「できるだけ歯を削りたくない」「本当に治療が必要なのか正確に知りたい」──そんな声に応えるのが、ダイアグノデントペンという最新の虫歯診断機器です。

従来の視診やレントゲンだけでは見逃されやすかった初期の虫歯を、目に見える「数値」として診断できるため、**削らない治療(MI治療)**を実現するための強力なサポートとなっています。

この記事では、ダイアグノデントペンの仕組みや検査の流れ、測定値に基づく治療方針の違い、実際の症例までを詳しく解説します。
ご自身やご家族の歯を守るための新しい選択肢として、ぜひご参考ください。

ダイアグノデントペン
ダイアグノデントペン

🔍 光学式う蝕検出装置の概要

ダイアグノデントペンは、低出力の半導体レーザーを使って歯に微弱な光を当て、その反射光をもとに虫歯の進行度を数値で表示する光学式う蝕検出装置です。
歯を傷つけることなく、初期虫歯の状態を「00〜99」の数値で可視化できるため、虫歯の進行具合を客観的に評価できます。

また、保険診療の対象となっており、通常の検査と併用しながら日常的な診療でも広く活用されています。

💡 なぜ数値で虫歯を診るのか?

従来の虫歯診断では、視診や触診、X線撮影が主な手段でした。しかし、これらの方法では歯の溝や隣接面にできた初期の虫歯を見落とす可能性があります。

ダイアグノデントペンは、目では見えにくいごく初期の虫歯を高精度に検出できるため、早期発見・早期対応が可能です。必要以上に削らずに済む「削らない治療(MI治療)」にもつながる画期的な診断ツールです。

✅ 痛みのない虫歯検査

ダイアグノデントペンは、従来のように探針で歯をつつく必要がなく、レーザー光を当てるだけで虫歯の状態を確認できます。そのため、検査中の痛みや不快感がなく、特にお子さまや妊婦の方にも安心して使用できるのが大きな魅力です。

📊 客観的な虫歯診断

検査結果は「00~99」の数値で表示されるため、診断に主観が入りにくく、患者様にも分かりやすく説明できます。虫歯の進行度に応じて「経過観察で様子を見るのか」「削って治療すべきか」などの判断が明確になり、患者様との信頼関係づくりにもつながります。

🧪 使用プローブと検査手順

ダイアグノデントペンには、通常の噛み合わせ面などに使う「標準プローブ」と、奥歯の歯間部などの見えにくい部分に対応する「隣接面プローブ」の2種類が用意されています。
検査はチェアサイドで手軽に行うことができ、わずか数秒で測定が完了します。視診やX線と組み合わせて活用することで、より正確な診断が可能になります。

📈 数値別の診断目安

ダイアグノデントペンの測定値は「00〜99」で表示され、数値に応じて治療方針が決まります。

  • 00〜12:虫歯の進行は非常に軽度と判断され、削らずに様子を見る「経過観察」が基本となります。必要に応じてフッ素塗布フィッシャーシーラントなどの予防処置を行います。
  • 13〜24:初期虫歯のリスクがやや高く、再石灰化による回復を期待して定期的なフッ素塗布ブラッシング指導を強化します。メインテナンスの間隔を短めに設定することが推奨されます。
  • 25以上:明確な初期虫歯と診断され、コンポジットレジン(CR)による充填治療が必要とされるレベルです。

このように、数値に応じた明確な判断基準があるため、過剰な治療や見逃しを防ぎ、患者ごとに適切な対応ができます。

📷 症例で見る実際の判断例

症例① ダイアグノデントペンで診断
症例① ダイアグノデントペンで診断
症例② ダイアグノデントペンで診断
症例② ダイアグノデントペンで診断

🦷 症例①:奥歯の歯間部にできた初期虫歯

  • 診断部位:左手側の5番と6番の間、6番と7番の間
  • 測定値:いずれも25以上
  • 診断結果:明らかな初期虫歯と判断
  • 治療内容コンポジットレジンによる充填処置

