目次

1. 舌小帯短縮症とは?

舌小帯短縮症の定義

舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう、Ankyloglossia)とは、舌の裏側にある「舌小帯(ぜつしょうたい)」が通常より短かったり、異常に付着していたりすることで、舌の動きが制限される状態を指します。これにより、授乳、発音、食事などに影響を及ぼすことがあります。

正常な舌小帯との違い

正常な舌小帯は、舌の下側中央から口腔底(口の底部分)へ伸びる薄い組織であり、舌の可動域を適度に制御する役割を持ちます。しかし、舌小帯短縮症の場合、この組織が短すぎたり、舌先に近い位置まで付着しているため、舌を上顎や前方に適切に動かすことが難しくなります。

正常な舌小帯
正常な舌小帯

重度舌小帯短縮症では、写真の様に舌を上に持ち上げることが出来ません。また、舌を前に突き出すと舌の先端がハート状に割れたり、舌を口蓋に付けた時の開口量が最大開口量の1/2以下の場合はかなり重度の舌小帯短縮症といえます。

軽度舌小帯短縮症
軽度舌小帯短縮症
j重度舌小帯短縮症
重度舌小帯短縮症

正常な舌小帯の特徴

  • 舌を上顎や前歯に容易に持ち上げられる
  • 舌の動きに制限がない
  • 発音や食事に支障がない

舌小帯短縮症の特徴

  • 舌を上顎につけることが困難
  • 舌先がハート型にくびれる(特に赤ちゃんの診察時に見られる)
  • 授乳がうまくできない(赤ちゃんの吸啜力低下)
  • 特定の発音が困難(ラ行、サ行、タ行など)
  • 舌の可動域が狭い

舌小帯短縮症の分類(軽度・中等度・重度)

舌小帯短縮症は、その影響の程度によって 軽度・中等度・重度 に分類されます。

分類特徴影響
軽度(Grade 1)舌小帯は短いが、舌の動きに大きな制限はないほぼ問題なし、発音や授乳に支障がないことが多い
中等度(Grade 2)舌の可動域が一部制限される授乳や発音に軽度の影響が出ることがある
重度(Grade 3, 4)舌がほとんど動かず、舌先がハート型になることが多い授乳、発音、食事に大きな影響があり、手術が推奨されることが多い

この分類は、Hazelbaker Assessment Tool for Lingual Frenulum Function(HATLFF) などの評価基準に基づいて診断されることが多いです。

舌小帯短縮症の発生頻度(統計データ)

舌小帯短縮症の発生頻度は、報告によって異なりますが、一般的には 新生児の3~10%程度 で発生するとされています。

  • 2010年の研究(Messner et al.) によると、舌小帯短縮症の発生率は 新生児の4.8%
  • 2019年の米国小児科学会(AAP) の報告では、新生児の 3~10% にみられるとされる。
  • 日本国内の報告 では、乳幼児の約5%が軽度~重度の舌小帯短縮症と診断されることがある。

このように、舌小帯短縮症は決して珍しい疾患ではなく、多くの新生児に見られるものの、症状の程度は個人差があり、すべてのケースで治療が必要になるわけではありません。

舌小帯短縮症の発生には、先天的要因(遺伝的要素)環境要因(妊娠中の影響)他の疾患との関連性 など、さまざまな要素が関与していると考えられています。

2-1. 先天的要因(遺伝的要素)

舌小帯短縮症は、家族内での発生率が高いことから、遺伝的要因 が関与している可能性が示唆されています。

遺伝的要因
遺伝的要因

遺伝との関係

  • 家族内での発生傾向
    • 舌小帯短縮症の子どもを持つ親のうち、30~50%が家族歴 を持つという研究報告があります。
    • 遺伝性の疾患とは断定されていませんが、一部の遺伝的要素が影響を及ぼす可能性があると考えられています。
  • 性別による影響
    • 男児に多く見られる(男女比はおよそ 2~3:1
    • 男性ホルモン(テストステロン)が舌小帯の発達に影響を与える可能性が指摘されている。
  • 遺伝子変異との関係
    • TBX22遺伝子 との関連が指摘されており、舌小帯の形成に影響を与える可能性がある。

2-2. 環境要因(妊娠中の影響)

妊娠中の母体環境が、胎児の発育に影響を与えることも考えられます。

胎児期の影響

  • 胎児の発育過程での異常
    • 舌小帯は胎生5~12週の間に形成され、通常は成長とともに適切な長さに伸びるが、何らかの要因で発達が阻害されることがある。
  • ホルモンバランスの変化
    • 母体のホルモンバランスが胎児の舌小帯の形成に影響を与える可能性がある。

母体の生活習慣・疾患

  • 妊娠中の喫煙・飲酒
    • 妊娠中の喫煙やアルコール摂取は、胎児の発育に影響を与え、先天異常のリスクを高める可能性がある。
  • 妊娠中の栄養状態
    • 葉酸やビタミンAの不足 は、胎児の発育異常を引き起こす可能性がある。
    • 葉酸欠乏 は、口唇口蓋裂(こうしんこうがいれつ)などの口腔発育異常と関連があり、舌小帯短縮症とも関連する可能性がある。
  • 妊娠中の感染症
    • 風疹やサイトメガロウイルス(CMV)感染 は、胎児の発育に影響を与える可能性がある。

まとめ

舌小帯短縮症の発生には、遺伝的要因、環境要因 など、さまざまな要因が絡み合っています。
特に、家族内での発生率の高さや、先天性疾患との関連性を考えると、単なる成長過程の異常ではなく、医学的な視点での診断・治療が必要な場合もあります。

