- 1. ⚠️神経に近い親知らずの抜歯で起こりうるリスク
- 1.1. 🧠下歯槽神経と親知らずの位置関係
- 1.1.1. 🤕神経麻痺のリスクと後遺症
- 1.1.2. 💊神経損傷に対する治療法
- 1.1.3. 🩸下顎神経損傷による出血の可能性
- 1.1.4. 🩺神経損傷の発生率
- 2. ⚠️親知らずと上顎洞の関係|抜歯時に注意すべきリスク
- 2.1. 🦷親知らずが上顎洞に迷入するケース
- 2.1.1. 🌬親知らずの抜歯による上顎洞との交通(開通)
- 2.1.2. ⛑多くの場合は自然治癒が可能
- 3. 💡安全に抜歯するための治療法と工夫
- 3.1. ✂️歯冠除去術(コロネクトミー)とは?
- 3.2. ⏱2回法(段階的抜歯)でリスクを最小限に
- 4. 🦷親知らずを抜歯すべきかどうかの判断基準
- 4.1. 📈症状がある場合と無症状の親知らず
- 4.2. 🔄経過観察 vs 予防的抜歯のメリット・デメリット
- 4.3. 👩⚕️歯科医による総合的な診断が大切
- 5. 🧑⚕️抜歯後のしびれ対策とアフターケア
- 5.1. 💊ビタミンB12などの投薬治療
- 5.2. 🧘♂️神経回復のための生活習慣
- 5.3. 📅しびれが続くときは早めに再診を
- 6. 🏥神経に近い親知らずの治療が得意な歯科医院の選び方
- 6.1. 📍口腔外科専門医が在籍しているか
- 6.2. 🗓カウンセリングや説明が丁寧か
- 7. 📌まとめ|不安なときこそ、信頼できる歯科で相談を
- 8. 江戸川区篠崎で「親知らずが神経に近い」と言われ、不安を感じている方へ
- 9. 【動画】親知らずを抜かなきゃよかったと後悔
- 10. 筆者・院長

「親知らずが神経に近いので、抜歯は難しいかもしれません」
そんな説明を歯科医院で受け、不安になったことはありませんか?
親知らずが下顎の神経(下歯槽神経)に近い場合、抜歯には慎重な判断と高度な技術が必要です。
この記事では、神経に近い親知らずのリスク・治療法・精密な診断の必要性・抜歯の判断基準・しびれ対策・専門医院の選び方まで、徹底的に解説します。
抜歯すべきか迷っている方や、神経への影響が心配な方にとって、安心して一歩を踏み出すためのヒントが詰まっています。
⚠️神経に近い親知らずの抜歯で起こりうるリスク
🧠下歯槽神経と親知らずの位置関係
- 下顎の骨の中には「下顎管(かがくかん/下歯槽管)」と呼ばれる管があり、その中を**血管と下歯槽神経(下顎神経)**が通っています。
- 親知らずの歯根がこの下顎管に近接または接触している場合、損傷のリスクがあります。

🤕神経麻痺のリスクと後遺症
- 下顎管が損傷されると、下唇や顎のしびれ・感覚麻痺といった症状が起こることがあります。
- 神経麻痺は数週間で回復する場合もありますが、数年かかるケースもあり、後遺症として残ることもあります。
💊神経損傷に対する治療法
- 治療には以下のような神経回復を促す方法が行われます:
- ビタミンB12製剤(メチコバールなど)の内服
- 高濃度ビタミンC点滴療法
- ビタミンB群を中心としたマイヤーズカクテル点滴
🩸下顎神経損傷による出血の可能性
- 下顎管内の血管を損傷した場合、大量の出血を引き起こすことがあります。
- このような場合は、迅速で適切な止血処置が必要です。
🩺神経損傷の発生率
神経麻痺の発生頻度は、
👉 一般的に 0.5〜2%程度とされており、決して高い確率ではありません。
ただし、リスクをゼロにすることはできないため、事前の対策が重要です。
⚠️親知らずと上顎洞の関係|抜歯時に注意すべきリスク
🦷親知らずが上顎洞に迷入するケース
- 親知らずの歯根が先天的に上顎洞の中に突き出していることがあります。
- このような状態で抜歯を行うと、歯が上顎洞内に落ち込んでしまうリスクがあります。
- 上顎洞に迷入した親知らずは、通常の方法では取り出せず、別ルートからの摘出が必要になる場合があります。

🌬親知らずの抜歯による上顎洞との交通(開通)
