- 1. 糖尿病でも歯科治療をあきらめる必要はありません
- 1.1. 糖尿病でも歯科治療は受けられます
- 1.1.1. 糖尿病の方が安心して治療を受けるためのポイント
- 2. 糖尿病の方が歯科治療を受けるべき理由
- 2.1. 歯周病になりやすくなる
- 2.2. 虫歯のリスクも高くなる
- 2.3. 傷が治りにくい
- 2.4. 感染しやすくなる
- 2.5. 糖尿病と歯周病は悪循環になります
- 3. 糖尿病の方が受けられる歯科治療
- 4. 血糖値が高いと治療は延期になる?
- 5. 歯科受診前に準備すること
- 5.1. 食事は必ず摂ってから受診しましょう
- 5.2. 薬は自己判断で中止しない
- 5.3. お薬手帳を持参しましょう
- 5.4. ブドウ糖や補食を携帯しましょう
- 5.5. 体調が悪い日は無理をしない
- 5.5.1. 受診前チェックリスト
- 6. 治療中に注意すること
- 6.1. 低血糖に注意する
- 6.1.1. 低血糖の主な症状
- 6.2. 感染予防を徹底する
- 6.2.1. 当院で行う感染対策
- 6.2.1.1. 血圧や全身状態にも配慮します
- 7. ストレスを減らすことも大切です
- 8. 麻酔は安全?
- 8.1. アドレナリン入り麻酔について
- 8.2. 必要に応じて麻酔薬を選択します
- 8.3. 抜歯すると治りにくい?
- 8.4. なぜ治りにくくなるの?
- 8.5. 安全に抜歯を行うためのポイント
- 8.6. 抜歯後に気を付けること
- 9. 糖尿病でもインプラントはできる?
- 9.1. インプラント成功の鍵は血糖コントロール
- 9.2. インプラント前に確認すること
- 9.3. インプラントを長持ちさせるために
- 10. 糖尿病と歯周病の悪循環
- 10.1. 糖尿病が歯周病を悪化させる理由
- 10.2. 歯周病が糖尿病を悪化させる理由
- 10.3. 糖尿病と歯周病の悪循環
- 11. 歯周病治療で血糖値は改善する?
- 11.1. HbA1cの改善が期待できます
- 11.2. 歯周病治療は全身の健康維持にもつながります
- 12. 毎日のセルフケア
- 12.1. 歯磨きは1日2~3回
- 12.2. デンタルフロス・歯間ブラシを使用する
- 12.3. お口の乾燥にも注意しましょう
- 12.4. 禁煙も重要です
- 13. 定期メンテナンスの重要性
- 13.1. 定期メンテナンスで行うこと
- 13.2. メンテナンスの目安
- 14. よくある質問(FAQ)
- 14.1. Q. 糖尿病でも麻酔は受けられますか?
- 14.2. Q. 血糖値が高い日は治療できませんか?
- 14.3. Q. インスリンを使用していますが受診できますか?
- 14.4. Q. 朝食を食べずに受診しても大丈夫ですか?
- 14.5. Q. 糖尿病でも抜歯できますか?
- 14.6. Q. 糖尿病でもインプラントはできますか?
- 14.7. Q. 痛みがなくても定期検診は必要ですか?
- 15. 当院で行っている糖尿病患者さんへの配慮
- 15.1. 全身状態を確認したうえで治療を行います
- 15.2. 痛みに配慮した治療
- 15.3. 必要に応じて主治医と連携します
- 15.4. 歯周病の継続管理を重視しています
- 15.5. 関連記事
- 16. 糖尿病だからといって、歯科治療をあきらめる必要はありません
- 17. 筆者・院長
- 17.1. 深沢 一
- 17.1.1. メッセージ
糖尿病でも歯科治療をあきらめる必要はありません

