親知らず抜歯後に腫れるのはなぜ?
親知らず抜歯後に腫れるのはなぜ?

炎症反応による生理的な腫れ

親知らずを抜歯すると、歯ぐきや骨などの組織に外科的な刺激が加わります。すると体は傷を治そうとして炎症反応を起こし、患部に血液やリンパ液が集まることで腫れが生じます。

これは治癒に必要な自然な反応であり、通常は術後1~3日頃にピークを迎え、その後徐々に軽減していきます。頬が膨らんだように見えることもありますが、多くは1週間程度で落ち着きます。

細菌感染による腫れ

術後の傷口に細菌が侵入すると、感染によって腫れが長引くことがあります。

感染が起こると、次のような症状を伴う場合があります。

  • 強い痛み
  • 発熱
  • 膿の排出
  • 口臭の悪化
  • 腫れの増大

特に術後の強いうがい、喫煙、飲酒は感染リスクを高めるため注意が必要です。

骨を削る抜歯では腫れやすい

横向きや完全に埋まった親知らずでは、歯ぐきの切開や骨の削除を伴うことがあります。

骨を削る必要がある下顎の親知らずは、腫れやすく治りが遅くなる傾向があります。
骨を削る必要がある下顎の親知らずは、腫れやすく治りが遅くなる傾向があります。

特に下顎の親知らずは、

  • 骨が硬い
  • 神経や血管が近い
  • 抜歯操作が複雑

といった理由から炎症が強く出やすく、腫れや治癒期間も長くなる傾向があります。

いつから・どのくらい腫れる?|腫れの時期と持続時間
いつから・どのくらい腫れる?|腫れの時期と持続時間

腫れのピークは術後24〜48時間

抜歯直後はほとんど腫れを感じないことが一般的です。

その後、炎症反応が進行することで、

  • 術後24時間頃から腫れ始める
  • 48時間前後でピークを迎える

という経過をたどります。

特に以下の場合は腫れやすくなります。

  • 下顎の親知らず
  • 横向きに生えている親知らず
  • 骨削除を伴う抜歯

腫れが治まるまでの期間

一般的には、

  • 3日目以降から徐々に改善
  • 5~7日程度で日常生活に支障がないレベルになる
  • 完全な消失には1~2週間程度かかることもある

という経過をたどります。

10日以上強い腫れが続く場合は異常の可能性も考えられるため、歯科医院への相談が必要です。

次のような場合は注意が必要です。

術後感染

傷口に細菌感染が起こることで、

  • 発熱
  • 強い痛み
  • 膿の排出
  • 腫れの増大

などが現れます。

ドライソケット

抜歯窩を保護する血餅(けっぺい)が失われ、骨が露出した状態です。

特徴として、

  • 抜歯後3〜5日頃から痛みが強くなる
  • 鎮痛薬が効きにくい
  • ズキズキした痛みが続く

などがあります。

血腫

手術部位の皮下に血液がたまることで、腫れや内出血が生じることがあります。

抜歯前の体調管理

術後の腫れを軽減するためには、抜歯前の体調管理が重要です。

  • 十分な睡眠を取る
  • 疲労をためない
  • 発熱や体調不良時は無理をしない
  • 当日は軽く食事を済ませておく

体調が整っているほど治癒もスムーズになります。

禁煙・禁酒を徹底する

喫煙は血流を悪化させ、傷の治りを妨げます。

また飲酒は血流を促進するため、

  • 出血
  • 腫れ
  • 炎症

を悪化させる可能性があります。

少なくとも抜歯前日から術後数日間は禁煙・禁酒が望ましいでしょう。

親知らずの位置や神経との距離は個人差があります。

CTによる事前診断の重要性

CTを活用することで、

  • 抜歯の難易度
  • 神経損傷リスク
  • 骨削除の必要性

を事前に把握でき、安全で侵襲の少ない抜歯につながります。

抜歯後に腫れたときの対処法

冷却は術後24時間以内が効果的

術後の炎症を抑えるためには適度な冷却が有効です。

冷却方法のポイントは、

  • 保冷剤をタオルで包む
  • 10分冷やして10分休む
  • 直接皮膚に当てない

ことです。

