目次

初めての赤ちゃんが生まれたお母さんにとって、きちっと乳歯が生えてくるか不安なものです。乳歯の生える時期と順番は大変個人差が大きいのが特徴です。

例えば、乳側切歯が乳中切歯より先に生えたり、乳犬歯が乳側切歯より先に生えたりする赤ちゃんはよくいることです。

ここでは、それぞれの乳歯の生える時期と順番と役割をまとめました。

1-1. 乳歯とは?永久歯との違い

乳歯の本数と役割

乳歯は、生後6か月頃から生え始め、約3歳までに上下合わせて20本が生え揃います。永久歯と比較すると小さく、歯質も薄いため、虫歯になりやすい特徴があります。

生後6か月頃に生え始めた乳歯
生後6か月頃に生え始めた乳歯

乳歯の役割には以下のようなものがあります。

  • 咀嚼機能の発達:食べ物をしっかり噛むことで消化を助け、栄養を効率よく吸収できる。
  • 顎や顔の成長をサポート:噛むことで顎の発達を促し、正しい顔の骨格形成につながる。
  • 発音の補助:歯が生えることで発音がはっきりし、言葉の発達をサポート。
  • 永久歯の適切な誘導:乳歯が正しい位置にあることで、永久歯が正しい位置に生えやすくなる。
乳歯と永久歯の違い
乳歯永久歯
本数20本32本(親知らずを含む)
大きさ小さい大きい
歯質エナメル質・象牙質が薄く、虫歯になりやすいエナメル質が厚く、丈夫
生え変わり時期約6歳〜12歳で順次抜ける生涯使用する

乳歯が早く抜けたり、虫歯で欠損したりすると、永久歯の生えるスペースが不足し、歯並びや噛み合わせに影響を及ぼすことがあります。そのため、乳歯の健康管理が非常に重要です。

1-2. 乳歯が生えることの重要性

咀嚼機能の発達

乳歯が生えることで、赤ちゃんは離乳食から通常の食事へと移行し、咀嚼能力を発達させていきます。食べ物をよく噛むことで、消化が促進され、胃腸への負担が軽減されます。また、噛むことで唾液の分泌が促され、口腔内を清潔に保つ効果もあります。

顎の成長と発語への影響

乳歯が正常に生え、しっかり噛む習慣がつくと、顎の骨が適切に発達し、永久歯が生えるスペースが確保されます。逆に、乳歯が早く抜けたり、噛む回数が少ないと、顎の発育が十分でなくなり、永久歯の歯並びに影響を与えることがあります。

また、乳歯は発音にも大きな役割を持ちます。「サ行」「タ行」「ラ行」などは前歯の形に依存して発音されるため、乳歯の状態が悪いと正しい発音が難しくなることがあります。

永久歯の正しい生え方への影響

乳歯は永久歯の「道しるべ」の役割を果たし、永久歯が正しい位置に生えるためのスペースを確保します。乳歯が虫歯や事故などで早期に抜けてしまうと、永久歯が正しい位置に生えず、歯並びが乱れる原因になります。

特に、乳歯の奥歯(第一乳臼歯、第二乳臼歯)が早く抜けると、後ろの永久歯が前方に移動してしまい、結果として前歯のスペースが不足し、歯並びが悪くなるケースが多く見られます。


まとめ

  • 乳歯は20本あり、食事や発音、永久歯の誘導など重要な役割を持つ。
  • 乳歯と永久歯では本数・大きさ・歯質が異なり、乳歯は虫歯になりやすいため注意が必要。
  • 乳歯が正常に生えることで、咀嚼や顎の成長が促進され、永久歯が正しい位置に生えやすくなる。

乳歯の健康を守ることは、将来の歯並びや口腔機能の発達に大きく影響するため、適切なケアが重要です。

2-1. 乳歯が生え始める時期

一般的な乳歯の生え始め時期

乳歯は生後6か月〜8か月頃に最初の歯が生え始め、通常は3歳頃までに20本すべてが生え揃います。しかし、個人差が大きいため、生後4か月頃に生え始める子もいれば、1歳を過ぎても生えてこない子もいます。

