- 1. 歯周病検査とは?
- 2. 歯周病検査を受けたほうがよい症状
- 3. 歯周病検査では何をする?
- 3.1. 問診
- 3.2. 口腔内の視診
- 3.3. プロービング検査とは?
- 3.3.1. 歯周ポケットとは?
- 3.3.2. BOP(プロービング時出血)を確認する
- 3.3.3. CAL(臨床的アタッチメントレベル)とは?
- 3.4. 歯の動揺度検査
- 4. レントゲン検査
- 5. 根分岐部病変の検査
- 6. プラークの付着状態を確認する
- 7. 口腔内写真
- 8. 歯周病検査でわかること
- 8.1. 歯ぐきの炎症状態
- 8.2. 歯周組織の破壊の程度
- 8.3. 歯槽骨の吸収状態
- 8.4. 歯のぐらつき
- 8.5. 歯周病を悪化させるリスク
- 9. 歯周病検査は痛い?
- 10. 歯周病検査の費用は?保険適用される?
- 11. 歯周病検査の結果によってどのような治療をする?
- 11.1. 関連記事
- 12. 歯周病は「早めのチェック」が大切です
- 13. 筆者・院長
- 13.1. 深沢 一
- 13.1.1. メッセージ

「歯ぐきから血が出る」「口臭が気になる」「歯ぐきが腫れている」――このような症状は、歯周病のサインかもしれません。歯周病は初期には自覚症状が少なく、気づかないうちに進行しやすい病気です。
歯周病検査では、歯周ポケットの深さや歯を支える骨の状態、歯ぐきの炎症の程度などを詳しく確認し、現在のお口の健康状態を把握します。早期に発見し適切な治療やメンテナンスを行うことで、大切な歯を長く守ることにつながります。
歯周病検査とは?

歯周病検査とは、歯ぐきや歯を支える組織の状態を調べ、歯周病の有無や進行度を評価するための検査です。
歯周病には、大きく分けて「歯肉炎」と「歯周炎」があります。
歯肉炎は炎症が主に歯ぐきに限局している状態ですが、歯周炎になると歯を支えている歯槽骨や歯根膜などの歯周組織にまで破壊が及びます。
一度失われた歯槽骨や歯周組織は、歯ぐきの腫れが治まったからといって、必ずしも元の状態に戻るわけではありません。
そのため、歯周病では早期発見・早期治療と、その後の継続的な管理が重要です。
歯周病検査では、単に「歯周ポケットが何mmあるか」だけを見るのではありません。
歯ぐきの炎症、プロービング時の出血、歯周組織の破壊、歯槽骨の状態、歯の動揺などを総合的に評価します。
歯周病検査を受けたほうがよい症状

歯周病は初期には自覚症状がほとんどないことがあります。
一方、進行するとさまざまな変化が現れるようになります。
次のような症状がある場合は、一度歯科医院で歯周組織の状態を確認することをおすすめします。
- 歯みがきをすると歯ぐきから血が出る
- 歯ぐきが赤く腫れている
- 歯ぐきから膿が出ることがある
- 口臭が気になる
- 朝起きたときに口の中がネバつく
- 歯ぐきが下がって歯が長く見える
- 歯と歯の間に隙間ができてきた
- 食べ物が挟まりやすくなった
- 歯がぐらつく
- 噛みにくくなった
- 歯並びが以前と変わってきた
特に注意したいのが、歯ぐきからの出血です。
健康な歯ぐきでは、適切な力で歯みがきをした際に毎回出血することは通常ありません。
歯と歯ぐきの境目にプラークが蓄積して炎症が起こると、歯ぐきの組織が刺激に対して出血しやすくなります。
ただし、出血があるからといって必ず歯周病とは限りません。反対に、出血や痛みがないから歯周病ではないとも限りません。
特に喫煙者では、歯ぐきの血流などへの影響によって炎症による出血が目立ちにくい場合があります。
症状だけで判断せず、歯周病検査によって客観的に評価することが重要です。
歯周病検査では何をする?
歯周病の診断や治療計画を立てるためには、複数の検査を組み合わせて歯周組織の状態を確認します。