- 上顎骨には「上顎洞(副鼻腔のひとつ)」という空洞が存在します。
- 親知らずの抜歯により、口腔と上顎洞(鼻腔)がつながってしまうことがあります(=上顎洞との交通)。
- この状態では、鼻から血液が出たり、鼻から空気や水が漏れるなどの症状が現れることがあります。
⛑多くの場合は自然治癒が可能
- 上顎洞との交通が生じても、小さな穿孔であれば自然に治癒することがほとんどです。
- ただし、症状が強い場合や治癒が遅れる場合には、縫合処置や閉鎖術などの追加治療が必要になることもあります。
- 抜歯前にCT撮影などで歯根と上顎洞の位置関係を確認することが非常に重要です。
💡安全に抜歯するための治療法と工夫
「神経に近いので抜歯はできません」と言われても、あきらめる必要はありません。現在では、神経損傷のリスクを最小限に抑える複数の治療法が確立されています。安全に抜歯を行うために、どのような方法があるのかをご紹介します。
✂️歯冠除去術(コロネクトミー)とは?
「歯冠除去術」は、親知らずの歯の上の部分(歯冠)だけを切除し、歯根部分はあえて残す方法です。神経に接しているのは主に歯根なので、それを無理に取り除かず、自然に骨の中に吸収・埋没させることで、神経麻痺のリスクを避けることができます。
この方法は、特に水平埋伏歯や深く埋まった親知らずに有効で、診断により安全性が確認された場合に選択されます。
⏱2回法(段階的抜歯)でリスクを最小限に
「2回法」とは、抜歯を1回で終わらせずに、2段階に分けて行う方法です。
1回目で歯の上部(歯冠)を切除し、歯根が少し浮き上がってきた後、数ヶ月後に2回目の抜歯を行います。
この間に歯根と神経の距離が広がることが多く、安全に抜歯しやすくなります。
神経へのリスクを避けつつ、将来的な問題(虫歯・炎症)も予防できるバランスの取れた治療法です。
🦷親知らずを抜歯すべきかどうかの判断基準
「神経に近いから抜かない方がいい」と言われる一方で、「早めに抜いた方がいい」という意見もあります。実は、親知らずの状態や症状によって最適な判断は異なります。以下のポイントをもとに、歯科医と一緒に判断していくことが大切です。
📈症状がある場合と無症状の親知らず
- 痛み・腫れ・膿・口臭がある場合は、抜歯の必要性が高い状態です。
- 一方で、無症状の親知らずも、歯並びを押したり、虫歯や歯周病のリスクを高めたりすることがあります。
親知らずは磨きにくく、汚れが溜まりやすいため、見た目に問題がなくても将来トラブルの原因になることがあるのです。
🔄経過観察 vs 予防的抜歯のメリット・デメリット
選択肢 | メリット | デメリット |
---|---|---|
経過観察 | ・神経へのリスクを避けられる ・身体への負担が少ない | ・突然の腫れや炎症のリスク ・高齢になると抜歯が難しくなる |
予防的抜歯 | ・将来のトラブル予防 ・若いうちの方が治りが早い | ・術後の腫れや痛み ・神経損傷のリスク(低確率) |
どちらにも一長一短がありますが、年齢が若いうちに計画的に抜歯する方が回復が早く、安全性も高いと言われています。
👩⚕️歯科医による総合的な診断が大切
最終的には、画像診断をもとに歯科医師が総合的に判断します。
- 神経との距離
- 歯の傾きや埋まり具合
- 周囲の骨の状態
- 体調や既往歴
などを総合的に評価し、無理に抜かず、必要なときだけ処置を行うのが基本方針です。不安なことがあれば、セカンドオピニオンを受けるのも良い選択肢です。
🧑⚕️抜歯後のしびれ対策とアフターケア
神経に近い親知らずを抜歯した後に、下唇やあごに「しびれ」や「感覚の鈍さ」が出ることがあります。これは一時的な神経の炎症や刺激によるもので、ほとんどは自然に回復しますが、正しいケアと早めの対処が大切です。
💊ビタミンB12などの投薬治療
しびれや神経の回復を助けるために、以下のような神経修復を促す薬が処方されることがあります。