「糖尿病だから歯を抜けないと言われた」「インプラントはできないのでは?」「麻酔は体に負担がかかるのでは?」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。
糖尿病は全身の健康に影響を及ぼす病気ですが、適切に血糖コントロールを行い、全身状態を確認しながら治療を進めれば、多くの歯科治療を安全に受けることができます。
一方で、糖尿病の方は免疫機能の低下や血流障害の影響により、歯周病や虫歯が進行しやすく、傷が治りにくい傾向があります。そのため、「歯科治療を受けないこと」のほうが、かえって大きなリスクになる場合も少なくありません。
また近年では、歯周病を治療することで血糖コントロールの改善が期待できることも明らかになっており、お口の健康を守ることは糖尿病の治療にもつながると考えられています。
この記事では、糖尿病の方が安心して歯科治療を受けるために知っておきたいポイントや、受診前の注意点について、わかりやすく解説します。
糖尿病でも歯科治療は受けられます
結論からお伝えすると、糖尿病だからという理由だけで歯科治療を受けられないことはほとんどありません。
虫歯治療や歯周病治療、抜歯、入れ歯、インプラントなど、多くの治療は血糖コントロールや全身状態を確認しながら安全に行うことが可能です。
ただし、糖尿病では高血糖が続くことで免疫力が低下し、細菌感染を起こしやすくなるほか、血流が悪くなることで傷の治りが遅くなることがあります。そのため、歯科治療では通常以上に全身状態へ配慮しながら治療計画を立てることが重要です。
また、糖尿病には自覚症状が少ないこともあり、「血糖値は高いけれど症状がないから大丈夫」と考えてしまう方もいます。しかし、歯科治療の安全性や治癒に大きく関わるため、血糖コントロールの状況を把握したうえで治療を進めることが大切です。
糖尿病の方が安心して治療を受けるためのポイント
- 血糖コントロールの状態を確認する
- 現在服用している薬を把握する
- 必要に応じて主治医と連携する
- 感染予防や術後管理を徹底する
- 定期的な歯科受診で重症化を防ぐ
これらを適切に行うことで、多くの患者さんが安心して歯科治療を受けています。
糖尿病の方が歯科治療を受けるべき理由

糖尿病になると、歯科治療の必要性は健康な方以上に高まります。
その理由は、糖尿病がお口の環境にさまざまな影響を及ぼすためです。
歯周病になりやすくなる
高血糖が続くと白血球の働きが低下し、細菌に対する抵抗力が弱くなります。
その結果、歯周病菌が繁殖しやすくなり、歯ぐきの炎症が悪化しやすくなります。
さらに血流障害によって炎症が治りにくくなるため、歯周病が進行しやすいことが知られています。
虫歯のリスクも高くなる
糖尿病では唾液の分泌量が減少し、口腔内が乾燥しやすくなります。
唾液には細菌を洗い流す働きがありますが、唾液が減ることで虫歯菌が増えやすくなり、虫歯のリスクが高まります。
傷が治りにくい
糖尿病では毛細血管の血流が低下し、組織へ十分な酸素や栄養が届きにくくなります。
そのため、抜歯や歯周外科治療の後は治癒に時間がかかる場合があります。
感染しやすくなる
免疫機能の低下により、術後感染や歯ぐきの腫れが起こりやすくなります。
適切な感染予防と術後管理を行うことで、こうしたリスクは大きく減らすことができます。
糖尿病と歯周病は悪循環になります
糖尿病と歯周病は、お互いに悪影響を及ぼす関係にあります。
- 糖尿病になる
- 免疫力が低下する
- 歯周病が悪化する
- 歯周病による炎症が全身へ広がる
- インスリンが効きにくくなる
- 血糖値がさらに上昇する
このような悪循環を断ち切るためにも、歯科医院での定期的な管理が重要です。
糖尿病の方が受けられる歯科治療

