- 1. いつも同じ場所に食べ物が詰まる理由
- 1.1. 虫歯によって歯の一部が失われている
- 1.2. 詰め物・被せ物に不具合がある
- 1.3. 歯と歯の接触や歯並びに問題がある
- 1.4. 歯周病によって歯が動いている
- 2. 症例① 隣接面の虫歯に食片圧入を伴ったケース
- 2.1. 観察された特徴
- 2.2. 原因
- 2.3. 治療
- 3. 症例② 詰め物が外れ、内部に虫歯が認められたケース
- 3.1. 観察された特徴
- 3.2. 診査・診断
- 3.3. 治療
- 4. 食べ物が詰まったまま放置するとどうなる?
- 4.1. 虫歯のリスクが高くなる
- 4.2. 歯ぐきに炎症が起こる
- 4.3. 口臭の原因になることがある
- 4.4. 虫歯が進行すると歯髄に影響することがある
- 5. 虫歯の穴に食べ物が詰まったときの対処法
- 5.1. 自宅でできる応急処置
- 6. 歯科医院で行う治療
- 7. 食べ物が詰まりにくい口腔環境を保つには
- 7.1. フロスや歯間ブラシを使用する
- 7.2. フッ化物配合歯磨剤を使用する
- 7.3. 定期的に歯科検診を受ける
- 8. まとめ
- 8.1. 関連記事
- 9. 食べ物が詰まる症状、気になっていませんか?
- 10. 【動画】初期虫歯COを削らずに自分で治す方法
- 11. 筆者・院長
- 11.1. 深沢 一
- 11.1.1. メッセージ

「いつも同じ場所に食べ物が詰まる」「フロスを通すと引っかかる」――このような症状はありませんか?
食べ物が歯に詰まる原因はさまざまですが、特定の場所に繰り返し詰まる場合は、虫歯や詰め物・被せ物の不具合、歯と歯の接触状態、歯並びなどが関係していることがあります。
食べ物を取り除くだけでは原因そのものは改善しないため、症状が続く場合は歯科医院で確認することが大切です。
この記事では、歯に食べ物が詰まる主な原因や放置するリスク、自宅での対処法、歯科医院で行う治療について解説します。
いつも同じ場所に食べ物が詰まる理由

虫歯によって歯の一部が失われている
虫歯が進行すると、歯の表面から内部へ脱灰や崩壊が進み、歯の一部が欠けたり、穴ができたりすることがあります。
特に歯と歯の間に虫歯ができて接触部分の形態が失われると、食事の際に食べ物が入り込みやすくなることがあります。
また、虫歯の部分は歯ブラシが届きにくいことがあり、プラークが残ることで虫歯がさらに進行する可能性があります。
詰め物・被せ物に不具合がある
過去に治療した詰め物や被せ物の周囲に問題が生じると、食べ物が詰まりやすくなることがあります。
例えば、
- 詰め物や被せ物が欠けている
- 詰め物が外れかけている
- 歯と歯の接触が緩くなっている
- 修復物と歯との境界に段差や不適合がある
- 修復物の周囲に虫歯が生じている
といったケースです。
修復物の周囲にプラークが蓄積しやすい状態が続くと、二次う蝕(治療した歯に再び生じる虫歯)のリスクが高くなることがあります。
歯と歯の接触や歯並びに問題がある
隣り合う歯は、通常、一定の範囲で接触しています。
歯並びや歯の移動、修復物の形態などによって歯と歯の接触が緩くなると、噛んだときに食べ物が歯の間へ入り込みやすくなることがあります。
このように食べ物が歯と歯の間に押し込まれる状態を「食片圧入」といいます。
食片圧入が繰り返されると、歯と歯の間にプラークがたまりやすくなったり、歯ぐきが刺激されたりして、虫歯や歯肉の炎症につながることがあります。
歯周病によって歯が動いている
歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨が減少し、歯が動いたり歯と歯の間が広がったりすることがあります。
その結果、それまで問題のなかった場所に食べ物が詰まりやすくなることがあります。
特に以前より歯の隙間が広がってきた場合や、歯のぐらつきを感じる場合は、歯周組織の状態を確認することが重要です。
症例① 隣接面の虫歯に食片圧入を伴ったケース
上顎右側第2小臼歯(5番)の近心面に虫歯が認められ、隣接する第1小臼歯(4番)との間に食べ物が詰まりやすくなっていた症例です。

