- 1. 🦷 若年性歯周病(侵襲性歯周炎)とは?
- 1.1. 🔍 一般的な歯周病との違い
- 1.2. ⏳ 発症年齢と進行の特徴
- 1.3. 👨👩👧 家族性・遺伝的要因も関与する
- 2. 🦠 若年性歯周病の主な原因
- 2.1. 🧫 歯周病菌(アグリゲイティバクターなど)の強い影響
- 2.2. 🛡️ 免疫力や体質の問題
- 2.3. 🚬 生活習慣(喫煙・不十分な口腔ケアなど)
- 3. ⚠️ 若年性歯周病の症状
- 3.1. 🌡️ 歯ぐきの腫れや出血
- 3.2. 😬 歯が揺れる・噛みにくい
- 3.3. 😮💨 口臭の悪化
- 3.4. ⏳ 進行が早く短期間で歯を失うリスク
- 4. 🏥 若年性歯周病の治療法
- 4.1. 🪥 スケーリング・SRP(歯石・プラーク除去)
- 4.2. 💊 抗菌療法(抗生物質の併用)
- 4.3. 🔪 歯周外科治療(フラップ手術・歯周組織再生療法)
- 4.3.1. 🦷 所見の概要
- 4.3.2. 🔍 考えられる原因
- 4.3.3. 🧭 臨床的な対応の目安
- 4.3.4. 🦷 術野の状態
- 4.3.5. 🔍 所見の特徴
- 4.3.6. 🩺 フラップ手術の目的
- 4.3.7. 🦷 術中の状況
- 4.3.8. 💉 リグロス®(歯周組織再生剤)の目的
- 4.3.9. 🔍 手技の流れ(本症例の流れ)
- 4.3.10. 🧬 臨床的効果
- 4.4. 🌱 生活習慣改善と定期メンテナンス
- 5. 🛡️ 予防のためにできること
- 5.1. 🪥 正しいブラッシングとデンタルフロス
- 5.2. 🦷 定期的な歯科検診・クリーニング
- 5.3. 👨👩👧 家族に歯周病患者がいる場合の注意
- 5.4. 🍎🚭 食生活・禁煙・全身の健康管理
- 6. ✅ まとめ|若年性歯周病は早期発見・早期治療がカギ
- 7. 📍侵襲性歯周炎はなぜ進行が早い?若年性歯周病の特徴と治療法
- 8. 筆者・院長

「歯周病は中高年の病気」と思っていませんか?実は、10代や20代の若い世代でも歯周病になることがあり、これを「若年性歯周病(侵襲性歯周炎)」と呼びます。進行が早く、気づかないうちに歯を失うリスクが高いため、早期発見・治療がとても大切です。本記事では、若年性歯周病の特徴・原因・症状・治療法・予防策をわかりやすく解説します。
🦷 若年性歯周病(侵襲性歯周炎)とは?

