも効果はありますか?
- 8.2. 矯正治療中でもできますか?
- 8.3. 1日どのくらい行えばいいですか?
- 8.4. 関連記事
- 9. 歯並び・口元と舌の位置が気になる方へ
- 10. 【動画】アデノイド顔貌
- 11. 筆者・院長
- 11.1. 深沢 一
- 11.1.1. メッセージ

ミューイングとは、舌を正しい位置に保つことで、鼻呼吸や口腔機能の改善を目指すトレーニング法です。近年は「横顔が整う」「フェイスラインが変わる」とSNSでも注目されていますが、重要なのは見た目だけではありません。舌の位置は、呼吸・歯並び・嚥下機能とも深く関係しています。
この記事では、ミューイングのやり方や期待できる効果、注意点について歯科的視点からわかりやすく解説します。
ミューイングとは
ミューイング(Mewing)とは、舌を正しい位置に保つことで口腔機能や呼吸習慣の改善を目指すトレーニング法です。イギリスの歯科医師ジョン・ミュー氏、マイク・ミュー氏らによって提唱され、近年はSNSや動画配信を通じて広く知られるようになりました。
基本的な考え方は、「舌を上顎に正しく接触させることで、口周囲筋や呼吸機能のバランスを整える」というものです。特に口呼吸の改善や舌機能の正常化との関連が注目されています。
一方で、「短期間で顔が劇的に変化する」といった情報には医学的根拠が十分ではなく、過度な期待には注意が必要です。

ミューイングで期待される効果
横顔やフェイスラインへの影響
ミューイングは「横顔が整う」「フェイスラインが変わる」とSNSなどで紹介されることがあります。しかし、舌を正しい位置に保つことで、成人の顎の骨格や顔の形が大きく変化することを示す十分な医学的根拠は確立されていません。
舌の位置や口唇の閉じ方、呼吸の仕方は、口元の筋肉の使い方や姿勢と関係しています。そのため、舌の位置や口呼吸などの習慣を見直すことで、口元の状態や見た目の印象に変化を感じる可能性はありますが、効果には個人差があります。
一方、成長期の子どもでは、舌の位置や口呼吸、嚥下などの口腔機能が顎顔面の成長や歯並びと関連することが知られています。ただし、ミューイングだけで顎の成長をコントロールしたり、歯並びを改善したりできるわけではありません。
横顔や口元の突出感、歯並びが気になる場合は、自己流のミューイングだけで改善しようとせず、矯正歯科で歯並びや噛み合わせ、顎の骨格、舌の機能などを総合的に確認することが大切です。
鼻呼吸の習慣化
舌が上顎に密着すると、自然に口が閉じやすくなり、鼻呼吸を維持しやすくなります。
鼻呼吸には以下のようなメリットがあります。
- 口腔内の乾燥を防ぐ
- 虫歯や歯周病リスクを減らす
- 口臭予防につながる
- 睡眠時の呼吸状態を安定させやすい
反対に口呼吸が続くと、歯肉炎や口臭、口腔乾燥の原因になることがあります。
姿勢や嚥下機能への影響
舌・顎・首周囲の筋肉は互いに関連しているため、舌の位置を意識することで姿勢改善につながる場合があります。
また、正しい舌の使い方は嚥下(飲み込み)機能にも関係します。飲み込む際に舌を適切に使えるようになることで、異常嚥下癖の改善が期待されることもあります。
ミューイングの基本的なやり方

舌の正しい位置
もっとも重要なのは、舌全体を上顎に接触させることです。
舌先だけではなく、舌の中央から奥まで上顎に軽く吸い付くような状態が理想です。
舌先の位置は、上の前歯のすぐ後ろにあるスポット付近を目安にします。
歯の位置
上下の歯は強く噛み締めず、軽く接触する程度に保ちます。
強い食いしばりは顎関節症や咬筋の緊張につながるため注意が必要です。
唇の状態
唇は無理なく自然に閉じます。
力を入れて閉じる必要はありません。
呼吸方法
呼吸は鼻呼吸で行います。
鼻づまりが強い場合は、耳鼻咽喉科での評価が必要になることもあります。
嚥下時のポイント
唾液を飲み込む際も、舌を上顎に押し当てるように意識します。
これを繰り返すことで、正しい舌位置が習慣化しやすくなります。
ミューイングを継続するコツ
日常的に意識する
短時間だけ行うのではなく、安静時の舌位置として習慣化することが重要です。
姿勢を整える
猫背になると舌が下がりやすくなるため、背筋を伸ばし、頭の位置を安定させることが大切です。
力を入れすぎない
過剰な力で舌を押し付けると、顎や首に負担がかかります。
自然な力加減で継続することが重要です。
よくある間違い

