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「インプラントは絶対にやめた方がいい」「インプラントにして後悔した」といった声を、インターネットやSNSで目にして不安になっていませんか。

インプラントは、失った歯を補う治療法の一つです。周囲の健康な歯を大きく削らず、固定式の人工歯で噛む機能を回復できることなどがメリットとして挙げられます。

一方、顎の骨にインプラント体を埋め込む外科手術が必要であり、感染や神経への影響、インプラント周囲炎などのリスクもあります。また、自由診療のため、費用の負担も考慮しなければなりません。

そのため、「インプラントは絶対ダメ」「インプラントなら間違いない」と決めつけるのではなく、メリット・デメリットを理解し、ブリッジや入れ歯などと比較したうえで、自分に合った治療法を選ぶことが大切です。

この記事では、インプラントが「やめた方がいい」と言われる理由、治療に伴うリスク、慎重な判断が必要なケース、後悔を減らすために確認しておきたいポイントについて解説します。

インプラントについて調べると、「絶対ダメ」「やめた方がいい」という意見が見つかることがあります。

その背景には、次のような経験や不安が考えられます。

  • 術後の痛みや腫れが想像より強かった
  • 治療期間が思っていたより長かった
  • 十分に納得しないまま治療を受けた
  • インプラント周囲炎などのトラブルが起こった
  • 高額な治療費に負担を感じた
  • 神経への影響や感染などの合併症が起こった
  • 治療後にもメンテナンスが必要だと知らなかった

ただし、インプラント治療の経過や予後には、術前の診査・診断、顎の骨や歯ぐきの状態、全身状態、喫煙、口腔衛生、噛み合わせ、治療後のメンテナンスなど、さまざまな要因が関係します。

「トラブルが起こる可能性があるから絶対に避けるべき」と考えるのではなく、どのようなメリットとリスクがあるのかを理解して判断することが重要です。

下顎右側第1小臼歯(4番)へのインプラント埋入

写真は、下顎右側第1小臼歯(4番)を失った部分にインプラント体を埋入した際の術中写真です。

矢印で示している金属部分が、顎の骨に埋め込まれたインプラント体(フィクスチャー)の上部です。

インプラント治療では、事前に顎の骨や周囲組織などを確認し、治療計画に基づいてインプラント体を埋入します。

下顎右側第1小臼歯(4番)のインプラント症例
下顎右側第1小臼歯(4番)のインプラント症例

症例のポイント

埋入部位

  • 下顎右側第1小臼歯(4番)
  • 欠損した歯の機能回復を目的として治療

インプラント体

埋入されているのがインプラント体です。

骨との結合を待った後、必要な治療工程を経てアバットメントと人工歯(上部構造)を装着します。

周囲組織

インプラント治療では、骨の量や形態、歯ぐきの状態、隣接する歯との位置関係などを確認しながら治療を進めます。

埋入位置・方向

インプラントを埋入する位置や方向は、骨の状態や周囲の歯、神経などの解剖学的構造、将来装着する人工歯の位置などを考慮して計画します。

なお、インプラントの状態や治療結果は術中写真だけで判断するものではありません。画像検査や口腔内の診査、治療後の経過などを含めて総合的に評価します。

インプラント治療は、一般的に次のような流れで行われます。

  1. 診査・診断、治療計画
  2. インプラント埋入手術
  3. インプラント体と骨の結合を待つ
  4. 必要に応じて二次手術
  5. アバットメントの装着
  6. 人工歯(上部構造)の装着
  7. 定期的なメンテナンス

インプラント体と骨が結合するまでの期間は、治療部位や骨の状態、使用するインプラントなどによって異なります。

治療内容によっては、抜歯や骨造成などの処置が必要になる場合もあるため、治療期間には個人差があります。

人工歯を装着した後も、インプラントや周囲組織の状態を継続して確認することが重要です。

下顎右側第1小臼歯(4番)部にインプラント上部構造を装着した後のパノラマX線写真
下顎右側第1小臼歯(4番)部にインプラント上部構造を装着した後のパノラマX線写真