舌小帯短縮症の症状は年齢によって異なり、乳児期・幼児期・成人期それぞれで異なる問題を引き起こします。ここでは、各成長段階における主な症状と影響について詳しく解説します。

3-1. 乳児期の症状

授乳トラブル(母乳を飲みにくい、母乳育児への影響)

舌小帯が短いために舌の動きが制限され、授乳に必要な適切な吸啜(きゅうてつ:乳首を吸う動作)ができないことがあります。

授乳トラブル
授乳トラブル

具体的な問題点

  • 浅飲み(乳首を深くくわえられないため、十分に母乳を吸えない)
  • 弱い吸啜力(舌を適切に動かせず、母乳をうまく吸えない)
  • 頻回授乳(十分に飲めないため、短時間で何度も授乳が必要)
  • 哺乳ストレス(赤ちゃんがすぐに疲れてしまう)

🚨 影響

  • 赤ちゃんが 体重増加不良 になりやすい。
  • 栄養不足による発育遅延のリスク。

哺乳瓶の使用時の問題

母乳だけでなく、哺乳瓶を使う場合にも問題が生じることがあります。

哺乳瓶使用時の症状

  • ミルクを飲むのに時間がかかる
  • 乳首をうまくくわえられず、ミルクが口からこぼれる
  • 空気を多く飲み込み、頻繁にげっぷや吐き戻しをする

🚨 影響

  • ガスが溜まりやすく、腹痛を起こしやすい
  • 夜泣きが増える(お腹が張ることによる不快感)
  • 十分な栄養摂取ができないリスク

母親への影響(乳頭痛・母乳不足)

赤ちゃんが適切に授乳できないと、母親側にも影響が出ます。

母親の負担

  • 乳頭痛(乳首に負担がかかり、ひび割れ・出血を起こすことがある)
  • 母乳の分泌低下(赤ちゃんが適切に吸えないため、母乳の生産量が減少)
  • 授乳時間の延長(赤ちゃんが長時間吸い続けるため、母親の疲労が増す)

🚨 影響

  • 授乳ストレスが増大し、母乳育児を続けにくくなる
  • 母子ともに負担がかかるため、早期に離乳を選択せざるを得なくなる

3-2. 幼児期・学童期の症状

発音障害(「ラ行」「サ行」「タ行」の発音への影響)

舌小帯短縮症の子どもは、舌の動きが制限されるため、特定の音が正しく発音できないことがあります。

発音障害
発音障害

発音しづらい音

  • ラ行(ら・り・る・れ・ろ)
    → 舌を巻き上げる動作が難しく、音が不明瞭になる
  • サ行(さ・し・す・せ・そ)
    → 舌の位置が適切に保てず、発音が不明瞭になる
  • タ行(た・ち・つ・て・と)
    → 舌の先端を口蓋に押し付ける動きが難しいため、発音しづらい

🚨 影響

  • 言葉の発達が遅れる
  • 話し方にコンプレックスを持つ
  • 音読や会話で自信を失う

舌の可動域の制限と食事のしづらさ

舌が自由に動かせないため、食事の際に問題が生じます。

食事のしづらさ
食事のしづらさ

具体的な問題点

  • 舌を使って 食べ物を押しつぶす動作が苦手
  • 嚥下(飲み込み)がスムーズにできない
  • 食べ物を口の中で適切に移動できず、噛み残しが増える

🚨 影響

  • 偏食の原因 になる(食べにくいものを避ける)
  • 食事に時間がかかる
  • 誤嚥(ごえん) のリスクが高まる

口呼吸・歯並びへの影響

舌が正しい位置を維持できないため、口呼吸の習慣がつきやすく、歯並びにも影響を及ぼします。

口呼吸
口呼吸
歯並びへの影響
歯並びへの影響

口呼吸の影響

  • 口の中が乾燥しやすく、虫歯・歯肉炎のリスクが上がる
  • いびきが出やすくなり、睡眠の質が低下する

歯並びへの影響

  • 舌が上顎に適切に触れないと、上顎の発達が不足
  • 開咬や受け口 など、噛み合わせが悪くなる

🚨 口腔機能発達不全症との関連 舌の動きが制限されることで、正常な口腔機能の発達が阻害される。これにより、発音障害・咀嚼(そしゃく)障害・飲み込みの問題 などが生じる可能性がある。

3-3. 成人期の影響

発音の問題が持続

幼少期に治療を受けなかった場合、成人になっても発音の問題が持続することがあります。

影響を受けやすい場面

  • プレゼンテーションやスピーチ
  • 電話対応
  • 外国語の発音(特に英語のRやL)

🚨 心理的影響

  • 人前で話すことに抵抗を感じる
  • コミュニケーションの苦手意識が生まれる

顎関節症との関連性

舌の動きが制限されることで、顎の筋肉や関節に余計な負担がかかり、顎関節症のリスクが高まる。

関連症状

  • 顎の痛みやこわばり
  • 口が開きにくくなる
  • 顎のカクカク音(関節雑音)

🚨 影響

  • 顎関節症が慢性化し、治療が必要になることがある

口腔内の清掃不良による虫歯・歯周病リスク

舌の動きが悪いために、口腔内の自己清掃作用が低下し、虫歯や歯周病のリスクが高まる

原因

  • 舌が自由に動かないため、歯の表面を自然に磨くことができない
  • 食べかすが溜まりやすく、細菌の増殖が進む
  • 口臭の原因 になる

🚨 予防策

  • 定期的な歯科検診
  • 適切な歯磨きとフロスの使用
  • 舌クリーナーを活用する

まとめ

舌小帯短縮症は、乳児期から成人期までさまざまな影響を及ぼします。特に、授乳トラブル・発音障害・口呼吸・顎関節症 など、成長に応じた問題が発生するため、早期診断と適切な対応が重要です。

舌小帯短縮症は、視診や舌の動きの評価を中心に診断されます。以下の方法で診断が行われます。

4-1. 自己診断チェックリスト(舌を上顎につけられるか?)