- 舌先だけを上顎につけている
- 奥舌が下がっている
- 歯を強く噛み締めている
- 短期間での劇的変化を期待している
誤った方法は、顎関節への負担や筋肉疲労の原因になることがあります。
ミューイングの効果が現れるまでの期間

ミューイングを始めてから、どのくらいで効果を実感できるかは一概にはいえません。舌の位置や口呼吸など、これまでの習慣を見直すには継続的な取り組みが必要ですが、「数週間でフェイスラインが変わる」「半年続ければ顔の骨格が変化する」といった効果や期間については、十分な医学的根拠が確立されていません。
特に成人では顎顔面の成長がほぼ終了しているため、舌の位置を意識するだけで顎の骨格や歯並びが大きく変化することは期待できません。
一方、舌を適切な位置に保つことや、口唇を自然に閉じて鼻呼吸を行うことは、口腔機能を整えるうえで重要です。ただし、鼻呼吸のしやすさや舌の使い方などに変化を感じるまでの期間には個人差があります。
ミューイングは「短期間で顔を変える美容法」としてではなく、舌の安静時の位置や呼吸・嚥下などの口腔機能を見直すきっかけとして捉えることが大切です。
歯並びや噛み合わせ、舌癖、口呼吸などに問題がある場合は、自己流のトレーニングだけで改善しようとせず、歯科医院で原因を確認し、必要に応じてMFT(口腔筋機能療法)や矯正治療などを検討します。
ミューイングの注意点・デメリット
効果には個人差がある
骨格や舌機能、呼吸状態によって結果は異なります。
特に成人では、骨格自体が大きく変化する可能性は限定的です。
顎関節への負担
誤った舌位置や強い噛み締めは、顎関節症や筋肉痛の原因になることがあります。
違和感や痛みが出る場合は中止し、歯科医院へ相談しましょう。
科学的根拠には限界がある
舌機能や口呼吸改善に関する研究は存在しますが、「顔が劇的に変わる」ことを証明する十分な医学的エビデンスは現時点では限定的です。
SNSの情報を鵜呑みにせず、現実的な範囲で取り組むことが大切です。
ミューイングとMFT(口腔筋機能療法)の違い

MFTとは
MFT(Myofunctional Therapy:口腔筋機能療法)は、歯科医院で行われる舌・唇・頬・呼吸機能のトレーニングです。
矯正歯科領域では、以下を目的に行われます。
- 舌癖の改善
- 鼻呼吸の習慣化
- 正しい嚥下の獲得
- 矯正治療後の後戻り予防
ミューイングとの違い
共通点
- 舌を上顎に置くことを重視する
- 鼻呼吸を推奨する
- 習慣改善を目的とする
違い
- ミューイング:セルフケア中心
- MFT:歯科医師・歯科衛生士の指導下で行う医学的トレーニング
症状や歯並びに問題がある場合は、自己流ではなく歯科医院で相談することが望ましいでしょう。
よくある質問
大人でも効果はありますか?
姿勢や鼻呼吸の改善には役立つ可能性があります。ただし、成長期ほど骨格への影響は大きくありません。
矯正治療中でもできますか?
基本的には可能ですが、装置の種類によって注意点が異なるため、担当歯科医師に確認しましょう。
1日どのくらい行えばいいですか?
特定の時間だけ行うのではなく、安静時の正しい舌位置として習慣化することが重要です。
関連記事
歯並び・口元と舌の位置が気になる方へ

舌の位置や口呼吸などの癖は、歯並びや噛み合わせ、口腔機能と関係していることがあります。自己流のミューイングだけで改善しようとせず、気になる症状がある場合は、お口の状態を一度確認してみましょう。歯並びや舌の使い方を確認し、一人ひとりに合った方法をご提案します。
【動画】アデノイド顔貌
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。