乳歯が生え始める時期は個人差が大きい
乳歯が生え始める時期は個人差が大きい

個人差の要因

乳歯が生える時期には、以下のような要因が関係しています。

  1. 遺伝的要因
    • 両親や兄弟が早く生えた場合、子どもも早い傾向がある。
    • 逆に、家族全体で遅めに生える傾向がある場合も。
  2. 栄養状態
    • カルシウム・ビタミンDが不足すると、歯の形成や生える時期に影響。
    • 偏食や母乳・ミルクの不足がある場合、遅れることがある。
  3. 発育スピード
    • 体の成長が早い子は、乳歯の生え始めも早いことが多い。
    • 逆に、成長がゆっくりな子は歯の生え始めも遅め。
  4. 病気や環境要因
    • 低出生体重児や早産児は、歯の生える時期が遅くなる傾向。
    • 甲状腺機能低下症などの病気が関係する場合もある。

→ 1歳を過ぎても乳歯が1本も生えない場合は、小児歯科を受診して相談しましょう。

2-2. 乳歯の生える順番とスケジュール

乳歯20本の生える順番

赤ちゃんの歯の生える順番は前歯から奥歯にかけて順に生えるのではなく、第1乳臼歯の方が乳犬歯(八重歯)よりも早く生えるのが特徴です。

乳歯列の歯式
乳歯列の歯式
乳歯列の歯式
乳歯列
歯の種類生える時期生える順番
下顎乳中切歯-A生後6ヶ月~8ヶ月1番目
上顎乳中切歯-A生後10ヶ月2番目
乳側切歯-B12ヶ月前後3番目
乳犬歯-C1歳6ヶ月~1歳7ヶ月5番目
第1乳臼歯-D1歳4ヶ月~1歳5ヶ月4番目
下顎第2乳臼歯-E2歳3ヶ月6番目
上顎第2乳臼歯-E2歳5ヶ月7番目

🦷 ポイント

  • 最初に生えるのは 下の前歯(乳中切歯) が多い。
  • 1歳半頃までに前歯8本+第一乳臼歯4本が生えるのが一般的。
  • 3歳頃にすべての乳歯20本が生え揃う。

2-3. 乳歯の生える順番や時期は個人差大

赤ちゃんの歯はお母さんのお腹の中で作られる

赤ちゃんの歯の始まりは、お母さんのお腹の中からです。妊娠2~3カ月頃に乳歯の芽(歯胚)が形成され、4~6カ月頃から石灰化が始まります。この乳歯の芽が、赤ちゃんが生まれて5~10カ月後に乳歯として生えてくるのです。

赤ちゃんの歯はお母さんのお腹の中で作られる
赤ちゃんの歯はお母さんのお腹の中で作られる

乳歯が生える順番と個人差

乳歯は全部で20本ありますが、生える順番や時期には個人差があります。一般的な目安はありますが、お子さんの成長ペースが順調であれば、早い・遅いを気にする必要はありません

乳歯の生え始めを焦らず見守ろう

同じ時期に生まれた赤ちゃんと比べて「まだ生えてこない」と不安になるお母さんもいます。しかし、乳歯は6カ月頃から生え始め、2歳頃までに生えそろうのが一般的です。個人差が大きいため、焦らずゆったりと様子を見守りましょう。

2-4. 乳歯の生え方の個人差とその要因

早く生える子、遅く生える子の違い

一般的な目安と比べて早く生える子もいれば、遅く生える子もいますが、これは個人差の範囲内であることがほとんどです。

  • 早く生える子の特徴
    • 遺伝的要因(親や兄弟が早い)
    • 骨や歯の発達が早い
    • 栄養バランスが良く、活発に成長している
  • 遅く生える子の特徴
    • 遺伝的要因(親や兄弟が遅い)
    • 低出生体重児や早産
    • 栄養不足(特にカルシウムやビタミンD)
    • 甲状腺機能低下症などの病気

栄養状態、遺伝、病気の影響

  • 栄養状態
    • 母乳・ミルク不足や偏食でカルシウム・ビタミンDが足りないと、乳歯の形成が遅れることがある。
    • 日光不足(ビタミンD不足)も影響するため、適度な外遊びが大切。
  • 遺伝的な影響
    • 両親が早く生えた場合、子どもも早い可能性が高い。
    • 逆に遅い家系の場合、個人差の範囲で遅く生えることも。
  • 病気の影響
    • 甲状腺機能低下症 → 成長ホルモンの分泌が低下し、乳歯の生え始めが遅れることがある。
    • 低出生体重児 → 体の発育がゆっくりなため、歯の成長にも影響。
    • 顎の成長の異常 → 乳歯の生えるスペースが狭いと、生えにくくなることがある。

