サホライド塗布の利点と欠点:虫歯治療における効果と黒変リスク
サホライドとは
虫歯の進行を遅らせ再石灰化作用
サホライドはフッ化ジアミン銀を主成分とする溶液で、虫歯の進行を抑え、象牙質の知覚を鈍くすること(知覚過敏抑制)を目的とした薬です。虫歯になった部分を再石灰化し固くする効果と歯髄近くまで進行したひどい虫歯の痛みを止める効果が期待できます。
虫歯が神経まで達するのを遅らせてくれるので、治療をさせない子供の燃え上がった虫歯の炎を鎮火させてくれるようなものです。虫歯の進行が止まれば、年齢を重なることで治療ができるようになってきます。一般的に5歳になれば6~8割の子供が、6歳になれば9割以上の子供が治療出来るようになります。
サホライドは、以前の虫歯洪水期には虫歯の進行止めとして盛んに使われていましたが、現在ではサホライドを塗布した虫歯部分が真っ黒に変色してしまうという審美的な問題があるとして、余り使われなくなってきています。
虫歯進行止め市販薬?
虫歯進行止めの市販薬は一般的に販売されていません。あえて挙げるとすれば、サホライドほど効果は上がりませんが、フッ素入りの歯磨き粉や洗口剤などがそれに当たるでしょう。
サホライド塗布の頻度
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1ヶ月目
乳歯の大きな虫歯に対するサホライド塗布の目的は虫歯の進行を止めることです。
そのため最初の一ヶ月間は一週間おきに塗ることが理想的です。
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2ヶ月目以降
次の月からは再石灰化作用を期待して1ヶ月に一度塗っていくのが理想的です。このように定期的に塗ることで効果が持続します。
欠点
サホライド塗布した虫歯が黒くなる
サホライドを虫歯に塗布すると数時間で黒くなり始め、一晩寝て起きるとサホライドを塗った虫歯は、真っ黒になっています。サホライドの中の銀イオンが還元され金属銀に化学変化することが黒くなる理由です。
従って、近年では審美的要求度の高い両親が増えたため、乳歯の前歯へのサホライドの積極的使用は控えるようになってきています。一方、目立たない乳臼歯では現在でも使われています。
寝たきりの高齢者への使用
寝たきりの高齢者や知的障害者へ応用
サホライド塗布は数分で終わる簡単な処置のため、治療をさせない乳幼児ばかりではなく、寝たきりの高齢者の永久歯への応用も有効です。
また、同様に治療をさせない知的障害者の永久歯への使用も有効です。
現在では、大人・子供とも保険適用となっています。
サホライドで黒くなった歯を白くしたい
サホライドを塗布すると虫歯部分が黒くなりますが、サホライド塗布した虫歯歯部分は何もしなければそのまま黒い状態が続きます。そこで、白くしたいという欲求も当然起こってきます。その場合には、黒い部分を削ってコンポジットレジンで充填すれば綺麗になります。
サホライドが歯肉や皮膚に付いたら
水や生理食塩水で洗浄
サホライドが歯肉に付いた場合には水や生理食塩水で洗浄します。
皮膚に付いた場合には水や生理食塩水あるいは石鹸水で綺麗に洗い流します。希ヨードチンキを使用しても効果があります。
どうしても黒変部分が残ってしまう場合に無理に取る必要はありません。皮膚や歯肉の新陳代謝で自然に消えていきます。
サホライドが洋服に付いて黒くなったら
サホライドクリーナー
サホライドクリーナーでシミを除去することが出来ます。なお、ナイロン、絹及びウールなどの繊維素材、金属製品は腐食するので使用は禁忌です。
江戸川区篠崎で虫歯進行止めサホライド塗布をご希望の方へ
ふかさわ歯科クリニック篠崎の小児歯科では、虫歯治療に伴う痛みや精神的負担に配慮し、お子様とのコミュニケーションを大切にしながら、お子様が歯医者嫌いにならないよう信頼関係を築くとこらから始めます。どうしても治療が出来ないお子様には乳歯の虫歯進行止めにサホライド塗布を行います。また、マタニティ歯科にも対応し、虫歯菌をお子様に移さないマイナス1歳から始める虫歯予防の指導や妊婦の方が安心して出産できるようサポートも行っています。江戸川区篠崎で虫歯進行止めサホライド塗布を行う小児歯科をお探しの方はぜひ、当院までお気軽にご相談いただければと思います。
【動画】子供の虫歯の見分け方
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。