糖尿病だからといって、多くの治療ができなくなるわけではありません。
血糖コントロールが良好であれば、一般的な歯科治療のほとんどを受けることができます。
| 治療内容 | 治療の可否 | 注意点 |
|---|---|---|
| 虫歯治療 | 受けられます | 血糖コントロールを確認 |
| 歯周病治療 | 積極的におすすめ | 全身の健康維持にも重要 |
| 根管治療 | 受けられます | 感染管理を徹底 |
| 抜歯 | 状態に応じて可能 | 感染予防・術後管理が重要 |
| インプラント | 条件を満たせば可能 | 血糖管理・禁煙が重要 |
| 入れ歯治療 | 問題ありません | 義歯の清掃を徹底 |
| 定期クリーニング | 積極的におすすめ | 歯周病予防に効果的 |
特に歯周病治療や定期的なクリーニングは、糖尿病の悪化予防という意味でも非常に重要です。
血糖値が高いと治療は延期になる?

糖尿病だからといって、必ず治療を延期するわけではありません。
しかし、血糖コントロールが著しく悪い場合には、感染や治癒遅延などのリスクを考慮し、主治医と相談しながら治療時期を調整することがあります。
一般的な目安は次のとおりです。
| HbA1c | 治療の目安 |
|---|---|
| 7.0%未満 | 多くの治療が可能 |
| 7~8%程度 | 治療内容に応じて慎重に判断 |
| 8%以上 | 主治医と連携しながら治療を検討 |
※上記はあくまでも一般的な目安であり、年齢や基礎疾患、治療内容などを総合的に考慮して判断します。
急性の痛みや腫れ、感染がある場合には、血糖値だけを理由に治療を先延ばしにせず、必要な応急処置を優先することもあります。
歯科受診前に準備すること

糖尿病の方が安心して歯科治療を受けるためには、事前の準備も大切です。
食事は必ず摂ってから受診しましょう
空腹のまま治療を受けると、低血糖を起こす可能性があります。
朝の予約であっても、できるだけ通常どおり食事を済ませてから受診してください。
薬は自己判断で中止しない
インスリンや糖尿病の内服薬を自己判断で中止すると、血糖値が大きく変動することがあります。
服薬について不安がある場合は、事前に主治医または歯科医師へご相談ください。
お薬手帳を持参しましょう
服用している薬の種類によっては、歯科治療時に注意が必要な場合があります。
お薬手帳をご持参いただくことで、安全に治療を進めることができます。
ブドウ糖や補食を携帯しましょう
インスリン治療中や低血糖の経験がある方は、ブドウ糖や糖分を含む補食を持参すると安心です。
体調が悪い日は無理をしない
発熱や強い倦怠感、著しい高血糖・低血糖症状がある場合は、無理に受診せず事前に歯科医院へご相談ください。
受診前チェックリスト
- 朝食を済ませた
- 糖尿病の薬を通常どおり服用した
- お薬手帳を持参した
- ブドウ糖や補食を携帯している
- 体調に大きな変化はない
- 気になる症状があれば事前に歯科医院へ相談した
これらを確認しておくことで、より安全に歯科治療を受けることができます。
治療中に注意すること
糖尿病の方が歯科治療を受ける際は、一般的な歯科治療に加えて、血糖値や全身状態への配慮が重要になります。
とはいえ、過度に心配する必要はありません。歯科医師が全身状態を確認しながら治療を進めることで、多くの患者さんが安全に治療を受けています。
低血糖に注意する
治療前の絶食や、インスリン・血糖降下薬の作用によって、治療中に低血糖を起こすことがあります。
低血糖の主な症状
- 冷や汗
- 手の震え
- 動悸
- 強い空腹感
- めまい
- 集中力の低下
- 意識がぼんやりする
これらの症状が現れた場合は、無理に治療を続けず、速やかに歯科医師やスタッフへお知らせください。
必要に応じてブドウ糖を摂取し、症状が改善してから治療を再開します。
感染予防を徹底する
糖尿病では免疫機能が低下しやすく、細菌感染を起こしやすい状態になります。
そのため、抜歯や歯周外科治療などでは、感染予防対策を通常以上に徹底することが重要です。
当院で行う感染対策
- 清潔な環境での治療
- 必要に応じた抗菌薬の使用
- できるだけ侵襲の少ない治療
- 術後の口腔衛生管理
- 定期的な経過観察
血圧や全身状態にも配慮します
糖尿病の患者さんは、高血圧や心疾患、腎疾患などを合併していることも少なくありません。
そのため、必要に応じて血圧や体調を確認しながら、安全を第一に治療を進めます。
ストレスを減らすことも大切です
歯科治療への強い緊張や痛みは、血糖値の変動を引き起こすことがあります。
そのため、
- 痛みに配慮した麻酔
- できるだけ短時間での治療
- 必要に応じて休憩を挟む
など、患者さんの負担を軽減できるよう配慮しています。
麻酔は安全?
「糖尿病だから麻酔は危険なのでは?」と心配される患者さんは少なくありません。
しかし、通常の歯科治療で使用する局所麻酔は、多くの場合、安全に使用できます。