→ 1歳半を過ぎても乳歯が1本も生えない場合は、小児歯科で診察を受けましょう。

まとめ

乳歯は生後6か月〜8か月頃に生え始め、3歳頃までに20本が揃う
生える順番は「前歯 → 奥歯」の流れが基本
遺伝・栄養・発育スピードによって個人差が大きい
1歳半を過ぎても乳歯が生えない場合は、小児歯科の受診を検討

3-1. 乳中切歯(A)が生える時期と役割

乳中切歯-A
乳中切歯-A

萌出時期 下顎:6ヶ~8ヶ月、上顎:10ヶ月

赤ちゃんの口の中に初めて生えるのが乳中切歯です。生後6ヶ月~8ヶ月頃にまず、下の乳中切歯が生えてきます。そして、生後10ヶ月頃になると上の乳中切歯が生えてきます。

萌出の時期は子供により2ヶ月ほどのばらつきがあります。しかし、2ヶ月以内に萌出したり、1年経っても生えてこなければ歯医者を受診してください。

乳中切歯の役割 – 食べる準備の第一歩

それまで無歯顎だった赤ちゃんの口腔内に初めて下あごに可愛らしい乳中切歯が生えてきた時は、驚きと喜びが湧き上がるものです。

それまでおっぱいだけで生活していた赤ちゃんが、食物を噛み切る、噛み潰すといった咀嚼機能を獲得するための準備期間に入ったともいえるでしょう。

徐々に乳歯と舌の動きと連動させる事を覚えるようになってきます。

3-2. 乳側切歯(B)が生える時期と役割

乳側切歯-B
乳側切歯-B

萌出時期 生後1歳前後

生後1歳前後になると上下の乳側切歯が生えてきます。

前歯が全部で8本になり噛み切る準備が出来上がりました。

乳側切歯の役割 – 哺乳から咀嚼への移行

乳歯の前歯が生えそろう時期と重なるように哺乳から咀嚼へと移行する様になってきます。

前歯だけで食べるのではなく、臼歯部の歯茎が盛り上がって奥歯の歯茎ですり潰すような行動がみられます。

3-3. 第1乳臼歯(D)が生える時期と役割

第1乳臼歯-D
第1乳臼歯-D

萌出時期 1歳4ヶ月~1歳5ヶ月

乳犬歯が生える前に第1乳臼歯が生えてきます。従って1本分の空隙が存在した状態です。

第1乳臼歯の役割 – 噛む力の向上と離乳食の進行

第1乳臼歯が生えて噛む力が向上します。そろそろ離乳をしてもよい時期です。第1乳臼歯の噛む面は臼状になっていて、すり潰すのに適した形態です。今まで歯茎では潰せなかった野菜を煮たものなども噛めるようになります。

3-4. 乳犬歯(C)が生える時期と役割

乳犬歯-C
乳犬歯-C

萌出時期 1歳6ヶ月~1歳7ヶ月

乳側切歯と第1乳臼歯との隙間に乳犬歯が生えてきます。

乳犬歯の役割 – 食べ物をしっかり噛み切る力の向上

離乳食もすでに始まっている時期です。乳犬歯は先が尖っているので噛み切る力が一気に向上します。

3-5. 第2乳臼歯(E)が生える時期と役割

第2乳臼歯-E
第2乳臼歯-E

萌出時期 下顎:2歳3ヶ月、上顎:2歳5ヶ月

下顎の第2乳臼歯が2歳3ヶ月頃に生え、ついで上顎の第二乳臼歯が2歳5ヶ月頃に生えてきます。

第2乳臼歯が生えて、上下で20本の乳歯列が完成します。

第2乳臼歯の役割 – 乳歯列の完成と噛み合わせの安定

第二乳臼歯が生えてくると咀嚼筋群と巧みに協調した咀嚼運動が可能になり、成人と同じような咀嚼力になります。

第二乳臼歯が上下噛み合うようになると噛み合わせが安定します。この段階で乳歯列が適正かどうか判断出来るようになります。

4-1. 乳歯が生えない原因

乳歯が生える時期には個人差があり、生後6か月頃から生え始めるのが一般的ですが、1歳を過ぎても生えないケースもあります。多くは問題のない範囲ですが、まれに特定の要因が影響していることもあります。

