歯科アイコン
エナメル質形成不全を削らずに治すことは?
子供の前歯が永久歯に交換した時、二本が白から黄色い濁りがありエナメル質形成不全と診断されました。削って詰めるのは抵抗があるし、歯を削らずに治すことは出来ますか?
前歯に白濁が出来ると笑ったりしゃべったりする時目立って嫌ですよね。ここでは、歯の白濁・ホワイトスポットを削らずに治す方法を解説します。
江戸川区篠崎駅南口徒歩1分のふかさわ歯科クリニック篠崎では、アイコンを使った歯を削らないホワイトスポット治療を行い良好な結果を得ています。歯の白濁・ホワイトスポットでお悩みの方はぜひ当院にご相談ください。
アイコンは低粘性レジン浸潤法です
左写真の様に永久歯の前歯に白斑として現れるのがホワイトスポットです。右写真はホワイスポットをアイコンで治療した状態です。
ホワイトスポットの原因
原因
エナメル質形成不全症
エナメル質の一部が石灰化不全やエナメル質形成不全を起こすことで白濁として現れます。上記写真の症例はこれに当たります。エナメル質形成不全は先天的なもので、エナメル質の脱灰はありませんが、無機質の量が減少している状態です。
原因
初期虫歯
初期虫歯は脱灰と再石灰化のバランスが崩れた状態です。兆候として半透明のエナメル質が白濁するので「隠れ虫歯」とも言われます。
原因
フッ素症(斑状歯)
近年では殆ど見ることが無くなりましたが高濃度フッ素の過剰摂取によるフッ素症(斑状歯)なども原因の一つです。
初期虫歯
脱灰によるホワイトスポット
食事を取ることによって口腔内の細菌(ミュータンス菌、ラクトバチラス菌)が活発に活動し、酸(H+)を作ります。
この酸(H+)によってエナメル質が脱灰され、エナメル質からカルシュウムイオン(Ca2+)やリン酸イオン(PO43−)などのミネラルが溶け出し、初期の虫歯COが作られます。
ミネラルが溶け出したエナメル質はスカスカの状態になり、白いチョーク状の斑点(ホワイトスポット)として見られるようになります。
当院でアイコンを使いホワイトスポットを治した症例
エナメル質形成不全症、初期虫歯のどちらのホワイスポットであっても治療法は同じです。
術前(症例1)
上顎1番の2本に、かなり目立った ホワイトスポットがあります。
術後(症例1)
アイコンで治療し、綺麗にホワイトスポットが消えています。
術前(症例2)
向かって右側の1番(左上の前歯)の切端部にホワイトスポットがあります。
術後(症例2)
アイコンによりホワイトスポットが目立たなくなりました。
アイコンの治療手順
歯面処理
歯面処理剤のアイコンエッジをホワイトスポット部位に塗布し2分間放置します。水洗を十分行った後、エアーで乾燥させます。
アイコンインフィルトラントを塗布
アイコンドライを歯面に塗布し30秒間放置した後、エアーで乾燥させます。十分な効果が出ていない場合には、一連の操作を繰り返します。(最大3回まで)
次に低粘度光重合レジン「アイコン」の本体であるアイコン・インフィルトラントを塗布し、3分間放置するとアイコンが歯面の中に浸透していきます。
光照射で硬化後研磨
光重合器で40秒以上照射しアイコンを硬化させます。最後に、余剰のレジンを除去し、しっかり研磨して終了です。
アイコンによってエナメル質が補強され、酸をブロックしミネラルの溶出を防止します。
アイコンの適応症例
- 生まれつき前歯に白濁がある。
- 矯正治療を終わって装置を外したら歯に白濁が出来ていた。
- ホワイトニング後、ホワイトスポットが目立つようになった。
- 初期虫歯により歯が白くなった。
アイコンのメリット
利点
歯を削らない
アイコンはホワイトスポット部位に低粘度のレジンを浸透させることによって治療します。従って、歯を削る必要はありませんが、歯の表面を研磨します。
利点
歯科麻酔は必要ない
切削ドリルで歯を削らないため、浸潤麻酔の必要はありません。当然、殆ど痛み起こりません。
利点
歯質強化
アイコンが浸透したエナメル質は、酸に対して強い抵抗性を持つため歯質を強化する効果を持ちます。
利点
安全性が高い
ドイツのDMG社が開発した予防充填材料です。安全性が高く厚生労働省の認可も通っています。
アイコンのデメリット
欠点
C2以上の虫歯は適応不可
エナメル質に限局したC1の虫歯までが適応範囲で、実質欠損のあるC2の虫歯になると適応出来ません。ただし、 C1でも象牙質近くまで虫歯が進行している場合には削ってコンポジットレジンを詰めた方が良い場合があります。
欠点
経年的に変色
アイコンもコンポジットレジン同様、数年経過すると変色するリスクがあります。
欠点
歯肉損傷のリスク
前処理をする薬剤が歯茎に触れると、歯茎を損傷するリスクがあります。そのためラバーダム防湿は必須です。
欠点
完治困難な症例あり
ホワイトスポットを完全に治すことは難しいケースがあります。多少ホワイトスポットを目立たなくする程度で、天然歯の色と合わないなど、満足できるレベルまでにすることが難しいことがあります。
欠点
ホワイトニングを希望する場合
アイコンを施術してからホワイトニングをするとホワイトスポットの部位は白くなりません。従って、ホワイトニングを希望する場合には、まずホワイトニングをしてからアイコンを行うことが必要です。
従来の治療法の問題点
従来の歯を削らない治療法には、フッ化物(フッ素塗布やフッ素入り歯磨き粉)やリカルデント( MIペースト)などが有りますが、虫歯が進行すると効果が限定的であるため、歯を削らずに「様子を見る」ことが返って虫歯を悪化させてしまうリスクがあります。
また、コンポジットレジンなどによる詰め物では、健康な部分まで大きく削らなければいけないことなどが挙げられます。
さらに、エナメルマイクロアブレージョンという方法もあります。歯を削るのではなく、エナメル質を薄く一層溶かしてホワイトスポットの改善を試みる方法ですが、ある程度の侵襲があることは否めません。
歯科アイコンの費用
自費治療
保険適用外です。
項目 | 価格(税込み) |
---|---|
アイコン1歯 | ¥55 ,000 |
江戸川区篠崎でアイコンでホワイトスポットの審美治療をご希望の方へ
ふかさわ歯科クリニック篠崎では、金属アレルギーの原因ともなる金属の使用を極力抑えたメタルフリー審美治療に努めております。見た目はもちろんですが、機能性や適合性にも留意した審美修復治療を実施しております。天然歯を出来るだけ削らない低侵襲処置(ミニマルインターベーション)を基本とし、長期維持を追求したつめ物・かぶせ物治療に努めております。江戸川区篠崎で、アイコンでホワイトスポットの審美治療をご希望の方はぜひ、精度の高い審美歯科治療をご提案いたしますので、当院までお気軽にご相談下さい。
【動画】ホワイトスポットをアイコンで治す
【動画】初期虫歯COを削らずに自分で治す方法
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。