- 1. 歯のステインとは?
- 2. ステインと虫歯・歯石の違い
- 3. 歯科医院でのステイン除去症例
- 3.1. 術前の状態
- 3.1.1. 歯石の特徴
- 3.1.2. プラークの特徴
- 3.1.3. ステインの特徴
- 3.2. 術後の状態
- 3.2.1. 歯石除去による変化
- 3.2.2. エアフローによるステイン除去
- 3.2.3. レジン修復部の変色
- 4. 歯にステインが付く主な原因
- 4.1. 飲食物による着色
- 4.2. 喫煙
- 4.3. 加齢による歯の色の変化
- 4.4. プラークが残っている
- 5. 自宅でできるステイン対策
- 5.1. 着色汚れに対応した歯磨剤を使用する
- 5.2. デンタルフロス・歯間ブラシを使用する
- 5.3. 電動歯ブラシを活用する
- 6. 歯科医院で行うステイン除去
- 6.1. スケーリング
- 6.2. PMTC
- 6.3. エアフロー
- 7. ステイン除去とホワイトニングの違い
- 7.1. ホワイトニング症例
- 8. ステインを予防する生活習慣
- 9. ステインを放置するとどうなる?
- 10. まとめ
- 10.1. 関連記事
- 11. 歯の着色・ステインが気になっていませんか?
- 12. 【動画】ステイン着色汚れをクリーニングするエアフロー
- 13. 筆者・院長
- 13.1. 深沢 一
- 13.1.1. メッセージ
歯のステインとは?

ステインとは、コーヒーや紅茶、タバコなどに含まれる色素が歯の表面に付着して生じる着色汚れのことです。歯科では「外因性着色」と呼ばれることもあります。
ステインは歯そのものの色が変化する「内因性の変色」とは異なり、歯の表面に付着した着色であるため、状態によっては歯磨きや歯科医院でのクリーニングによって除去できます。
特にコーヒー、紅茶、緑茶、赤ワインなど色の濃い飲食物を頻繁に摂取する方や、喫煙習慣がある方はステインが目立ちやすくなります。
ステインと虫歯・歯石の違い
歯に付着した茶色や黒っぽいものを見て「虫歯ではないか」と心配になる方もいます。しかし、ステイン・虫歯・歯石はそれぞれ異なります。
| 種類 | 特徴 |
|---|---|
| ステイン | 飲食物やタバコなどによる歯の表面の着色 |
| 虫歯 | 細菌が関与して歯質が脱灰・崩壊する病気 |
| 歯石 | プラーク(歯垢)が唾液などの成分によって石灰化したもの |
ステインそのものが虫歯や歯周病を直接引き起こすわけではありません。
ただし、ステインだと思っていた部分が虫歯や歯石である場合もあります。歯磨きをしても取れない黒色や茶色の部分がある場合は、自己判断せず歯科医院で確認してもらいましょう。
歯科医院でのステイン除去症例
術前の状態
術前の口腔内では、歯石・プラーク・ステインが広範囲に認められました。
特に下顎前歯部から小臼歯部にかけて歯石の沈着がみられ、歯肉にも炎症が認められました。また、歯面には茶褐色の着色が付着していました。
ステインの原因は、飲食物や喫煙などさまざまです。問診で喫煙習慣やコーヒー・紅茶などの摂取状況を確認しながら、着色の原因を考えていきます。

歯石の特徴
歯石は、歯面に付着したプラークが唾液などに含まれるカルシウムやリン酸によって石灰化したものです。
一度形成された歯石は通常の歯磨きでは十分に除去できないため、歯科医院でスケーラーなどを使用して除去する必要があります。
また、歯石の表面は粗造でプラークが付着しやすいため、歯周病の予防・治療では適切に除去することが重要です。
プラークの特徴
プラークは、歯の表面に形成される細菌を主体としたバイオフィルムです。
虫歯や歯肉炎・歯周炎の発症や進行に深く関係しており、歯と歯の間や歯と歯ぐきの境目などに残りやすい特徴があります。
毎日のブラッシングに加えて、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使用して適切に除去することが大切です。
ステインの特徴
歯面に付着する茶色や黒っぽい汚れの中には、飲食物やタバコなどによる外因性着色があります。
軽度の着色であれば日常の歯磨きである程度除去できることもありますが、長期間蓄積したステインや歯間部などの着色はセルフケアだけでは落としにくい場合があります。
そのような場合には、歯科医院での専門的なクリーニングが選択肢となります。
術後の状態
歯石やステインの状態に応じてスケーリングや専門的なクリーニングを行うことで、歯面に付着していた汚れや着色が除去され、歯本来の色調が確認できるようになりました。
なお、ステイン除去は歯そのものを漂白する処置ではないため、歯本来の色より白くなるわけではありません。