個人差と遺伝

  • 家族の傾向によって、乳歯の生える時期が早い・遅いことがあります。
  • 兄弟や両親も歯の生える時期が遅かった場合、子どもも同様に遅くなる可能性が高いです。

栄養不足(カルシウム・ビタミンD不足)

  • カルシウムは歯の形成に必要な栄養素で、不足すると歯の発育が遅れることがあります。
  • ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける役割を持ち、日光を浴びることで体内で生成されます。
    • 日光不足(室内遊びが多い、日焼け止めを過度に使用)により、ビタミンDが不足しやすい。
    • 偏食や離乳食の進み具合が影響することも。

甲状腺機能低下症などの病気の可能性

  • 甲状腺機能低下症:成長ホルモンの分泌が少なくなり、乳歯の生える時期が遅くなることがある。
  • 低出生体重児・早産児:発育のスピードが一般的な子どもより遅いため、乳歯が生えるのも遅れる傾向。
  • 先天性欠如歯:まれに、乳歯が生まれつき欠損していることがあり、小児歯科でレントゲンを撮ることで診断可能。

1歳半を過ぎても乳歯が1本も生えていない場合は、小児歯科を受診するのがおすすめです。

4-2. 生え始めが遅い場合の対策

乳歯がなかなか生えない場合は、以下のポイントをチェックして対処してみましょう。

乳歯が生える兆候

  • 歯ぐきの腫れやむずがゆさ:乳歯が生えようとしているサイン。
  • よだれの増加:歯が生え始めると唾液の分泌が活発になる。
  • 指やおもちゃを噛む:歯ぐきのむずむずを感じるため、何かを噛みたがることが多い。

これらの兆候が見られたら、乳歯が生える準備が整っている可能性があります。

歯ぐきをマッサージする

乳歯の生え始めを促すために、歯ぐきをやさしくマッサージすると良いでしょう。

  • 清潔なガーゼや指で歯ぐきを優しくなでる。
  • 冷やした歯固め(シリコン製のものなど)を噛ませると、歯ぐきのむずむずを和らげる効果も。

定期的な小児歯科の受診

  • 1歳半を過ぎても歯が生えてこない場合は、小児歯科を受診して原因を調べてもらうのがベスト。
  • レントゲンを撮ることで、歯の形成が遅れているのか、歯自体が欠如しているのかを確認できる。

1歳半〜2歳になっても乳歯が1本も生えていない場合は、小児歯科を受診し、適切なアドバイスを受けましょう。

まとめ

  • 乳歯が生えない原因は「個人差」「栄養不足」「病気」などが関係する。
  • 遺伝や発育のスピードによる個人差が大きいが、1歳半を過ぎても生えない場合は要注意。
  • カルシウム・ビタミンDを意識した食事や適度な日光浴が大切。
  • 歯ぐきのマッサージや歯固めで、生え始めのサポートをする。
  • 1歳半を過ぎても乳歯が1本も生えてこない場合は、小児歯科で相談を。

5-1. 乳歯の生え方がバラバラ・順番が違う

生える順番のズレは問題?

通常、乳歯は前歯から奥歯へと順番に生えていきますが、中には順番が前後する子もいます。
例えば、

  • 先に上の前歯が生える
  • 奥歯が先に生えてくる
  • 左右非対称に生える

といったケースがあります。

💡 基本的には個人差の範囲内で問題ないことがほとんどです。

しかし、以下のようなケースでは注意が必要です。 ✅ 噛み合わせに影響がある場合
→ 乳歯の生え方によって下の歯が上の歯に強く当たる場合は、歯並びや顎の発達に影響を及ぼす可能性があります。

大きくずれている・歯が生えない場合
→ 乳歯が大幅にズレて生えていたり、1歳半を過ぎても特定の歯がまったく生えない場合は、小児歯科でレントゲン検査を受けるのがよいでしょう。