舌小帯短縮症の可能性があるかどうか、自宅で簡単にチェックする方法があります。以下の項目に該当する場合、舌小帯短縮症の可能性が考えられます。

自己診断チェックリスト

  1. 舌を上顎(口蓋)にしっかり押し付けることができない
  2. 舌を前に突き出そうとすると、舌の先端が「ハート型」にくびれる
  3. 舌を突き出すと、下の前歯を超えない
  4. 口を大きく開けた状態で、舌を上顎につけられない
  5. 発音に違和感がある(特にラ行・サ行・タ行の発音)
  6. 食事中に舌をうまく使えず、噛み残しがある
  7. 口が常に開いている(口呼吸が多い)
  8. 授乳時に母乳を飲みにくかった(乳児の場合)
  9. 顎の痛み(顎関節症の症状)がある
  10. 歯並びが悪く、舌の動きが制限されていると感じる

🔍 判定

  • 3つ以上当てはまる → 舌小帯短縮症の可能性があるため、専門医の診察を推奨
  • 5つ以上当てはまる → 専門医による診断と治療の検討が必要

4-2. 小児科・耳鼻咽喉科・歯科での診断方法

舌小帯短縮症は、小児科・耳鼻咽喉科・歯科(小児歯科・口腔外科)で診断されます。各診療科での診断方法を紹介します。

小児科での診断

  • 新生児・乳児の授乳トラブルを診察
  • 舌の形状や可動域を確認
  • 舌小帯短縮症の程度を判定し、必要に応じて専門医に紹介

耳鼻咽喉科での診断

  • 舌の機能評価
  • 発音や嚥下(えんげ)機能のチェック
  • 関連する疾患(口腔機能発達不全症、睡眠時無呼吸症候群)の診察

歯科(小児歯科・口腔外科)での診断

  • 舌小帯の長さと付着位置を確認
  • 歯並び・噛み合わせへの影響を評価
  • 口腔筋機能療法(MFT)による経過観察の提案
  • 必要に応じて手術(舌小帯切除術・舌小帯形成術)を検討

🔍 診断時の重要ポイント

  • 舌の動きを制限する程度は Hazelbaker Assessment Tool for Lingual Frenulum Function(HATLFF) などのスコアリングシステムを使用して評価されることがある。

4-3. 画像診断(CT・超音波検査の活用)

舌小帯短縮症は、基本的には視診と機能評価で診断されますが、補助的な診断方法としてCT超音波検査が活用される場合があります。

超音波検査(エコー)

  • 舌小帯の厚みや付着部位を詳細に評価できる
  • 非侵襲的(痛みを伴わない)検査のため、乳児でも実施可能
  • 術前・術後の変化を確認するために使用されることもある

CT・MRI

  • 重度の舌小帯短縮症や、他の口腔内の異常が疑われる場合に使用
  • 3D画像で舌の構造や位置を詳しく把握できる
  • 特に顎関節症や上顎の発育異常がある場合に有効

🔍 画像診断の必要性

  • 通常は視診と機能評価で診断可能なため、画像診断は補助的に用いられる。
  • 乳児では超音波検査が優先されることが多い。

まとめ

舌小帯短縮症の診断は、自己診断から専門医による詳細な評価まで幅広い方法が用いられます。

  1. 自己診断チェックリスト
     ➡ 舌の動きや発音・授乳の問題を確認
  2. 小児科・耳鼻咽喉科・歯科での診察
     ➡ 専門医による視診・触診・機能評価
  3. 画像診断(CT・超音波検査)
     ➡ 必要に応じて舌小帯の構造を詳細に確認

👶 乳児の場合:授乳トラブルがある場合は、小児科または歯科を受診
👦 幼児・学童の場合:発音や食事の問題があれば、耳鼻咽喉科・歯科で診断
👨‍⚕️ 成人の場合:発音や顎関節症の影響を考慮し、口腔外科・歯科での相談を推奨

舌小帯短縮症は、早期発見と適切な診断が重要です。問題を感じた場合は、専門医に相談することが望ましいでしょう。

舌小帯短縮症の治療には、大きく分けて 保存的治療(手術を行わない方法)と 手術療法 があります。舌の可動域の程度や症状の影響度に応じて、適切な治療方法が選択されます。

5-1. 保存的治療(手術不要なケース)

軽度の舌小帯短縮症であれば、手術を行わずに舌のトレーニング口腔筋機能療法(MFT) などで改善を目指すことができます。

舌のストレッチ・トレーニング

舌小帯の柔軟性を向上させ、可動域を広げるためのストレッチやトレーニングが有効な場合があります。

舌のストレッチ方法

  1. 舌を上に持ち上げるトレーニング
    • 口を開けた状態で、舌先を上の前歯の後ろにつける
    • そのまま10秒間キープし、5回繰り返す
  2. 舌を前に突き出すトレーニング
    • 舌を可能な限り前に出し、「タタタ」「ラララ」と発音する
    • 1日5分程度行うことで舌の柔軟性を向上
  3. 舌を左右に動かすトレーニング
    • 口を開けた状態で、舌を左右に動かし、頬の内側に触れるようにする
    • 舌の筋力強化につながる

口腔筋機能療法(MFT)の実践

MFT(Myofunctional Therapy)は、口腔周囲の筋肉を鍛えることで舌の機能を改善し、発音や食事のしやすさを向上させるトレーニングです。

口腔筋機能療法(MFT)
口腔筋機能療法(MFT)