🦷 症例①:右手側6番の歯間部の初期虫歯

  • 診断部位:右手側6番の手前側の歯間部
  • 測定値:20
  • 診断結果:軽度の初期虫歯
  • 治療内容フッ素塗布歯磨き指導による予後観察

😬 症例②:前歯の白濁(審美的な初期虫歯)

  • 診断部位:上顎前歯の犬歯〜犬歯、歯の根元付近
  • 測定値:すべて12以下
  • 診断結果削らない治療が可能な初期虫歯
  • 対応方法
    • 再石灰化を促す処置:フッ素・キシリトール・MIペーストの使用
    • 見た目が気になる場合アイコン(Icon)による審美的処置

このように、ダイアグノデントペンの数値を活用することで、治療の必要性や内容が客観的に判断でき、歯をなるべく削らない治療方針の実現に役立ちます。

📸 デンタルX線との違いと補完

ダイアグノデントペンは、初期虫歯や歯の表面に近い部分の状態を数値化して捉えるのに優れていますが、歯と歯の間(歯間部)や歯肉の下(歯肉縁下)にある虫歯の発見には限界があります。こうした部位においては、**デンタルX線(レントゲン)**による画像診断が非常に有効です。

そのため、両者を組み合わせることで、見逃しを最小限に抑えつつ、より高精度な虫歯診断が可能になります。特に歯間部の虫歯は視診だけでは判断が難しいため、隣接面プローブとX線画像の併用は非常に有効です。

📸デンタルX線による虫歯診断

奥歯6番と7番の歯間部の虫歯
奥歯6番と7番の歯間部の虫歯

📸 上顎6番と7番の歯間部に発見された虫歯

  • 診断部位:上顎の6番と7番の間(歯間部)
  • 診断方法デンタルレントゲンによる撮影でC2の虫歯を確認
  • 補足情報:歯茎に近い位置に虫歯があるため、視診では発見が難しいケースです

🧪 ダイアグノデントペンによる補助診断

目的:レントゲンだけでなく、レーザー測定による数値的な裏付けを追加することで診断の精度を向上

使用機器:ダイアグノデントペン

プローブの種類:隣接面用プローブ(今回のような歯間部の診断に使用)

下顎奥歯6番の歯間部の虫歯
下顎奥歯6番の歯間部の虫歯

📸 下顎6番の歯間部に発見された虫歯

X線検査による画像診断が有効

診断部位:下顎奥歯6番の歯間部

診断方法デンタルX線写真でC2の虫歯を確認

特徴口腔外からは確認しづらい位置にあるため、視診では発見が困難

🧭 なぜ「総合診断」が重要なのか

虫歯の診断は、どの検査方法か一つに依存するのではなく、数値データ・視診・X線画像・歯科医師の経験をバランスよく組み合わせることが重要です。

例えば、ダイアグノデントペンの数値が高くても、臨床的には治療を急がなくてよい場合もあります。逆に、数値が低くても、X線や視診で進行が認められるケースもあります。

こうした状況に適切に対応するためには、「多角的な視点」での総合診断が欠かせません。患者ごとに最も適した診断・治療を提供するための鍵が、ダイアグノデントペンを含む検査の併用なのです。

✨ MI治療とは?

MI治療とは「Minimal Intervention(ミニマル・インターベンション)」の略で、虫歯の治療において歯をできるだけ削らず、侵襲を最小限にとどめる治療方針を指します。

この考え方では、すぐに削って詰めるのではなく、歯の自然な治癒力を活かした再石灰化や、虫歯の進行を予防するフッ素塗布・シーラント・MIペーストの活用が重視されます。特に、初期段階の虫歯では「削らずに治す」選択肢が当たり前になりつつあります。