正しい歯並びに影響するケースとしないケース

  • 影響しないケース
    • 乳歯の生える順番が多少前後するだけの場合
    • 上下の噛み合わせが問題なく機能している場合
    • 兄弟や親も同じような生え方をしていた場合(遺伝)
  • 影響するケース
    • 歯並びがガタガタになり始めている
    • 噛み合わせが悪い(出っ歯や受け口)
    • 乳歯が重なって生えている(スペース不足の可能性)
    • 永久歯の生え変わりにも影響しそうな場合

💡 生え方に疑問を感じたら、定期的な歯科検診を受けることが重要です。

5-2. 乳歯が生えるときの痛み・かゆみ対策

歯ぐきの腫れ・痛みの原因

乳歯が生え始めると、歯ぐきの腫れ・むずがゆさ・痛みを感じることがあります。
これは、歯が歯ぐきを突き破って生えてくる際の自然な反応です。

🦷 痛みやかゆみのサイン

  • よだれが増える
  • 指やおもちゃを噛みたがる
  • 機嫌が悪くなる
  • 夜泣きが増える

歯固めの活用

歯ぐきのむずがゆさを軽減するために、歯固めを活用するのがおすすめです。

  • 冷やした歯固め → ひんやりした感触が歯ぐきのかゆみを和らげる
  • シリコンやゴム製の柔らかいもの → 硬すぎるものは歯ぐきを傷つける可能性がある

冷やしたガーゼやスプーンでマッサージ

  • 冷たいガーゼを軽く濡らし、歯ぐきを優しく拭く
  • 冷やしたスプーン(金属製のもの)を歯ぐきに当てる
    • 痛みを和らげる効果がある
    • 強く押し付けないよう注意

💡 かゆみ対策をしながら、赤ちゃんの機嫌を見て対処しましょう!

5-3. 乳歯が途中で止まる・生えにくい

先天的な異常の可能性(先天性欠如歯)

まれに、乳歯が途中で止まる・なかなか生えてこないことがあります。
その原因のひとつが、先天性欠如歯(生まれつき歯の数が少ない状態)です。

  • 先天性欠如歯の特徴
    • 乳歯が1本も生えないまま時間が経つ
    • 片側だけ生えてこない
    • 兄弟や親も同じような症状があった

🦷 乳歯が生えにくい場合のチェックポイント

  • 1歳半を過ぎても1本も生えない
  • 乳歯が一部しか生えてこない
  • 乳歯が生えそうな歯ぐきが膨らんでいるのに出てこない

小児歯科でレントゲンを撮ることで、歯が形成されているかを確認できます。

小児歯科を受診すべきケース

以下のような場合は、小児歯科を受診しましょう。

  • 1歳半を過ぎても1本も生えてこない
  • 生え始めたのに途中で止まってしまった
  • 左右の生え方に極端な違いがある
  • 歯ぐきが極端に腫れている・痛みが強い
  • 永久歯が生えてきたのに乳歯が抜けない

💡 歯科検診を定期的に受け、成長の様子をチェックしましょう!

まとめ

乳歯の生える順番が多少違っても、問題ないことが多い。
順番がバラバラでも、噛み合わせに影響しなければ大丈夫。
歯ぐきのむずがゆさは、歯固めやマッサージで軽減できる。
1歳半を過ぎても乳歯が生えてこない場合は、小児歯科を受診。
レントゲン検査で先天性欠如歯の有無を確認できる。

6-1. 乳歯の正しい歯磨き習慣

生え始めの歯磨き方法(ガーゼ磨き→歯ブラシへ移行)

乳歯が生え始めたら、歯磨き習慣のスタートです。

🦷 初期(生後6か月~1歳頃):ガーゼ磨き

  • 1日1回、寝る前に湿らせたガーゼで歯を拭く
  • 歯ぐきを優しくマッサージすることで、歯が生える刺激にもなる
  • 甘い飲み物(ジュース・哺乳瓶でのミルクの飲み残し)を放置しない

🦷 1歳半頃~:歯ブラシに移行

  • 乳歯が4~6本生えたら、赤ちゃん用歯ブラシを使い始める
  • 歯ブラシは毛先が柔らかく、小さいヘッドのものを選ぶ
  • 最初は遊び感覚で口に入れる習慣をつける
  • 磨くのを嫌がる場合は、親が一緒に磨いて見せる

