- 1. 【🎞️43秒】毎日の歯磨きだけでは足りない?プラークコントロールで口の中を守る正しい習慣とは
- 2. プラークコントロールとは
- 2.1. プラーク(歯垢)の正体
- 2.2. プラークが虫歯や歯周病につながる仕組み
- 2.3. プラークコントロールは「歯磨き」だけではない
- 3. プラークが形成されるまで
- 3.1. 1.磨き残しが生じる
- 3.2. 2.細菌が増殖する
- 3.3. 3.プラークが成熟する
- 3.4. 4.バイオフィルムが形成される
- 4. 自宅でできるプラークコントロール
- 4.1. 歯と歯ぐきの境目を意識して磨く
- 4.2. フロス・歯間ブラシを併用する
- 4.3. 就寝前は特に丁寧に
- 4.4. 電動歯ブラシと手磨きはどちらがよい?
- 5. 歯科医院で行うプラークコントロール
- 5.1. 歯磨き指導(TBI)
- 5.2. PMTC
- 5.3. エアフロー
- 5.4. スケーリング・SRP
- 6. プラークの染め出しで「磨き残し」を見える化
- 6.1. プラークコントロールレコード(PCR)とは
- 6.1.1. プラークの染め出しで「見える化」
- 6.1.1.1. 🪥初診時のプラークの状態
- 6.1.1.2. 🔁2回目来院時の変化と気づき
- 6.1.2. プラークスコアの評価基準
- 6.1.3. プラークコントロールレコード初回
- 6.1.4. 約2年後のプラークコントロールレコード
- 7. プラークコントロールがうまくいかない原因
- 7.1. 磨き方に問題がある
- 7.2. 歯並びや被せ物などの影響
- 7.3. 生活習慣や全身状態も関係する
- 8. プラークコントロールで歯を守るために
- 8.1. 関連記事
- 9. 「磨いている」から「磨けている」へ
- 10. 【動画】初期虫歯COを削らずに自分で治す方法
- 11. 筆者・院長
- 11.1. 深沢 一
- 11.1.1. メッセージ

「毎日ちゃんと歯を磨いているのに、虫歯や歯周病を指摘された……」
そんな経験はありませんか?
大切なのは、単に「毎日歯を磨くこと」ではなく、プラーク(歯垢)が残りやすい場所を知り、効果的に取り除くことです。
プラークコントロールでは、歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシなども活用しながら、お口の中を清潔に保ちます。さらに、歯科医院で磨き残しを確認し、自分に合ったケア方法を身につけることも重要です。
この記事では、プラークコントロールの意味から、自宅でできるセルフケア、歯科医院で行う専門的なケアまで分かりやすく解説します。
【🎞️43秒】毎日の歯磨きだけでは足りない?プラークコントロールで口の中を守る正しい習慣とは
プラークコントロールとは
プラークコントロールとは、歯の表面や歯と歯ぐきの境目などに付着するプラーク(歯垢)をできるだけ取り除き、虫歯や歯周病が起こりにくい口腔環境を維持することです。
プラークは単なる食べかすではありません。多数の細菌が集まり、歯の表面に付着して形成される細菌性の沈着物です。
プラークを放置すると、虫歯や歯肉炎、歯周病、口臭などの原因になることがあります。
そのため、毎日のセルフケアに加えて、歯科医院で定期的に口腔内の状態を確認することが大切です。
プラーク(歯垢)の正体

プラークは、多数の細菌が集まって歯の表面に付着した粘着性のある汚れです。
白色や黄白色をしているため歯の色と区別しにくく、見た目だけでは気付かないことがあります。
プラークの中には、虫歯や歯周病に関係するさまざまな細菌が存在しています。
歯磨きで十分に取り除けない状態が続くと、細菌が増殖し、口腔内の環境が悪化する原因になります。
プラークが虫歯や歯周病につながる仕組み

虫歯に関係する細菌は、糖質を利用して酸を作ります。その酸によって歯の表面からカルシウムやリンなどのミネラルが溶け出す「脱灰」が進むと、虫歯につながります。
一方、歯と歯ぐきの境目にプラークが残り続けると、歯ぐきに炎症が起こり、
- 歯ぐきの腫れ
- 歯磨き時の出血
- 歯周ポケットの形成
などがみられるようになります。
さらに歯周炎が進行すると、歯を支える歯槽骨が失われ、歯がぐらついたり、最終的に抜歯が必要になったりすることがあります。
プラークコントロールは「歯磨き」だけではない
プラークコントロールというと、「しっかり歯を磨くこと」と考える方も多いでしょう。
しかし、大切なのは歯磨きをした回数や時間だけではありません。
実際にどこにプラークが残っているのかを確認し、効果的に除去できる状態を維持することが重要です。
歯ブラシだけでは清掃しにくい歯と歯の間には、デンタルフロスや歯間ブラシなどを使用します。
さらに、歯科医院でセルフケアの状態を確認し、必要に応じて専門的なクリーニングを受けることもプラークコントロールの一環です。
プラークが形成されるまで