🔍 一般的な歯周病との違い
通常の歯周病は中高年に多く、長い年月をかけてゆっくり進行します。
一方、若年性歯周病(侵襲性歯周炎)は10代や20代といった若い世代に発症し、進行が非常に早いのが特徴です。気づいたときには歯を支える骨(歯槽骨)が大きく失われていることもあり、早期の発見が重要です。
⏳ 発症年齢と進行の特徴
若年性歯周病は思春期〜20代前半に発症するケースが多く見られます。通常の歯周病に比べ、数年で歯がぐらついたり、抜けてしまうリスクが高いのが大きな違いです。見た目に変化が少なくても、内部で進行している場合があるため注意が必要です。
👨👩👧 家族性・遺伝的要因も関与する
若年性歯周病は、単なる生活習慣だけでなく家族性や遺伝的な要因が関わることがあります。特定の歯周病菌に対する免疫反応が弱い体質の場合、家族内で同じような症状が見られるケースも報告されています。そのため、家族に若くして歯を失った方がいる場合は、特に注意が必要です。
🦠 若年性歯周病の主な原因
🧫 歯周病菌(アグリゲイティバクターなど)の強い影響
若年性歯周病では、特定の強い病原性を持つ歯周病菌(例:アグリゲイティバクター・アクチノミセテムコミタンス)が関与していることが多いです。これらの菌は、短期間で歯ぐきや骨を破壊する力が強く、通常の歯周病より進行が早いのが特徴です。
🛡️ 免疫力や体質の問題
同じ環境で生活していても、発症する人としない人がいます。これは、体の免疫反応や体質の違いによるものです。免疫力が弱いと菌に対抗できず、若くても急速に歯周病が進行してしまいます。
🚬 生活習慣(喫煙・不十分な口腔ケアなど)
若年性歯周病は遺伝的要因もありますが、生活習慣の影響も大きいです。
- 🚬 喫煙は歯ぐきの血流を悪化させ、免疫力を下げる
- 🪥 不十分なブラッシングでプラークが残る
- 🍔 不規則な食生活や睡眠不足も免疫低下の原因
こうした要因が重なることで、発症や進行がさらに早まるリスクがあります。
⚠️ 若年性歯周病の症状
🌡️ 歯ぐきの腫れや出血
歯磨きやフロスを使ったときに歯ぐきから血が出るのは、炎症が起きているサインです。若年性歯周病では、赤く腫れた歯ぐきや慢性的な出血が目立つようになります。
😬 歯が揺れる・噛みにくい
歯を支える骨(歯槽骨)が短期間で破壊されるため、歯がグラグラして噛みにくい状態になります。食事のときに違和感が出たり、固いものを噛むのが難しくなることがあります。
😮💨 口臭の悪化
炎症や膿の影響で、強い口臭が発生するのも特徴です。歯磨きをしても口臭が改善しない場合は、若年性歯周病が進行している可能性があります。
⏳ 進行が早く短期間で歯を失うリスク
通常の歯周病は数十年かけて進行しますが、若年性歯周病は数年のうちに重度まで悪化することがあります。その結果、20代や30代で歯を失うケースもあり、早期の発見と治療が欠かせません。
🏥 若年性歯周病の治療法
🪥 スケーリング・SRP(歯石・プラーク除去)
基本となる治療は、歯の表面や歯周ポケット内に付着した歯石やプラークを徹底的に取り除くことです。スケーリングやSRP(ルートプレーニング)により、歯ぐきの炎症を改善し、病気の進行を食い止めます。
💊 抗菌療法(抗生物質の併用)
若年性歯周病は強力な細菌が関わることが多いため、抗生物質を併用して菌の活動を抑制することがあります。飲み薬や歯周ポケット内に直接投与する方法があり、炎症の改善に効果を発揮します。
🔪 歯周外科治療(フラップ手術・歯周組織再生療法)
進行が進んでしまった場合には、外科的な処置が必要になることもあります。
- フラップ手術:歯ぐきを開き、深い部分の歯石や感染組織を除去
- 歯周組織再生療法:失われた骨や歯周組織を回復させる先進治療
これらにより、歯の保存が期待できます。
このデンタルX線画像は、上顎右側犬歯(上顎3番)付近を示しています。赤い矢印の位置に注目すると、以下のような所見が認められます。

🦷 所見の概要
矢印の示す上顎3番遠心部(隣の歯との間)に、垂直性の骨吸収(垂直性骨欠損)が確認されます。正常な骨レベルでは歯根の約1〜2mm下に白く連続した歯槽骨のラインが見えますが、この部分では骨の高さが著しく低下し、歯根の遠心側に沿って縦方向に深い骨欠損が形成されています。
🔍 考えられる原因
- 局所的な歯周病(歯周炎):プラークや歯石の沈着により、歯周ポケットが深くなり骨が垂直的に吸収。
- 隣接面カリエス(隣接面う蝕)や根面う蝕:感染が進行して骨吸収を誘発。
- 早期接触・咬合性外傷:犬歯の遠心接触点で過度な力が加わり、限局的な骨吸収が起こる場合。
- 歯根破折:根の破折線に沿って限局的な骨欠損が見られることも。
🧭 臨床的な対応の目安
- 歯周ポケット測定:垂直性骨吸収の深さを確認。
- **デンタルクリーニングまたはSRP(スケーリング・ルートプレーニング)**による感染コントロール。
- 咬合調整:咬合性外傷が疑われる場合。
- 再評価後の外科的治療(歯周外科や再生療法)も検討対象。
この画像は、**上顎犬歯(3番)遠心部に対して行われたフラップ手術(歯肉剥離掻爬術)**の術中写真です。赤い矢印が示している部位に、垂直性骨欠損が明確に確認できます。以下に詳細を説明します。

🦷 術野の状態
- 歯肉弁が剥離され、歯根および歯槽骨が露出しています。
- 犬歯遠心部の骨が垂直的に吸収され、**骨壁の欠損(2壁性〜3壁性骨欠損)**が見られます。
- 歯根面の歯石やプラーク由来の沈着物を除去し、デブライドメントが完了した段階です。
🔍 所見の特徴
- 骨欠損は隣接歯(上顎側切歯)方向へ深く進行しており、限局的な垂直性骨吸収の典型像。
- 歯肉縁下の感染源(縁下歯石・細菌性プラーク)により炎症が波及し、骨の局所的破壊が起きた結果と推測されます。
- 骨吸収の形態は、将来的に**歯周組織再生療法(GTR法・リグロスなど)**の適応となる可能性があります。
🩺 フラップ手術の目的
- 肉眼での根面・骨欠損の確認
→ スケーリングやルートプレーニングを確実に行うため。 - 感染組織の徹底除去
→ 歯周ポケット内部の炎症性肉芽を取り除く。 - 再生療法の準備
→ 骨欠損形態を評価し、必要に応じて再生材を適用。
この画像は、上顎犬歯(3番)遠心部の垂直性骨欠損部に対してリグロス®(歯周組織再生用材料)を填入している術中写真です。以下に専門的な解説を示します。