歯石除去による変化
歯肉炎や歯周炎がある場合、原因となるプラークや歯石を除去し、適切なセルフケアを継続することで、歯肉の腫れや出血が改善することがあります。
炎症による歯肉の腫れが改善すると、処置前より歯肉が下がったように見える場合があります。
また、歯石除去後に一時的に歯がしみることもあります。症状が強い場合や長く続く場合には歯科医師に相談しましょう。
エアフローによるステイン除去
エアフローは、専用のパウダーを水や空気とともに噴射し、歯面に付着したステインやバイオフィルムを除去する方法です。
コーヒーや紅茶、タバコなどによる外因性着色の除去に用いられることがあります。
使用するパウダーの種類や噴射方法、歯や歯周組織の状態によって適切な使用方法は異なるため、すべての方に同じ方法を行うわけではありません。
歯科医師や歯科衛生士が口腔内の状態を確認したうえで、適切なクリーニング方法を選択します。
レジン修復部の変色
ステインを除去すると、過去に治療したコンポジットレジンの変色や着色が目立つことがあります。
コンポジットレジンは経年的に着色や変色が生じる場合があり、クリーニングだけでは改善しないことがあります。
状態によっては研磨で改善できる場合もありますが、変色の程度、二次う蝕の有無、修復物の状態などによっては再修復を検討します。
歯にステインが付く主な原因

飲食物による着色
色の濃い食品や飲料を頻繁に摂取すると、歯の表面にステインが付着しやすくなります。
代表的なものには次のような飲食物があります。
- コーヒー
- 紅茶
- 緑茶
- 赤ワイン
- カレー
- チョコレート
- ソース類
ただし、これらを食べたり飲んだりすると必ずステインが付くわけではありません。摂取頻度や口腔内の状態、歯磨きなどの習慣によって着色の程度には個人差があります。
喫煙
タバコの煙に含まれる成分によって、歯に黄褐色から黒褐色の着色が付着することがあります。
長期間喫煙している場合には、歯の表面だけでなく歯間部や歯ぐき付近にも着色が目立つことがあります。
なお、喫煙は着色だけでなく歯周病の重要なリスク因子でもあるため、口腔の健康を維持するうえでも禁煙は重要です。
加齢による歯の色の変化
年齢とともに歯が黄色っぽく見えることがありますが、すべてがステインによるものではありません。
加齢に伴ってエナメル質や象牙質の状態が変化し、歯の内部の色調が目立つようになることがあります。
このような歯そのものの色の変化は、表面に付着したステインとは異なるため、クリーニングだけでは改善できない場合があります。
プラークが残っている
十分にブラッシングできていない部分にはプラークが残りやすく、着色も目立つことがあります。
ステインの付着には飲食習慣だけでなく、口腔内の状態やセルフケアなど複数の要因が関係します。
自宅でできるステイン対策

着色汚れに対応した歯磨剤を使用する
ステインの付着を予防したり、軽度の着色を除去したりする目的で、清掃剤や着色汚れへの作用を目的とした成分を配合した歯磨剤を使用する方法があります。
ただし、歯磨剤だけですべてのステインを除去できるわけではありません。
また、研磨性の高い歯磨剤を強い力で繰り返し使用すると、歯や露出した根面、修復物などに負担をかける可能性があります。
歯ブラシを強く押し付けず、適切な力で磨くことが大切です。
デンタルフロス・歯間ブラシを使用する
歯と歯の間は歯ブラシだけでは十分に清掃しにくい場所です。
デンタルフロスや歯間ブラシを併用することで、歯間部のプラークを除去しやすくなります。
歯間ブラシはサイズが合っていないと歯肉を傷つける場合があるため、自分に合ったサイズが分からない場合には歯科医院で相談しましょう。
電動歯ブラシを活用する
電動歯ブラシもプラーク除去のための選択肢の一つです。
ただし、電動歯ブラシを使用すれば必ずステインを防げるわけではありません。ブラシの当て方や使用時間など、適切な使い方が重要です。
歯科医院で行うステイン除去
歯科医院では、ステインだけでなくプラークや歯石、歯周組織の状態などを確認し、必要に応じてクリーニングを行います。

