- 1. 【動画 36秒】MFT(口腔筋機能療法)で育む正しい舌の使い方と健康な歯並び
- 2. MFT(口腔筋機能療法)で改善する舌癖と歯並び
- 2.1. 1. はじめに
- 2.1.1. MFT(口腔筋機能療法)とは?
- 2.1.2. なぜMFTが注目されているのか
- 2.1.3. 矯正治療や口腔機能改善におけるMFTの重要性
- 2.1.4. MFTが求められる背景(現代人の口腔機能低下問題)
- 2.2. 次のステップ
- 3. 2. MFT(口腔筋機能療法)の基本
- 3.1. MFTの目的と役割
- 3.1.1. 主な役割
- 3.2. MFTが必要なケース
- 3.2.1. 1. 開咬(オープンバイト)
- 3.2.2. 2. 舌突出癖(舌の押し出し)
- 3.2.3. 3. 口呼吸
- 3.2.4. 4. 発音障害(構音障害)
- 3.3. 適応年齢
- 3.4. MFTの原理
- 3.5. どの人におすすめか(子ども・成人それぞれの適応)
- 3.5.1. 1. 子ども(成長期の適応)
- 3.5.2. 2. 成人(矯正治療中・治療後の適応)
- 3.6. 矯正治療との関連性
- 3.7. まとめ
- 4. 3. MFTの具体的なトレーニング方法
- 4.1. 基礎トレーニング
- 4.2. 発展トレーニング
- 4.2.1. 3. 嚥下トレーニング(正しい飲み込み方の習得)
- 4.2.2. 4. 口輪筋の強化トレーニング(ストローエクササイズ)
- 4.3. 子ども向けMFTトレーニング
- 4.3.1. 5. 遊びながらできるトレーニング(風船ふくらまし)
- 4.4. 成人向けMFTトレーニング
- 4.4.1. 6. 口腔周囲筋を鍛えるエクササイズ(MFTガムトレーニング)
- 4.4.2. 8. いびき・睡眠時無呼吸症候群対策(舌トレーニング)
- 4.5. まとめ
- 5. 自宅でできる!舌癖改善のための簡単トレーニング法
- 5.1. 唇のマッサージ
- 5.2. ブクブクうがい・ガラガラうがい
- 5.3. あいうべ体操
- 6. 4. MFTの効果とメリット
- 6.1. 1. 正しい舌の位置が影響を与える
- 6.1.1. 正しい舌の位置(スポット)とは?
- 6.1.2. 舌の位置が悪いとどうなる?
- 6.2. 2. 呼吸の改善(口呼吸→鼻呼吸への移行)
- 6.2.1. 口呼吸が引き起こす問題
- 6.2.2. MFTで鼻呼吸を習慣化
- 6.3. 3. 矯正治療の補助効果
- 6.3.1. 矯正治療中にMFTを行うメリット
- 6.3.2. MFTなしで矯正すると…
- 6.4. 4. 顎関節症の予防
- 6.4.1. 顎関節症とは?
- 6.4.2. 顎関節症の主な原因
- 6.4.3. MFTによる顎関節症の改善
- 6.5. 5. 発音・滑舌の改善
- 6.5.1. 発音が悪くなる原因
- 6.5.2. MFTで発音を改善
- 6.6. 6. 姿勢の改善効果
- 6.6.1. 悪い舌の位置が姿勢に与える影響
- 6.6.2. MFTによる姿勢改善
- 6.7. まとめ
- 7. 5. MFTの治療の流れ
- 7.1. 1. 初診での観察・評価(舌圧測定・口腔内チェック)
- 7.1.1. 主な評価項目
- 7.2. 2. 個別プログラムの作成
- 7.2.1. プログラム作成のポイント
- 7.3. 3. トレーニングの指導とフォローアップ
- 7.3.1. MFTの主なトレーニング内容
- 7.3.2. フォローアップ
- 7.4. 4. 治療期間の目安
- 7.4.1. 治療期間の目安
- 7.5. 5. 矯正治療と併用する場合の進め方
- 7.5.1. 矯正治療とMFTのスケジュール
- 8. まとめ
- 9. 6. MFTの費用と保険適用の可能性
- 9.1. 1. MFTにかかる一般的な費用相場
- 9.1.1. ① 初診・カウンセリング
- 9.1.2. ② MFTトレーニング(1回あたり)
- 9.1.3. ③ MFTの総費用
- 9.2. 2. 当院のMFT の費用
- 9.2.1. 自費治療
- 9.3. 3. 自由診療と保険適用の違い
- 9.3.1. ① 自由診療のMFT
- 9.3.2. ② 保険適用となる場合
- 9.3.3. ③ 保険適用にならないケース
- 9.4. 3. MFTを受けられる歯科医院の選び方
- 9.4.1. ① 矯正歯科・小児歯科・予防歯科でMFTを実施している医院
- 9.4.2. ② MFT専門の歯科医師・歯科衛生士がいるか
- 9.4.3. ③ 継続的なフォローアップ体制があるか
- 9.4.4. ④ 保険適用の可否を事前に確認
- 10. まとめ
- 11. 7. MFTを取り入れている歯科医院の選び方
- 11.1. 1. MFTに精通した歯科医師・歯科衛生士のいる医院を選ぶ
- 11.1.1. ✅ MFTの専門知識を持つ歯科医師・歯科衛生士の特徴
- 11.1.2. ✅ チェックポイント
- 11.2. 2. 矯正歯科とMFTの併用治療が可能か
- 11.2.1. ✅ 矯正歯科との併用のメリット
- 11.2.2. ✅ 併用治療を行っている歯科医院の特徴
- 11.2.3. ✅ チェックポイント
- 12. まとめ
- 13. 8. まとめ
- 13.1. 1. MFTは歯並びや噛み合わせだけでなく、全身の健康にも影響を与える
- 13.2. 2. 早めに始めるほど効果が期待できる
- 13.3. 3. MFTは自己流でやるよりも専門家の指導を受けるのがベスト
- 14. まとめ
- 15. 江戸川区篠崎でMFT(口腔筋機能療法)を取り入れた歯科治療を提供!
- 16. 【動画】指しゃぶりや指吸いを止めさせる方法
- 17. 筆者・院長
【動画 36秒】MFT(口腔筋機能療法)で育む正しい舌の使い方と健康な歯並び
MFT(口腔筋機能療法)で改善する舌癖と歯並び
1. はじめに
MFT(口腔筋機能療法)とは?