MFTの具体的なエクササイズ

  • リップトレーニング
    • 口を閉じた状態で、唇を強く押し付ける
    • 5秒キープし、10回繰り返す(口呼吸の改善にも有効)
  • スプーンを使った舌トレーニング
    • 舌の上にスプーンを置き、舌の筋肉を使って持ち上げる
    • 5秒間保持し、5回繰り返す
  • 発音トレーニング
    • 舌を意識して「ラ・サ・タ」などの音をゆっくり発音する

MFTは、小児歯科や言語療法士による指導のもとで行われることが多いですが、家庭での実践も可能です。

5-2. 手術療法

舌の動きが大きく制限され、授乳や発音に深刻な影響がある場合には 手術 が検討されます。

舌小帯切除術(舌小帯形成手術)

舌小帯を部分的に切開することで、舌の可動域を広げる手術です。比較的短時間で終わるため、乳児期の治療 にも適しています。

舌小帯切除術(舌小帯形成手術)
舌小帯切除術(舌小帯形成手術)

手術の流れ

  1. 局所麻酔または無麻酔(新生児の場合)
  2. ハサミまたはレーザーで舌小帯を切開
  3. 必要に応じて縫合
  4. 術後に舌のストレッチを指導

🚀 メリット

  • 5~10分程度の短時間で完了
  • 術後の回復が早い
  • 新生児の場合、授乳の改善が即座に見られることが多い

⚠️ デメリット

  • 再癒着の可能性があるため、術後のストレッチが必要
  • 深い切開が必要な場合、出血リスクがある

手術後のリスクとケア

出血・腫れ・癒着防止のためのマッサージ
  • 舌小帯が再癒着しないよう、術後 1~2週間はストレッチを実施
  • 1日数回、舌を上に持ち上げるマッサージを行う
発音改善のためのリハビリ
  • 手術後も MFTや言語訓練を継続 することで、舌の動きを最大限に改善
  • 舌の筋肉を鍛える リップトレーニングや発音練習 が推奨される

5-3. 舌小帯切除術の費用

保険治療

保険適用です。

種類金額 ※単位:保険点数
舌小帯形成術630点
※ 1点は10円です。3割負担の場合、一部負担金は約19,00円前後です。その他、初診料、再診料、指導料などがかかる場合もあります。

江戸川区の子ども医療費助成制度

高校3年生相当まで(18歳到達後の最初の3月31日まで)のお子さんが医療機関等で健康保険証を使用して診療を受けたとき、保険診療の自己負担分を江戸川区が助成する制度です。保護者の所得制限はありません。

まとめ

  • 軽度の舌小帯短縮症は 保存的治療(ストレッチ・MFT) で改善を目指す
  • 中等度以上で影響が大きい場合は 舌小帯切除術・舌小帯形成術 を検討
  • 術後のストレッチとリハビリが重要!
  • 舌小帯切除術は保険適用

舌小帯短縮症は単独で発生することもありますが、他の疾患と関連しているケースも多く報告されています。特に 上唇小帯短縮症、顎の発育不全、睡眠時無呼吸症候群、小児の摂食嚥下障害 との関連性が指摘されています。

6-1. 上唇小帯短縮症との関係

上唇小帯短縮症とは?

上唇小帯(じょうしんしょうたい)とは、上唇と歯茎(歯槽堤)をつなぐ筋のことです。舌小帯短縮症の子どもでは、この上唇小帯も異常に短い ことが多く、これを「上唇小帯短縮症」と呼びます。

上唇小帯短縮症
上唇小帯短縮症

舌小帯短縮症と上唇小帯短縮症の関係

共通の問題

  • 授乳の困難
    • 舌小帯短縮症 → 舌が適切に動かせず、乳首をうまく吸えない
    • 上唇小帯短縮症 → 上唇が十分に開かず、乳首をしっかり咥えられない
  • 口腔機能の発達不全
    • 舌や唇の動きが制限されることで、嚥下・咀嚼機能に影響
  • 歯並び・矯正治療への影響
    • 上唇小帯が短いと、すきっ歯(正中離開)歯列不正 の原因となる

治療のポイント

  • 軽度ならストレッチや口腔筋機能療法(MFT) で改善を試みる
  • 授乳に支障がある場合歯並びに悪影響がある場合 は手術(上唇小帯切除術)を検討

6-2. 舌小帯短縮症と顎の発育不全

舌の位置や動きは 顎の発育 に大きく関係しています。舌小帯短縮症があると、顎の正常な発育が妨げられる ことがあります。

顎の発育への影響

上顎の発育不全

  • 舌が十分に上顎に触れないため、上顎が正しく成長しにくい
  • 上顎の幅が狭くなることで、V字型の狭い歯列 になりやすい
  • 舌の押し上げが足りず、開咬(上下の歯が噛み合わない状態) になりやすい

下顎の発育不全

  • 舌が下の前歯を押せないため、下顎の成長が抑制される
  • 受け口(反対咬合) になるリスクが高まる

顎関節症(TMD)のリスク

  • 舌の動きが制限されることで、噛み合わせが悪くなり、顎関節症 を発症しやすい
  • 顎関節の痛みや違和感、カクカク音が発生することがある

予防・治療のポイント

  • 乳児期のうちに舌小帯短縮症を発見し、適切な治療を行う
  • MFT(口腔筋機能療法)を通じて、舌の正しい位置と機能をトレーニング
  • 重度の場合は、舌小帯の手術と合わせて歯列矯正 を検討する