スケーリング
スケーリングは、スケーラーを使用して歯面に付着した歯石などを除去する処置です。
主な目的は歯石の除去であり、ステイン除去だけを目的とした処置ではありません。
歯周病の予防・治療では、プラークコントロールとともに必要に応じて歯石を除去することが重要です。
PMTC
PMTCは「Professional Mechanical Tooth Cleaning」の略で、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具などを使用して行う専門的な歯面清掃を指します。
歯面のプラークや着色などを除去する目的で行われることがあります。
口腔内の状態によって必要な処置は異なるため、すべての患者さんに同じ内容のPMTCを行うわけではありません。
エアフロー
エアフローなどのパウダークリーニングは、専用のパウダーを水や空気とともに噴射し、バイオフィルムや外因性着色を除去する方法です。
特に広範囲に付着したステインなどを効率よく除去できる場合があります。
一方で、使用するパウダーや噴射条件、歯面・根面・修復物・インプラントなど対象部位によって適切な方法が異なります。
「エアフローなら歯を傷つけない」と一律に考えるのではなく、口腔内の状態に合わせて適切に使用することが重要です。
ステイン除去とホワイトニングの違い
ステイン除去とホワイトニングは、どちらも歯をきれいに見せる処置ですが、目的が異なります。
ホワイトニング症例


| ステイン除去 | ホワイトニング |
|---|---|
| 歯の表面の外因性着色を除去する | 薬剤によって歯そのものを明るくする |
| 歯本来の色調を取り戻すことを目的とする | 歯本来の色調より明るくできる場合がある |
| 主にクリーニング | 漂白処置 |
ステインを除去しても歯そのものの色が黄色い場合には、期待したほど白く見えないことがあります。
歯そのものをさらに明るくしたい場合には、ホワイトニングが選択肢になります。
ただし、詰め物や被せ物などの人工物は通常のホワイトニングでは白くならないため、治療前に歯科医師へ相談することが大切です。
ステインを予防する生活習慣
ステインを完全に防ぐことは難しいものの、日常生活を工夫することで着色を抑えられる場合があります。
- コーヒーや紅茶などを飲んだ後に水を飲む・口をすすぐ
- 毎日のブラッシングを丁寧に行う
- デンタルフロスや歯間ブラシを併用する
- 喫煙している場合は禁煙を検討する
- 必要に応じて歯科医院でクリーニングを受ける
歯科医院でクリーニングを受ける頻度は、すべての方に一律ではありません。
歯周病の状態、虫歯のリスク、セルフケアの状態、喫煙習慣、着色の程度などによって適切な受診間隔は異なります。歯科医師や歯科衛生士と相談し、自分の口腔内に合った間隔でメインテナンスを受けましょう。
ステインを放置するとどうなる?

ステインは主に審美的な問題であり、ステインそのものが虫歯や歯周病を直接引き起こすわけではありません。
そのため、「ステインを放置すると虫歯や歯周病になる」と考える必要はありません。
一方で、着色だと思っていたものが歯石や虫歯である場合や、ステインとともにプラークや歯石が多く付着している場合もあります。
特に次のような場合には、歯科医院で一度確認してもらうことをおすすめします。
- 歯磨きをしても茶色や黒い部分が取れない
- 着色なのか虫歯なのか分からない
- 歯石が多く付着している
- 歯ぐきから出血する
- 歯ぐきが腫れている
- 口臭が気になる
- 急に歯の色が変化した
歯科医院では、単なるステインなのか、虫歯・歯石など別の原因があるのかを確認できます。
まとめ
歯のステインは、コーヒーや紅茶、タバコなどによって歯の表面に付着する外因性の着色汚れです。
軽度のステインは日常のセルフケアである程度除去できる場合がありますが、長期間蓄積した着色や歯間部などのステインは、自宅で無理に落とそうとせず歯科医院で相談しましょう。
歯科医院では、ステインだけでなくプラークや歯石、虫歯、歯周組�織の状態なども確認し、必要に応じてスケーリング、PMTC、エアフローなどから適切な方法を選択します。
また、ステイン除去は歯表面の着色を取り除く処置であり、歯そのものを白くするホワイトニングとは目的が異なります。
歯の着色が気になる場合は、まず原因を確認し、自分の口腔内の状態に合った方法でケアすることが大切です。
関連記事
歯の着色・ステインが気になっていませんか?

「歯の黄ばみや着色が気になる」「コーヒーやタバコによるステインをきれいにしたい」という方はご相談ください。ステイン除去では、エアフローや専門的クリーニングにより歯本来の美しさを取り戻します。また、さらに白い歯をご希望の方にはホワイトニングもご提案可能です。
【動画】ステイン着色汚れをクリーニングするエアフロー
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。