代表的な検査について解説します。
問診
まず、現在気になっている症状やこれまでの治療歴などを確認します。
歯周病の進行には、口腔内のプラークだけでなく、喫煙や糖尿病などさまざまなリスク因子が関係します。
そのため、必要に応じて次のような項目について確認します。
- 歯ぐきからの出血や腫れ
- 歯のぐらつき
- 口臭
- 喫煙習慣
- 糖尿病などの全身疾患
- 服用している薬
- 過去の歯周病治療
- 日頃の歯みがき習慣
全身の健康状態や生活習慣も含めて確認することが、適切な歯周病管理につながります。
口腔内の視診
歯科医師や歯科衛生士が口腔内を観察し、歯ぐきや歯の状態を確認します。
主に、
- 歯ぐきの赤みや腫れ
- 歯肉退縮
- プラークの付着
- 歯石の付着
- 歯並び
- 噛み合わせ
- 歯の移動
などを確認します。
見た目だけでは判断できない歯周組織の状態については、プロービング検査やレントゲン検査などを行って詳しく調べます。
プロービング検査とは?
歯周病検査の中でも重要なのが「プロービング検査」です。
プローブと呼ばれる目盛りの付いた細い器具を、歯と歯ぐきの境目に慎重に挿入し、歯周ポケットの深さなどを測定します。

歯周ポケットとは?
歯と歯ぐきの境目には「歯肉溝」と呼ばれる浅い溝があります。
歯周病によって歯周組織の破壊が進むと、この溝が深くなり「歯周ポケット」が形成されます。
一般的には、健康な歯ぐきでは1〜3mm程度が一つの目安です。
4mm以上の深さが認められる場合には、歯周組織の状態をより詳しく評価する必要があります。
ただし、歯周ポケットの深さだけで歯周病の有無や重症度を決定することはできません。
歯ぐきが腫れていることで一時的に測定値が深くなることもあるため、プロービング時の出血や歯槽骨の状態などと合わせて評価します。
BOP(プロービング時出血)を確認する
プロービング検査では、ポケットの深さとともに「BOP(Bleeding on Probing)」も確認します。
BOPとは、プローブを挿入した際に歯ぐきから出血するかどうかを調べる検査項目です。
出血が認められる部位では、歯周組織に炎症が存在している可能性があります。
歯周ポケットがそれほど深くなくてもBOPが認められる場合があるため、ポケットの深さと出血の有無を組み合わせて評価することが大切です。
CAL(臨床的アタッチメントレベル)とは?
歯周病の進行を評価する際には、必要に応じて「CAL(Clinical Attachment Level:臨床的アタッチメントレベル)」も確認します。
CALは、歯周病によって歯を支える組織がどの程度失われているかを評価するための指標です。
歯周ポケットの深さだけでは、歯ぐきの腫れや歯肉退縮の影響を受けるため、歯周組織の破壊の程度を正確に評価できない場合があります。
そのため、歯周ポケットの深さだけでなく、CALやレントゲン所見などを総合して歯周病の進行状態を判断します。
歯の動揺度検査
歯周病が進行して歯槽骨が減少すると、歯を十分に支えられなくなり、歯がぐらつくことがあります。
そこで、歯に力を加えてどの程度動くかを調べる「動揺度検査」を行います。
歯の動揺には歯周病だけでなく、噛み合わせによる過度な力や歯ぎしり・食いしばりなどが関係している場合もあります。
動揺が認められる場合には、その原因についても評価する必要があります。
レントゲン検査
歯周病の進行状態を把握するうえで、レントゲン検査は重要です。
歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨が徐々に失われます。
歯ぐきの上から見ただけでは骨の状態を確認できないため、レントゲン画像を用いて、
- 歯槽骨の高さ
- 骨吸収の程度
- 骨吸収の広がり
- 歯根周囲の状態
- 歯石の付着
- 根分岐部周辺の状態
などを確認します。
プロービング検査とレントゲン検査の結果を組み合わせることで、歯周組織の状態をより正確に把握できます。
根分岐部病変の検査
奥歯には複数の歯根を持つ歯があります。
歯周病が進行すると、歯根が分かれている部分にまで骨吸収が及ぶ「根分岐部病変」が生じることがあります。
根分岐部病変は清掃が難しく、歯周病治療を行ううえで重要な評価項目の一つです。
必要に応じて専用のプローブなどを使用し、病変の広がりを確認します。
プラークの付着状態を確認する
歯周病の主な原因は、歯の表面に付着する細菌の集合体であるプラークです。
そのため、歯周病検査ではプラークがどの部分に残っているかを確認することも重要です。
必要に応じて染め出し液などを使用すると、磨き残している場所を患者さん自身でも確認できます。
歯周病治療では、歯科医院で歯石を除去するだけでは十分ではありません。
毎日の歯みがきやデンタルフロス、歯間ブラシなどによってプラークを適切に除去できる環境を整えることが、治療と再発予防の基本になります。
口腔内写真
必要に応じて口腔内写真を撮影します。
写真として記録しておくことで、
- 歯ぐきの腫れ
- 歯肉退縮
- 歯石の付着
- 歯並び
- 歯の移動
などを治療前後で比較できます。
患者さん自身がお口の変化を確認しやすくなることもメリットです。
歯周病検査でわかること
歯周病検査では、複数の検査結果を組み合わせることで、現在の歯周組織の状態を評価します。

