「何回も通院しているのに根管治療が終わらない……」「本当に治っているの?」と不安に感じている方は少なくありません。

根管治療は、歯の神経や根の内部に感染した細菌を取り除き、歯を残すために行う重要な治療です。しかし、歯の根の構造は非常に複雑で、感染の程度によっては治療が長期間に及ぶことがあります。

この記事では、根管治療が長引く理由や治療回数の目安、治療を成功させるポイントについて詳しく解説します。

根管治療とは?
根管治療とは?

虫歯が神経まで進行した際に必要な治療

虫歯が歯の神経(歯髄)まで達すると、強い痛みや腫れを引き起こします。この段階になると、虫歯を削るだけでは改善できず、感染した神経を除去する根管治療が必要になります。

根管治療の基本的な流れ

根管治療では、歯の根の内部にある感染組織や細菌を除去し、再感染を防ぐために内部を密封します。

主な治療の流れは以下のとおりです。

  • 感染した神経や組織の除去
  • 根管内の清掃・消毒
  • 根管充填(薬剤による封鎖)
  • 被せ物による最終修復
根管治療が1回で終わらない理由
根管治療が1回で終わらない理由

歯の根の内部は非常に細く複雑な構造をしています。

感染した細菌を確実に除去するためには、複数回にわたる洗浄や消毒が必要となるため、多くの症例では数回の通院が必要です。

一般的には3~5回程度が目安ですが、歯の状態によって大きく変わります。

根管治療が長引く主な理由

根管の形が複雑で処置が難しい

歯の根はまっすぐではなく、大きく湾曲していることがあります。

特に奥歯では、

  • 根管が枝分かれしている
  • 強く曲がっている
  • 根管同士が途中でつながっている

などの特徴があり、器具や薬液が届きにくくなります。

そのため、感染を完全に除去するまでに時間がかかります。

感染や膿が強く残っている

根の先に膿が溜まっている場合や炎症が強い場合には、消毒を繰り返し行う必要があります。

症状が落ち着くまで根管内に薬剤を入れ、経過を観察しながら治療を進めるため、通院回数が増えることがあります。

過去に治療した歯の再根管治療

一度根管治療を受けた歯が再感染した場合は、以前の充填材を除去してから再度清掃する必要があります。

初回治療よりも難易度が高く、治療期間が長くなる傾向があります。

大臼歯の根管治療が長引きやすい理由
大臼歯の根管治療が長引きやすい理由

根管が大きく湾曲している

下顎大臼歯や上顎大臼歯では、根管が大きく曲がっていることがあります。

湾曲が強いと、

  • 器具が届きにくい
  • 器具破折のリスクが高まる
  • 十分な清掃が難しい

といった問題が生じます。

根管の数が多い

前歯の多くは根管が1本ですが、大臼歯では3〜4本以上存在することもあります。

さらに、

  • 側枝
  • イスムス
  • 分岐根管

など複雑な構造が存在するため、感染源を完全に除去するには高度な技術が必要です。

奥にあるため操作が難しい

大臼歯は口の最も奥に位置するため、

  • 器具操作が難しい
  • 視野が確保しにくい
  • ラバーダムの装着が困難

などの理由で治療時間が長くなる傾向があります。

側枝感染が根管治療を長引かせることも
側枝感染が根管治療を長引かせることも

側枝とは?

側枝とは、主根管から枝分かれした非常に細い管のことです。

木の根のように複雑に広がっており、通常のレントゲンでは確認できないことも少なくありません。

側枝感染が起こると現れる症状

側枝に細菌が残ると、

  • 噛むと痛い
  • 痛みがなかなか消えない
  • 根尖病変が改善しない
  • 歯ぐきに膿が出る

などの症状が続くことがあります。

側枝感染への治療

近年では、

  • 次亜塩素酸ナトリウムによる洗浄
  • EDTA洗浄
  • 超音波洗浄
  • 垂直加圧根充
  • マイクロスコープを用いた精密治療

などを組み合わせることで、複雑な根管内部の感染除去精度が向上しています。

前歯は比較的早く終わることが多い
前歯は比較的早く終わることが多い

前歯の根管は一般的に

  • 根管が太い
  • まっすぐである
  • 根管数が少ない

という特徴があります。

そのため器具や洗浄液が届きやすく、奥歯と比較すると短期間で治療が完了するケースが多くなります。

ただし、上顎側切歯(上顎2番)のように例外的に複雑な根管形態を持つ歯もあるため、前歯だから必ず簡単とは限りません。

一般的な目安は以下のとおりです。

症例通院回数の目安
初回根管治療(前歯)2~4回
初回根管治療(奥歯)3~6回
再根管治療5~10回以上
強い感染や膿がある症例5回以上

あくまで目安であり、歯の状態によって大きく異なります。

主治医に現在の治療状況を確認する

治療がどの段階にあるのかを確認することで、不安を軽減できます。

  • どこまで感染が取れているのか
  • あと何回程度必要なのか
  • 現在の問題点は何か

を説明してもらうとよいでしょう。

セカンドオピニオンを活用する

長期間治療が続いている場合や症状が改善しない場合は、歯内療法を専門とする歯科医院で相談するのも一つの方法です。

根管治療は、歯を抜かずに残すための最後の砦ともいえる治療です。

治療回数が多くなると不安になるかもしれませんが、途中で通院をやめてしまうと再感染や抜歯のリスクが高まります。

また、根管治療が終わった後は被せ物まで確実に装着し、その後も定期的なメンテナンスを受けることが重要です。

歯を長く残すためには、「治療を最後までやり遂げること」が何よりも大切です。

江戸川区篠崎で根管治療に悩んでいる方へ

根管治療は、歯の根の中にある感染を取り除き、大切な歯を残すための重要な治療です。根管は非常に細く複雑な構造をしているため、丁寧な洗浄・消毒と確実な封鎖が欠かせません。

当院では、ニッケルチタンファイルを使用した精密な根管形成や、垂直加圧根充による緊密な根管充填を行い、再感染リスクの軽減に努めています。

江戸川区篠崎で「できるだけ歯を抜きたくない」「長引く根管治療について相談したい」という方は、お気軽にご相談ください。大切な歯を少しでも長く残せるよう、丁寧な診査・診断と治療をご提供いたします。

【動画】初期虫歯COを削らずに自分で治す方法

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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