MFT(Oral Myofunctional Therapy:口腔筋機能療法)とは、舌や口の周囲の筋肉を鍛えるトレーニングを行い、正しい機能を獲得することを目的とした治療法です。主に、舌の正しい位置、口唇の閉鎖、適切な嚥下(飲み込み方)の習得を目指し、歯並びや噛み合わせの改善、口呼吸の是正、発音の向上などに役立ちます。特に、小児矯正と組み合わせることで、より効果的な治療が期待できます。
口腔筋機能療法(以下MFT)は、食べ物を取り込み噛む(咀嚼)、噛んだものを飲み込む(嚥下)、舌足らずな発音、口呼吸、低位舌、舌の突出(舌癖)、口唇の位置などを改善するための各種トレーニングを行い、口腔周囲筋群の適切な機能の獲得を目指すものです。
一般的に、MFTは成長過程にある子どもを対象とし、歯科医院で継続的に指導を行いながら、段階的に進めていきます。学習した内容は各自自宅で実践し、個人差はありますが、最低でも半年程度の継続が推奨されます。
なぜMFTが注目されているのか
近年、MFTは歯科医療だけでなく、耳鼻咽喉科や言語療法の分野でも注目されています。その理由として、以下のようなポイントが挙げられます。

- 矯正治療の成功率向上
矯正治療中にMFTを併用することで、治療後の後戻りを防ぎ、安定した歯並びを維持しやすくなります。 - 口呼吸の改善
口呼吸は歯並びの悪化だけでなく、鼻づまりやアレルギー症状の悪化、集中力の低下にもつながります。MFTによって鼻呼吸を習慣化できるため、健康面でのメリットが大きいとされています。 - いびき・睡眠時無呼吸症候群の予防
口腔周囲筋の機能低下は、いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因となることがあります。MFTを通じて舌の位置を正し、喉の気道を確保することで、これらのリスクを軽減できます。 - 発音の改善
舌や口周りの筋肉の使い方をトレーニングすることで、正しい発音が身につき、滑舌の向上が期待できます。
矯正治療や口腔機能改善におけるMFTの重要性
MFTは、単なる歯並びの改善だけでなく、以下のような点で口腔機能全体の向上に貢献します。
- 矯正治療と併用することで、歯列の安定性が増す
→ 矯正装置だけではなく、筋肉の使い方を改善することで、より自然な位置に歯が並ぶ。 - 舌や口唇の筋力が強化され、正しい嚥下や発音ができるようになる
→ 食事の際の飲み込みや、話す際の発音に良い影響を与える。 - 口呼吸を鼻呼吸に変えることで、健康面でもメリットがある
→ 鼻呼吸が習慣化すると、風邪やアレルギーのリスクが減り、免疫力が向上する。
MFTが求められる背景(現代人の口腔機能低下問題)
近年、子どもから大人まで口腔機能の低下が問題視されています。その主な原因として、以下のような点が挙げられます。
- 柔らかい食事の増加
昔に比べて噛む回数が減ったことで、顎の発達が不十分になり、舌や口の筋肉が適切に鍛えられなくなっています。 - 長時間のスマホ・ゲームの使用
うつむいた姿勢が続くことで、舌の位置が下がり、口呼吸が習慣化しやすくなっています。 - 口呼吸の増加
アレルギーや鼻炎の増加により、口呼吸の割合が高まり、それが歯並びの悪化や健康リスクにつながっています。 - 指しゃぶりや舌癖の影響
幼少期の指しゃぶりや舌を前に押し出す癖が続くと、開咬や出っ歯の原因となることがあります。
MFTは、こうした現代人の口腔機能低下を改善するための有効な手段として、多くの歯科医院で導入が進んでいます。
次のステップ
この後のセクションでは、MFTの具体的なトレーニング方法や、矯正治療との関係について詳しく解説していきます。
2. MFT(口腔筋機能療法)の基本
MFTの目的と役割
MFT(口腔筋機能療法)の目的は、口腔周囲の筋肉を正しく機能させ、歯並びや噛み合わせの改善を促すことです。特に、舌の位置や口唇の使い方を適正化し、正しい嚥下や発音を習得することが重要とされています。
主な役割
- 舌の正しい位置を確保する
- 舌が適切な位置(スポット)にあることで、自然な歯列の発達を促し、歯並びの乱れを防ぎます。
- 口唇や頬の筋力を鍛える
- 唇を閉じる力が弱いと、口呼吸や出っ歯の原因になります。MFTで筋力を強化し、正しい口腔習慣を身につけます。
- 正しい嚥下(飲み込み方)を習得する
- 舌の動きが悪いと、食べ物を正しく飲み込めず、歯並びや発音に悪影響を及ぼします。MFTを通じて、正しい嚥下パターンを確立します。
- 矯正治療の効果を高め、後戻りを防ぐ
- 矯正装置で歯並びを整えても、舌や唇の筋肉の使い方が悪いと、後戻りが起こりやすくなります。MFTは矯正治療の成功率を高めるために重要です。
MFTが必要なケース
MFTは、以下のような症状を持つ人に特に有効です。
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開咬・オープンバイト
上下の前歯が大きく開いている状態。その間に舌突出癖(舌を突き出して隙間を埋めようとする傾向)が強くなります。

上顎前突(出っ歯)
上顎の歯が前に出ている。上顎の顎骨自体も前に出ている場合もある。

上顎前突+叢生
上顎前突と叢生が合併した状態。更には、過蓋咬合が合併する場合もある。
1. 開咬(オープンバイト)
- 上下の前歯が噛み合わず、隙間が空いてしまう状態。
- 原因: 舌を前に押し出す癖(舌突出癖)、指しゃぶり、長期間の哺乳瓶やおしゃぶりの使用。
- MFTの役割: 舌の正しい位置を覚えさせ、歯列が自然に閉じるように誘導する。
2. 舌突出癖(舌の押し出し)
- 舌で前歯を押す癖があり、歯並びが乱れやすい。
- 原因: 不適切な嚥下パターンや口呼吸の習慣。
- MFTの役割: 正しい舌の使い方を学び、嚥下時に舌が前に出ないようにトレーニングする。
3. 口呼吸
- 口が常に開いた状態で、鼻ではなく口で呼吸する習慣がある。