- メコバラミン(ビタミンB12):末梢神経の修復を促す代表的なビタミン
- ビタミンB1・B6との併用:神経伝達の正常化をサポート
- 消炎鎮痛薬:神経周囲の炎症を抑える目的で使用されることも
これらは市販薬ではなく、歯科医院または病院での処方が基本です。
🧘♂️神経回復のための生活習慣
日常生活でも、神経の回復をサポートするために以下のことを意識しましょう。
- 💤 十分な睡眠:組織の修復には睡眠中の成長ホルモンが不可欠
- 🥗 栄養バランスの取れた食事:ビタミンB群・たんぱく質をしっかり摂取
- 🚬 禁煙:血行が悪くなり、神経の治癒が遅れる原因に
- 🧂 過度な飲酒を控える:神経の再生に悪影響を与える可能性あり
体の回復力を高めることで、自然治癒のスピードも上がります。
📅しびれが続くときは早めに再診を
しびれが2〜3週間たっても改善しない、または悪化している場合は、歯科医院に早めに相談することが大切です。必要に応じて、神経専門の医療機関への紹介やMRIなどの追加検査が行われることもあります。
我慢せず、経過を観察しながら適切なタイミングで診察を受けることが回復への近道です。
🏥神経に近い親知らずの治療が得意な歯科医院の選び方
「神経に近いので抜歯できません」と言われたとき、すぐにあきらめる必要はありません。
精密な診断や専門的な手技を要する場合は、対応可能な歯科医院を選ぶことがとても重要です。以下のポイントをチェックしてみましょう。
📍口腔外科専門医が在籍しているか
親知らずの抜歯の中でも、神経に近い・埋まっている・難抜歯は「外科処置」の領域です。
そのため、口腔外科の専門医が在籍している歯科医院では、
- リスクの見極め
- 麻痺や出血への対処法
- 高度な手術技術
などに長けており、安心して任せられる体制が整っています。
🗓カウンセリングや説明が丁寧か
設備や技術がいくら優れていても、患者とのコミュニケーションが不十分では安心して治療を受けられません。
- 事前にレントゲン画像を一緒に見ながら説明してくれるか
- リスク・治療法・代替案についてわかりやすく教えてくれるか
- 「経過観察」や「抜歯のタイミング」についても相談できるか
このような丁寧なカウンセリングがある歯科医院なら、不安を減らし納得して治療に臨めます。
📌まとめ|不安なときこそ、信頼できる歯科で相談を
「親知らずが神経に近い」と言われたとき、多くの方が「本当に抜いて大丈夫?」「後遺症が残ったらどうしよう…」と不安になります。ですが、正確な診断や高度な技術を持つ歯科医院であれば、リスクを最小限に抑えながら、安全に処置することが可能です。
特に以下の点を確認しましょう。
- ✅ 口腔外科の専門医が在籍している
- ✅ 患者に寄り添った説明と選択肢を提供してくれる
親知らずの状態は人それぞれ異なるため、「抜く or 抜かない」の正解は一概に言えません。だからこそ、一人で悩まず、信頼できる歯科医院に相談してみることが大切です。
納得のいく選択をするために、まずは一歩踏み出してみましょう。あなたに合った最善の方法が、きっと見つかるはずです。
江戸川区篠崎で「親知らずが神経に近い」と言われ、不安を感じている方へ

親知らずが神経や上顎洞に近いなど、抜歯に高いリスクが伴う場合でもご安心ください。
当院では、精密な診断と、経験豊富な歯科医師による判断に基づき、安全性を最優先に治療方針をご提案いたします。
万が一、抜歯が当院の対応範囲を超えると判断された場合には、信頼のおける大学病院・提携医療機関へ速やかにご紹介いたします。
専門性の高い施設との連携により、患者様が最善の環境で治療を受けられる体制を整えております。
「抜歯が不安」「断られてしまった」とお悩みの方も、お気軽にご相談ください。
江戸川区篠崎で親知らずの精密診断と治療相談なら、当院にお任せください。
【動画】親知らずを抜かなきゃよかったと後悔
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。