「歯ぐきに白いニキビのようなものができている」
「押すと白いものや血が出る」
「口臭が気になる」

このような症状がある場合、歯ぐきや歯の根の周囲で炎症・感染が起きている可能性があります。

特に、歯ぐきに白いできものが繰り返し現れ、そこから膿のようなものが出る場合は、**フィステル(瘻孔)**が形成されていることがあります。

今回は、高校生の方から寄せられたご相談をもとに、歯ぐきから白いものが出る原因や口臭との関係、必要な検査について解説します。

現在高校2年生です。小学5年生くらいから友達に「息が臭う」と言われることがあり、自分でも口臭を感じます。

歯科医院で相談したところ、「あまり気にしなくてもよい」と言われました。

ただ、歯ぐきの一か所が紫色に腫れていて、押すと血と白いものが出ます。腫れているところには、白いニキビのようなものもあります。

この歯ぐきの症状が、口臭の原因なのでしょうか?

ご相談の内容だけで原因を特定することはできませんが、歯ぐきの腫れや膿を伴う炎症・感染が口臭の一因となっている可能性は考えられます。

一方、口臭にはさまざまな原因があり、一つだけではなく複数の要因が重なっていることもあります。

次のような症状がある場合は、一度歯科医院で詳しく調べることをおすすめします。

  • 歯ぐきの一部が赤色や紫色に腫れている
  • 白いニキビのようなできものがある
  • 押すと白いものや膿が出る
  • 血が出る
  • 同じ場所が繰り返し腫れる
  • 嫌な味や臭いを感じる

こうした症状は歯肉炎だけではなく、歯の根の周囲や歯周組織に感染が起きている場合にもみられます。

白いニキビのようなできものは、「フィステル(瘻孔)」と呼ばれる膿の排出口である可能性があります。

フィステル(瘻孔)とは?

フィステルとは、感染などによって生じた膿が、歯ぐきにできた通り道を通って外へ排出されている状態です。

例えば、むし歯などによって歯の神経が感染・壊死し、歯の根の先に炎症が起こると膿がたまることがあります。その膿が歯ぐきへ向かって排出されると、白いニキビのようなできものとして現れることがあります。

また、歯周病など歯周組織の感染によって、似たような排膿がみられる場合もあります。

フィステルがあると、膿が外へ排出されることで痛みや腫れが一時的に軽くなることがあります。

しかし、痛くないから治ったというわけではありません。

感染源が残っていれば、膿が出たり、できものが消えたり現れたりする状態を繰り返すことがあります。

歯ぐきや歯の根の周囲に細菌感染がある場合、口臭の原因の一つになる可能性があります。

口臭の多くは、お口の中の細菌が食べかすや剥がれた粘膜、血液などに含まれるタンパク質を分解する際に発生する臭いの成分と関係しています。

そのため、

歯ぐきの炎症・感染

膿や出血

細菌が増殖しやすくなる

口臭につながる

ということがあります。

ただし、「膿が出ている=口臭の原因はすべてそこ」とは限りません。

今回のご相談では、小学生の頃から口臭を指摘されているとのことです。

長期間にわたって口臭が気になる場合は、歯ぐきの白いできものだけではなく、お口全体を確認することが重要です。

歯周病が口臭の原因かも

お口の中で考えられる主な原因

口臭の原因としては、次のようなものがあります。

  • 舌苔(舌の表面についた汚れ)
  • 歯垢や磨き残し
  • 歯肉炎・歯周病
  • むし歯
  • 歯の根の感染
  • 歯ぐきからの排膿
  • 口の乾燥

特に舌苔や歯周病など、お口の中に原因がある口臭は少なくありません。

鼻やのどが関係することも

歯科的な原因が見つからない場合には、

  • 副鼻腔炎
  • 扁桃炎や膿栓
  • 鼻づまり
  • 口呼吸

など、鼻やのどの状態も確認することがあります。

必要に応じて耳鼻咽喉科への受診を検討します。

なお、「口臭=胃が悪い」と考える方もいますが、持続する口臭の原因が胃腸にあるケースは一般的には多くありません。まずはお口の中や鼻・のどなど、原因となりやすい部分から確認していきます。

口臭には、時間帯や食事、口の乾燥、緊張などによって変化する「生理的口臭」もあります。

そのため、歯科医院を受診したときには臭いがほとんど確認できないこともあります。

また、本人が強く口臭を感じていても、客観的には強い臭いが確認されないケースもあります。

しかし今回のように、

  • 歯ぐきが腫れている
  • 白いできものがある
  • 膿のようなものが出る
  • 出血する

といった目で確認できる症状がある場合は、口臭の有無とは別に原因を調べることが大切です。

「口臭があるかどうか」だけではなく、「なぜ歯ぐきから膿が出ているのか」を確認する必要があります。

原因を調べるため、歯科医院では症状に応じて次のような検査を行います。

レントゲン検査

歯の根の先や周囲の骨に病変がないかを確認します。

フィステルが疑われる場合、どの歯が感染源になっているのかを調べるためにも重要な検査です。

歯周ポケット検査

歯と歯ぐきの間の深さや出血、排膿の有無などを確認します。

歯周組織から膿が出ている可能性がないかを調べます。

歯の神経の検査

必要に応じて、歯の神経が正常に反応しているかを確認します。

見た目には大きなむし歯がなくても、過去の外傷などによって歯の神経が失活していることがあります。

むし歯や歯の状態の確認

むし歯、歯の破折、過去に治療した歯なども確認し、感染源となる歯がないかを調べます。

口臭の評価

必要に応じて、舌苔や歯周病、唾液量、口腔衛生状態などを確認します。

歯科医院によっては口臭測定器を使用することもあります。

歯ぐきに白いできものがあると、気になって指で押したり潰したりしたくなるかもしれません。

しかし、自分で繰り返し押したり潰したりすることはおすすめできません。

膿を一時的に出しても、感染の原因そのものが治るわけではないためです。

また、刺激によって出血したり、歯ぐきを傷つけたりする可能性もあります。

白いできものが繰り返し現れる場合は、自分で処置せず歯科医院で原因を確認しましょう。

ご相談の「歯ぐきの白いできもの」「押すと白いものや血が出る」という症状からは、歯ぐきや歯の根の周囲に炎症・感染があり、膿が排出されている可能性が考えられます。

その場合、口臭の原因の一つになっている可能性もあります。

ただし、小学生の頃から口臭が続いているとのことですので、歯ぐきの一か所だけを原因と決めつけることはできません。

舌苔、歯肉炎・歯周病、むし歯、口の乾燥、口呼吸なども含め、お口全体を確認することが大切です。

まずは歯科医院で、白いできものが何なのか、どの歯や組織が原因になっているのかを詳しく調べてもらいましょう。

必要に応じてレントゲン検査や歯周ポケット検査、歯の神経の検査などを行います。

歯科的な原因が見つからず、鼻づまりや鼻・のどの症状がある場合には、耳鼻咽喉科への相談も検討します。

歯ぐきから膿のようなものが出る状態は、放置せず原因を確認することが大切です。

痛みがなくても感染が続いていることがありますので、同じ場所に白いできものが繰り返し現れる場合は、早めに歯科医院へ相談しましょう。

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歯ぐきの白いできものや、押すと膿・血が出る症状は、歯の根の感染などが隠れていることがあります。口臭の原因になっている可能性もあるため、「気にしすぎ」と済ませず、まずは原因を確認することが大切です。レントゲン検査などで、お口の中を詳しく調べましょう。

【動画】なかなか取れない舌苔の完全除去方法

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

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日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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