観察された特徴
- 5番近心面に虫歯が認められる
- 4番との間に食べ物が詰まりやすい
- 歯と歯の接触状態に問題が認められる
- 食片圧入を繰り返している
- 周囲の歯肉に炎症がみられる
虫歯の深さは、見た目だけでは正確に判断できません。
必要に応じてレントゲン撮影などを行い、虫歯がどこまで進行しているか確認します。
原因
歯と歯の間に食べ物が詰まる原因には、虫歯による歯質の欠損だけでなく、歯並びや歯と歯の接触状態、咬合面の形態など複数の要因が関係します。
この症例では、隣接面の虫歯に加え、歯と歯の接触状態などが食片圧入に関係していると考えられました。
治療
虫歯の範囲や歯の状態を確認したうえで虫歯を除去し、必要に応じてコンポジットレジンやインレーなどで修復します。
修復する際には、単に虫歯を埋めるだけではなく、隣接する歯との適切な接触や清掃しやすい形態を回復することが重要です。
噛み合わせに問題がある場合には、その状態も確認します。
治療後もデンタルフロスなどを使用して、歯と歯の間を清潔に保つことが大切です。
症例② 詰め物が外れ、内部に虫歯が認められたケース
下顎左側第1大臼歯(6番)のインレーが脱離し、修復物の下に虫歯が認められた症例です。

観察された特徴
- インレーが脱離している
- 修復されていた部分の歯質が露出している
- 虫歯が認められる
- 冷たいものがしみる
- 食べ物が詰まりやすい
- 周囲の歯肉に炎症がみられる
詰め物が外れた歯は、残っている歯質や虫歯の範囲、歯髄(歯の神経)の状態などを確認したうえで治療方法を決めます。
冷たいものがしみるという症状だけで、歯髄の状態や虫歯の深さを確定することはできません。
診査・診断
視診やレントゲン検査、必要に応じて歯髄の反応を調べる検査などを行います。
虫歯が深い場合でも、必ず根管治療が必要になるわけではありません。
歯髄の状態や症状、虫歯の深さなどを総合的に評価し、可能であれば歯髄を保存することを検討します。
一方、歯髄に回復が期待できない炎症や壊死が認められる場合には、根管治療が必要になることがあります。
治療
虫歯を除去したうえで、残っている歯質や虫歯の大きさ、噛み合わせなどを考慮し、
- コンポジットレジン修復
- インレーなどによる修復
- 必要に応じた被せ物による修復
などから治療方法を検討します。
歯髄の状態によっては根管治療を行う場合もあります。
また、隣接する歯との接触状態を適切に回復し、食べ物が詰まりにくい環境を整えることも重要です。
食べ物が詰まったまま放置するとどうなる?

虫歯のリスクが高くなる
歯と歯の間に食べ物が残ると、その周囲にプラークが蓄積しやすくなります。
プラーク中の細菌が糖質を代謝して酸を産生すると歯の脱灰が進み、虫歯が発生・進行しやすくなります。
すでに虫歯によって食べ物が詰まっている場合は、原因となっている虫歯自体が進行する可能性もあります。
歯ぐきに炎症が起こる
食片圧入が繰り返され、周囲にプラークが蓄積すると、歯ぐきが赤くなったり腫れたり、歯磨きの際に出血したりすることがあります。
歯周病の主な原因はプラーク中の細菌ですが、食べ物が詰まりやすく清掃しにくい環境は、歯肉の炎症を悪化させる要因になることがあります。
口臭の原因になることがある
歯と歯の間に食べ物やプラークが残ると、口腔内の細菌が食物残渣や剥がれ落ちた粘膜などに含まれる成分を分解し、口臭の原因となる揮発性硫黄化合物などが生じることがあります。
ただし、口臭には舌苔や歯周病、唾液量の低下などさまざまな原因があります。
虫歯が進行すると歯髄に影響することがある
食べ物が詰まる原因となっている虫歯を放置すると、虫歯が深部まで進行することがあります。
歯髄に炎症が及ぶと、冷たいものや温かいものがしみる、何もしなくても痛むなどの症状が現れることがあります。
歯髄の状態によっては、根管治療が必要になる場合もあります。
虫歯の穴に食べ物が詰まったときの対処法