1.磨き残しが生じる
毎日歯磨きをしていても、奥歯の溝、歯と歯の間、歯と歯ぐきの境目などにはプラークが残りやすくなります。
2.細菌が増殖する
歯面に付着した細菌が増殖し、次第にプラークが形成されます。
3.プラークが成熟する
除去されずに残ったプラークでは、時間の経過とともに細菌叢が変化し、より複雑な細菌の集団へと成熟していきます。
4.バイオフィルムが形成される
細菌は互いに集まり、細菌自身が作る物質に覆われた「バイオフィルム」を形成します。
バイオフィルムは歯面に強く付着するため、うがいだけで十分に取り除くことは困難です。
そのため、歯ブラシやデンタルフロス、歯間ブラシなどによる機械的な清掃が重要になります。
自宅でできるプラークコントロール

プラークコントロールの基本は、毎日のセルフケアです。
ただし、「長時間磨けばよい」「強く磨けばよい」というものではありません。
歯と歯ぐきの境目を意識して磨く
プラークが残りやすいのは、
- 歯と歯ぐきの境目
- 歯と歯の間
- 奥歯
- 歯の裏側
- 歯並びが重なっている部分
などです。
毛先を磨きたい場所にきちんと当て、小刻みに動かします。
強い力で磨き続けると、歯ぐきを傷つけたり歯の表面に負担をかけたりすることがあるため、力を入れ過ぎないことも大切です。
フロス・歯間ブラシを併用する
歯ブラシだけでは、歯と歯の間のプラークを十分に除去することが難しい場合があります。
そこで活用したいのが、
- デンタルフロス
- 歯間ブラシ
です。
歯と歯の間が狭い場所にはフロス、歯間が広い場所には歯間ブラシなど、お口の状態に合わせて使い分けます。
歯間ブラシはサイズ選びも重要なため、分からない場合は歯科医師や歯科衛生士に相談しましょう。
就寝前は特に丁寧に
睡眠中は唾液の分泌量が減少します。
唾液には口腔内を洗い流したり、酸を中和したりする働きがあるため、唾液が少なくなる就寝中は細菌が増殖しやすい環境になります。
そのため、就寝前は特に丁寧なセルフケアを心がけましょう。
電動歯ブラシと手磨きはどちらがよい?
電動歯ブラシと手用歯ブラシのどちらでも、適切に使用すればプラークコントロールに役立ちます。
電動歯ブラシには、
- 一定の動きで磨きやすい
- 短時間でも効率よく清掃しやすい
- タイマーや過圧防止機能を備えた製品がある
などのメリットがあります。
ただし、電動歯ブラシを使えば自動的にすべてのプラークが落ちるわけではありません。
毛先を当てる位置や動かし方が適切でなければ、磨き残しが生じます。
歯や歯ぐきの状態、歯並びなどによって適した製品や使い方は異なるため、歯科医院で相談するとよいでしょう。

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歯科医院で行うプラークコントロール

セルフケアだけでは、すべてのプラークや歯石を取り除くことは困難です。
歯科医院では口腔内を確認し、必要に応じて専門的なケアを行います。
歯磨き指導(TBI)
患者さんによって、プラークが残りやすい場所は異なります。
染め出しなどを利用して磨き残しを確認し、歯ブラシの当て方や動かし方、フロス・歯間ブラシの選び方などをアドバイスします。
自己流の磨き方を見直し、「磨いている」から「磨けている」状態を目指すことが目的です。
PMTC
PMTC(Professional Mechanical Tooth Cleaning)は、歯科医師や歯科衛生士が専用の器具などを使用して行う専門的な歯面清掃です。
セルフケアでは落としにくいプラークや着色などを除去し、清潔な口腔環境を維持することを目的とします。
エアフロー
エアフローは、水と微細なパウダーを噴射して、歯面に付着したバイオフィルムや着色などを除去する方法です。
口腔内の状態に応じて、歯周病の治療やメインテナンスなどに使用されることがあります。
スケーリング・SRP
プラークが石灰化して歯石になると、歯ブラシでは除去できません。
スケーリングでは、専用器具を使用して歯石などを除去します。
歯周病が進行している場合には、歯周ポケット内の歯石や汚染物質を除去するSRP(スケーリング・ルートプレーニング)などを行うことがあります。
プラークの染め出しで「磨き残し」を見える化