- 原因: アレルギー性鼻炎、扁桃腺肥大、唇の筋力低下。
- MFTの役割: 唇を閉じる筋肉を鍛え、鼻呼吸の習慣を身につける。
4. 発音障害(構音障害)
- 舌の動きが悪く、「サ行」や「タ行」が発音しにくい。
- MFTの役割: 舌の可動域を広げ、正しい発音をサポートする。
適応年齢

舌の先端をいつも付けておく位置(赤丸部分/切歯乳頭後方)を覚える練習です。※舌の先端を丸めないことが重要です。
10歳前後までが効果的
MFTは、 成長過程の子供(10歳くらいまで)には大変有効です。例えば、オープンバイト(開咬)や出っ歯などを MFT のみで治療し成功することもあります。
大人の効果は限定的
大人になると顎骨や筋肉の成長が止まるため、低位舌、舌の突出癖などの舌癖をMFTで改善するのは限定的です。
とは言え、強い舌癖がある場合、矯正治療を行っても後戻りしやすいのも事実です。そのような場合、大人でもMFTを併用することがあります。
MFTの原理

バクシネーターメカニズム
口腔周囲筋の非生理的な不調和は、歯並びを悪くする原因となることがあります。 とくに、指しゃぶり、口呼吸などに端を発し、舌突出癖に伴う低位舌などの口腔悪習癖は、口唇閉鎖不全を含め歯列に大きな悪影響を与えることが知られています。
これは、歯列がバクシネーターメカニズム(舌や口腔周囲筋の筋力の調和がとれた場所に位置する性質)を持つからです。
舌圧は外側に、頬筋の頬っぺたの力、オトガイ筋・口輪筋の口唇圧は内側に力を加え、その力のバランスの取れた所に歯が並びます。
口腔周囲筋の不調和を改善することで自然に歯列を正しい位置に移動させることがMFTの目的となります。
どの人におすすめか(子ども・成人それぞれの適応)
MFTは年齢を問わず受けられますが、子どもと成人では目的やアプローチが異なります。顎骨の成長が止まった成人では効果は限定的です。
1. 子ども(成長期の適応)
- 乳歯から永久歯へと生え変わる時期(5歳~12歳)が特に効果的。
- 目的: 歯並びや噛み合わせが悪くなる原因を早期に修正し、自然な成長を促す。
- 適応: 指しゃぶり、舌突出癖、口呼吸、開咬などの問題がある子ども。
2. 成人(矯正治療中・治療後の適応)
- 矯正治療中または矯正治療後の後戻り防止に有効。
- 目的: 歯並びを安定させ、矯正治療の効果を持続させる。
- 適応: 矯正治療後の後戻りが心配な人、いびきや睡眠時無呼吸症候群のある人、発音改善を求める人。
矯正治療との関連性
MFTは矯正治療と密接に関係しており、併用することで治療効果を最大化できます。
- 矯正治療前(予防・準備段階)
- 矯正が必要になる原因(口呼吸、舌癖など)を改善し、自然な成長発育を促す。
- 矯正治療の効果を高めるために、舌の位置や口唇の筋力を整えておく。
- 矯正治療中(治療の補助)
- 矯正装置による力だけでなく、筋肉のバランスを整えることで歯の移動をスムーズにする。
- 舌や口腔周囲筋のトレーニングを並行して行うことで、より安定した歯列に導く。
- 矯正治療後(後戻り防止)
- 矯正治療が終わった後も、MFTを継続することで歯並びの後戻りを防ぐ。
- 舌の正しい位置や鼻呼吸の習慣が定着すると、リテーナーの効果も高まりやすい。
まとめ
- MFTは、舌や口腔周囲の筋肉を正しく機能させることで、歯並びや噛み合わせを改善する治療法。
- 開咬、舌突出癖、口呼吸、発音障害などの問題がある人に特に有効。
- 子どもから成人まで幅広く適用でき、特に子どもの矯正治療と併用すると効果が高い。
- 矯正治療前・治療中・治療後にMFTを取り入れることで、より良い歯並びと口腔機能を維持できる。
次のセクションでは、MFTの具体的なトレーニング方法について詳しく解説します。
3. MFTの具体的なトレーニング方法
MFT(口腔筋機能療法)では、舌や口の周囲の筋肉を正しく機能させるために、段階的なトレーニングを行います。ここでは、基礎トレーニングから発展トレーニング、子ども向け・成人向けのトレーニングまで解説します。
基礎トレーニング
STEP
01
1. 舌の正しい位置を覚えるトレーニング(スポットトレーニング)
目的
スポットトレーニングは、舌の正しい位置(スポット)を覚え、正しく維持するための基礎的なトレーニングです。主な目的は以下の通りです。
- 舌の正しい位置を習得する
舌先を上顎の「スポット」に正しく配置し、習慣化することで、口腔機能を向上させます。 - 舌の筋力を鍛える
舌を正しい位置に維持するための筋力を強化し、低位舌や舌癖を改善します。 - 口呼吸の改善
舌が適切な位置にあることで、口が自然に閉じ、鼻呼吸がしやすくなります。 - 嚥下や発音の改善
舌の正しい動きが身につくことで、飲み込みや発音がスムーズになります。
方法
スポットトレーニングの具体的な実施方法は以下の通りです。
- スポットの確認
- 舌の先を、上顎の前歯のすぐ後ろ(Nスポット)に軽く当てる。
- Nスポットの位置を意識し、そこに舌を自然に置く習慣をつける。
- 舌の維持トレーニング
- 舌先をスポットに置いたまま、数秒間キープする(5~10秒程度)。
- これを1セット10回、1日2~3回行う。
- 舌全体を上顎につける練習
- 舌先だけでなく、舌全体を上顎に軽く押し付ける。
- その状態を数秒間キープし、舌の筋肉を意識する。
- 日常生活で意識する
- 会話や食事以外の時間でも、舌がスポットにあるかをチェックする。
- 唇を閉じ、鼻呼吸をしながら自然に維持することを心がける。
ポイント
- 舌先を正確にスポットに置く
舌が歯に触れないようにし、適切な位置を維持することが重要。 - 無理な力を入れない
強く押し付けすぎると疲れやすいため、リラックスした状態で行う。 - 舌の動きを意識する
舌先だけでなく、舌全体が適切な位置にあるか確認する。 - 日常的に意識する
