✅差し歯を入れたけれど、「この歯は何年くらい持つのだろう?」と不安に思ったことはありませんか?🤔
実は差し歯にも寿命があり、平均すると5〜10年ほどが目安とされています。ただし、差し歯の素材やお口の環境、日々のケア次第で寿命は大きく変わります。

寿命が近づくと「ぐらつく」「変色する」「歯茎が腫れる」などのサインが出ることもあり、放置すると再治療や抜歯が必要になるリスクもあるのです⚠️。

この記事では、

をわかりやすく解説します🦷✨
差し歯と上手に付き合うために、ぜひ参考にしてください。

差し歯の平均寿命
差し歯の平均寿命

差し歯の寿命は、一般的に 5〜10年程度 と言われています。
ただし、これはあくまで目安。実際には差し歯の種類や生活習慣で大きく変わります。

  • 保険の差し歯:5〜7年ほどが平均
  • 自費の差し歯(セラミック・ジルコニアなど):10年以上もつケースも多数

寿命を縮める要因には「噛み合わせ」「歯ぎしり」「歯周病」「セルフケア不足」などがあり、反対に正しいケアで寿命を延ばすことも可能です👌

素材別に見る差し歯の寿命🧩

保険の差し歯(硬質レジン前装冠など)

  • 見た目は自然ですが、プラスチック素材を含むため変色や摩耗が起こりやすい💦
  • 平均寿命は5年程度。
硬質レジン前装冠
硬質レジン前装冠

自費の差し歯(セラミック・ジルコニア・メタルボンド)

  • 見た目も美しく、変色に強い✨
  • 耐久性が高く、10年以上使用できるケースも多い
  • 長期的にみればコストパフォーマンスも良い。
メタルボンドクラウンとゴールドクラウン
メタルボンドクラウンとゴールドクラウン

金属の差し歯(メタルクラウン)

🦷 保険のメタルクラウン(銀歯)
  • 材質:銀合金(パラジウム合金など)
  • 寿命の目安:およそ 5〜7年
  • 特徴
    • 保険が使えるため費用が安い
    • 強度はあるが、錆びやすく・金属疲労で割れることがある
    • 経年で歯ぐきが黒ずむことがある
    • 精密な適合性はやや劣るため、二次むし歯のリスクがやや高い
👑 自費のゴールドクラウン(金歯)
  • 材質:高純度の金合金(18Kなど)
  • 寿命の目安:およそ 15〜20年以上(メンテナンス次第では30年以上も)
  • 特徴
    • 柔軟性と耐久性が高く、歯に優しく長持ち
    • 変色や腐食がほとんどない
    • 精密に適合するため、むし歯の再発が少ない
    • 見た目が金色のため、奥歯向き

寿命が近い差し歯のサイン⚠️

寿命が近い差し歯のサイン
寿命が近い差し歯のサイン

差し歯が寿命を迎えると、以下のような変化が見られます。

  • 差し歯がぐらつく・外れる
  • 歯や歯茎が黒ずんで見える🖤
  • 噛んだ時に痛み・違和感がある
  • 歯茎が腫れる・出血する🩸

これらの症状は再治療のサインです。放置すると歯の根が悪化し、差し歯のやり替えどころか抜歯が必要になるケースもあります。

この写真は、**右上1番・2番・3番(中切歯・側切歯・犬歯)メタルボンド冠(陶材焼付鋳造冠)**が装着されている症例です。矢印の部分に注目すると、いくつかの審美的および歯周的な問題が見られます。

メタルボンド冠にブラックマージン
メタルボンド冠にブラックマージン

🔍 観察ポイント

  • 補綴物の種類:右上前歯3本にメタルボンド冠が装着されています。内側は金属フレーム、外側が陶材(セラミック)です。
  • ブラックマージン(黒い境界線):歯と歯ぐきの境目に黒いラインが見られます。これは金属のフレームが歯肉退縮により露出しているためです。
  • 歯肉退縮:右上1番・2番・3番で歯ぐきが下がり、根面(歯根表面)が露出しています。露出した部分は黒く変色しており、象牙質やセメント質の着色、または金属イオンの影響が考えられます。
  • 審美的不調和:補綴物の色調と隣接天然歯のトーンが異なり、特に歯頸部の黒ずみが目立ちます。

⚠️ 想定される原因

  • 経年的な歯肉退縮(加齢・ブラッシング圧・歯周病など)
  • メタルボンドの金属フレームが光を透過しないため、歯肉が黒く見える(メタルシャドウ)
  • 根面の露出による歯根象牙質の変色
  • 金属成分(Ni・Crなど)が歯肉に沈着するメタルタトゥーの可能性もあり

💡 審美改善の選択肢

  • オールセラミック冠(ジルコニア冠など)への置き換え
     → 金属を使用しないため、ブラックマージンや歯肉の黒ずみが改善されます。
  • 歯肉移植(結合組織移植)による歯肉ラインの回復
     → 退縮部分をカバーし、より自然な歯肉形態を取り戻すことが可能。