🦷 術中の状況
- フラップ手術により歯肉弁が剥離され、骨欠損部が明瞭に露出しています。
- 犬歯遠心の深い垂直性骨吸収部に、リグロス®(bFGF:塩基性線維芽細胞増殖因子)を注入している段階です。
- 注射器の先端(カニューラ)が骨欠損内に挿入され、透明〜白濁したゲル状のリグロスが充填されているのが確認できます。
💉 リグロス®(歯周組織再生剤)の目的
リグロスは、歯周組織の再生(骨・歯根膜・セメント質)を促す医薬品で、歯周ポケットや骨欠損を伴う歯周炎に対して使用されます。
有効成分の bFGF(塩基性線維芽細胞増殖因子) が、歯根膜細胞や骨芽細胞の増殖・血管新生を促進し、欠損部の再生を誘導します。
🔍 手技の流れ(本症例の流れ)
- フラップ手術により骨欠損を明視化
→ 感染肉芽の除去・根面デブライドメントを実施。 - 根面処理(場合によりEDTA処理など)
- リグロスの填入(本画像の段階)
→ 欠損の底部からゆっくりと注入し、全体に行き渡らせる。 - フラップの復位・縫合
→ 歯肉弁を元に戻し、適切な圧接で固定。 - 術後管理(抗菌薬投与・プラークコントロール・経過観察)
🧬 臨床的効果
- 垂直性骨欠損部での骨新生
- 歯周ポケットの減少
- 歯の動揺度の改善
- 長期的な歯の保存につながる
🌱 生活習慣改善と定期メンテナンス
治療後も生活習慣の改善と定期的な通院が欠かせません。
- 🚭 禁煙
- 🪥 丁寧なブラッシングとフロス
- 🍎 栄養バランスの良い食事
さらに、歯科医院での定期的なメンテナンスを続けることで、再発を防ぎ健康な歯を守ることができます。
🛡️ 予防のためにできること
🪥 正しいブラッシングとデンタルフロス
毎日のセルフケアが何より大切です。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することでプラークを徹底除去できます。特に歯と歯の間のケアを怠らないことが予防のカギです。
🦷 定期的な歯科検診・クリーニング
若年性歯周病は進行が早いため、3〜6か月ごとの定期検診が推奨されます。歯科医院でのクリーニングにより、自分では落とせない歯石や細菌を除去し、早期発見・早期対応につなげられます。
👨👩👧 家族に歯周病患者がいる場合の注意
若年性歯周病は遺伝的要因や家族内感染の影響があるとされています。家族に若くして歯を失った方がいる場合は、より早い段階から検診やケアを強化することが重要です。
🍎🚭 食生活・禁煙・全身の健康管理
免疫力が低下すると歯周病は進行しやすくなります。
- 🍎 栄養バランスの良い食事
- 🚭 禁煙による血流改善
- 🏃♂️ 睡眠・運動による体調管理
全身の健康を整えることが、歯ぐきの健康維持にも直結します。
✅ まとめ|若年性歯周病は早期発見・早期治療がカギ
若年性歯周病(侵襲性歯周炎)は、進行が非常に早い歯周病です。放置すると ⏳ 短期間で歯を失うリスク が高まります。
「若いから大丈夫」と油断せず、
🌡️ 歯ぐきの腫れ
🩸 歯磨き時の出血
😮💨 口臭の悪化
といった小さなサインを見逃さないことが大切です。
早めに 🦷 歯科を受診し、専門的な治療と定期的なメンテナンスを受けることで、将来の歯を守ることができます✨。
📍侵襲性歯周炎はなぜ進行が早い?若年性歯周病の特徴と治療法

若いのに歯ぐきから血が出る、腫れが治らない──それは**若年性歯周病(侵襲性歯周炎)**のサインかもしれません。進行が早く、放置すると短期間で歯を失ってしまうリスクがあるため、早めの対応がとても大切です。
当歯科クリニック(江戸川区篠崎駅南口徒歩1分)では、精密診断を行い、患者さん一人ひとりに合った治療と予防プランをご提案しています。
「若いから大丈夫」と油断せず、少しでも気になる症状があれば、江戸川区篠崎の地域密着の歯科医院である当院にぜひご相談ください。あなたの大切な歯を守るお手伝いをいたします。
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。


