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親知らずを抜いた後、「これ、やって大丈夫かな?」「痛みが長引くのは普通?」と不安になる方は多いのではないでしょうか。
実は、抜歯後の過ごし方ひとつで、治りのスピードや痛みの強さが大きく変わることをご存じですか?

特に注意が必要なのが、「やってはいけないこと」。
たとえば、何気ないうがいや喫煙、ストローの使用が、激しい痛みをともなう「ドライソケット」や感染症の原因になってしまうこともあります。

この記事では、親知らずの抜歯後にやってはいけない行動を16個にまとめ、避けるべき理由と正しい対応方法をわかりやすく解説。
さらに、回復を早める食事のコツや、受診すべき症状の見極め方もお伝えします。

「早く治したい」「痛みを最小限にしたい」と思っている方は、ぜひ参考にしてください。

親知らずの抜歯は、小さな手術といえる処置です。抜歯そのものよりも、術後の過ごし方によって傷の治り方や痛みの強さが大きく変わります。正しいケアができれば、腫れや感染などのトラブルを防ぐことができ、スムーズな回復につながります。

🔎「やってはいけないこと」を知る重要性

「親知らず 抜歯後 やってはいけないこと」を知らずに過ごしてしまうと、出血が止まらなかったり、傷口が化膿したりする恐れがあります。とくに注意が必要なのが「ドライソケット」という合併症です。これは血のかさぶた(血餅)が取れてしまい、骨が露出する状態で、激しい痛みが長期間続きます。

やってはいけない行動をあらかじめ把握しておくことで、こうしたリスクを未然に防ぐことができます。

📅術後どのくらいの期間注意すべき?

基本的には抜歯から1週間ほどが最も重要な期間です。この間は、血餅がしっかりと形成され、傷口がふさがっていく過程にあります。特に術後24〜72時間はトラブルが起きやすいタイミングなので、普段以上に慎重に行動しましょう。

なお、完全に穴がふさがるまでは1か月〜3か月程度かかることもあります。その間も、無理のない範囲で生活習慣に気をつけることが大切です。

🚭喫煙|血流悪化で治りが遅れる

喫煙によって血流が悪くなると、傷口への酸素や栄養の供給が不十分になり、治癒が遅れてしまいます。さらに、タールやニコチンが傷に悪影響を及ぼし、感染のリスクも高まります。少なくとも抜歯後1週間は禁煙を意識しましょう。

喫煙や飲酒はNG
喫煙や飲酒はNG

🍺飲酒|出血や薬の効果に悪影響

アルコールには血管を広げる作用があり、再出血の原因になります。また、処方された抗生物質や痛み止めとアルコールを併用すると、薬の効果が弱まったり副作用が強く出たりすることも。抜歯後は数日間、禁酒を心がけてください。

🧼強いうがい|血餅が取れてドライソケットに

術後の傷口には「血餅(けっぺい)」というかさぶたのようなものができ、これが治癒に必要不可欠です。強くうがいをするとこの血餅が流れ出てしまい、激痛をともなうドライソケットになるリスクが高まります。術後2〜3日は、軽く口をゆすぐ程度にとどめましょう。

強いうがいはNG
強いうがいはNG

💦運動や入浴|血圧上昇で出血リスク

激しい運動や長風呂は、体温と血圧を上げてしまい、傷口からの出血や腫れにつながる可能性があります。術後2〜3日は、安静を優先し、軽いシャワー程度にとどめましょう。

運動や入浴はNG
運動や入浴はNG

🍗硬い・熱い・辛い食べ物|傷口を刺激

硬いものは物理的に傷口を刺激し、熱い・辛いものは粘膜を刺激して痛みや炎症を悪化させることがあります。抜歯後2〜3日は、冷たくて柔らかいもの(おかゆ・うどん・ゼリーなど)を中心に摂取しましょう。