歯ぐきの炎症状態
プロービング時の出血や歯ぐきの腫れなどから、炎症がどの部位に存在しているかを確認します。
歯周組織の破壊の程度
歯周ポケット、CAL、レントゲン所見などから、歯を支えている組織がどの程度失われているかを評価します。
歯槽骨の吸収状態
レントゲン検査によって、歯を支えている骨がどの程度残っているかを確認します。
歯のぐらつき
歯周病や噛み合わせなどによって歯がどの程度動いているかを確認します。
歯周病を悪化させるリスク
喫煙、糖尿病、プラークコントロールの状態など、歯周病の進行や治療後の経過に影響する因子についても確認します。
これらの情報を総合的に評価し、患者さん一人ひとりに適した治療計画を立てます。
歯周病検査は痛い?
歯周ポケットを測定する際には、プローブという細い器具を歯と歯ぐきの境目に挿入します。
健康な歯ぐきであれば、強い痛みを感じることは一般的には多くありません。
ただし、歯ぐきの炎症が強い場合や歯周ポケットが深い場合には、検査時に痛みや違和感を感じることがあります。
また、炎症がある部位では検査後に少量の出血がみられることがあります。
出血はプローブで歯ぐきを傷つけたためとは限らず、炎症によって歯ぐきが出血しやすくなっていることが原因の場合もあります。
歯周病検査の費用は?保険適用される?
歯周病の診断や治療に必要な歯周病検査は、一定の条件を満たす場合、健康保険の適用となります。
実際の窓口負担額は、検査する歯の本数、レントゲン撮影の有無、同日に行う診察や処置の内容、患者さんの自己負担割合などによって異なります。
そのため、「歯周病検査だけで一律○○円」とは限りません。
詳しい費用については、受診する歯科医院で確認してください。
また、歯周病原細菌を調べる検査など、検査の種類や目的によっては健康保険が適用されず、自費診療となる場合があります。
歯周病検査の結果によってどのような治療をする?
歯周病と診断された場合には、検査結果に応じて治療を進めます。

基本となるのが「歯周基本治療」です。
主な内容には、
- ブラッシング指導
- プラークコントロール
- スケーリング
- 必要に応じたルートプレーニング
- 歯周病を悪化させる因子への対応
などがあります。
治療後には再度歯周病検査を行い、歯周ポケットやBOPなどがどの程度改善したかを確認します。
これを「再評価」といいます。
再評価の結果、深い歯周ポケットや炎症が残っている場合には、歯周外科治療などを検討することがあります。
つまり、歯周病検査は最初に診断するときだけに行うものではありません。
「検査→治療→再評価」という流れを繰り返しながら、治療効果を確認するためにも重要な検査です。
関連記事
歯周病は「早めのチェック」が大切です

歯周病は、痛みなどの自覚症状が少ないまま進行することがあります。歯ぐきからの出血や腫れ、口臭が気になる方はもちろん、症状がない方も定期的な検査が大切です。歯周ポケットや出血、歯を支える骨の状態などを確認し、お口の健康を守りましょう。
大切な歯を将来まで守るために、まずは歯周病検査から始めてみませんか。
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。