トレーニング時間だけでなく、普段の生活でもスポットを意識することで、定着が早くなる。 - 毎日継続することが大切
舌の正しい位置は習慣化が重要なため、毎日コツコツと続ける。
スポットトレーニングは、MFTの基本となる重要なトレーニングです。舌の正しい位置を習得することで、口腔機能の向上や歯並び・噛み合わせの改善につながります。正しく行い、日常的に意識することで効果を高めましょう。
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STEP
02
2. ポッピング
目的
ポッピング(Popping)は、MFT(口腔筋機能療法)のそのままとして行われる舌のトレーニングの一つです。 主な目的は以下の通りです。
- 舌の正しい位置を習得する
舌を上顎に当て、正しい位置で動くことで、舌の正しい動きを身に付けます。 - 舌の筋力向上
舌の筋肉を鍛えることで、低位の舌や舌癖を改善し、口呼吸を防ぎます。 - 口腔機能の向上
正しい嚥下(飲み込み方)や発音をサポートし、歯並びや噛み合わせの改善にもつながります。
方法
ポッピングの具体的なトレーニング方法は以下の通りです。
- 舌の準備
- 舌全体を上顎に考えて持ち上げる。
- 舌先はスポット(Nスポット)に軽く受ける。
- ポ動作
- 舌を強く考えた後、一気に離れて「ポン」という音を我慢。
- これを10回程度保存。
- 回数・頻度
- 1セット10回を目安に、1日2~3回実施するのが理想的です。
ポイント
- 舌全体をしっかりと上顎に塗ることで
舌先だけでなく、舌の多くを上顎に密着させることで効果が高まります。 - 正しい位置で音を我慢しながら
舌がスポットからならないように意識しながら行います。 - 口を大きく開けすぎない
口を開きすぎると舌の動作が自然になりやすいため、適度にリラックスした状態で行います。 - 毎日継続することが重要な
舌の筋力はすぐには鍛えられないため、毎日コツコツ続けることが大切です。
ポッピングは、舌の筋力向上と正しい位置の習得に役立つトレーニングです。MFTの他のトレーニングと言うことで、口腔機能の改善につながり、歯並びや噛み合わせの調整効果もあります。
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STEP
03
3. ポスチャー
目的
ポスチャー(Posture)は、MFT(口腔筋機能療法)の基本となるトレーニングの一つで、舌や口唇の正しい姿勢(ポジション)を維持することを目的としています。主な目的は以下の通りです。
- 舌の正しい位置を習得する
舌を上顎に正しく配置することで、嚥下や発音の機能を正常化します。 - 口唇の閉鎖を習慣化する
口が開いたままの癖を改善し、口呼吸を防ぎます。 - 正しい口腔習慣の定着
正しい舌・口唇の位置を意識することで、歯並びや噛み合わせの改善につながります。
方法
ポスチャーの具体的なトレーニング方法は以下の通りです。上の犬歯のうしろにストローを置いて歯をかみあわせ、口唇を軽く閉じます。
- 舌の正しい位置を確認する
- 舌の先をスポット(Nスポット:上顎の前歯のすぐ後ろ)に軽く当てる。
- 舌全体を上顎に密着させるように意識する。
- 口唇の正しい位置を確認する
- 唇を軽く閉じ、上下の歯を接触させないようにする(軽く離した状態を保つ)。
- 口元がリラックスした状態を意識する。
- 鼻呼吸を意識する
- 口を閉じたまま、鼻でゆっくりと呼吸をする。
- 口呼吸の癖がある場合は、意識的に鼻呼吸を習慣づける。
- 日常生活で実践する
- 会話や食事以外の時間は常にこの姿勢を意識する。
- 姿勢を正して行うことで、より効果が高まる。
ポイント
- 舌をスポットに正しく配置する
舌の先だけでなく、舌全体が上顎に接していることを確認する。 - 歯をかみしめない
上下の歯は常に軽く離しておくことで、無意識の食いしばりを防ぐ。 - 口を開けたままにしない
唇を閉じることを習慣化し、口呼吸を防ぐ。 - 正しい姿勢を保つ
猫背にならないように注意し、背筋を伸ばして顎を引く。 - 毎日意識して継続する
無意識の習慣を変えるためには、日常生活で意識しながら実践することが重要。
ポスチャーは、MFTの基礎となる重要なトレーニングであり、舌や口唇の正しい位置を意識することで、嚥下や発音の改善、歯並びの安定化につながります。日常生活で継続的に実践することで、口腔機能の向上に大きく貢献します。ことで、嚥下や発音の改善、歯並びの安定化につながります。日常生活で継続的に実践することで、口腔機能の向上に大きく貢献します。
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発展トレーニング
基礎トレーニングに慣れてきたら、嚥下や口輪筋の強化を目的としたトレーニングを行います。
3. 嚥下トレーニング(正しい飲み込み方の習得)
目的: 舌の正しい動きを習得し、飲み込む力を向上させる。
方法:
- 一口の水を口に含む。
- 舌先をスポットにつけたまま、水を舌の奥へ運ぶ。
- 唇を閉じた状態で、舌を上顎に押し付けながら飲み込む。
✅ ポイント:
- 下唇に力を入れず、口角が上がらないようにする。
- 飲み込むときに、首や顎に余計な力を入れない。
4. 口輪筋の強化トレーニング(ストローエクササイズ)
目的: 口の周りの筋力を鍛え、しっかりとした閉口習慣を身につける。
方法:
- ストローを使って、コップの水を飲む(できるだけ細いストローが効果的)。
- 唇だけでストローをくわえ、歯を使わずに吸う。
- 水をゆっくり飲み込む。
✅ ポイント:
- ストローの先を唇だけでしっかりくわえること。
- 最後まで水を吸い切るように意識する。
子ども向けMFTトレーニング
遊びながらできるトレーニングを取り入れることで、子どもでも楽しく継続できます。
5. 遊びながらできるトレーニング(風船ふくらまし)

