舌痛症の原因

  • 舌の先がヒリヒリ痛い舌痛症の原因の一つに口腔カンジダ症があります。
  • ドライマウスになり口腔カンジダ菌が増殖して唾液に含まれると舌痛症を発症することがあります。
  • 口腔カンジダ症が治ってもカンジダ関連舌痛(Phantom pain)と言われる現象で舌痛症が続くことがあります。

舌痛症の症状

舌痛症の症状
舌痛症の症状

舌痛症の症状は、持続的な舌の痛みやしびれ感を訴えます。特に舌の先がヒリヒリ痛いと訴える患者さんが多いのが特徴です。

当院では主にドライマウスと関連する口腔カンジダ症が原因の舌痛症の治療を行なっています。また、舌痛症の原因は他にもあるため、原因を特定するところから始めます。

舌痛症の原因

原因

 口腔カンジダ症

カンジダ性舌痛症の場合、紅斑性(萎縮性)カンジダ症が原因となるため、舌の痛みに見合うだけの器質的所見は見当たりません。

そのため、舌痛症の原因の特定に繋がらないことがしばしばあると考えられます。


原因

 カンジダ関連舌痛(神経性)

口腔カンジダ症の治療によって、カンジダ菌がいなくなっても舌痛症を訴える患者が多数存在しています。

多くの場合、カンジダ関連舌痛(Phantom pain)と言われる現象で、脳に記憶されたかつての痛みは簡単に消えないからです。事故で右腕をなくし強い痛みを経験した人は、直ぐに記憶を消せないため、右手が無いのに右手の指先が痛むといったこととよく似ています。

つまり、神経性の舌痛症と言うことが出来ます


原因

 更年期障害で女性ホルモン分泌低下

女性が更年期になると女性ホルモンの分泌が低下することがあります。 唾液腺の機能を健全に保つためには女性ホルモンが深く関与していることが知られています。

従って、40代になると更年期障害が起こりドライマウスとなり、口腔カンジダ症の発症で舌痛症が起こるものと考えられます。


原因

 薬の副作用

ドライマウスは様々な全身疾患に使われる薬によって起こることもあります。唾液分泌量の低下でカンジダ菌が増殖し、舌痛症を発症させます。

口腔カンジダ症が舌痛症を起こすメカニズム

STEP

ドライマウス

ドライマウスで唾液の分泌が減少すると自浄作用が低下すると共に抗菌物質の減少します。

STEP

カンジダ菌が増殖

カンジダ菌は、口腔正常細菌叢の一種で産道感染をするので殆どの人の口の中にいます。唾液の分泌が減少すると、口腔内に存在するカンジダ菌が増殖することで起こる日和見感染症が発症します。

STEP

紅斑性(萎縮性)カンジダ症

カンジタ症には肥厚性と紅斑性(萎縮性)の2種類がありますが、ドライマウスで多いのは後者です。紅斑性(萎縮性)カンジダ症は口の粘膜にポツンポツンと小さな赤い斑点(口内炎)が出来ますが、器質的変化が乏しいのが特徴です。

STEP

舌痛症

紅斑性(萎縮性)カンジダ症の臨床症状として口の中の不快感や舌痛症、口角炎、口唇炎、義歯装着部の痛み、白苔、粘膜の発赤として現れます。

舌痛症の診断

手順

  カンジダ菌の検査

舌の一部を綿棒でこすります。これを培養し顕微鏡検査で観察します。口腔カンジダ菌が検出されれば口腔カンジダ症と診断します。

口腔カンジダ菌の同定には東京歯科大学市川総合病院をご紹介しています。


手順

 ドライマウスの診断

カンジダ菌が検出された場合、ドライマウスの診断を行います。

舌痛症の治し方

手順

  口腔カンジダ症の治療

口腔カンジダ症が発症したことで舌痛症が起こった場合、まず口腔カンジダ症の治療が行われます。治療薬は抗真菌薬のファンギゾンシロップやフロリードゲルが使われます。メインテナンスには重曹水を作り、うがいをします。


手順

 カンジダ関連舌痛症(神経性)

神経性舌痛症の処方薬としてメイラックス錠が使われます。


手順

 更年期障害で女性ホルモン分泌低下

女性ホルモンを増やす食事やホルモン補充療法が有効です。


神経性舌痛症の処方薬

保険適用

薬剤名用法・用量禁忌と注意事項
メイラックス錠1mg 1錠 分1 就寝前服用 30日分
(15日分ずつ2回に分ける)
禁忌:ベンゾジアゼピン系薬剤に対して過敏症の既往歴、
急性閉塞隅角緑内障、重症筋無力症。
主な副作用として眠気 、 ふらつき 、 倦怠感 、 口渇。

当院では歯科口腔外科分野の処置を、適切な検査・診断の元に実施しております。できる限り痛みやリスクを抑えた施術を心がけ、術後のケアまでしっかり実施致します。江戸川区篠崎にて、舌痛症の治療をご希望の方は、ふかさわ歯科クリニック篠崎までお気軽にご相談ください。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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