
インプラント治療では、顎の骨の中を走る神経や上顎洞の位置を正確に把握し、安全な埋入計画を立てることが欠かせません。その際に役立つのが「サージカルステント」です。
サージカルステントは、インプラントを埋入する位置や長さを検討するための診断用装置で、術前のレントゲン撮影や治療計画に活用されます。近年ではCTやサージカルガイドによる高精度なデジタル治療が主流となっていますが、その基礎となる重要な診断ツールの一つです。
この記事では、サージカルステントの役割やメリット・デメリット、現在主流となっているサージカルガイドとの違いについてわかりやすく解説します。
サージカルステントの役割
サージカルステントとは、インプラント治療の術前診査で使用する補助装置です。インプラントを埋入する位置や長さを検討する際に用いられ、より安全な治療計画の立案に役立ちます。
下の写真は、直径5mmの金属球(鉄球)が2個取り付けられた下顎用のサージカルステントです。この金属球はX線画像の拡大率を補正するための基準として使用されます。
患者さんにサージカルステントを装着していただいた状態でパノラマX線撮影を行うことで、下顎神経(下歯槽神経)や上顎洞までの距離を把握し、インプラントの長さや本数を検討するための参考資料とします。

サージカルステントの主な目的
神経や上顎洞との安全な距離を確認する
インプラント手術では、下顎神経や上顎洞を損傷しないことが重要です。
サージカルステントを使用したX線診査により、インプラント埋入予定部位から重要な解剖学的構造物までの距離を把握できるため、神経麻痺や上顎洞穿孔などのリスク低減につながります。
適切なインプラントサイズの選択
骨の高さを確認することで、使用可能なインプラントの長さや本数を検討できます。
術前に十分な情報を得ることで、より安全性の高い治療計画を立案することが可能になります。
パノラマX線撮影とサージカルステント

パノラマX線画像には拡大や歪みが生じる特性があります。特に縦方向は実際の寸法より大きく表示されるため、そのままでは正確な距離測定ができません。
そこで、サージカルステントに取り付けた直径5mmの金属球を基準として利用します。
X線画像上で金属球の大きさを測定することで画像の拡大率を算出し、実際の骨の高さや神経までの距離をより正確に評価できるようになります。
サージカルステントのメリットと限界
メリット
- 骨の高さを簡易的に評価できる
- 神経や上顎洞までの距離を把握しやすい
- インプラントの長さや本数の検討に役立つ
- X線画像の拡大率補正が可能になる
限界
- 骨の幅(頬舌的な厚み)は評価できない
- 骨質や三次元的な形態は把握できない
- 埋入角度の詳細なシミュレーションは困難
そのため、現在のインプラント治療ではCT検査との併用が標準的となっています。
現在主流となっているサージカルガイドシステム

近年では、CTで取得した三次元データを活用し、専用シミュレーションソフトで術前計画を行う方法が一般的です。
当院ではCT画像とインプラントシミュレーションソフトを用いて、インプラントの位置・角度・深さを詳細に設計しています。
さらに、そのシミュレーション結果をもとに作製したサージカルガイドを手術時に使用することで、計画通りの位置へ高精度にインプラントを埋入することが可能になります。
まとめ
サージカルステントは、インプラント治療の安全性を高めるために用いられる診断用装置です。神経や上顎洞との距離を把握し、適切なインプラント治療計画を立案するうえで重要な役割を果たします。
現在では歯科用CTとサージカルガイドを組み合わせたデジタルインプラント治療が主流となっており、より安全で精度の高いインプラント手術が可能になっています。
江戸川区篠崎でインプラントをご検討の方へ

歯を失ってしまい、「しっかり噛める歯を取り戻したい」「入れ歯の違和感を改善したい」とお考えではありませんか。
当院では、歯科用CTによる精密検査とコンピューターシミュレーションを活用し、安全性と精度を重視したインプラント治療を行っています。患者さま一人ひとりの骨の状態やお口の環境を詳しく診査し、無理のない治療計画をご提案いたします。
治療前のカウンセリングから手術後のメンテナンスまで丁寧にサポートし、長く快適に使えるインプラントを目指します。江戸川区篠崎でインプラント治療をご検討の方は、お気軽にご相談ください。
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筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。