自宅でできる応急処置
食べ物が詰まった場合は、
- デンタルフロスを使用する
- 適切なサイズの歯間ブラシを使用する
- 水で口をすすぐ
などの方法で、無理のない範囲で取り除きましょう。
ただし、虫歯の穴や歯と歯の隙間に爪楊枝、針など先の尖ったものを差し込むのは避けてください。
歯ぐきを傷付けたり、状態を悪化させたりする可能性があります。
また、食べ物が詰まるたびに自分で取り除くだけでは、虫歯や歯と歯の接触状態などの原因は改善しません。
同じ場所に繰り返し詰まる場合は歯科医院を受診しましょう。
歯科医院で行う治療

食べ物が頻繁に詰まる場合は、まず原因を確認します。
必要に応じて、
- 虫歯の治療
- 詰め物・被せ物の修復や再製作
- 歯と歯の接触状態の回復
- 噛み合わせの確認
- 歯周病の治療
などを行います。
虫歯が歯髄まで影響している場合には、歯髄の状態に応じて根管治療が必要になることもあります。
食べ物が詰まる原因は一つとは限らないため、歯や修復物だけでなく、歯周組織や噛み合わせなども含めて確認することが大切です。
食べ物が詰まりにくい口腔環境を保つには
フロスや歯間ブラシを使用する
歯ブラシだけでは、歯と歯の間のプラークを十分に除去することが難しいため、デンタルフロスや歯間ブラシを併用することが大切です。
ただし、フロスが毎回同じ場所で引っかかったり、切れたりする場合は、虫歯や修復物の不具合などが隠れている可能性があります。
無理に使用を続けず、歯科医院で確認してもらいましょう。
フッ化物配合歯磨剤を使用する
フッ化物には歯の再石灰化を促進し、歯の表面を酸に溶けにくくする働きがあり、虫歯予防に有効です。
日本では、成人を含む6歳以上では1400~1500ppmFのフッ化物配合歯磨剤の使用が推奨されています。
歯磨き後は歯磨剤を軽く吐き出し、うがいをする場合は少量の水で1回程度にすると、フッ化物を口腔内に残しやすくなります。
定期的に歯科検診を受ける
歯と歯の間の虫歯や詰め物・被せ物の不具合は、初期には自分で気付きにくいことがあります。
定期的に歯科検診を受け、
- 虫歯の有無
- 詰め物・被せ物の状態
- 歯周組織の状態
- 歯と歯の接触状態
- セルフケアの状態
などを確認することが大切です。
まとめ
いつも同じ場所に食べ物が詰まる場合は、虫歯だけでなく、詰め物・被せ物の不具合、歯と歯の接触状態、歯並び、歯周病などが関係していることがあります。
食べ物をその都度取り除くだけでは、原因そのものは改善しません。
特に、
- いつも同じ場所に食べ物が詰まる
- フロスが同じ場所で引っかかる・切れる
- 冷たいものがしみる
- 噛むと痛い
- 歯ぐきが腫れる・出血する
- 詰め物や被せ物に違和感がある
といった症状がある場合は、歯科医院で原因を確認してもらいましょう。
早い段階で原因を確認することで、必要以上に虫歯が進行する前に治療できる可能性があります。
関連記事
食べ物が詰まる症状、気になっていませんか?

食べ物が頻繁に詰まる原因は、虫歯による穴だけでなく、詰め物や被せ物の劣化、歯並びや噛み合わせの問題が隠れていることがあります。放置すると虫歯や歯周病が進行し、神経の治療が必要になるケースも少なくありません。
江戸川区篠崎の当院では、原因を詳しく診査し、虫歯治療はもちろん、食片圧入の原因となる歯と歯の接触状態や噛み合わせまで総合的に確認します。「食べ物が詰まるだけだから」と軽く考えず、気になる症状があればお気軽にご相談ください。
【動画】初期虫歯COを削らずに自分で治す方法
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。