硬い・熱い・辛い食べ物はNG
硬い・熱い・辛い食べ物はNG

🍹ストローの使用|陰圧で血餅が飛ぶ

ストローで吸う動作によって口内が陰圧になり、大切な血餅が吸い出されてしまう危険があります。これもドライソケットの原因の一つ。飲み物はコップからゆっくりと飲むようにしてください。

ストローの使用はNG
ストローの使用はNG

😬抜歯部位を舌や指で触る|感染リスクUP

気になっても、抜歯した部分を舌や指で触れるのは絶対に避けましょう。雑菌が侵入して、傷が膿んだり治りが遅れたりするリスクがあります。触らない・いじらないが鉄則です。

🧊氷を直接当てる|冷えすぎで逆効果

腫れや痛みを和らげるために冷やすのは良いですが、氷を直接肌に当てると血行が悪くなり、回復が遅れることも。タオルにくるむなどして、冷やしすぎないよう注意しましょう。

💊薬の自己判断|飲み忘れや中止はNG

処方された抗生物質や痛み止めを「もう大丈夫」と思って自己判断で中止すると、炎症の再発や痛みの悪化につながることがあります。医師の指示通りに、きちんと服用しましょう。

🧻マウスウォッシュの使いすぎ|刺激で出血

市販の洗口液には刺激の強い成分が含まれている場合があり、かえって出血や痛みを引き起こすことも。術後すぐの使用は避け、使用する場合は歯科医に相談するのが安心です。

🦷歯磨きで抜歯部位をゴシゴシ|再出血

清潔を保つのは大切ですが、抜歯した部分に直接歯ブラシを当てるのはNG。周囲の歯はやさしく磨き、抜歯部分は避けるようにしましょう。4日目以降に歯科医の指示で再開してください。

😴枕を使わずに寝る|出血しやすくなる

横になったとき、頭が低いと血が溜まりやすく、再出血しやすくなります。枕を使って頭の位置を少し高く保ち、落ち着いて眠ることが回復を早めるポイントです。

🧳当日の旅行や外出|緊急対応ができない

抜歯直後は出血や痛みが強く出ることもあり、急な対応が必要になる場合もあります。移動や旅行は避け、できるだけ自宅で安静に過ごしましょう。

🧠自己判断で放置|腫れや痛みは要注意

「これくらい大丈夫」と判断して放っておくと、腫れや膿が広がり、治療が長引くことも。3日以上痛みが続く・腫れが強くなるなどの症状があれば、すぐ歯科を受診しましょう。

🤐“我慢”すること|痛みが強いなら早めに受診

抜歯後は多少の痛みや腫れがあっても不思議ではありませんが、耐えられないほどの痛みが続く場合は異常のサイン。無理に我慢せず、早めに歯科医院へ相談することが大切です。

💏性行為|出血や感染、治癒遅延のリスク

抜歯直後の性行為は、一見関係がないように思われるかもしれませんが、全身の血流が促進されることで出血の再発や腫れの悪化を引き起こす可能性があります。
また、接触による細菌の侵入や、口を使った行為(オーラルセックス)は感染症のリスクもあるため、抜歯後数日は控えることをおすすめします。
少なくとも抜歯後3〜5日は、無理のない静かな生活を心がけましょう。

親知らずを抜歯した後は、傷口を刺激しないように食事内容にも十分な配慮が必要です。間違った食事をすると、傷が開いたり、血餅が取れてしまい「ドライソケット」などの合併症を引き起こす恐れがあります。ここでは、術後の回復をサポートするおすすめの食事を紹介します。

🍙初日は柔らかく・冷たいものを

抜歯当日はまだ出血や痛みが残っている可能性が高いため、熱い食べ物や硬いものは避けるのが鉄則です。おすすめなのは、プリン・ゼリー・冷ましたスープ・ヨーグルトなどの冷たくて柔らかい食べ物。刺激が少なく、口を大きく開けなくても食べやすいものを選びましょう。

