「最近疲れやすくなった」「歩くのが遅くなった」「外出する機会が減った」――こうした変化は、加齢による“フレイル”のサインかもしれません。

フレイルとは、健康な状態と要介護状態の中間にある「心身の衰え」を指します。しかし、早期に気づいて適切な対策を行えば、健康な状態へ回復できる可能性があります。

この記事では、フレイルの原因やセルフチェック方法、予防のポイントについて、専門的な視点からわかりやすく解説します。

フレイルの基本概念と3つの側面

フレイルの基本概念と3つの側面
フレイルの基本概念と3つの側面

フレイル(Frailty)とは、加齢に伴い心身の予備能力が低下し、健康な状態と要介護状態の中間に位置する「虚弱」の状態を指します。高齢になると、筋力や認知機能、社会的活動性が徐々に低下し、病気や転倒をきっかけに介護が必要になるリスクが高まります。しかし、フレイルは早期に発見し適切な対策を行うことで、健康な状態へ戻れる可能性がある点が大きな特徴です。

フレイルは主に以下の3つに分類されます。

身体的フレイル

筋力や持久力の低下により、歩行速度の低下や転倒リスクの増加、疲れやすさなどがみられます。特にサルコペニア(加齢による筋肉量減少)は重要な要因です。

精神・心理的フレイル

気力や意欲の低下、抑うつ傾向、認知機能低下などが含まれます。活動量が減少し、閉じこもりにつながることがあります。

社会的フレイル

外出頻度の減少や人との交流不足、孤立などの状態を指します。社会参加の減少は、身体機能や精神面にも悪影響を及ぼします。

これら3つのフレイルは互いに関連しており、一つの低下が他の機能低下を招く「フレイル・スパイラル」を形成します。

健康から要介護へ移行するまでの流れ

健康から要介護へ移行するまでの流れ
健康から要介護へ移行するまでの流れ

高齢者は一般的に、

「健康」→「プレフレイル(前虚弱)」→「フレイル」→「要介護」

という段階を経て身体機能が低下していきます。

特に重要なのが「プレフレイル」の段階です。この時期はまだ自立した生活を維持できているケースが多く、食事・運動・社会参加などを見直すことで改善が期待できます。早期介入は健康寿命延伸の鍵とされています。

フレイルの原因と発症リスク

加齢による筋力低下と慢性疾患

加齢による筋肉量減少は、フレイルの主要因です。筋肉量が減ることで歩行能力やバランス能力が低下し、転倒や骨折リスクが高まります。

また、糖尿病、高血圧、心疾患、慢性腎疾患などの慢性疾患を抱える方では、全身機能の低下が進みやすく、フレイルへの移行が加速する傾向があります。

低栄養と食欲低下

高齢者では噛む力や飲み込む力の低下、食欲減退などにより栄養不足が起こりやすくなります。特にたんぱく質不足は筋肉減少を招き、フレイル進行の大きな原因となります。

社会的孤立と心理的要因

配偶者との死別や退職、人間関係の減少などによって外出機会が減ると、社会的孤立が進行します。孤独感は抑うつ状態や活動量低下につながり、身体的フレイルをさらに悪化させる要因になります。

フレイルチェック5項目

以下の項目に当てはまるか確認してみましょう。

  • 半年で2〜3kg以上の体重減少がある
  • 理由なく疲れやすい
  • 握力が低下したと感じる
  • 歩く速度が遅くなった
  • 外出や運動の機会が減った

判定の目安:

  • 0項目:健常
  • 1〜2項目:プレフレイル
  • 3項目以上:フレイル

サルコペニアの「指わっかテスト」

サルコペニアの「指わっかテスト」
サルコペニアの「指わっかテスト」

両手の親指と人差し指で輪を作り、ふくらはぎを囲みます。

  • 囲めない:筋肉量は保たれている
  • ちょうど囲める:筋肉量低下の可能性
  • 隙間ができる:サルコペニアリスクが高い

簡便なセルフチェックとして活用されています。

フレイルが進行すると、筋力低下と活動量低下の悪循環に陥ります。

栄養不足

筋肉量減少

歩行能力低下

活動量減少

さらに食欲低下

この「フレイルサイクル」が続くことで、転倒・骨折・入院・要介護状態へ進行するリスクが高まります。

また、以下のような身体サインにも注意が必要です。

  • 傷が治りにくい
  • むくみが出やすい
  • 感染症にかかりやすい
  • 抜け毛や髪質変化が増える

これらは身体の回復力や免疫機能低下を示している可能性があります。

フレイル予防の3本柱
フレイル予防の3本柱

栄養管理

筋肉維持には十分なたんぱく質摂取が重要です。

  • 大豆製品
  • 乳製品

などをバランス良く摂取しましょう。

低栄養予防のためには、1日3食しっかり食べることが大切です。

運動習慣

ウォーキングや軽い筋力トレーニングは、フレイル予防に効果的です。

特に下肢筋力を維持することで、転倒予防や歩行能力維持につながります。無理なく継続できる運動を習慣化することが重要です。

社会参加

地域活動や趣味のサークル、ボランティア活動への参加は、心身機能維持に大きく役立ちます。

人との交流は認知機能低下や抑うつ予防にもつながるため、積極的な社会参加が推奨されています。

近年では、医療機関や自治体によるフレイル対策が積極的に行われています。

  • フレイルチェック
  • 栄養指導
  • 運動プログラム
  • 介護予防教室
  • 健康相談

などを通じて、早期発見と重症化予防が進められています。

また、高齢者では多剤服用(ポリファーマシー)が問題となることもあり、薬剤調整による身体機能改善が図られるケースもあります。

江戸川区でフレイル予防に取り組みたい方へ

江戸川区では、高齢者の健康寿命延伸を目的としたフレイル予防活動が行われています。

健康サポートセンターでは、

  • 健康相談
  • フレイルチェック
  • 介護予防教室
  • 健康イベント

などが実施されています。

地域活動へ参加することは、身体機能だけでなく社会的フレイル予防にもつながります。

江戸川区公式ウェブサイト

  • 中央健康サポートセンター:03-5661-2467
  • 小岩健康サポートセンター:03-3658-3171
  • 東部健康サポートセンター:03-3678-6441
  • 清新町健康サポートセンター:03-3878-1221
  • 葛西健康サポートセンター:03-3688-0154
  • 鹿骨健康サポートセンター:03-3678-8711
  • 小松川健康サポートセンター:03-3683-5531
  • なぎさ健康サポートセンター:03-5675-2515

これらのセンターでは、地域の健康づくりや介護予防に関する情報提供や相談対応を行っています。また、フレイル予防に関するパンフレットやチェックリストの配布も行われています 。

フレイルは加齢に伴う自然な変化の一部ですが、放置すると要介護状態へ進行するリスクがあります。一方で、早期発見と適切な対策により改善が期待できる状態でもあります。

特に重要なのは、プレフレイルの段階で気づき、行動を始めることです。

「最近疲れやすい」
「歩くのが遅くなった」
「外出が減った」

こうした小さな変化を見逃さず、食事・運動・社会参加を意識した生活を心がけましょう。

Q:何歳頃から注意が必要ですか?

一般的には65歳以上が目安ですが、50代からの予防意識が重要とされています。

Q:どの診療科に相談すればよいですか?

内科、老年内科、地域包括支援センターなどへの相談が推奨されます。

Q:サプリメントは効果がありますか?

不足している栄養素を補う目的では有効ですが、基本はバランスの良い食事と運動習慣です。

江戸川区篠崎でフレイル予防を始めるなら|健康寿命を延ばす第一歩を

「最近、疲れやすくなった」「歩く速度が遅くなった」「外出の機会が減った」――そんな変化は、フレイルのサインかもしれません。
フレイルは早期に気づき、適切な対策を行うことで改善が期待できる状態です。

江戸川区篠崎エリアでも、食事・運動・社会参加を意識したフレイル予防が注目されています。健康寿命を延ばし、いつまでも自分らしく生活するために、今からできる対策を始めてみませんか。

【動画】なかなか取れない舌苔の完全除去方法

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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