フッ素塗布の重要性

乳歯はエナメル質が薄く、虫歯になりやすいため、フッ素を活用することが大切です。

💡 フッ素の効果

  • エナメル質を強化し、虫歯を防ぐ
  • 虫歯の初期段階なら、進行を抑える

家庭でできるフッ素ケア

  • フッ素入りの歯磨き粉を使用(子ども用・年齢に合わせた濃度)
  • フッ素配合のジェルやスプレーを使う
  • 1歳半検診・3歳児検診で歯科のフッ素塗布を受ける

仕上げ磨きのコツ

子どもが自分で磨けるようになるまでは、親が仕上げ磨きを行います。

🦷 仕上げ磨きのポイント

  • 1日2回(特に寝る前)は必ず仕上げ磨き!
  • 力を入れすぎない(痛みを感じると歯磨きを嫌がる原因に)
  • 奥歯の溝・歯と歯の間を丁寧に(虫歯になりやすいポイント)
  • 上唇の裏側に注意!(強く磨くと痛みを感じやすい)

💡 寝かせ磨きがおすすめ!

  • 膝の上に子どもの頭を乗せて、口の中が見えやすい状態で磨く
  • 仕上げ磨き専用の歯ブラシを使うと細かい部分も磨きやすい

6-2. 乳歯の虫歯のリスクと予防

乳歯が虫歯になりやすい理由(エナメル質が薄い)

乳歯は永久歯よりもエナメル質が薄く、虫歯の進行が早いという特徴があります。

乳歯の虫歯
乳歯の虫歯

🦷 乳歯が虫歯になりやすい理由

  • エナメル質・象牙質が薄い → 虫歯が一気に進行しやすい
  • 歯の間が狭く、汚れが溜まりやすい → フロスを使わないと汚れが残りやすい
  • 唾液の分泌が少ない → 口の中の自浄作用が弱い

食生活の注意点(甘いものの制限、間食の管理)

虫歯の原因となるのは、糖分の摂取と口の中に残る時間です。

虫歯になりにくい食習慣

  • ダラダラ食べ・飲みを防ぐ → お菓子やジュースをこまめに摂ると、口の中が常に酸性になり、虫歯が進行しやすい
  • 甘いものの制限 → ジュース・スポーツドリンク・乳酸菌飲料(ヤクルトなど)を控える
  • キシリトールの活用 → キシリトール入りのおやつやガムで、虫歯菌の活動を抑える

フッ素の活用と定期検診の重要性

  • 3か月〜6か月ごとに歯科検診を受ける
  • フッ素塗布を定期的に受ける
  • 早めのケアで虫歯の進行を防ぐ

6-3. 乳歯が虫歯になった場合の対応

乳歯の虫歯を放置するとどうなる?

🦷 「乳歯は抜けるから虫歯になっても大丈夫」は間違い! 乳歯の虫歯を放置すると、以下のような影響があります。

🚨 乳歯の虫歯が引き起こす問題

  • 永久歯の歯並びに影響(乳歯が早く抜けると、永久歯のスペースがなくなる)
  • 痛みで食事や発音に影響
  • 虫歯が神経まで進行すると、永久歯の形成にも悪影響
  • 乳歯の虫歯が原因で、隣の歯や永久歯にも感染

💡 小さな虫歯でも早めの治療が大切!

乳歯の虫歯治療の流れ(軽度〜重度)

乳歯の虫歯治療は、進行度によって異なります。

虫歯の進行度治療方法
軽度(初期虫歯)フッ素塗布・経過観察
中程度(小さな穴が開く)レジン(プラスチック)で詰める
重度(神経まで進行)神経の治療(根管治療)・銀歯をかぶせる
末期(根元まで進行)乳歯の抜歯

初期の虫歯なら、削らずに治せることも! フッ素塗布や歯磨き指導で進行を防げるので、早めに歯科受診するのがベストです。

まとめ

乳歯のケアは「ガーゼ磨き」→「歯ブラシ」→「仕上げ磨き」の流れで習慣化する
フッ素の活用と定期検診で虫歯を予防する
乳歯は虫歯になりやすく、進行が早いので要注意!
「乳歯は抜けるから大丈夫」は誤解。放置すると永久歯にも悪影響がある
初期虫歯ならフッ素で進行を抑えられるため、早めに歯科を受診するのが重要

