「口の中が白い」「舌が白くなっている」「頬の内側に白い斑点がある」などの症状があると、「そのうち治るだろう」と様子を見てしまう方も少なくありません。

しかし、口の中が白く見える原因には、舌苔(ぜったい)や口内炎のように自然に改善するものだけでなく、白板症や口腔扁平苔癬、さらには口腔がんなど、早期の診断・治療が重要な病気が隠れていることもあります。

この記事では、口の中が白くなる主な原因、それぞれの特徴、自宅でできるケア、歯科を受診すべきタイミングについて詳しく解説します。

✓ 頬の内側が白い

✓ 舌が白い

✓ 白い膜が取れない

✓ 白い斑点がある

✓ 痛みはないけれど気になる

✓ がんではないか心配

このような症状がある場合は、原因によって対応が異なります。まずは白い部分の特徴を確認してみましょう。

白い部分は「こすると取れますか?」

これだけでも考えられる病気が大きく変わります。

こすると取れるこすっても取れない
舌苔白板症
カンジダ症扁平苔癬
食べ物の付着摩擦性角化症
口腔がん

※自己判断は難しいため、気になる場合は歯科医院で診察を受けましょう。

ここから各疾患を解説します。

① 舌苔(ぜったい)

舌苔
舌苔

特徴

舌の表面に白い苔のようなものが付着する状態です。

主な原因

・細菌

・食べかす

・口の乾燥

・唾液不足

・口呼吸

治療

舌ブラシや口腔ケアによって改善することが多くあります。

② 口内炎・頬を噛んだ傷

舌の裏に生じたアフタ性口内炎
舌の裏に生じたアフタ性口内炎

口内炎や誤って頬を噛んだ傷では、傷口が白く見えることがあります。

通常は1〜2週間ほどで改善しますが、治らない場合は別の病気の可能性もあります。

③ 口腔カンジダ症

下顎歯槽堤にみられる口腔カンジダ症
下顎歯槽堤にみられる口腔カンジダ症

口腔カンジダ症は、カンジダという真菌(カビ)が増殖して起こる感染症です。

特徴

・白い膜ができる

・こすると取れる

・赤くただれる

起こりやすい人

・高齢者

・義歯使用者

・糖尿病

・ドライマウス

・抗菌薬使用後

治療

抗真菌薬による治療と口腔清掃を行います。

④ 白板症

下顎臼歯部の頬粘膜に見られる白板症
下顎臼歯部の頬粘膜に見られる白板症

白板症は、こすっても取れない白い病変です。

初期は痛みがないことが多く、自覚症状に乏しいため注意が必要です。

一部は口腔がんへ移行する可能性があるため、必要に応じて組織検査(生検)を行います。

⑤ 口腔扁平苔癬

頬粘膜に網目状の白斑がみられる典型的な口腔扁平苔癬の所見。炎症により粘膜が荒れ、違和感やヒリつきを伴うことがあります。
頬粘膜に網目状の白斑がみられる典型的な口腔扁平苔癬の所見。炎症により粘膜が荒れ、違和感やヒリつきを伴うことがあります。
舌側縁にみられる扁平苔癬

レース状・網目状の白い模様が特徴です。

慢性的な炎症性疾患であり、定期的な経過観察が必要です。

⑥ 口腔がん

舌の側面に白く硬さを伴う潰瘍が見られる状態(矢印)。舌がんでも同様の症状が現れるため、早期に専門的な検査が必要です。
舌の側面に白く硬さを伴う潰瘍が見られる状態(矢印)。舌がんでも同様の症状が現れるため、早期に専門的な検査が必要です。

口腔がんは初期には痛みが少ないことが多く、

・白い病変

・赤い病変

・しこり

・治らない潰瘍

として見つかることがあります。

早期発見・早期治療が非常に重要です。

・舌苔

・カンジダ

・白板症

頬の内側

・噛み癖

・扁平苔癬

・白板症

歯ぐき

・義歯の刺激

・白板症

上あご

・カンジダ

・義歯性口内炎

唇の裏

・口内炎

・摩擦性角化症

✓ 白い部分が2週間以上治らない

✓ こすっても取れない

✓ 少しずつ大きくなる

✓ 硬くなっている

✓ 出血する

✓ しこりがある

✓ 片側だけにできている

✓ 喫煙習慣がある

症状に応じて以下の検査を行います。

  • 視診
  • 触診
  • 擦過試験
  • 細胞診
  • 生検(組織検査)
  • 必要に応じて専門医療機関への紹介

原因を正確に診断したうえで、適切な治療方法をご提案します。

原因主な治療
舌苔舌清掃・生活習慣改善
口内炎経過観察・軟膏
カンジダ症抗真菌薬
白板症経過観察・生検・切除
扁平苔癬症状に応じた薬物療法・経過観察
口腔がん専門医療機関で精査・治療
  • 毎日の歯磨きを丁寧に行う
  • 舌ブラシは力を入れすぎずやさしく使用する
  • よく噛んで唾液の分泌を促す
  • 義歯は毎日清掃する
  • 禁煙・節酒を心がける
  • バランスの良い食事で粘膜の健康を保つ
  • 定期的に歯科検診を受ける

Q. 白い膜は自然に治りますか?
舌苔や軽度の口腔カンジダ症などは改善することがありますが、白板症などは自然に治らないため診察が必要です。

Q. 白板症は必ずがんになりますか?
必ずがんになるわけではありませんが、一部は悪性化する可能性があるため、定期的な経過観察や必要に応じた検査が重要です。

Q. 痛みがなければ様子を見ても大丈夫ですか?
痛みがなくても、白板症や初期の口腔がんでは自覚症状が少ないことがあります。2週間以上続く場合は歯科医院を受診しましょう。

Q. 何科を受診すればよいですか?
まずは歯科または歯科口腔外科の受診をおすすめします。

口の中が白く見える症状の多くは、舌苔や口内炎など比較的心配の少ないものですが、なかには白板症や口腔扁平苔癬、口腔がんなど、早期の診断・治療が重要な病気が隠れていることもあります。

特に「2週間以上治らない」「こすっても取れない」「徐々に大きくなる」といった症状がある場合は、自己判断で様子を見続けず、早めに歯科医院で診察を受けることをおすすめします。

当院では、視診・触診をはじめ、必要に応じて細胞診や組織検査などの精密検査を行い、原因を正確に診断したうえで、一人ひとりの症状に応じた適切な治療をご提案しています。

気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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