アドレナリン入り麻酔について
歯科で使用される局所麻酔薬には、アドレナリン(血管収縮薬)が含まれているものがあります。
アドレナリンには止血効果や麻酔効果を長持ちさせる働きがあります。
一方で、一時的に血糖値を上昇させる作用がありますが、歯科治療で使用する通常量では、その影響は一般的に非常に小さいと考えられています。
必要に応じて麻酔薬を選択します
患者さんの全身状態や既往歴によっては、
- アドレナリンを含まない麻酔薬
- 使用量を調整した麻酔
を選択する場合もあります。
糖尿病だけでなく、高血圧や不整脈などの持病についても事前にお知らせください。
抜歯すると治りにくい?
糖尿病の方では、「抜歯すると傷が治らない」と心配されることがあります。
確かに、血糖コントロールが不良な状態では、健康な方と比べて傷の治癒が遅れる傾向があります。
しかし、血糖値が適切に管理されていれば、多くの場合は問題なく治癒します。
なぜ治りにくくなるの?
高血糖が続くと、
- 血流が悪くなる
- 白血球の働きが低下する
- コラーゲンの生成が遅れる
などの影響により、組織の修復が遅れます。
そのため、
- 傷口の治癒遅延
- 術後感染
- 腫れが長引く
といったリスクが高くなります。
安全に抜歯を行うためのポイント
抜歯前には、
- HbA1c
- 血糖コントロール
- 内服薬
- 全身状態
などを確認します。
必要に応じて主治医と連携しながら、安全に治療を進めます。
抜歯後に気を付けること
抜歯後は、
- 処方された薬をきちんと服用する
- 強いうがいを避ける
- 傷口を指や舌で触らない
- 喫煙を控える
- 血糖コントロールを維持する
ことが大切です。
糖尿病でもインプラントはできる?

結論から言うと、糖尿病だからインプラント治療ができないわけではありません。
現在では、血糖コントロールが良好であれば、多くの糖尿病患者さんがインプラント治療を受けています。
インプラント成功の鍵は血糖コントロール
インプラントは、人工歯根が顎の骨としっかり結合することで長期間機能します。
しかし、高血糖状態では、
- 骨の治癒が遅れる
- 感染しやすい
- インプラント周囲炎になりやすい
などのリスクが高くなります。
そのため、治療前には血糖コントロールを確認することが重要です。
インプラント前に確認すること
歯科医院では次のような項目を確認します。
- HbA1c
- 現在の血糖コントロール
- 歯周病の有無
- 喫煙習慣
- 骨の状態
- 全身疾患
これらを総合的に判断し、安全に治療を進めます。
インプラントを長持ちさせるために
インプラント治療後も、
- 毎日の丁寧な歯磨き
- 定期的なメンテナンス
- 血糖コントロールの継続
が欠かせません。
糖尿病の方では、インプラント周囲炎の予防が特に重要になります。
糖尿病と歯周病の悪循環
糖尿病と歯周病は、それぞれ独立した病気ではありません。
近年では、お互いを悪化させる「双方向の関係」があることが明らかになっています。