6-3. 睡眠時無呼吸症候群(SAS)との関連

舌小帯短縮症は、睡眠時無呼吸症候群(SAS: Sleep Apnea Syndrome) の原因の一つとして考えられています。

舌小帯短縮症がSASを引き起こすメカニズム

舌の位置異常

  • 舌小帯が短いと舌の位置が低くなり、舌が喉の奥に落ち込みやすくなる
  • 睡眠中に舌が気道を塞ぎ、いびきや無呼吸 を引き起こす

口呼吸の増加

  • 舌が正しい位置に保てないため、口呼吸の習慣 がつきやすい
  • 口呼吸が続くと、喉が乾燥し、気道の閉塞が起こりやすくなる

成長への影響

  • 睡眠時無呼吸症候群が続くと、成長ホルモンの分泌が妨げられる
  • 集中力の低下、日中の眠気 などの問題が発生する

予防・治療のポイント

  • 舌小帯短縮症の診断を受けた子どもは、SASのリスクを考慮して経過観察
  • 口呼吸を改善するために、MFTや鼻呼吸トレーニング を実施
  • 重度のSASを伴う場合、舌小帯の手術や矯正治療 を検討

6-4. 小児の摂食嚥下障害

舌の動きが制限されると、摂食(食べる)や嚥下(飲み込む) に影響を及ぼすことがあります。

摂食・嚥下への影響

乳児期の授乳トラブル

  • 舌がうまく動かせず、乳首をくわえても十分な吸啜(きゅうてつ)ができない
  • 乳児がミルクを吐き戻しやすい

離乳食期の問題

  • 固形物をうまく舌で押しつぶせない
  • 口の中で食べ物を適切に移動できず、噛み残しが多くなる
  • 食事に時間がかかる、飲み込みにくい

学童期以降の影響

  • 舌の可動域が狭いため、食事中にむせやすい
  • 舌を使った発音や咀嚼(そしゃく)がスムーズにできない
  • 舌を適切に使えないため、口腔機能発達不全症のリスクが高まる

予防・治療のポイント

  • 早期発見とトレーニング が重要
    • 授乳が難しい場合は、小児科・歯科で相談
    • 離乳食の進め方に注意し、舌のトレーニングを取り入れる
  • 摂食・嚥下リハビリ を言語聴覚士(ST)と協力して実施
  • 重度のケースでは、手術を検討し、術後のリハビリで舌の動きを改善する

まとめ

舌小帯短縮症は、単なる舌の動きの制限にとどまらず、以下の疾患と深い関連があります。

  1. 上唇小帯短縮症 → 授乳トラブル・歯並びへの影響
  2. 顎の発育不全 → 上顎・下顎の成長に悪影響、歯列不正の原因
  3. 睡眠時無呼吸症候群(SAS) → いびき・口呼吸・成長への影響
  4. 小児の摂食嚥下障害 → 授乳トラブル・食事のしづらさ・むせやすさ

🎯 早期発見と適切な治療が重要!
気になる症状がある場合は、小児科・歯科・耳鼻咽喉科の専門医に相談しましょう。

舌小帯短縮症の治療には 保存的治療(ストレッチ・MFT)手術(舌小帯切除術・舌小帯形成術) がありますが、すべてのケースで手術が必要なわけではありません。ここでは、手術が推奨されるケースや適切な受診科、手術の適齢期について解説します。

7-1. 手術適応の判断基準

舌小帯短縮症の手術が必要かどうかは、舌の可動域や日常生活への影響をもとに判断されます。以下の基準に該当する場合、手術を検討することが推奨されます。

✅ 手術を検討すべきケース

1. 乳児期(0~1歳)
  • 授乳がうまくできない
    • 母乳・ミルクを適切に吸えず、体重増加不良がみられる
    • 哺乳時に異常な疲れやすさがある
  • 母親に授乳トラブルがある
    • 乳頭の傷や痛み が続く(赤ちゃんが適切に乳首をくわえられないため)
2. 幼児期・学童期(1~6歳)
  • 発音障害が顕著
    • 「ラ行」「サ行」「タ行」が発音しづらい
    • 言葉が不明瞭で、家族や周囲の人が聞き取りにくい
  • 食事がしづらい
    • 舌が適切に動かせず、咀嚼(そしゃく)や嚥下(えんげ)が難しい
    • 食べこぼしが多く、食事に時間がかかる
  • 口呼吸や歯並びへの影響
    • 舌の位置異常による 口呼吸 の習慣化
    • 開咬・出っ歯・受け口 などの歯列不正が見られる
3. 成人期
  • 発音の問題が続いている
    • 子どもの頃から舌小帯短縮症があり、社会生活に影響を及ぼしている
  • 顎関節症のリスクがある
    • 舌の動きが制限され、噛み合わせや顎関節に負担がかかっている
  • 睡眠時無呼吸症候群のリスク
    • 舌の位置異常が気道閉塞を引き起こしている可能性 がある

❌ 手術をしなくてもよいケース

  • 舌の動きに問題がなく、日常生活に支障がない
  • 発音や食事の問題が軽度で、MFT(口腔筋機能療法)で改善が見込める
  • 成長とともに自然に改善する可能性がある(軽度の場合)

🔎 ポイント 👉 軽度の場合は、手術よりもストレッチやトレーニングで様子を見ることが多い
👉 重度の場合は、手術が推奨されるケースが多い

7-2. どの科を受診すればよいか?(小児歯科・耳鼻科・形成外科)

舌小帯短縮症の診断・治療は、主に以下の診療科で対応可能です。それぞれの専門分野によって、治療方針が異なることがあるため、適切な診療科を受診することが重要です。

✅ 小児歯科

対象: 赤ちゃん・幼児・学童期の子ども
主な診療内容:

  • 授乳トラブルや食事の問題の相談
  • 歯並びや噛み合わせへの影響を診断
  • 舌の可動域を評価し、手術が必要かどうかを判断
  • 口腔筋機能療法(MFT)の指導

➡ 乳児期・幼児期の早期発見と治療を希望する場合におすすめ

✅ 耳鼻咽喉科

対象: 乳児~成人
主な診療内容:

  • 舌の動きや機能の評価
  • 発音や嚥下(飲み込み)に関する問題の診断
  • 睡眠時無呼吸症候群との関連を評価
  • 手術(舌小帯切開術・舌小帯形成術)の実施

➡ 発音や呼吸の問題がある場合におすすめ

✅ 形成外科・口腔外科

対象: 幼児~成人
主な診療内容:

  • 舌小帯の形状を評価し、より精密な手術を実施
  • 縫合を行う「舌小帯形成術(フレンクトプラスティー)」を実施
  • 審美的・機能的に考慮した治療を希望する場合に適している

➡ より高度な手術を希望する場合や、成人で治療を受ける場合におすすめ

7-3. 手術を受ける適切な年齢(乳児期?幼児期?)

手術を行う適切なタイミングは、症状の重さや年齢によって異なります。

✅ 乳児期(生後1~6か月)

🔹 メリット

  • 授乳トラブルを早期に改善 できる
  • 新生児期の手術は 無麻酔 で行えることが多い
  • 回復が早く、傷の治りが良い

🔸 デメリット

  • 成長とともに改善する可能性があるため、必要かどうか慎重に判断 する必要がある

🟢 手術推奨: 授乳が困難な場合(母乳・ミルクがうまく飲めない)

✅ 幼児期(1~6歳)

🔹 メリット

  • 発音の問題を早期に改善できる
  • 舌の動きを鍛えるトレーニングと組み合わせることで、効果が高まる

🔸 デメリット

  • 局所麻酔が必要(手術の痛みや恐怖感を感じる可能性がある)

🟢 手術推奨: 発音や食事に明らかな問題がある場合

✅ 学童期(6~12歳)

🔹 メリット

  • 発音の問題が持続している場合、手術後の発音矯正がしやすい
  • 自分の意思で手術を選択できる

🔸 デメリット

  • すでに発音の癖がついていると、手術後もリハビリが必要

🟢 手術推奨: 発音障害が続いている場合

✅ 成人(12歳以上)

🔹 メリット

  • 自分の意思で手術を選択できる
  • 手術後の経過観察をしっかり行える

🔸 デメリット

  • 成長後の手術では、癒着や痛みが強くなることがある
  • 発音の問題が完全には改善しない可能性 がある(習慣化した発音の癖が残る)

🟢 手術推奨: 発音障害・顎関節症・睡眠時無呼吸症候群のリスクがある場合


まとめ

✅ 手術が必要かどうかは、授乳・発音・食事・呼吸 への影響を基準に判断
乳児期は授乳トラブル、幼児期以降は発音や食事の問題がある場合に手術を検討
受診科は小児歯科・耳鼻科・形成外科のいずれかを選択
手術をする場合は、術後のリハビリが重要!

舌小帯短縮症は、早期に発見し適切な対応をすることで、授乳や発音のトラブルを軽減できます。ここでは、乳児期のチェックポイント、親ができるトレーニング、定期健診の重要性 について解説します。

8-1. 乳児期のチェックポイント

舌小帯短縮症は生まれつきの状態 なので、新生児や乳児のうちにチェックすることが大切 です。特に以下のポイントに注目しましょう。

✅ 授乳時のチェックポイント

  • 母乳やミルクをうまく飲めているか?
    • 吸い付きが浅く、すぐに口から離れてしまう
    • 授乳の時間が長すぎる(30分以上かかる)
    • ミルクを飲むときに異常な疲れが見られる
  • 飲みながら「チュッチュッ」「クチャクチャ」などの音がする
    • 正常な授乳では、音はほとんどしない
    • 音がする場合は、舌の可動域が制限されている可能性あり
  • 母乳の分泌が減る・母親の乳頭痛が続く
    • 舌小帯短縮症の赤ちゃんは乳首を正しくくわえられず、母親側のトラブルにつながる

✅ 舌の形・動きのチェック

  • 舌を前に出すと、先端が「ハート型」になる
  • 舌を上顎につけることができない
  • 泣いたとき、舌が下の歯茎に張り付いている
  • 口を開けたままのことが多い(口呼吸の兆候)

チェックリストに複数当てはまる場合、早めに小児歯科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。

8-2. 親ができるトレーニング

軽度の舌小帯短縮症なら、舌のストレッチやトレーニング を行うことで改善することがあります。

✅ 乳児向けの舌ストレッチ

生後6か月頃までの赤ちゃんには、簡単なマッサージやトレーニングを取り入れることで、舌の可動域を広げるサポートができます。

  1. 舌を持ち上げるマッサージ
    • 赤ちゃんの舌の下に指を入れ、軽く持ち上げる
    • 1回5秒 × 5回 繰り返す(1日3回)
  2. 口周りの筋肉を鍛えるマッサージ
    • 赤ちゃんの上唇と下唇を優しく指でなでる
    • 口の周りの筋肉が鍛えられ、吸啜力が向上
  3. おもちゃを使ったトレーニング
    • 乳児用のシリコン製の舌トレーニングおもちゃ を使う
    • 赤ちゃんが舌を動かす習慣をつける

✅ 幼児向けの舌トレーニング

幼児期(1歳以降)には、舌の動きをスムーズにするトレーニングを行うことで、発音や食事の改善につなげる ことができます。

  1. 舌を上顎につけるトレーニング
    • 口を大きく開け、舌を上顎につける
    • 1回10秒 × 5回 繰り返す(1日3回)
  2. スプーンを使ったトレーニング
    • スプーンの背で舌を押し、持ち上げる練習 をする
    • 舌の柔軟性が向上
  3. 「ラ行」「タ行」「サ行」の発音練習
    • 発音の苦手な子は、鏡を見ながら発音練習 をすると効果的
    • 「ら・り・る・れ・ろ」をゆっくり発音する

8-3. 定期健診の重要性

舌小帯短縮症は、定期健診での早期発見が重要 です。気になる症状がなくても、定期的に専門医のチェックを受ける ことをおすすめします。

定期健診
定期健診

✅ どのタイミングで健診を受けるべきか?