7-1. 乳歯が抜ける時期の目安

一般的な乳歯の生え変わりスケジュール

乳歯は、通常6歳頃から抜け始め、12歳頃までに永久歯へと生え変わるのが一般的です。
ただし、個人差があり、早い子では5歳頃から、遅い子では7歳を過ぎても乳歯が抜けないこともあります。

永久歯の生え変わり時期と順番

乳歯が抜ける順番は、生えてきた順番とほぼ同じです。

歯の種類乳歯が抜ける時期永久歯が生える時期(目安)
下の前歯(中切歯)6~7歳6~8歳
上の前歯(中切歯)6~8歳7~9歳
側切歯(前歯の隣)7~9歳8~10歳
第一乳臼歯(奥歯)10~11歳10~12歳
犬歯(八重歯の位置)9~12歳10~13歳
第二乳臼歯(奥歯)10~12歳11~13歳

ポイント

  • **下の前歯(乳中切歯)**が最初に抜けることが多い
  • 6歳頃に**「6歳臼歯」(第一大臼歯)が奥に生えてくる**
  • 12歳頃には、すべての乳歯が抜け、永久歯が生え揃う

💡 個人差が大きいため、少し遅れても慌てずに経過を見ることが大切です!

7-2. 乳歯が抜けるタイミングの見極め

自然に抜けるのを待つべきか

乳歯は、自然に抜けるのを待つのが基本です。
乳歯の根が溶けて短くなることで、永久歯に押し出されるように抜けていきます。

🚨 無理に抜かない方がよい理由

  • 根が残ってしまい、歯ぐきに炎症を起こす可能性がある
  • 永久歯の生え方に影響し、歯並びが悪くなることがある
  • 痛みや出血が多くなることがある

抜ける前兆

  • 乳歯がグラグラし始める
  • 食事中に自然に抜けそうになる
  • 永久歯の白い頭が歯ぐきから見えてくる

💡 自然に抜けるのを待ちつつ、噛みやすい食事(りんごやおせんべいなど)を取り入れると、自然に抜けやすくなることもあります。

ぐらぐらする乳歯の扱い方

乳歯がぐらぐらし始めたら、以下のように対応しましょう。

グラグラしている時のケア

  • 無理に抜かない(自然に抜けるのがベスト)
  • 清潔な指やガーゼで優しく動かす(強く引っ張らない)
  • 歯磨きを丁寧に(抜ける前後は出血しやすいため、刺激を少なくする)
  • 食事で少しずつ動かす(りんごやフランスパンなど、少し硬めのものを噛むと抜けやすくなる)

🚨 こんな場合は歯科受診を!

  • グラグラしているのに抜けないまま数ヶ月経過
  • 永久歯が生えてきたのに乳歯が抜けない
  • 乳歯が折れたり、抜けた後に根の一部が残っている
  • 出血が止まらない・痛みが続く

乳歯が抜けない場合の対処法(過剰歯・埋伏歯の可能性)

乳歯がなかなか抜けない、または永久歯が生えてこない場合、過剰歯や埋伏歯の可能性があります。

🦷 過剰歯(余分な歯がある)

  • 乳歯と永久歯の間に、余分な歯があることが原因で、永久歯がうまく生えてこないことがある
  • 歯並びに影響を与える可能性が高いため、小児歯科でレントゲンを撮り、抜歯が必要かを判断する

🦷 埋伏歯(永久歯が生えてこない)

  • 永久歯が歯ぐきの中に埋まったままで生えてこない状態
  • 乳歯が抜けても永久歯が生えない場合、歯科での診察が必要

受診すべきタイミング

  • 7~8歳になっても前歯(乳中切歯)が抜けない
  • 12歳を過ぎても乳歯が残っている
  • 乳歯が抜けたのに半年以上経っても永久歯が生えてこない

💡 小児歯科でレントゲンを撮れば、永久歯の位置や状態を確認できます!

まとめ

乳歯は6~12歳の間に自然に抜ける
前歯(6歳頃)→奥歯(10~12歳頃)の順で生え変わる
無理に抜かず、自然に抜けるのを待つのが基本
乳歯が抜けずに永久歯が生えてきたら、早めに歯科を受診

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【動画】乳歯が抜ける順番と時期

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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