糖尿病が歯周病を悪化させる理由
高血糖が続くと、
- 免疫機能が低下する
- 血流が悪くなる
- 細菌に対する抵抗力が低下する
ため、歯周病が進行しやすくなります。
また、歯ぐきの炎症も治りにくくなります。
歯周病が糖尿病を悪化させる理由
歯周病が進行すると、歯周病菌に対する炎症反応によって炎症性サイトカインが産生されます。
これらの炎症性物質は全身へ影響を及ぼし、インスリンの働きを弱めることでインスリン抵抗性を高め、血糖値が下がりにくい状態を引き起こします。
つまり、
歯周病が血糖コントロールを悪化させる原因の一つになると考えられています。
糖尿病と歯周病の悪循環
糖尿病
↓
免疫力が低下する
↓
歯周病が悪化する
↓
歯ぐきに炎症が起こる
↓
炎症性物質が全身へ広がる
↓
インスリンが効きにくくなる
↓
血糖値が上昇する
↓
さらに糖尿病が悪化する
この悪循環を断ち切るためには、糖尿病治療だけでなく、歯周病の治療や定期的なメンテナンスも欠かせません。
歯科医院で歯周病を適切に管理することは、お口の健康だけでなく、全身の健康維持にもつながる大切な取り組みです。
歯周病治療で血糖値は改善する?
近年の研究では、歯周病を治療することで血糖コントロールの改善が期待できることがわかってきました。
歯周病は単に歯ぐきの病気ではなく、全身に慢性的な炎症を引き起こす病気です。
歯周病が進行すると、炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-6など)が血液中に放出され、インスリンの働きを妨げることで血糖値が下がりにくくなると考えられています。
そのため、歯周病を改善して炎症を抑えることは、糖尿病の管理にも良い影響を与える可能性があります。
HbA1cの改善が期待できます
複数の研究では、歯周病治療によってHbA1cが約0.3~0.4%改善することが報告されています。
もちろん、歯周病治療だけで糖尿病が治るわけではありませんが、内科での治療や生活習慣の改善とあわせて行うことで、より良い血糖コントロールにつながる可能性があります。
歯周病治療は全身の健康維持にもつながります
歯周病の改善によって期待されるメリットには、次のようなものがあります。
- 歯ぐきの炎症が改善する
- 出血や腫れが減る
- 口臭が改善する
- 歯を失うリスクを減らせる
- 血糖コントロールの改善が期待できる
- 全身の炎症を抑えることにつながる
糖尿病をお持ちの方こそ、歯周病の早期発見・早期治療が重要です。
毎日のセルフケア

糖尿病の方は、毎日のセルフケアが歯周病や虫歯の予防に大きく影響します。
歯科医院での治療だけでなく、ご自宅でのケアを継続することが、お口と全身の健康を守る第一歩です。
歯磨きは1日2~3回
歯と歯ぐきの境目には歯周病菌が付着しやすいため、毛先を歯周ポケットに軽く当て、小刻みに磨くことが大切です。
力を入れすぎると歯ぐきを傷つけてしまうため、やさしく丁寧に磨きましょう。
デンタルフロス・歯間ブラシを使用する
歯ブラシだけでは、歯と歯の間の汚れを十分に取り除くことはできません。
歯周病予防のためには、
- デンタルフロス
- 歯間ブラシ
を毎日使用することをおすすめします。
お口の乾燥にも注意しましょう
糖尿病では唾液が少なくなり、お口が乾燥しやすくなります。
口腔乾燥は虫歯や歯周病、口臭の原因にもなるため、
- 水分をこまめに補給する
- よく噛んで食事をする
- 必要に応じて保湿ジェルを使用する
などの対策が有効です。
禁煙も重要です
喫煙は歯周病を悪化させるだけでなく、血流を低下させて傷の治りを遅らせます。
糖尿病と喫煙が重なることで、歯周病やインプラント周囲炎のリスクはさらに高くなります。
定期メンテナンスの重要性