🍜うどん・おかゆなど刺激の少ない食事

2日目以降は、温かくて消化の良い食事に切り替えていくとよいでしょう。例えば、やわらかく煮たうどんや、おかゆ、豆腐入りの味噌汁などがおすすめです。ただし、熱すぎるものや香辛料の強いものは避けてください。できるだけ傷口に触れない側で咀嚼するように心がけましょう。

🥣タンパク質・ビタミン豊富な栄養を意識

傷の治りを早めるには、栄養バランスの取れた食事が欠かせません。特に、卵・豆腐・白身魚などに含まれるタンパク質や、野菜スープや果物から摂れるビタミン類(ビタミンC・ビタミンB群など)は、粘膜の修復や免疫力の向上に役立ちます。

ただし、繊維が多く噛みにくい野菜や皮つきの果物は控えめにして、できるだけ調理して柔らかくしてから摂取すると安心です。

親知らずの抜歯後は、ある程度の痛みや腫れが出るのは自然なことですが、一定期間を過ぎても強い症状が続く場合や、異変を感じた場合は注意が必要です。以下のような症状があるときは、早めに歯科医院を受診してください。

こんな時はすぐ歯科へ相談を!
こんな時はすぐ歯科へ相談を!

📈3日以上強い痛み・腫れが続く

通常、術後2〜3日をピークに痛みや腫れは徐々に引いていきます。しかし、3日以上経っても痛みが強くなったり、腫れが悪化したりする場合は、感染やその他のトラブルが疑われます。特に痛み止めが効かないほどの激痛は、早急な診察が必要です。

💉膿や発熱があるとき

膿が出る、口臭が強くなる、37.5℃以上の発熱があるなどの症状は、傷口が細菌感染している可能性があります。自然には治りにくいため、抗生物質などの適切な処置が必要です。自己判断せず、できるだけ早く歯科医院へ連絡しましょう。

🕳ドライソケットの疑い

抜歯した部分に**血餅(かさぶた)ができずに骨が露出してしまう状態が「ドライソケット」**です。抜歯後2〜4日後に突然激しい痛みが出たり、ズキズキとした痛みが広がったりするのが特徴です。この場合、市販薬では対処できないため、歯科医院での洗浄・処置が必要となります。

親知らずの抜歯後は、治療そのものよりも術後の過ごし方が治りを左右する大切なポイントです。
とくに「やってはいけないこと」を知っておくことで、出血・腫れ・感染・ドライソケットといったトラブルを未然に防ぐことができます

  • 🚭 喫煙・🍺 飲酒など血流に影響する行為
  • 🧼 強いうがいや🍹ストローの使用など血餅を失う行為
  • 🍗 刺激の強い食事や🧳術後すぐの外出・運動

こうしたリスクを避け、冷たく柔らかい食事・安静な生活・薬の正しい服用を守ることで、抜歯後の回復は大きく変わります。

また、万が一の異常を見逃さないために、痛みや腫れが長引く場合は早めの歯科受診を心がけましょう

「何をするか」よりも、「何をしないか」を意識することが、抜歯後をスムーズに乗り切る最大のコツです✨

江戸川区篠崎で親知らずの抜歯をご検討中の方へ

親知らずを安全に抜歯するだけでなく、「抜歯後の過ごし方」まで丁寧にフォローするのが当院の特徴です。

特にご注意いただきたいのが、親知らず 抜歯後 やってはいけないこと
喫煙や強いうがい、ストローの使用など、術後の何気ない行動がトラブルの原因になることもあります。
当院では、ドライソケットや感染を予防するための具体的な注意事項や食事指導も丁寧にご案内しています。

「痛みを最小限に抑え、早く治したい」そんな方は、ぜひ当院にご相談ください。
江戸川区篠崎で安心して親知らずの治療が受けられる歯科医院として、皆さまの口腔の健康を全力でサポートいたします。

【動画】親知らずを抜かなきゃよかったと後悔

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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