「いつも同じ場所に食べ物が詰まる」「フロスを通すと引っかかる」――そんな症状はありませんか?

食べ物が詰まること自体を単なる不便と考えて放置している方も少なくありません。しかし、頻繁に食べ物が詰まる場合は、虫歯や詰め物・被せ物の不適合、歯並びの問題など、お口のトラブルが隠れている可能性があります。

この記事では、虫歯の穴に食べ物が詰まる原因や放置するリスク、適切な対処法について詳しく解説します。

いつも同じ場所に食べ物が詰まる理由
いつも同じ場所に食べ物が詰まる理由

虫歯によって歯に穴ができるため

虫歯が進行すると、歯の表面が溶かされて穴が形成されます。

特に象牙質まで達した虫歯では、穴が大きく複雑な形状になるため、食べ物が入り込みやすくなります。一度入り込んだ食べかすは歯ブラシだけでは除去しにくく、細菌の温床となります。

その結果、虫歯がさらに進行する悪循環に陥ることがあります。

詰め物・被せ物の隙間ができているため

過去に治療した詰め物や被せ物も、長年の使用により劣化や変形が生じることがあります。

また、接着剤の劣化や噛み合わせによる負荷によって、わずかな隙間が発生する場合があります。

この隙間に食べ物が入り込むと、内部で虫歯が再発する「二次カリエス」の原因になります。

歯並びや噛み合わせの問題

歯と歯の接触状態(コンタクト)が適切でない場合も、食べ物が詰まりやすくなります。

歯並びの乱れや歯の移動、噛み合わせの変化によって隣接する歯の接触点が失われると、咀嚼時に食べ物が押し込まれやすくなります。

これを「食片圧入」と呼び、虫歯や歯周病の原因となります。

上顎右側第2小臼歯(5番)の近心面に虫歯が認められた症例です。

隣接面虫歯による食片圧入
隣接面虫歯による食片圧入

観察された特徴

  • 5番近心面に黒褐色の虫歯が存在
  • 象牙質まで進行している可能性が高い
  • 隣の4番との接触が緩くなっている
  • 食べ物が頻繁に詰まる
  • 歯ぐきに痛みや炎症が生じている

原因

本来、隣り合う歯には適切な接触点が形成されています。

しかし、この症例では歯並びの影響により接触点がずれ、食片圧入が起こりやすい状態になっていました。

さらに、辺縁隆線(歯の咬合面の縁)の高さにも段差があり、食べ物が引っ掛かりやすくなっていました。

必要な治療

このようなケースでは、

  • 虫歯の除去
  • 適切な接触点の再構築
  • 咬合面形態の修正
  • 噛み合わせの調整

などが必要になります。

また、再発予防のためにデンタルフロスの使用習慣も重要です。

下顎左側第1大臼歯(6番)のインレーが脱離し、内部に虫歯が再発した症例です。

詰め物が外れて虫歯が再発したケース
詰め物が外れて虫歯が再発したケース

臨床所見

  • 金属インレーが脱離
  • 象牙質が露出
  • 黒褐色の軟化象牙質を認める
  • 冷たいものがしみる
  • 食べ物が詰まる
  • 歯肉に軽度の炎症を認める

診断

象牙質まで進行したC2(中等度う蝕)が疑われる状態です。

現時点では神経は生きていますが、このまま放置すると虫歯が神経まで達し、根管治療が必要になる可能性があります。

治療方針

  • 虫歯の除去
  • 歯髄の状態確認
  • コンポジットレジン修復
  • インレーの再製作
  • 適切な接触点の回復

を行い、食片圧入を改善します。

虫歯がさらに進行する

食べかすが残るとプラークが蓄積しやすくなります。

細菌が産生する酸によって虫歯が拡大し、やがて神経に達する可能性があります。

歯周病の原因になる

食べ物が詰まった状態が続くと歯ぐきに炎症が起こります。

歯肉炎から歯周病へ進行すると、歯を支える骨が失われることもあります。

口臭が強くなる

食べかすが腐敗すると不快な臭いを発生させます。

特に歯と歯の間に残った食べ物は口臭の原因になりやすい特徴があります。

歯の破折や神経の炎症を招く

硬い食べ物が繰り返し詰まることで歯に負担がかかり、ひび割れや歯髄炎を引き起こす場合があります。

自宅でできる応急処置

自宅でできる応急処置
自宅でできる応急処置

食べ物が詰まった場合は、次の方法で除去を試みましょう。

  • デンタルフロスを使用する
  • 歯間ブラシを使用する
  • 水でよくうがいをする

ただし、

  • 爪楊枝
  • ピンセット

などで無理に取り除くのは避けてください。

歯や歯ぐきを傷付ける危険があります。

歯科医院での治療

頻繁に食べ物が詰まる場合は原因の精査が必要です。

歯科医院では、

  • 虫歯治療
  • 詰め物や被せ物の再製作
  • 接触点の修正
  • 噛み合わせの調整

などを行います。

場合によっては根管治療が必要になることもあります。

フロスや歯間ブラシを習慣化する

歯ブラシだけでは歯と歯の間の汚れを十分に除去できません。

毎日のセルフケアにフロスや歯間ブラシを取り入れることが大切です。

フッ素を活用する

フッ素配合歯磨き剤を使用すると、歯質が強化され虫歯予防に役立ちます。

成人では1450ppmF配合歯磨き剤の使用が推奨されています。

定期検診を受ける

虫歯や詰め物の不具合は初期段階では自覚症状が少ないことがあります。

定期的な歯科検診により、

  • 虫歯の早期発見
  • 二次カリエスの予防
  • 噛み合わせのチェック

を行うことで、食べ物が詰まりにくい健康な口腔環境を維持できます。

食べ物が頻繁に詰まる原因は、虫歯だけでなく、詰め物や被せ物の不適合、歯並びや噛み合わせの問題などさまざまです。

「ただ食べ物が詰まるだけ」と軽く考えて放置すると、虫歯や歯周病が進行し、大がかりな治療が必要になることもあります。

特定の場所に繰り返し食べ物が詰まる場合は、お口からの重要なサインです。早めに歯科医院で診査を受け、原因を確認することをおすすめします。

江戸川区篠崎で「いつも同じ場所に食べ物が詰まる」とお悩みの方へ

「いつも同じ歯に食べ物が詰まる」「フロスが引っかかる」「詰まった部分の歯ぐきが痛い」といった症状はありませんか?

食べ物が頻繁に詰まる原因は、虫歯による穴だけでなく、詰め物や被せ物の劣化、歯並びや噛み合わせの問題が隠れていることがあります。放置すると虫歯や歯周病が進行し、神経の治療が必要になるケースも少なくありません。

江戸川区篠崎の当院では、原因を詳しく診査し、虫歯治療はもちろん、食片圧入の原因となる歯と歯の接触状態や噛み合わせまで総合的に確認します。「食べ物が詰まるだけだから」と軽く考えず、気になる症状があればお気軽にご相談ください。

【動画】初期虫歯COを削らずに自分で治す方法

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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