横向きに完全埋没した親知らずの抜き方

  • 横向きに完全埋没した親知らず(水平埋伏智歯)の抜き方は、局所麻酔下で歯茎を切開し、親知らずを覆っている骨を削ります。
  • 横向きで半分埋没している親知らずも同様です。
  • ダイアモンドバーで歯冠部と歯根を切断分離し、歯冠部・歯根の順に抜歯します。

江戸川区篠崎駅前の歯医者・ふかさわ歯科クリニック篠崎では、事前検査を入念に行い、出来るだけリスクを抑え短時間で抜くことにこだわった親知らずの抜歯を行っています。水平に埋没した難易度の高い親知らずにも可能な限り痛みを抑えた抜歯を心掛けています。親知らずの抜歯をお考えの方はぜひ、当院に遠慮なくご相談ください。

親知らず抜歯のプロセス:局所麻酔から歯茎の縫合までのステップ

局所麻酔

STEP

浸潤麻酔

真横に埋まった親知らず(水平埋伏智歯)を痛みなく抜歯するには局所麻酔(浸潤麻酔)の効きが十分でなければなりません。

また、表面麻酔や針の無い麻酔器・シリジェットを使うことで、注射の針を刺す時の痛みを少なく出来ます。

伝達麻酔

下の親知らず周辺の皮質骨は、硬く厚いため浸潤麻酔がかかりにくい場合があります。その時は伝達麻酔を行うことがあります。

下歯槽管(下顎神経)損傷のリスク

伝達麻酔は半分の下顎が完全にすべて麻酔されてしまうので、下歯槽管(下顎神経)と親知らずの歯根との距離を十分に把握した上でないと、抜歯の際に下歯槽管を傷付ける危険性があります。

下歯槽管と歯根が接触していたり、接近している場合には、可能な限り浸潤麻酔で行います。

横向きに埋まった親知らず(水平埋伏智歯)の抜歯前の局所麻酔
横向きに埋まった親知らず(水平埋伏智歯)の抜歯前の局所麻酔

歯茎を切開

STEP

メスで親知らずを覆う歯茎を切開

完全に埋没した親知らずの歯茎をメスで切開します。

骨膜剥離子を使い歯茎を左右に開きます。すると、親知らずを覆う骨と親知らずの歯冠の一部が見えてきます。

親知らずの一部分が少し歯茎の外に出ている半分埋没した横向きの場合でも、同様に歯茎の切開が必要です。

完全埋没した横向きの親知らずを覆う歯茎を切開
完全埋没した横向きの親知らずを覆う歯茎を切開

埋没した親知らずの歯冠部を覆う骨を削る

STEP

骨切削用バーで歯冠上の骨を削る

骨の中に完全に真横に埋まった親知らず(水平埋伏智歯)の歯冠部は骨で覆われています。抜歯をするためには、まずこの骨を骨切削用バーで削らなければなりません。

骨を削ると親知らずの歯冠部が姿を現します。

骨の削除量に比例し歯茎が腫れるリスクが高まる

骨を削る量に比例して術後の腫れが強まるので可能な限り少ない切削量に止めます。

完全埋没した横向きの親知らずを覆う歯槽骨を骨切削用バーで削る
完全埋没した横向きの親知らずを覆う歯槽骨を骨切削用バーで削る

長めのバーで歯冠と歯根を切断分離

STEP

歯冠と歯根を分離

真横に埋まった親知らずを抜歯したくても前の歯(第二大臼歯)が邪魔して抜けません。そこで、親知らずの歯冠部と歯根を長めのバーで切断し分離します。

まず、歯冠部から除去し、空いた空間を使い歯根部を抜歯します。

長めのバーで歯冠と歯根を切断分離
長めのバーで歯冠と歯根を切断分離

ヘーベルやルートチップで歯根を抜歯

STEP

ヘーベルやルートチップで歯根を脱臼させ

ヘーベルやルートチップなどの器具を使い歯根を脱臼させ、抜歯します。

レントゲン写真の様に歯根が2本以上あり、開いている場合には、それぞれの歯根を切断して、各々を抜歯することがあります。

ヘーベルやルートチップで歯根を抜歯
ヘーベルやルートチップで歯根を抜歯

抜歯窩の洗浄と歯茎の縫合

STEP

抜歯窩の洗浄

抜歯した穴(抜歯窩)は歯の削りカスや骨の削りカスなどが残るため、生理食塩水や次亜塩素酸水で軽く洗浄します。強く洗浄し過ぎると血餅(血の塊)が、出来にくくなります。

次亜塩素酸水は、術後感染の予防にも役立ちます。

抜歯窩を十分な血液で満たす

抜歯窩を出血した血液で完全に満たすことが重要です。十分な血液が無い場合には、周りの骨を引っかいて出血を促します。出血量が足りないとドライソケットになるリスクが高まるからです。

スポンゼルを入れる

抜歯窩にコラーゲンのスポンジ(スポンゼル)を詰めます。

スポンゼルは過剰な出血の止血効果や抜歯窩に満たされた血液を維持する目的で使用します。

歯茎の縫合

切開した歯茎を縫い合わせます。約1週間後に抜糸を行います。

親知らずの頭が少し歯茎の外に出ている場合は、縫い合わせるための歯茎が足りません。開いた部分から血液が流れてしまうと抜歯後の穴がなかなか塞がらないことがあります。

抜歯窩の洗浄と歯茎の縫合
抜歯窩の洗浄と歯茎の縫合

横向きに完全埋没した親知らずを抜かない場合

横向きに完全埋没した親知らずを抜かない場合

親知らずに痛みや炎症が無い場合

レントゲン写真のように親知らずが横向きで骨の中に完全に埋まっている場合には、口腔内と完全に遮断されていることがあります。

この時は親知らず周辺に感染が起こらないため痛みや腫れが起こりません。

このような完全水平埋伏智歯の場合には抜かないという選択肢もあります。

埋没した親知らず(水平埋伏智歯)の抜歯費用

水平埋伏智歯の抜歯は保険適用

内容保険点数
埋伏歯骨に完全に埋まっている歯1,054点
下顎埋伏歯加算下顎完全埋伏智歯(骨性)又は下顎水平埋伏智歯の場合+120点

※ 横向きに埋まった下の親知らずの抜歯費用は1,174点なので、一部負担金が3割とすれば3,520円となります。さらに、パノラマレントゲンの費用が1,500円程度、初再診料、処方箋料などがかかります。薬は投薬内容により費用が異なりますが、別途薬局に支払う必要があります。

江戸川区篠崎で親知らずの抜歯についてお悩みの方は、ぜひふかさわ歯科クリニック篠崎までご相談下さい。当院では、事前の検査・診断で出来るだけ手術時間を短縮し、リスクや痛みを抑えた親知らずの抜歯を心がけております。横向きに完全埋没した親知らずの抜歯の症例も豊富です。また、親知らずの移植や歯髄バンクなどの有効活用も考慮した適切なアドバイスを行っています。ぜひお気軽にご相談ください。

【動画】水平埋伏智歯の抜き方と難易度別の抜歯時間

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
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メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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