📌 乳児健診(生後1か月、3~4か月健診、6か月健診)

  • 授乳の問題がないか、舌小帯の状態をチェック
  • 舌の形や動きに異常がないか、医師に確認

📌 1歳半健診・3歳児健診

  • 言葉の発達チェック(発音に問題がないか)
  • 食事中の舌の動きを確認

📌 幼児~学童期(5~7歳)

  • 発音の問題がある場合、言語療法士(ST)と連携
  • 必要ならば歯科矯正や手術の検討

📌 成人期のチェック

  • 発音や顎関節症の問題がある場合、口腔外科や耳鼻科を受診
  • 睡眠時無呼吸症候群の兆候がある場合は専門医に相談

まとめ

✅ 早期発見のためのポイント

👶 乳児期のチェックポイント
🔹 授乳トラブルがないか?(うまく吸えない・母乳が飲みにくい)
🔹 舌の形や動きに異常がないか?(ハート型・上に持ち上がらない)

🤱 親ができるトレーニング
🔹 乳児 → 舌のマッサージやストレッチ を実施
🔹 幼児 → 舌の発音・可動域を広げるトレーニング を行う

🦷 定期健診での早期発見が重要!
🔹 1か月健診・3~4か月健診・1歳半健診でチェック
🔹 発音や食事の問題がある場合、専門医に相談

🎯 早めの対策で、発音や食事の問題を未然に防ぎましょう!

舌小帯短縮症に関する疑問や不安を解決するために、よくある質問をQ&A形式でまとめました。

Q. 舌小帯短縮症は自然に治る?

A. 軽度の場合は、成長とともに改善することがありますが、重度の場合は自然に治ることはほとんどありません。

  • 軽度の舌小帯短縮症 では、舌の筋肉が発達するにつれて舌の動きが改善することがあります。
  • 中等度~重度 の場合は、成長しても舌の動きが制限され続けるため、発音や食事の問題が出る可能性が高い です。
  • 舌のストレッチや口腔筋機能療法(MFT) を行うことで、ある程度改善する場合もあります。

🔹 ポイント:
→ 乳児期に授乳の問題がある場合、早めに専門医に相談 するのがおすすめです。
→ 幼児期以降も発音や食事に影響がある場合は、治療を検討 しましょう。

Q. 赤ちゃんが舌を出せないけど大丈夫?

A. 舌小帯短縮症の可能性がありますが、必ずしも治療が必要とは限りません。

  • 赤ちゃんは舌を使って吸啜(きゅうてつ:乳首を吸う動作)を行いますが、舌小帯が短いと舌を前に出しにくい ことがあります。
  • 舌を出せなくても、授乳に問題がなければ経過観察でOK です。
  • 以下の症状がある場合は、専門医の診察を受けましょう。
    • 授乳がうまくできない(すぐ疲れる・ミルクがこぼれる)
    • 体重増加が不十分
    • 舌先が「ハート型」になっている

🔹 ポイント:
→ 授乳に影響がある場合は、小児歯科や小児科でチェックを受けると安心です。
→ 成長とともに改善することもあるため、すぐに手術が必要なケースは限られます。

Q. 手術後の痛みはどれくらい?

A. 乳児はほぼ無痛ですが、幼児・成人は数日間痛みが続くことがあります。

🔹 乳児(0~6か月)

  • 生後すぐの手術(舌小帯切除術)は、ほとんど痛みを感じない とされています。
  • 手術後すぐに授乳をすると、舌の動きがスムーズになり、回復が早いです。

🔹 幼児~成人

  • 局所麻酔または全身麻酔で行うため、手術中は痛みを感じません
  • 手術後1~3日程度は、舌の違和感や軽い痛みがありますが、通常は痛み止めでコントロール可能
  • 手術後のリハビリ(舌のストレッチ)を行うことで、癒着を防ぐことが重要

🔹 ポイント:
→ 乳児はほぼ痛みがないため、授乳トラブルがある場合は早めの対応がおすすめ。
→ 幼児・成人は、痛みよりも術後の舌のストレッチやリハビリが重要 です。

Q. 何歳までに手術すべき?

A. 授乳に影響がある場合は「乳児期」、発音に問題がある場合は「幼児期」に手術を検討するのが一般的です。

🔹 乳児期(生後1~6か月)

  • 授乳に問題がある場合は早めの手術が推奨 される。
  • 新生児の手術は無麻酔で行えることが多く、回復も早い

🔹 幼児期(1~6歳)

  • 言葉の発達が始まる2~3歳頃までに手術すると、発音の問題を防げる
  • 発音や食事の問題が出てきたら、早めに専門医に相談。

🔹 学童期(6~12歳)

  • 発音に明らかな問題がある場合は手術を検討。
  • すでに発音のクセがついていると、手術後もリハビリが必要

🔹 成人(12歳以上)

