歯科専用キシリトールガム100%を食べよう

  • キシリトールガムは虫歯菌(ミュータンス菌)を減らせるだけでなく、赤ちゃんへの母子感染防止効果もあります。
  • 歯科専用キシリトールガム100%が効果的です。
  • 子供はキシリトールガム(タブレットやグミも可)を4歳ころから始めると良いでしょう。

キシリトールガムの虫歯予防効果

自分自身が虫歯を多く経験した母親にとって、初めての赤ちゃんには絶対に虫歯にさせたくないと思うのは親心ですね。

母親から赤ちゃんへの虫歯菌(ミュータンス菌)の感染を防ぎ、子供が虫歯になりにくい口腔内環境にするためには、母親だけでなく家族全員で妊娠前からキシリトールガムを噛むことをお薦めします。

ここでは、キシリトールが持つ虫歯予防などを解説します。

キシリトールガムを食べると得られる虫歯予防効果

キシリトールは虫歯の原因となる酸を作らない。
プラーク中のPHを5.7以下に下げない。(虫歯になる臨界PH5.5)
ミュータンス菌は、プラークの核となる不溶性グルカンを作る事が出来ない。
プラーク量が減少し、なお且つ善玉菌優位のプラークとなる。
唾液の分泌を促し、エナメル質の脱灰を防ぎ再石灰化を促す。
ミュータンス菌の餌とならないため虫歯の原因にならず、虫歯の発生や進行を防ぐ。
キシリトールを10年以上摂取してもミュータンス菌は順応(効果が持続する)しない。

キシリトールガムの食べ方

キシリトールガム歯科専用と市販品の違い

キシリトールの含有量と含有率(ガム一粒)

歯科専用含有率100% 含有量1.3g
市販品含有率約50% 含有量0.65g
※ 含有率=キシリトールの量÷炭水化物の量
成分表にキシリトール 27.7g、炭水化物27.7gと記載されていればキシリトール100%ということになります。また、キシリトール13.8g、炭水化物27.7gだとキシリトールは50%です。

1日の食べる量

食べる量に上限なし
キシリトールは食品なので原則上限はありませんが、1日約20gを超えるとお腹が緩くなることがあります。

※ ミュータンス菌に強く感染している方は、お腹が緩まない範囲で下記の量を増やしても構いません。

歯科

歯科専用 1日4~5粒

1回一粒を4~5回に分けて食べます。1日の総量=5.2g~6.5g。

市販

市販品 1日14粒

1回二粒を7回に分けて食べます。一日の総量0.65g×2×7=9.1g。

※ キシリトールガム100%のものより多めに取らないと同等の効果が得られません。

キシリトールガム100%が理想的

キシリトール含有量は最低でも50%、できれば100%のものを選ぶのが理想です。歯科専用キシリトールガム100%であれば 1日4~5粒を食べるだけで済みますが、キシリトールガム50%だと1日8~10粒ではなく、14粒を食べないと同等の効果が期待できません。

また、板ガムよりも粒ガムの方が、効果が高いことがわかっています。

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キシリトールガムを噛む時間

1回5分~10分が目安です。長く噛むほど唾液が沢山分泌し、口臭予防や歯の再石灰化にもつながります。

キシリトールガムを食べ始める年齢は?

歯の萌出とキシリトール摂取タイミング

摂取開始時期虫歯予防効果
萌出後35%
萌出前(1年未満)53%
萌出前(1~2年)93%
Hujoel et al,1999年

幼弱永久歯(6歳臼歯)を虫歯から守るには

極めて虫歯になりやすい6歳臼歯

萌出途中の第1大臼歯(6歳臼歯)は十分に石灰化されていないため、極めて虫歯になりやすい状態です。そのため、幼弱永久歯とも呼ばれています。

特に、噛む面の溝が深いままで萌出するため容易に虫歯菌が溝の中に入ってしまいます。シーラントと呼ばれるレジンで溝を埋める方法も取られます。

キシリトールガムは4歳頃から始めると良い

第1大臼歯(6歳臼歯)萌出前(1~2年)の4歳頃からキシリトールガムを食べ始めると虫歯予防効果を最大化することができます。

3歳頃に虫歯菌(ミュータンス菌)の感染の有無をサリバテスト(唾液検査)で判定し、運悪くミュータンス菌の感染が認められたら直ちにキシリトールの摂取を始めると良いでしょう。

幼弱永久歯(6歳臼歯)
幼弱永久歯(6歳臼歯)

キシリトール製品の選択

キシリトールガムの場合には噛んだ後に食べかすを吐き出すことが出来る年齢から与えると良いでしょう。

グミタイプやタブレットであれば誤嚥や喉詰まりなどのリスクを考慮し、2歳くらいから1日2粒(0.4g ×2)から初めて下痢などの症状がなければ順次増量します。

キシリトールに毒性は?

キシリトールの食べすぎで下痢になる

キシリトールの食べすぎで下痢になる

糖アルコールには、キシリトール、ソルビトール、マルチトールなどがありますが、取り過ぎるとお腹に不快症状をもたらすという共通の性質があります。

キシリトールの一日の摂取量の上限は20~30gと言われ、これを超えるとお腹が緩くなる人が出てきます。100%のキシリトールガムだと一粒に1.3gのキシリトールが含まれるので、約20粒が上限と考えられます。

とは言え、個人差があるので各自試してみるしかありません。しかし、症状は一過性のものなので心配する必要はありません。

糖アルコールは小腸で消化吸収されにくいため、そのまま大腸に運ばれます。大腸は本来、水分を吸収し便を作る働きがありますが、キシリトールによってその作用が抑えられます。そのため下痢を起こしやすくなるのです。

キシリトールの高い安全性

キシリトールの高い安全性
  • 砂糖に近い甘さで、カロリーは砂糖の3/4です(3Kcal/g)です。
  • 溶解時に熱を奪う効果があるため、ヒヤッとした清涼感が口の中に広がります。
  • 砂糖に近い甘さで、カロリーは砂糖の3/4です(3Kcal/g)です。
  • 血糖値を上げないので、糖尿病の医療品として昔から使われています。
  • イチゴ、ほうれん草、カリフラワー、プラムなどの野菜や果物にも含まれ、私たちの肝臓でも毎日作られています。しかし、野菜や果物に入っているキシリトールは微量なため工業的に作られています。
  • WHO(世界保健機構)が摂取量制限を指定していません。妊娠中に摂取しても安全です。

ふかさわ歯科クリニック篠崎では、このように虫歯や歯周病を未然に防ぐ予防歯科に力を入れ、患者様ご自身の歯が一生持つように予防主体の歯科健診や定期的な歯のクリーニングを推奨しております。予防歯科は歯の寿命だけでなく病気の予防とも関係しています。江戸川区篠崎にて、キシリトールガム100%の効果を知りたい方は当院までお気軽にご相談下さい。

【動画】初期虫歯COを削らずに自分で治す方法

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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