なお、24時間以降は過度な冷却を続けると血流が悪くなり、治癒を妨げる場合があります。

処方薬を正しく服用する

歯科医院から処方された、

  • 鎮痛薬
  • 抗生物質

は指示通りに服用しましょう。

特に抗生物質は途中で中止せず、最後まで飲み切ることが大切です。

強いうがいは避ける

抜歯後の傷口には血餅が形成され、治癒を助けています。

強いうがいをすると血餅が剥がれ、

  • ドライソケット
  • 出血
  • 感染

の原因となります。

うがいは軽く行い、歯磨きも患部を避けながら優しく行いましょう。

食事

術後数日は以下のような軟らかい食事がおすすめです。

  • おかゆ
  • スープ
  • ヨーグルト
  • ゼリー
  • 豆腐

一方で、

  • せんべい
  • ナッツ類
  • 香辛料の強い料理
  • 熱すぎる飲食物

は避けましょう。

睡眠時の姿勢

腫れを抑えるためには頭を少し高くして寝るのが効果的です。

  • 枕を1~2枚使用する
  • 仰向けで寝る

ことで血液のうっ滞を防ぎ、腫れや内出血を軽減できます。

運動・入浴・飲酒

術後24時間は、

  • 激しい運動
  • 長時間の入浴
  • 飲酒

を避けてください。

これらは血流を増加させ、腫れや出血を悪化させる可能性があります。

以下の症状がみられる場合は、早めに歯科医院へ連絡してください。

  • 腫れが1週間以上改善しない
  • 腫れが日ごとに悪化している
  • 発熱や寒気がある
  • 傷口から膿が出る
  • 強い口臭がする
  • 鎮痛薬が効かないほど痛い

これらは感染やドライソケットなどの合併症のサインである可能性があります。

腫れない人もいますか?

はい。親知らずの生え方や抜歯の難易度、体質によってはほとんど腫れが出ない方もいます。特に上顎のまっすぐ生えた親知らずでは腫れが軽度なことが多いです。

上顎と下顎ではどちらが腫れやすいですか?

一般的には下顎の親知らずの方が腫れやすい傾向があります。骨の中に埋まっていることが多く、切開や骨削除を伴うケースが多いためです。

抜歯前に準備しておくものはありますか?

以下を準備しておくと安心です。

  • 保険証
  • お薬手帳
  • やわらかい食事
  • 保冷剤
  • 市販のスポーツドリンクやゼリー飲料

また、前日は十分な睡眠を取り、体調を整えておくことが大切です。

親知らず抜歯後の腫れは、傷を治そうとする体の正常な炎症反応によって起こることがほとんどです。通常は術後24〜48時間でピークを迎え、1週間程度で徐々に改善します。

一方で、感染やドライソケットなどの合併症が原因で腫れが長引くこともあります。術後は歯科医師の指示を守り、適切なセルフケアを行うことが早期回復につながります。腫れや痛みが異常に強い場合は、自己判断せず早めに歯科医院を受診しましょう。

江戸川区篠崎で親知らずの抜歯をご検討中の方へ|抜歯後の腫れはいつから始まり、どのくらい続くのか

親知らずを抜く前に、「どれくらい腫れるの?」「仕事や学校は休んだ方がいい?」と不安に感じる方は少なくありません。親知らず抜歯後の腫れは、多くの場合、術後1~2日でピークを迎え、1週間程度で徐々に落ち着いていきます。ただし、親知らずの生え方や抜歯の難易度によって腫れの程度には個人差があります。

江戸川区篠崎の当院では、精密診断を行い、親知らずの位置や神経との距離を事前に確認したうえで、できる限り身体への負担を抑えた抜歯を行っています。抜歯後の腫れや痛みが心配な方も、術後の注意点やセルフケア方法まで丁寧にご説明いたしますので、安心してご相談ください。

【動画】親知らず抜歯後の穴に食べカスが詰まる

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FUKASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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