🛡 ダイアグノデントペンがMI治療を支える理由

ダイアグノデントペンは、虫歯の進行度を数値で把握できるため、**「治療が本当に必要なタイミングかどうか」**を科学的に判断できます。これにより、まだ削らなくてもよい虫歯を誤って処置してしまうリスクを防げます。

また、経過観察中も定期的に数値を測ることで、虫歯の進行がないかどうかをチェックしながら、適切なタイミングで必要な処置に切り替えることが可能になります。

つまり、ダイアグノデントペンは、MI治療を実践するうえで欠かせない「見極めの精度を高めるツール」として、非常に大きな役割を果たしているのです。

🏥 江戸川区篠崎の方へ

当院では、「できるだけ削らない・痛くない虫歯治療」を大切にしています。特に初期虫歯に対しては、すぐに削るのではなく、再石灰化や経過観察といった歯を守る選択肢を優先しています。

そのために欠かせないのが「ダイアグノデントペン」です。当院ではこの装置を積極的に導入し、初期虫歯の管理や治療の必要性を数値で見える化することで、無駄な処置を避けるよう努めています。

📍 患者様へのメリット

ダイアグノデントペンの導入により、虫歯の進行度が客観的な数値で確認できるため、「本当に削る必要があるのか?」という疑問にも明確に答えることができます

また、数値に基づいて経過観察を行う場合でも、進行具合を定期的にチェックできる体制が整っているため、患者様にとっても安心です。
「治療する・しない」その判断に納得できるよう、常に分かりやすい説明を心がけています。

江戸川区篠崎で、安心して虫歯治療を受けたい方は、ぜひ一度ご相談ください。ダイアグノデントペンを活用した、やさしい診療をお届けいたします。

Q. ダイアグノデントペンの検査は保険適用ですか?
→ はい、ダイアグノデントペンを用いた虫歯の検査は保険診療の範囲内で対応可能です。初診・定期検診時の一環としてもご利用いただけますので、ご安心ください。

Q. 検査にかかる時間や痛みはありますか?
→ 検査はわずか数分で完了します。また、レーザー光を歯に当てるだけなので痛みはまったくありません。針でつついたり削ったりすることもないため、快適に受けていただけます。

Q. 子どもでも検査を受けられますか?
→ はい、小さなお子さまにも安心して使用できます。非侵襲的で、歯を傷つけることがないため、小児歯科の現場でも広く使われている検査機器です。初期虫歯の早期発見にも最適です。

ダイアグノデントペンは、虫歯の進行度を**数値で「見える化」**できるため、これまで曖昧だった診断をより客観的かつ正確に行えるようになりました。その結果、必要以上に歯を削ってしまうリスクを防ぎ、無駄な治療を回避することが可能になります。

また、歯の健康をできる限り守ることを目的とした**MI治療(Minimal Intervention)**においても、治療の必要性やタイミングを見極める科学的な根拠として、ダイアグノデントペンは欠かせない存在です。

当院ではこの装置を活用し、削らない・痛くない治療を提供しています。
虫歯の診断や早期対応をご希望の方は、どうぞお気軽にご相談ください。
あなたの大切な歯を守るお手伝いをいたします。

江戸川区篠崎でなるべく削らない低侵襲治療をご希望の方へ

江戸川区篠崎の当院では、最新の虫歯診断機器「ダイアグノデントペン」を導入し、できるだけ歯を削らない治療に取り組んでいます。

この装置は、虫歯の進行度を数値で可視化できるため、「今すぐ治療が必要か、それとも経過観察でいいのか」を客観的に判断できます。特に、初期の虫歯や歯と歯の間の見えにくい虫歯の発見に効果的で、小さなお子様や妊婦の方にも安心してご利用いただけます。

「虫歯を削るかどうか迷っている」「なるべく自分の歯を残したい」という方は、ぜひ一度ご相談ください。
江戸川区篠崎エリアで、やさしい・精密な虫歯診断をご希望の方へ、私たちが全力でサポートいたします。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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