目的: 口の周りの筋肉と肺活量を鍛える。
方法:
- 風船を口で膨らませる。
- できるだけ長く息を吐き続ける。
- 1日2~3回繰り返す。
✅ ポイント:
- 風船を膨らませるのが難しい場合は、小さなゴムボールを噛みながら息を吐く練習から始める。
成人向けMFTトレーニング
成人は、矯正治療の補助やいびき・睡眠時無呼吸症候群の改善を目的としたトレーニングが効果的です。
6. 口腔周囲筋を鍛えるエクササイズ(MFTガムトレーニング)
目的: 咀嚼筋を鍛え、噛む力を強化する。
方法:
- 片側の奥歯でガムを噛む(左右10回ずつ)。
- 舌を使ってガムを反対側に移動させる。
- これを繰り返す。
✅ ポイント:
- しっかり奥歯で噛むことを意識する。
- 片側だけで噛み続けないように注意する。
8. いびき・睡眠時無呼吸症候群対策(舌トレーニング)
目的: 舌の筋力を強化し、気道を確保する。
方法:
- 舌を上顎に強く押し付け、5秒間キープ。
- 舌を左右に動かしながら、5回ずつ繰り返す。
- 口を閉じたまま、舌を前に突き出し、5秒間キープ。
✅ ポイント:
- 寝る前に行うことで、気道の開きが改善され、いびきが軽減される。
- 舌の位置を意識しながら、毎日継続することが重要。
まとめ
- 基礎トレーニングでは、舌の位置や唇の閉鎖を意識し、正しい機能を習得する。
- 発展トレーニングでは、嚥下や口輪筋の強化を行い、より高度な口腔機能を目指す。
- 子ども向けには、遊びながらできるトレーニングを取り入れ、楽しく習慣化することが大切。
- 成人向けには、矯正治療の補助やいびき対策など、目的に応じたトレーニングを行う。
次のセクションでは、MFTの効果やメリットについて詳しく解説します。
自宅でできる!舌癖改善のための簡単トレーニング法
唇のマッサージ
力を入れすぎている唇は、「凝っている肩」と同じで、血行が悪く、筋肉も固まっています。下あごの先端に梅干の様なシワが寄っていれば、歯並びを悪くする兆候です。
上下の唇やその周りの筋肉をほぐすことで、健全な口腔機能の成長を促すことに繋がります。
Method
01

上下の唇をつまむ
上下の唇をつまんでマッサージします。つまんで引っ張る動作も加えます。
Method
02
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親指と人差し指でもみほぐす
親指と人差し指で上下の唇をもみほぐし、引っ張ったりしてマッサージします。
Method
03
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口腔内に指を入れ引っ張る
口腔内に指を入れ、頬粘膜を上下左右に引っ張ります。
ブクブクうがい・ガラガラうがい
ブクブクうがい・ガラガラうがいが上手に出来ない子供がいます。本来獲得すべき筋肉の機能が身についていないことになります。この状態のまま小学生になると歯列不正の原因ともなります。
ブクブクうがいは、上下左右そして真ん中で出来るようにしてください。
あいうべ体操
「あ」「い」「う」「べ」と言いながら唇や舌の筋肉をトレーニングする方法「あいうべ体操」を実践して下さい。
4. MFTの効果とメリット
MFT(口腔筋機能療法)は、単に歯並びを改善するだけでなく、呼吸や発音、姿勢など全身の健康にも良い影響を与えます。ここでは、MFTの主な効果とそのメリットについて詳しく解説します。
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1. 正しい舌の位置が影響を与える
舌の位置は、歯並びや口腔機能だけでなく、顔のバランスや健康にも大きな影響を与えます。
正しい舌の位置(スポット)とは?
- 舌先が上顎の「スポット」(前歯のすぐ後ろのくぼみ)に位置する
- 舌の裏側全体が上顎に密着する
- 舌が下がらず、口の中で安定する状態を維持する
舌の位置が悪いとどうなる?
- 舌が下がると口呼吸が増える → 風邪をひきやすくなり、歯並びも悪化
- 舌が前に出ると歯並びが崩れる → 開咬(前歯が噛み合わない)や出っ歯の原因に
- 舌の力が弱いと嚥下(飲み込み)がうまくできない → 食べこぼしや発音の不明瞭さにつながる
MFTでは、舌を正しい位置に導き、歯並びだけでなく健康全体を改善する効果があります。
2. 呼吸の改善(口呼吸→鼻呼吸への移行)
口呼吸は、歯並びの悪化だけでなく、健康にも様々な悪影響を与えます。
口呼吸が引き起こす問題
- 口の中が乾燥しやすく、虫歯や歯周病のリスクが増加
- 風邪やインフルエンザにかかりやすくなる
- いびきや睡眠時無呼吸症候群の原因になる
- 口が常に開いていることで、歯並びが悪化しやすい
MFTで鼻呼吸を習慣化
- 唇を閉じる筋力を鍛え、自然と鼻呼吸ができるようにする
- 舌の正しい位置を保ち、気道を確保しやすくする
- 鼻呼吸が習慣化することで、免疫力が向上し、健康状態が改善
✅ メリット:
MFTを継続することで、自然と口呼吸の習慣が改善され、健康な呼吸習慣が身につきます。
3. 矯正治療の補助効果
MFTは矯正治療と併用することで、より高い治療効果を発揮します。
矯正治療中にMFTを行うメリット
- 矯正装置だけでは解決できない舌癖や口周りの筋肉の問題を補正
- 歯の後戻りを防ぎ、矯正後の歯並びの安定性を高める
- 矯正装置の効果を最大化し、治療期間の短縮につながる
MFTなしで矯正すると…
- 舌や口の筋肉の問題が残るため、矯正後に後戻りしやすい
- 口呼吸が続くと、歯並びが乱れやすく、再治療の可能性が高まる
- 舌癖によって、歯列が元の状態に戻りやすくなる
✅ メリット:
矯正治療とMFTを組み合わせることで、より安定した歯並びを長期間維持できます。
4. 顎関節症の予防
MFTは、顎関節症の予防や症状改善にも効果的です。
顎関節症とは?