糖尿病の方は、自覚症状がないまま歯周病が進行することがあります。
そのため、症状がなくても定期的に歯科医院でチェックを受けることが大切です。
定期メンテナンスで行うこと
- 歯周ポケット検査
- 歯石除去(スケーリング)
- PMTC(専門的クリーニング)
- エアフローによるバイオフィルム除去
- ブラッシング指導
- 虫歯・歯周病のチェック
- 噛み合わせの確認
メンテナンスの目安
糖尿病の方では、3~4か月に1回の定期受診が推奨されます。
歯周病の進行状況によっては、より短い間隔での管理が必要になることもあります。
定期的なメンテナンスを継続することで、歯周病の再発を防ぎ、長く健康な歯を維持しやすくなります。
よくある質問(FAQ)
Q. 糖尿病でも麻酔は受けられますか?
はい。通常の歯科治療で使用する局所麻酔は、多くの場合、安全に使用できます。必要に応じて全身状態に配慮した麻酔薬を選択します。
Q. 血糖値が高い日は治療できませんか?
血糖値やHbA1c、治療内容、全身状態を総合的に判断します。痛みや腫れがある場合は応急処置を優先することもありますので、自己判断せずご相談ください。
Q. インスリンを使用していますが受診できますか?
もちろん受診できます。食事を抜かず、通常どおり服薬・注射を行い、お薬手帳をご持参ください。
Q. 朝食を食べずに受診しても大丈夫ですか?
低血糖を防ぐため、できるだけ通常どおり食事を済ませてから受診してください。
Q. 糖尿病でも抜歯できますか?
はい。血糖コントロールや全身状態を確認したうえで、安全に抜歯を行います。必要に応じて主治医と連携しながら治療を進めます。
Q. 糖尿病でもインプラントはできますか?
血糖コントロールが良好であれば、多くの方がインプラント治療を受けることが可能です。歯周病の有無や全身状態も含めて総合的に判断します。
Q. 痛みがなくても定期検診は必要ですか?
はい。糖尿病の方は歯周病が進行していても自覚症状が少ないことがあります。定期的な検診が歯を守るために重要です。
当院で行っている糖尿病患者さんへの配慮
当院では、糖尿病をお持ちの患者さんにも安心して治療を受けていただけるよう、全身状態に配慮した診療を行っています。
全身状態を確認したうえで治療を行います
治療前には、
- HbA1cや血糖コントロールの状況
- お薬の内容
- 合併症の有無
- 全身状態
などを確認し、安全性を第一に治療計画を立てます。
痛みに配慮した治療
治療時のストレスや痛みは血糖値にも影響することがあります。
当院では、できるだけ痛みの少ない麻酔や丁寧な治療を心がけ、患者さんの負担軽減に努めています。
必要に応じて主治医と連携します
血糖コントロールが不安定な場合や全身疾患をお持ちの方では、主治医と情報を共有しながら、安全に治療を進めます。
歯周病の継続管理を重視しています
糖尿病では、一度改善した歯周病も再発しやすい傾向があります。
そのため、治療後も定期的なメンテナンスを通じて、お口の健康を長期的にサポートします。
関連記事
糖尿病だからといって、歯科治療をあきらめる必要はありません

糖尿病の方でも、血糖コントロールや全身状態に配慮しながら治療を行うことで、多くの歯科治療を安全に受けることができます。
また、歯周病の予防・治療は、お口の健康だけでなく、全身の健康維持にもつながる大切な取り組みです。
「歯ぐきから血が出る」「歯がぐらつく」「血糖値が高くて歯科受診が不安」「インプラントや抜歯ができるか相談したい」といったお悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
一人ひとりのお口と全身の状態に合わせた、安全で丁寧な歯科治療をご提案いたします。
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。