レントゲン検査などでは、主に次のような点を確認します。

  • インプラント周囲の骨の状態
  • インプラント体の位置
  • 隣接する歯との位置関係
  • 上部構造の状態
  • 経時的な骨レベルの変化

本症例についても、レントゲン画像だけで長期的な予後を断定するのではなく、口腔内の診査や噛み合わせ、清掃状態、その後の経過などを含めて継続的に評価していくことが重要です。

外科手術が必要

インプラント治療では顎の骨にインプラント体を埋め込むため、外科手術が必要です。

手術に伴い、次のような症状や合併症が起こる可能性があります。

  • 術後の痛みや腫れ
  • 出血
  • 感染
  • 神経への影響
  • 上顎洞への影響
  • インプラント体と骨が十分に結合しない

こうしたリスクをできるだけ抑えるためには、術前に顎の骨や周囲組織、全身状態などを確認し、適切な治療計画を立てることが重要です。

必要に応じてCT・CBCTなどによる三次元的な画像診断を行い、骨の形態や神経、上顎洞などとの位置関係を確認します。

ただし、十分な診査や治療計画を行っても、合併症のリスクを完全になくすことはできません。

治療費の負担が大きい

インプラント治療は原則として自由診療となるため、保険診療のブリッジや部分入れ歯と比較すると治療費が高くなる傾向があります。

費用は、インプラントの本数や使用する材料、骨造成の有無、人工歯の種類などによって異なります。

治療を受ける前に、

  • 検査・診断料
  • インプラント埋入手術
  • 人工歯
  • 骨造成などの追加処置
  • 治療後のメンテナンス

など、どこまでが提示された費用に含まれているのか確認しておくことが大切です。

治療期間が長くなることがある

インプラントは、埋入してすぐに治療が完了するとは限りません。

インプラント体と骨が結合するまで一定期間を待つ必要があり、骨造成などを行う場合には、さらに治療期間が長くなることがあります。

インプラント周囲炎のリスクがある

インプラントは人工物なので虫歯にはなりません。

しかし、インプラントの周囲にプラークが蓄積すると、周囲の粘膜に炎症が起こり、進行するとインプラントを支える骨が失われる「インプラント周囲炎」につながることがあります。

そのため、インプラントを入れた後も、毎日のセルフケアと歯科医院での定期管理が重要です。

インプラント治療では、口腔内だけでなく全身状態も考慮する必要があります。

特に次のような場合には、治療の可否や時期について慎重な判断が必要になることがあります。

  • 糖尿病のコントロールが十分でない
  • 高血圧などの全身疾患が十分に管理されていない
  • 骨粗しょう症の治療を受けている
  • 喫煙習慣がある
  • 重度の歯周病がある
  • 顎の骨量が不足している
  • 顎の骨が成長途中である
  • 妊娠中である

これらに該当するからといって、一律にインプラント治療ができないわけではありません。

病気の状態や服用している薬、口腔内の状態などを確認し、必要に応じて医科の主治医と連携しながら治療の可否や時期を検討します。

インプラントは、次のような希望がある方にとって治療の選択肢になる場合があります。

  • 入れ歯の装着感が気になる
  • 周囲の健康な歯をできるだけ削りたくない
  • 固定式の人工歯を希望している
  • 噛みやすさを重視したい
  • 見た目にも配慮した治療を希望している
  • 治療後もセルフケアや定期管理を継続できる

ただし、これらに該当すれば必ずインプラントが適しているというわけではありません。

顎の骨や歯ぐき、残っている歯、噛み合わせ、全身状態、生活習慣などを確認して判断します。

1.治療前に十分な診査・診断を受ける

インプラント治療では、顎の骨の量や形態だけでなく、歯ぐき、残っている歯、噛み合わせなどを総合的に確認することが重要です。

症例に応じてCT・CBCTなどを用いて三次元的に評価し、神経や上顎洞などとの位置関係も確認します。

2.メリットだけでなくリスクの説明も受ける

「よく噛める」「見た目が自然」といったメリットだけでなく、

  • 手術のリスク
  • 治療期間
  • 費用
  • 追加治療の可能性
  • インプラント周囲炎
  • 将来的な再治療の可能性
  • メンテナンスの必要性