- 顎の痛みや違和感
- 口を開け閉めする際に「カクカク」と音が鳴る
- 口が開きにくくなる
顎関節症の主な原因
- 舌の位置が悪い → 顎のバランスが崩れる
- 噛み合わせが悪い → 顎関節に負担がかかる
- 口周りの筋肉が弱い → 顎がスムーズに動かない
MFTによる顎関節症の改善
- 正しい舌の位置を覚えることで、顎のバランスが安定する
- 口周りの筋力を強化し、無理のない噛み合わせをサポート
- 不要な舌の動きを減らし、顎関節への負担を軽減
✅ メリット:
MFTを続けることで、顎の負担を減らし、痛みや違和感の軽減が期待できます。
5. 発音・滑舌の改善
MFTは、舌や口周りの筋肉を鍛えるため、発音や滑舌の向上にも役立ちます。
発音が悪くなる原因
- 舌の動きが悪く、正しい音が出せない
- 口呼吸によって、発音時の息の使い方が不十分
- 舌突出癖があり、サ行やタ行の発音が不明瞭になる
MFTで発音を改善
- 舌の筋力を鍛え、適切な位置で発音できるようにする
- 口周りの筋肉を鍛え、明瞭な発音を習得する
- 口呼吸を改善し、発声時の息のコントロールを向上
✅ メリット:
MFTを行うことで、発音がクリアになり、滑舌が向上します。
6. 姿勢の改善効果
舌の位置と姿勢は密接に関係しており、MFTを行うことで自然と姿勢も改善されます。
悪い舌の位置が姿勢に与える影響
- 舌が下がると、頭の位置が前に出て猫背になりやすい
- 口呼吸が習慣化すると、首や肩の筋肉が緊張しやすい
- 姿勢が悪くなることで、顎関節症や肩こり、頭痛の原因になる
MFTによる姿勢改善
- 舌の位置を正しく保つことで、頭が正しい位置に戻る
- 口呼吸を改善し、体のバランスが整う
- 顎や首、肩の負担が減り、肩こりや頭痛の予防にもつながる
✅ メリット:
MFTを続けることで、自然と良い姿勢が身につき、全身のバランスが整うようになります。
まとめ
- 舌の位置を正しく保つことで、歯並びや噛み合わせが安定
- 口呼吸を鼻呼吸に変え、健康状態が向上
- 矯正治療の補助効果があり、後戻りを防ぐ
- 顎関節症の予防・改善に効果的
- 発音・滑舌の向上に役立つ
- 姿勢が良くなり、肩こりや頭痛の予防にもつながる
次のセクションでは、MFTの治療の流れについて詳しく解説します。
5. MFTの治療の流れ
MFT(口腔筋機能療法)は、単にトレーニングを行うだけでなく、個々の状態に応じた適切な計画のもとで実施することが重要です。ここでは、MFTの具体的な治療の流れについて解説します。
1. 初診での観察・評価(舌圧測定・口腔内チェック)
MFTを開始する前に、現在の口腔機能や習慣を詳しく評価し、治療の方向性を決めます。
主な評価項目
✅ 舌の位置と動きのチェック
- 舌が正しい位置(スポット)にあるか
- 休息時に舌が下がっていないか
- 舌を動かしたときに左右差がないか
✅ 嚥下(飲み込み)のチェック
- 舌の使い方が正しいか
- 飲み込む際に顎や口唇の不適切な動きがないか
✅ 口呼吸か鼻呼吸かの確認
- 唇を閉じた状態で鼻呼吸ができているか
- 口を開けたまま生活する癖がないか
✅ 舌圧測定
- 舌の筋力を測定し、トレーニングの必要性を判断
- 舌圧計を使用し、舌の力が適正値に達しているか確認
✅ 口腔内チェック
- 歯並びや噛み合わせの状態
- 口腔筋の発達度合い
- 舌小帯(舌の裏側のひも)の状態
🔍 この評価をもとに、患者一人ひとりに合った治療計画を立てます。
2. 個別プログラムの作成
評価結果に基づいて、MFTの具体的なトレーニング内容を決定します。
プログラム作成のポイント
✅ 改善すべきポイントを特定
- 口呼吸の改善
- 舌の正しい位置の習得
- 嚥下のトレーニング
- 口輪筋の強化
✅ 年齢・生活習慣に合わせたプラン
- 子ども向け: 遊びながらできるトレーニング
- 成人向け: 矯正治療や睡眠時無呼吸症候群対策
✅ トレーニング頻度・期間の設定
- 週1回~月1回の通院 + 自宅トレーニング
- 1回5~10分のトレーニングを毎日実施
📝 トレーニングの計画は、矯正治療と併用する場合や口腔習癖の強さによって調整されます。
3. トレーニングの指導とフォローアップ
トレーニングは、専門の歯科医師・歯科衛生士の指導のもとで行い、自宅でも継続できるように指導を受けます。
MFTの主なトレーニング内容
✅ 舌の位置を正すトレーニング
- 舌をスポットに置き、正しい位置を意識する
✅ 嚥下(飲み込み)トレーニング
- 舌を上顎につけたまま水を飲み込む練習
✅ 口輪筋(唇の筋肉)を鍛えるトレーニング
- 唇を閉じる力を強化するためにストローを使う
✅ 口呼吸を防ぐリップシールトレーニング
- 口を閉じた状態で紙を挟み、落とさないようにする
フォローアップ
- 2~4週間ごとに通院し、進捗を確認
- 必要に応じてトレーニング内容を調整
- 改善が見られない場合は、追加の治療を検討
4. 治療期間の目安
MFTの治療期間は、患者の状態やトレーニングの習慣化により異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
治療期間の目安
✅ 軽度のケース(舌の位置の改善のみ)
約3~6か月
- 舌の正しい位置を覚え、自然に維持できるようになる
✅ 中程度のケース(口呼吸・嚥下改善)
6か月~1年
- 口呼吸が改善し、正しい嚥下習慣が定着
✅ 重度のケース(矯正治療と併用)
1年以上
- 矯正治療の進行に合わせ、長期的にトレーニングを実施
⏳ MFTの効果を最大化するには、毎日のトレーニングの継続が重要です。
5. 矯正治療と併用する場合の進め方
矯正治療とMFTを組み合わせることで、歯並びの安定性を高め、治療後の後戻りを防ぐことができます。
矯正治療とMFTのスケジュール
1️⃣ 矯正治療前
- 口呼吸や舌癖を改善し、矯正治療をスムーズに進める準備をする
- MFTを行うことで、自然な顎の成長を促す
2️⃣ 矯正治療中
- 矯正装置による歯の移動を補助し、正しい筋機能を習得
- 舌の癖を直し、矯正の後戻りを防ぐ
3️⃣ 矯正治療後
- 正しい舌の位置や口腔習慣を維持し、後戻りを防ぐ
- 矯正後の歯並びが安定するまでMFTを継続
✅ 矯正治療だけでは解決できない問題をMFTが補完するため、併用することでより良い結果が得られます。
まとめ
- MFTの治療は、まず初診で口腔機能の評価を行い、個別プログラムを作成