  • 手術は可能だが、舌の動きのクセや発音の問題が完全に治るとは限らない
  • 顎関節症や睡眠時無呼吸症候群などの症状がある場合、手術を検討。

🔹 ポイント:
授乳の問題があれば「乳児期」、発音や食事の問題があれば「幼児期」までに手術を検討するのが理想的。
成人でも手術は可能だが、発音のクセを直すにはリハビリが必要

Q. 舌小帯短縮症は大人でも手術できる?

A. 大人でも手術は可能ですが、発音の改善にはリハビリが必要になることがあります。

  • 舌小帯短縮症が原因で 発音障害・顎関節症・睡眠時無呼吸症候群 などの問題がある場合、大人でも手術を受けることができます。
  • しかし、成長後は舌の動きのクセが固定化されているため、手術だけでは完全に発音が改善しないことがある
  • 手術後に舌のストレッチや発音トレーニング(MFT)を継続することが重要

🔹 手術を検討すべき大人のケース

  • 発音が不明瞭で、仕事や日常生活に支障がある
  • 顎関節症のリスクがある
  • 睡眠時無呼吸症候群の症状がある(いびき・無呼吸)

🔹 ポイント:
大人でも手術は可能だが、術後のリハビリが重要!
→ 発音改善のためには、言語療法士(ST)の指導を受けるのがおすすめ


まとめ

質問回答
舌小帯短縮症は自然に治る?軽度なら改善することもあるが、重度は自然に治らない
赤ちゃんが舌を出せないけど大丈夫?授乳に問題がなければ経過観察でOK、問題がある場合は専門医に相談
手術後の痛みはどれくらい?乳児はほぼ無痛、幼児~成人は軽い痛みが数日続くがコントロール可能
何歳までに手術すべき?授乳の問題なら「乳児期」、発音の問題なら「幼児期」が目安
大人でも手術できる?可能だが、発音改善にはリハビリが必要

👶 赤ちゃんの場合は早期発見が大切!
🗣️ 発音の問題があれば、幼児期のうちに手術を検討!
👨‍⚕️ 大人でも手術は可能だが、リハビリが必要!

舌小帯短縮症の基本情報の振り返り

舌小帯短縮症(ぜつしょうたいたんしゅくしょう)は、舌の裏側にある 舌小帯 が短すぎる、または異常に付着しているために 舌の動きが制限される状態 です。この状態が授乳、発音、食事、呼吸などに影響を及ぼすことがあります。

🔹 主な症状

  • 乳児期: 授乳のしづらさ、母乳をうまく飲めない
  • 幼児期: 発音障害(ラ行・サ行・タ行の発音が不明瞭)、食事のしづらさ
  • 成人期: 発音の問題が続く、顎関節症のリスク、睡眠時無呼吸症候群との関連

🔹 主な治療法

  • 軽度なら 舌のストレッチや口腔筋機能療法(MFT) で改善を試みる
  • 重度の場合は 舌小帯切除術・舌小帯形成術を検討

早期発見・治療の重要性

舌小帯短縮症は 早期発見・早期治療が重要 です。特に 授乳・発音・食事 に影響が出る場合は、早めの対応が望まれます。

🍼 乳児期(0~6か月)

  • 授乳がうまくいかない場合、舌小帯の状態をチェック
  • 母乳が飲みにくい・哺乳瓶でもミルクがこぼれる場合 は、小児歯科や耳鼻咽喉科を受診

🗣 幼児期(1~6歳)

  • 発音の問題(ラ行・サ行・タ行) がある場合は、言語療法や手術を検討
  • 食べ物をうまく飲み込めない・噛みづらい なら専門医に相談

👨‍⚕️ 成人期

  • 発音障害や顎関節症、睡眠時無呼吸症候群 の症状がある場合は手術の適応を検討

専門医への相談を推奨

舌小帯短縮症が疑われる場合、早めに専門医の診察を受けることをおすすめ します。

受診すべき診療科

診療科相談内容
小児歯科乳児の授乳トラブル、歯並びや噛み合わせへの影響
耳鼻咽喉科発音障害、口腔機能の発達、嚥下(飲み込み)
形成外科・口腔外科手術が必要な場合、舌小帯形成術の実施

🔹 定期健診を活用する

  • 1か月健診・3~4か月健診で舌の動きをチェック
  • 1歳半健診・3歳児健診で発音や食事の状態を確認
  • 幼児期に発音の問題があれば言語聴覚士(ST)と連携

まとめ

✅ 舌小帯短縮症は 乳児の授乳・幼児の発音・成人の口腔機能 に影響を及ぼす可能性がある
早期発見・早期対応が重要 であり、授乳や発音に問題がある場合は 専門医に相談 することが大切
✅ 軽度なら ストレッチやMFT(口腔筋機能療法) で改善を目指し、重度なら 手術を検討
手術後のリハビリ(舌のストレッチ・発音トレーニング)が重要

👶 赤ちゃんの授乳がうまくいかない場合、早めのチェックを!
🗣️ 発音に違和感を感じたら、小児歯科・耳鼻科へ!
👨‍⚕️ 気になる症状があれば、専門医に相談を!

「気になる症状があれば、早めの対応を心がけましょう!」

江戸川区で舌小帯短縮症の相談なら!篠崎駅近くの当歯科で専門治療

赤ちゃんの授乳トラブルや、お子さまの発音・食事の問題でお悩みではありませんか?
江戸川区篠崎の当歯科医院 では、舌小帯短縮症の診断・治療を行っております

🔹 こんなお悩みはありませんか?
✅ 赤ちゃんが母乳や哺乳瓶をうまく飲めない
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当院では、舌小帯短縮症の診断・口腔機能トレーニング・必要に応じた治療 まで、一人ひとりに合わせたサポートを行います。

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【動画】アデノイド顔貌

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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