「毎日きちんと磨いている」と思っていても、実際には同じ場所にプラークが残っていることがあります。
そこで役立つのがプラークの染め出しです。
染め出し液を使用すると、歯に付着しているプラークが着色され、普段は見えにくい磨き残しを確認できます。
プラークコントロールレコード(PCR)とは
プラークコントロールレコード(PCR)は、歯面にプラークが付着している部位を記録し、その割合を数値化する方法です。
O'Learyらによって提唱された方法で、現在もセルフケアの評価や歯磨き指導などに利用されています。
数値だけを目標にするのではなく、どこに磨き残しがあるのかを把握し、前回からどのように変化したかを確認することが重要です。
プラークの染め出しで「見える化」
歯垢の染め出し液を使い、歯にどれだけプラークが付着しているかをチェックする検査を「プラークコントロールレコード」といいます。歯面を4分割し、それぞれの部位にプラークがあるかを記録し、**プラークスコア(PCR)**として数値化します。
この手法は1972年にO’Learyらによって考案され、現在でも広く用いられています。

🪥初診時のプラークの状態
初回の検査では、歯全体にびっしりとプラークが付着しているケースが少なくありません。
鏡で実際にご自身の口腔内を確認していただき、プラークの存在を自覚してもらいます。その後、正しい歯磨き方法を練習し、セルフケアの質を高めていきます。

🔁2回目来院時の変化と気づき
再検査では、染め出しによって明らかな改善が見られることが多く、患者自身も変化を実感できます。
「磨けていると思っていたのに、実は磨き残しがあった」という経験が、行動変容とモチベーション向上につながります。
これこそがプラークコントロールの基本的な教育効果です。
プラークスコアの評価基準
- 🔴 初回スコア:93.8%(ほぼ全体に付着)
- 🟢 約2年後:41.3%(大幅に改善)
プラークスコアの目標は以下の通りです:
- 20%以下:良好なプラークコントロールの目安
- 10%以下:理想的な歯磨きができている状態

プラークコントロールレコード初回

約2年後のプラークコントロールレコード
プラークコントロールがうまくいかない原因

「毎日磨いているのにプラークが減らない」という場合には、いくつかの原因が考えられます。
磨き方に問題がある
代表的なのは、
- 力を入れ過ぎている
- 毛先が適切な場所に当たっていない
- 奥歯や歯の裏側を磨けていない
- 歯ブラシの毛先が開いている
- フロスや歯間ブラシを使用していない
といったケースです。
磨く時間を長くするだけではなく、磨き残しが生じる場所を確認することが改善への近道です。
歯並びや被せ物などの影響
歯並びが重なっている場所や、
- ブリッジ
- インプラント
- 被せ物
- 矯正装置
などがある場所は、通常の歯ブラシだけでは清掃しにくいことがあります。
口腔内の状態に応じて、タフトブラシやフロス、歯間ブラシなどを使い分けることが大切です。
生活習慣や全身状態も関係する
歯周病の発症や進行には、プラークだけでなく、
- 喫煙
- 糖尿病などの全身疾患
- 食生活
- 口腔乾燥
など、さまざまな要因が関係します。
そのため、必要に応じて生活習慣や全身状態も含めて口腔管理を考えることが重要です。
プラークコントロールで歯を守るために
虫歯や歯周病を予防するうえで、プラークコントロールは非常に重要です。
しかし、大切なのは「毎日歯を磨いている」という事実だけではありません。
**「必要な場所からプラークを取り除けているか」**を確認することがポイントです。
毎日の歯磨きにフロスや歯間ブラシなどを取り入れ、さらに歯科医院で磨き残しや歯ぐきの状態を定期的に確認することで、より効果的な予防につながります。
自分ではきれいに磨けているか分からない方や、虫歯・歯周病を繰り返している方は、一度プラークの染め出しや歯磨き方法のチェックを受けてみましょう。
関連記事
「磨いている」から「磨けている」へ

毎日歯磨きをしていても、歯と歯ぐきの境目や歯と歯の間には、プラークが残っていることがあります。当歯科医院では、染め出しによる磨き残しのチェックや、一人ひとりのお口に合った歯磨き方法・ケア用品をご提案できます。
虫歯や歯周病を予防するために、まずは今のプラークコントロールを見直してみませんか?
【動画】初期虫歯COを削らずに自分で治す方法
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。