などについても説明を受け、納得したうえで治療を選ぶことが大切です。

3.サージカルガイドを使用する場合もある

症例によっては、CT・CBCTの画像データなどをもとに作製したサージカルガイドを使用することがあります。

サージカルガイドは、事前に計画したインプラントの位置や方向などに沿って埋入するための補助装置です。

ただし、サージカルガイドを使用すれば合併症を完全に防げるわけではありません。術前の診査・診断や術中の判断も重要です。

4.治療後のメンテナンスを継続する

インプラントは治療が終わったら何もしなくてよいわけではありません。

長期的に維持するためには、毎日の歯磨きなどのセルフケアと、歯科医院での定期的な管理が重要です。

メンテナンスの間隔は一律ではなく、歯周病の状態、清掃状態、喫煙習慣、噛み合わせなど、それぞれのリスクに応じて設定します。

歯を失った場合の治療法には、主にインプラント、ブリッジ、部分入れ歯があります。

治療法主なメリット主なデメリット
インプラント周囲の歯を大きく削らずに治療できる外科手術が必要・自由診療では費用負担が大きい
ブリッジ固定式で外科手術を必要としない一般的には支台となる歯を削る必要がある
部分入れ歯外科手術が不要・保険診療を選べる場合がある装着時の違和感や噛み心地が気になる場合がある

それぞれにメリットとデメリットがあり、「どの治療法が一番よい」と一概にはいえません。

ブリッジは、一般的に欠損した部分の両隣の歯を支台として人工歯を固定します。

外科手術が必要ない一方、支台となる歯を削る必要があり、その歯の状態によっては将来的なむし歯や歯周病などにも注意が必要です。

部分入れ歯は外科手術を必要とせず、保険診療を選択できる場合があることもメリットです。一方、お口の状態や入れ歯の設計によっては、装着時の違和感や噛み心地、見た目などが気になる場合があります。

インプラントは周囲の歯を大きく削らず、独立して欠損部分を補えることが特徴ですが、外科手術や治療期間、費用、治療後の管理について考える必要があります。

歯を失った際の治療法を選ぶときは、

  • 残っている歯の状態
  • 顎の骨や歯ぐきの状態
  • 噛み合わせ
  • 全身状態
  • 治療期間
  • 費用
  • 日常のお手入れ
  • 将来的なメンテナンス
  • 本人の希望

などを総合的に比較することが大切です。

インプラントは「絶対ダメ」な治療法ではありませんが、すべての方に適している治療法でもありません。

周囲の健康な歯を大きく削らずに失った歯を補えることや、固定式で噛みやすいことなどのメリットがある一方、外科手術が必要で、術後の痛みや腫れ、感染、神経への影響、インプラント周囲炎などのリスクもあります。

また、治療後も長期的なセルフケアと定期的な管理が必要です。

大切なのは、インターネットやSNSの「絶対にやめた方がいい」「インプラントにして後悔した」といった情報だけで判断しないことです。

インプラント・ブリッジ・入れ歯にはそれぞれ異なるメリットとデメリットがあります。

ご自身の口腔内や全身の状態について診査を受け、それぞれの治療方法について十分な説明を受けたうえで、納得できる方法を選択しましょう。

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「本当にインプラントでいい?」「自分にもできる?」と迷っている方は、まずお口や全身の状態を確認してみませんか。インプラントだけでなく、ブリッジや入れ歯も含めて、それぞれのメリット・デメリットを比較しながら治療法を検討することが大切です。

「本当にインプラントが自分に合うのか知りたい」「他の治療法との違いを詳しく聞きたい」という方は、お気軽にご相談ください。

【動画】奥歯を抜歯したまま放置すると?

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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