- トレーニングは、専門家の指導のもとで実施し、自宅でも継続することが重要
- 軽度なら3~6か月、中程度なら6か月~1年、重度なら1年以上の治療期間が目安
- 矯正治療と併用することで、歯並びの安定性が向上し、後戻りを防ぐ
次のセクションでは、MFTの費用や保険適用の可能性について詳しく解説します。
6. MFTの費用と保険適用の可能性
MFT(口腔筋機能療法)は、矯正治療の補助や口腔機能の改善に役立つトレーニングですが、費用は歯科医院によって異なります。また、自由診療か保険適用かによっても負担額が変わるため、事前に確認することが重要です。ここでは、MFTの費用相場や保険適用の有無、歯科医院の選び方について解説します。
1. MFTにかかる一般的な費用相場
MFTの費用は、治療を受ける歯科医院やトレーニングの回数によって異なります。以下は一般的な相場です。
① 初診・カウンセリング
- 費用相場: 3,000円~10,000円(自由診療の場合)
- 内容: 口腔内のチェック、舌圧測定、嚥下機能の評価、治療計画の説明
② MFTトレーニング(1回あたり)
- 費用相場: 5,000円~15,000円
- 内容: 個別指導、トレーニング方法の確認、経過観察
- 通院頻度: 2~4週間に1回(合計6~12回が目安)
③ MFTの総費用
MFTは数か月~1年以上にわたる継続的なトレーニングが必要なため、総額では以下のような費用がかかるケースが多いです。
治療期間 | 費用の目安 |
---|---|
軽度(3~6か月) | 30,000円~100,000円 |
中等度(6か月~1年) | 60,000円~200,000円 |
重度(1年以上) | 100,000円~300,000円 |
※ クリニックによっては、数回分のトレーニングをセット料金として提供している場合もあります。
2. 当院のMFT の費用
自費治療
保険適用外です。
種類 | 金額 ※単位:円 |
---|---|
プレオルソ | 相談料 3,000円、精密検査料 30,000円、1年毎に80,000円。 ※ 2年目以降は、更に治療を続けるか、その都度ご相談します。 初年度は、合計で11,3000円(税別)、124,300円(税込み) |
MFT | 66,000円 (税別)、72,600円(税込み) |
舌小帯切除手術 | 10,000円(税別)、11,000円(税込み) ※舌小帯の付着が強く舌の動きを阻害している場合。 |
3. 自由診療と保険適用の違い
MFTは基本的に自由診療ですが、一部の場合には保険適用となることがあります。
① 自由診療のMFT
- 対象: 歯科医院・矯正歯科で実施されるMFT
- 費用: 全額自己負担
- メリット: 治療プランを柔軟に調整できる/矯正治療と並行して専門的な指導が受けられる
- デメリット: 費用が高額になりやすい
② 保険適用となる場合
MFTが健康保険の適用となるのは、以下のようなケースです。
✅ 医科でのリハビリとして実施する場合
- 耳鼻咽喉科や言語聴覚士のリハビリの一環としてMFTが行われる場合、健康保険が適用されることがあります(例:摂食嚥下リハビリテーション)。
- 自己負担額: 1回あたり数百円~数千円(保険診療3割負担の場合)
✅ 口腔機能発達不全症の治療として行う場合
- 2018年より、**「口腔機能発達不全症」**の診断がついた場合、小児(主に15歳未満)に対してMFTが保険適用されることがあります。
- 対象: 15歳未満で、舌の位置や口腔機能の問題が認められる場合
- 診断基準: 嚥下障害、構音障害(発音の問題)、口呼吸などがある
- 自己負担額: 1回あたり500円~3,000円程度、江戸川区在住であれば無料
③ 保険適用にならないケース
- 矯正治療の一環としてMFTを行う場合(自由診療)
- 大人のMFT(医科でのリハビリ以外は基本的に自由診療)
✅ 結論:
一般的なMFTは自由診療が基本だが、小児の口腔機能発達不全症や医科でのリハビリとして行う場合は、保険適用の可能性がある。
3. MFTを受けられる歯科医院の選び方
MFTは、専門的な知識と技術を持つ歯科医師・歯科衛生士のもとで受けることが大切です。以下のポイントを参考に、適切な歯科医院を選びましょう。
① 矯正歯科・小児歯科・予防歯科でMFTを実施している医院
- 矯正治療を専門にしている歯科医院では、MFTを併用した治療が行われることが多い。
- 小児歯科では、子どもの口腔機能発達を考慮したMFTを実施していることがある。
- 予防歯科を重視している医院では、歯並びの崩れを防ぐ目的でMFTを取り入れている。
② MFT専門の歯科医師・歯科衛生士がいるか
- MFTの指導には、専門的な知識と技術が必要。
- 「口腔筋機能療法を専門にしている歯科衛生士」が在籍している医院を選ぶと、より効果的なトレーニングが受けられる。
③ 継続的なフォローアップ体制があるか
- MFTは数か月~1年以上の継続が必要なため、定期的なフォローアップが可能な歯科医院を選ぶことが重要。
- 2~4週間ごとのチェックが推奨される。
④ 保険適用の可否を事前に確認
- 小児のMFTで**「口腔機能発達不全症」**の診断がつく場合、保険適用の可能性があるため、医院に確認する。
✅ チェックリスト
✅ 矯正歯科・小児歯科・予防歯科でMFTを実施している
✅ MFTに精通した歯科医師・歯科衛生士がいる
✅ 継続的なフォローアップ体制がある
✅ 保険適用の可能性について確認できる
まとめ
- MFTの費用は初診3,000~10,000円、トレーニング1回5,000~15,000円が相場。
- 軽度のMFTは30,000円~、長期的な治療では100,000円以上かかることが多い。
- 基本的に自由診療だが、小児の「口腔機能発達不全症」や医科でのリハビリとしてのMFTは保険適用の可能性がある。
- MFTを受ける際は、矯正歯科・小児歯科・予防歯科を中心に、専門的な指導が受けられる医院を選ぶことが重要。
次のセクションでは、MFTを導入している歯科医院の選び方についてさらに詳しく解説します。
7. MFTを取り入れている歯科医院の選び方
MFT(口腔筋機能療法)を受ける際には、適切な歯科医院を選ぶことが重要です。MFTに精通した歯科医師や歯科衛生士が在籍し、患者の状態に合わせた適切なプログラムを提供している医院を選ぶことで、より効果的なトレーニングが可能になります。ここでは、MFTを取り入れている歯科医院の選び方について詳しく解説します。
