「インプラントは絶対にやめた方がいい」「後悔した」という声をインターネットやSNSで目にすることがあります。しかし、実際には適切な診査・診断と正しいメンテナンスが行われれば、長期間安定して機能する治療法です。

一方で、外科手術である以上、一定のリスクが存在することも事実です。大切なのは「絶対ダメ」と決めつけるのではなく、メリットとデメリットを正しく理解し、自分に合った治療法を選択することです。

なぜ「インプラントは絶対ダメ」と言われるのか
なぜ「インプラントは絶対ダメ」と言われるのか

インプラントに対する否定的な意見の多くは、以下のようなトラブルが背景にあります。

  • 術後の腫れや痛みが想像以上だった
  • 十分な説明を受けないまま治療を受けた
  • インプラント周囲炎で脱落した
  • 高額な治療費に見合わないと感じた
  • 神経損傷や感染などの合併症が起こった

しかし、これらの多くは術前検査の不足やメンテナンス不良、あるいは治療計画の問題が関係しています。

下顎右側第1小臼歯(4番)へのインプラント埋入直後

写真は下顎右側第1小臼歯部にインプラントを埋入した直後の術中写真です。

矢印で示された金属部分がインプラントフィクスチャー(人工歯根)の上部です。

下顎右側第1小臼歯(4番)のインプラント症例
下顎右側第1小臼歯(4番)のインプラント症例

症例のポイント

埋入部位

  • 下顎右側第1小臼歯(4番)
  • 欠損した歯の機能回復を目的として埋入

インプラント体

矢印で示された部分がチタン製フィクスチャーです。将来的にアバットメントと人工歯(上部構造)が連結されます。

周囲組織

歯肉弁を開いた状態であり、適切な深さと方向でインプラントが埋入されていることが確認できます。

埋入方向

フィクスチャーは歯槽骨内に安定して固定され、歯軸方向に沿って理想的な位置に埋入されています。

インプラント治療の一般的な流れ
インプラント治療の一般的な流れ
  1. インプラント埋入手術
  2. 骨との結合期間(オッセオインテグレーション)
    • 下顎:約2~3か月
    • 上顎:約4~6か月
  3. 二次手術
  4. アバットメント装着
  5. 人工歯(クラウン)装着
  6. 定期メンテナンス

上部構造装着後のパノラマX線写真では、インプラント体と骨の結合状態を確認します。

下顎右側第1小臼歯(4番)部にインプラント上部構造を装着した後のパノラマX線写真
下顎右側第1小臼歯(4番)部にインプラント上部構造を装着した後のパノラマX線写真

評価項目

項目評価
インプラント軸咬合力に対して適切な方向
骨レベル頸部まで十分に維持
周囲骨骨吸収や透過像なし
隣在歯との距離適正
補綴物形態自然な咬合関係

本症例では骨結合が良好で、長期的な安定が期待できる状態と判断されました。

インプラント治療の主なリスク
インプラント治療の主なリスク

外科手術に伴う合併症

インプラントは外科手術であるため、以下のリスクがあります。

  • 感染
  • 出血
  • 神経損傷
  • 上顎洞への影響
  • 術後の腫脹や疼痛

ただし、CT検査やサージカルガイドを活用することで、多くのリスクは大幅に軽減できます。

治療費が高額

インプラントは自由診療です。

一般的には1本あたり30万~50万円程度かかることが多く、経済的負担は決して小さくありません。

インプラント周囲炎

インプラント周囲の歯周病ともいえる病気です。

進行すると周囲骨が吸収され、最終的にはインプラントが脱落することがあります。

以下に該当する方は十分な検査と医科連携が必要です。

  • コントロール不良の糖尿病
  • 重度の高血圧
  • 骨粗しょう症治療中
  • 重度喫煙者
  • 成長期の子ども
  • 妊娠中の方

ただし、必ずしも治療できないわけではありません。全身状態が安定していればインプラント治療が可能なケースも多数あります。

次のような方には特に適しています。

  • 入れ歯の違和感が強い
  • 健康な歯を削りたくない
  • しっかり噛みたい
  • 見た目を重視したい
  • 定期メンテナンスを継続できる

適切な管理を行えば、10年以上良好に機能するケースも珍しくありません。

インプラントで失敗しないためのポイント

CT撮影を行う歯科医院を選ぶ

骨の量や神経位置を正確に把握するため、CT検査は必須です。

サージカルガイドを活用する

コンピューターシミュレーションに基づき、安全かつ正確な埋入を実現します。

定期メンテナンスを継続する

インプラント成功の最大のポイントは術後管理です。

3~6か月ごとのメンテナンスを継続することで、インプラント周囲炎の予防につながります。

インプラント以外の治療法との比較
インプラント以外の治療法との比較
治療法メリットデメリット
ブリッジ手術不要・短期間健康な歯を削る
部分入れ歯保険適用可・低コスト違和感が出やすい
インプラント天然歯に近い噛み心地手術と費用が必要

ブリッジや入れ歯との比較も重要

ブリッジは支台歯に大きな負担がかかり、将来的にむし歯や歯周病のリスクが高まることがあります。

また部分入れ歯は費用を抑えられる反面、噛む力や装着感、見た目に限界があります。

そのため、欠損した歯の治療を検討する際は「インプラントは絶対ダメ」と決めつけるのではなく、

  • 残っている歯の寿命
  • 噛む機能
  • 審美性
  • 費用
  • 将来的な予後

を総合的に比較検討することが重要です。

インプラントは決して「絶対ダメ」な治療法ではありません。適切な診査・診断と正しいメンテナンスが行われれば、天然歯に近い機能と審美性を長期間維持できる優れた治療法です。

一方で、外科手術である以上リスクも存在します。大切なのはインプラント、ブリッジ、入れ歯それぞれの特徴を理解し、ご自身の口腔内の状態やライフスタイルに合った治療法を選択することです。専門医による十分な説明を受けたうえで、納得して治療を進めることをおすすめします。

江戸川区篠崎で「インプラントは絶対ダメなの?」と不安な方へ

インターネットやSNSでは「インプラントで後悔した」「絶対やめた方がいい」という情報を目にすることがあります。しかし、インプラントは適切な診査・診断と確かな技術、そして継続的なメンテナンスによって、長期間しっかり噛める治療法です。

当歯科クリニック篠崎では、歯科用CTによる精密検査を行い、顎の骨や神経の位置を正確に把握したうえで治療計画を立案します。また、インプラントだけでなく、ブリッジや入れ歯などの選択肢も含めて比較し、患者様に最適な治療法をご提案しています。

「本当にインプラントが自分に合うのか知りたい」「他の治療法との違いを詳しく聞きたい」という方は、お気軽にご相談ください。

【動画】奥歯を抜歯したまま放置すると?

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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