ドライソケットの見分け方:見た目で判断する方法とその限界
ドライソケットを見た目で判断出来る?
患者さん自身で確認するのは難しい
ドライソケットかどうかの判断は、抜歯窩が大きく開いていると見た目である程度判断出来ます。
ドライソケットになっていると、骨が露出しているので部分的に白っぽく見えます。
ただし、患者さん自身では、親知らずが奥にあるため、ドライソケットとなっても暗くてはっきりと白く確認することは難しいかもしれません。
抜歯窩が閉鎖している様に見えて、歯茎の腫れがない場合でもドライソケットになっていることがあります。
抜歯窩を洗浄してみると、食べかすや腐敗物などが出てくる場合はドライソケットです。この様な場合は強い痛みを訴えます。
ドライソケットになると耐えられない痛み発生
親知らずの抜歯後4日~5日経過して起こる激痛はドライソケットが原因です。
抜歯窩内部に溜まった血餅がすべて流れ出してしまいドライソケットになります。
抜歯後の血餅の役割とは?白いブヨブヨが示す回復のサイン
抜歯窩に血餅が溜まる
血餅(白いブヨブヨ)
親知らずに限らず、歯を抜いた後にできる骨の穴”抜歯窩(ばっしか)”に血液が溜まり血餅(白いブヨブヨ)となることが、健全な治癒に向かうために重要です。
抜歯後、抜歯窩内に残根などの異物が残らないように鋭匙(えいひ)という器具で掻把(掻き出すこと)します。
抜歯窩が血餅で満たされると穴が作られることはなく、食べカスなどが入らず順調に治ります。
血餅の色は赤黒い見た目
抜歯2日後の洗浄時の画像です。抜歯窩は血液とスポンゼルが混ざった黒赤色の血餅で満たされ、非常に良い状態です。
血餅は白いブヨブヨした塊の様に見えることもあります。
なお、この症例では縫合は行っていません。痛みはこの時点でほぼ消失しています。
血餅(白いプニプニ)の役割
抜歯窩に血餅が溜まると痛みが起きない
血餅(白いプニプニ)は、抜歯によって出来た骨の穴を新しい骨で満たすための重要な基質となるものです。血餅は2~3週間で肉芽組織になり、2~3ヶ月で新しい緻密な骨や神経に改造します。
血餅が抜歯窩の骨に触れ、湿潤状態となることで痛みの発生は抑えられます。
大きな血餅(白いプニプニ)は取っても大丈夫
通常、抜歯後10分ほどで止血しますが、なかなか出血が止まらないケースでは抜歯窩を越えてほっぺたの内側などに広がって血餅が出来ることがあります。
この様な大きな血餅が出来ると「取れそうで怖い」と思うかもしれませんが、抜歯窩に触れないようにそっと余分な血餅を取ってしまっても大丈夫です。その際、細菌感染を起こさないように手指の消毒を行い、清潔なガーゼで取ります。
また、余分な大きな血餅は自然と取れてしまうことが多く、その後痛みが起こらないようならそのままで大丈夫です。
血餅(白いブヨブヨ )が取れそうで怖い
抜歯窩に詰めるスポンゼルは、2~3個徐々に詰めていきます。その内の一つが取れてしまうことがあります。
すると、スポンゼルに混ざった白いブヨブヨした血の塊の様なものがすべて取れそうで怖い気持ちになるかもしれませんが、すべての血餅が取れるわけではないので心配ありません。
抜歯後の出血が止まらない時の対処法:ガーゼの使い方と注意点
抜歯後出血が止まらない時
通常、歯医者では止血用ガーゼを噛んでもらい止血を計ります。10分ほどで出血が止まるのが普通です。しかし、稀に家に帰ってからも出血がジワジワ続くことがあるため歯科医院から止血用ガーゼを渡されるはずです。
出血が止まらないようなら30分から1時間、しっかりとガーゼを噛んで圧迫止血をします。それでも止まらなければガーゼを変えて1時間ガーゼを噛んでください。
一旦止まっても、再出血する事がありますから同様のことを繰り返して下さい。
また、唾液に混じった血液をうがいし洗い出そうとすると止血効果が弱まります。
また、ドライソケットの発症原因ともなるので、うがいは控えて、血の混じった唾液を吐き出す程度にします。
それでも止まらないようなら、異常出血が疑われるので歯科医院に連絡してください。
炎症性組織(不良肉芽組織)がある場合
親知らずの智歯周囲炎では消炎処置を行った後に抜歯を行いますが、炎症性組織(不良肉芽組織)が沢山存在していると術後の出血が続く事があります。
じわじわとわずかに出た血液でも唾液に交じって大量に出血している様に感じるかもしれませんが、通常ならば、翌朝には止まっているはずです。
江戸川区篠崎でドライソケットの治療をご希望の方へ
江戸川区篠崎で親知らずの抜歯についてお悩みの方は、ぜひふかさわ歯科クリニック篠崎までご相談下さい。当院では、事前の検査・診断で出来るだけ手術時間を短縮し、リスクや痛みを抑えた親知らずの抜歯を心がけております。他院で抜歯後、ドライソケットによる痛みでお困りの方でもぜひお気軽にご相談ください。また、親知らずの移植や歯髄バンクなどの有効活用も考慮した適切なアドバイスを行っています。
【動画】親知らず抜歯後ドライソケットに!
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。