1. MFTに精通した歯科医師・歯科衛生士のいる医院を選ぶ
MFTは、専門的な知識と技術が必要な治療法です。そのため、MFTに精通した歯科医師や歯科衛生士が在籍している医院を選ぶことが大切です。
✅ MFTの専門知識を持つ歯科医師・歯科衛生士の特徴
- MFTの研修・セミナーを受講し、実践経験が豊富
- MFTに特化した治療プログラムを提供している
- 矯正歯科医と連携しながらMFTを実施している
- 患者の舌圧測定・嚥下機能評価などをしっかり行う
✅ チェックポイント
☑ 医院のホームページに「MFT(口腔筋機能療法)」に関する記載があるか
☑ MFTの専門資格や研修を受けた歯科医師・歯科衛生士が在籍しているか
☑ MFTの実績や症例を紹介しているか
💡 事前に問い合わせをして、「MFTの専門的な指導が受けられるか」を確認するのも良い方法です。
2. 矯正歯科とMFTの併用治療が可能か
MFTは単独でも行えますが、矯正治療と併用することでより高い効果を得られます。特に、舌癖や口呼吸が原因で歯並びが悪くなっている場合、矯正治療とMFTを組み合わせることで、より安定した歯列を維持できます。
✅ 矯正歯科との併用のメリット
- 矯正治療前: MFTを行うことで、口腔習癖を改善し、矯正がスムーズに進む
- 矯正治療中: 舌癖や口呼吸を改善し、歯並びが後戻りしにくくなる
- 矯正治療後: 保定期間中にMFTを継続することで、後戻りを防ぐ
✅ 併用治療を行っている歯科医院の特徴
- 矯正治療とMFTをセットで提供している
- 矯正治療の前後でMFTの評価・指導を行う
- 歯科矯正医とMFT専門の歯科衛生士が連携している
- 矯正治療の進行に応じてMFTのプログラムを調整してくれる
✅ チェックポイント
☑ 矯正治療とMFTを組み合わせたプログラムがあるか
☑ MFTの開始時期・頻度・内容が矯正治療の計画に組み込まれているか
☑ 矯正装置の影響を考慮したMFTのトレーニングが用意されているか
💡「矯正歯科専門医院 + MFT指導」が一体となっている医院を選ぶと、スムーズに治療を進められます。
まとめ
- MFTに精通した歯科医師・歯科衛生士が在籍する医院を選ぶことが重要
- 医院ごとに異なるプログラム内容を確認し、自分に合った治療を受ける
- 矯正治療と併用できる医院を選ぶと、歯並びの安定性が向上
8. まとめ
MFT(口腔筋機能療法)は、単に歯並びや噛み合わせを整えるだけでなく、呼吸・発音・姿勢など全身の健康にも影響を与える重要な治療法です。正しい舌の位置や口腔筋の機能を習得することで、矯正治療の成功率を高めるだけでなく、口呼吸の改善やいびき・睡眠時無呼吸症候群の予防にもつながります。
1. MFTは歯並びや噛み合わせだけでなく、全身の健康にも影響を与える
✅ 歯並びの改善
- 舌や口周りの筋肉を鍛えることで、自然な歯並びをサポート
- 矯正治療の補助として機能し、治療後の後戻りを防ぐ
✅ 口呼吸の改善・健康への影響
- 口呼吸が改善され、虫歯・歯周病・口臭のリスクが軽減
- 鼻呼吸が促進され、免疫力が向上し、風邪やアレルギーの予防につながる
✅ 発音・嚥下の向上
- 舌の正しい使い方を学び、発音や滑舌が改善
- 正しい飲み込み方を習得し、食べこぼしやむせるリスクを軽減
✅ 顎関節症・姿勢の改善
- 正しい舌の位置を維持することで、顎関節の負担が軽減
- 姿勢が改善され、肩こりや首の痛みを防ぐ
2. 早めに始めるほど効果が期待できる
MFTは年齢を問わず実施できますが、早期に始めるほど効果が大きいとされています。
✅ 子ども(5~12歳)におけるMFTのメリット
- 永久歯が生えそろう前に適切な口腔習慣を身につけられる
- 矯正治療が必要になる可能性を減らせる
- 口呼吸や舌癖を早期に改善し、正しい成長発育を促せる
✅ 成人におけるMFTのメリット
- 矯正治療と併用することで、治療効果を最大限に高められる
- 睡眠時無呼吸症候群やいびきの改善につながる
- 顎関節症の予防や、発音の明瞭化に効果的
⏳ できるだけ早くMFTを始めることで、歯並びや健康状態を良好に維持しやすくなります。
3. MFTは自己流でやるよりも専門家の指導を受けるのがベスト
MFTのトレーニングは簡単なものもありますが、間違った方法で行うと逆効果になることもあるため、専門家の指導のもとで正しく実施することが重要です。
✅ 専門家の指導を受けるメリット
- 個別の口腔状態に合わせたプログラムを作成してもらえる
- 舌の位置や筋肉の使い方を適切に指導してもらえる
- 定期的なフォローアップがあり、トレーニングの進捗をチェックできる
✅ 専門的なMFTを受ける方法
- MFTに精通した歯科医師・歯科衛生士のいる医院を選ぶ
- 矯正歯科や小児歯科でMFTを取り入れているか確認する
- 定期的に医院で指導を受けつつ、自宅でもトレーニングを継続する
💡 自己流ではなく、プロの指導を受けることで、MFTの効果を最大限に引き出せます。
まとめ
✔ MFTは歯並びだけでなく、呼吸・発音・姿勢など全身の健康に影響を与える
✔ 早めに始めるほど効果が期待でき、小児の矯正治療や成人の健康維持に役立つ
✔ 自己流ではなく、MFTに精通した歯科医師や歯科衛生士の指導を受けるのがベスト
MFTを正しく継続することで、歯並びや健康を長く維持できるようになります。ぜひ専門家の指導のもと、適切なトレーニングを実施していきましょう!
江戸川区篠崎でMFT(口腔筋機能療法)を取り入れた歯科治療を提供!

江戸川区篠崎の当院では、**MFT(口腔筋機能療法)**を取り入れた治療を行っています。MFTは、舌や口の周囲の筋肉を鍛えることで、歯並びの改善、口呼吸の是正、正しい嚥下(飲み込み)や発音の習得をサポートするトレーニングです。
✅ お子さまの歯並びを整えたい方
✅ 口呼吸が気になる方
✅ 舌の位置や発音が気になる方
このようなお悩みがある方は、ぜひ一度ご相談ください!江戸川区にお住まいの方へ朗報です!口腔機能発達不全症の病名が付けばMFT(口腔筋機能療法)を保険適用で受けることができます。さらに、**江戸川区の「子ども医療費助成制度」**により、高校3年生相当(18歳到達後の最初の3月31日まで)のお子さまは自己負担なし(無料)で治療が可能です。
【動画】指しゃぶりや指吸いを止めさせる方法
筆者・院長

深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。