差し歯を長持ちさせる方法✨

差し歯の寿命は、毎日のケアと習慣で大きく変わります。

正しいブラッシングとフロス🪥

  • 歯と差し歯の境目に汚れが溜まりやすいので、ていねいに磨く。
  • デンタルフロスや歯間ブラシを習慣にすることで清潔を保てます。

定期検診・クリーニング🦷

  • 自分では取れない歯石を除去することで、歯周病や二次むし歯を予防。
  • 半年〜1年に一度のメンテナンスが理想。

噛み合わせや歯ぎしり対策😬

  • 歯ぎしりの強い方はナイトガード(マウスピース)を活用すると安心。

生活習慣の見直し🍬🚬

  • 硬いものの食べすぎ、喫煙、糖質の多い食事は寿命を縮める要因に。

差し歯が寿命を迎えた場合には、次のような治療法があります。

  • 差し歯のやり替え:新しいクラウンに交換。
  • ブリッジ:隣の歯を削ってつなげる治療。
  • インプラント:人工歯根を入れて補う方法。
  • 入れ歯:複数歯を失った場合の選択肢。

費用は保険治療なら数千円〜1万円前後、自費治療なら数万円〜十数万円と幅広くなります💰

インプラント

寿命を迎えた差し歯に対するインプラント治療計画(上顎小臼歯・大臼歯部)
寿命を迎えた差し歯に対するインプラント治療計画(上顎小臼歯・大臼歯部)
寿命を迎えた差し歯に対するインプラント埋入処置(上顎小臼歯・大臼歯部)

長期間使用していた差し歯が破折し、支台歯の劣化が進行していたため保存が困難と判断された症例。上顎小臼歯・大臼歯部において、抜歯後の欠損部を安定的に回復するためインプラント治療を選択した。術前の残存歯質の状態から、適切な埋入位置・角度を確保したフィクスチャー埋入へと至る一連の処置を示しており、咬合支持の再構築と長期予後を見据えた治療計画の重要性がわかる。

ブリッジ

寿命がきた差し歯を抜歯後、ブリッジで補綴した症例(右上顎1番)
寿命がきた差し歯を抜歯後、ブリッジで補綴した症例(右上顎1番)X線
寿命がきた差し歯を抜歯後、ブリッジで回復した症例(右上顎1番)正面観
寿命がきた差し歯を抜歯後、ブリッジで回復した症例(右上顎1番)正面観

右上顎1番の差し歯は、長期使用により内部のトラブルが進行し、保存が困難な状態となっていました。レントゲン所見と口腔内所見を総合的に判断した結果、抜歯を行い、その後は両隣の歯を支台としたブリッジ治療を実施しています。前歯部の審美性と噛み合わせを回復するとともに、将来的なトラブルを防ぐための補綴治療を行った症例です。

入れ歯

下顎左4・5・6・7番欠損に対する保険適用部分入れ歯(クラスプ・リンガルバー設計)

下顎左側の4・5・6・7番欠損に対して、保険診療で製作した部分入れ歯の症例です。左3番および右4番にクラスプ(維持装置)を設定し、リンガルバーを用いて入れ歯全体の安定性を確保しています。噛む力を分散させながら、装着時の違和感を抑えることを目的とした基本的な設計で、日常生活での咀嚼機能の回復を図っています。

差し歯はあくまで「人工のかぶせ物」。土台となる天然歯や歯ぐきが健康でなければ長持ちしません。
特に歯周病対策は差し歯の寿命を延ばす最大のポイントです。

  • 歯茎が下がると差し歯の境目が見えてしまう
  • 歯周病で歯を支える骨が失われると差し歯ごとダメになる

そのため、日常のセルフケアと歯科医院でのメンテナンスが欠かせません💡

Q:差し歯は何年くらいで交換が必要?
→ 平均で5〜10年ですが、状態が良ければ15年以上使えるケースもあります。

Q:寿命がきたら必ずインプラントにする必要がありますか?
→ 必ずしもそうではありません。歯の状態によっては再び差し歯が可能です。

Q:差し歯を繰り返すと歯がなくなるって本当?
→ 何度もやり替えるうちに歯の根が弱ることがあります。そのため早めの対策が重要です。

  • 差し歯の平均寿命は保険で5〜7年、自費で10年以上
  • 素材やメンテナンスで大きく差が出る。
  • 正しいケアと定期検診で寿命を延ばせる。
  • 寿命がきたら再治療やインプラントなど選択肢がある。

「差し歯は一度入れたら終わり」ではなく、定期的にチェックしながら付き合っていく治療です。
気になる症状がある方は、早めに歯科医院へ相談してください😊

江戸川区篠崎で差し歯の寿命が気になる方へ

差し歯には寿命がありますが、正しいケアと定期的なメンテナンスで長持ちさせることが可能です😊。
「最近差し歯がぐらつく」「変色して気になる」などのお悩みは、早めにご相談ください。再治療や交換のベストなタイミングを、歯科医が丁寧にご提案します。

【動画】ステイン着色汚れをクリーニングするエアフロー

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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