- 1. 親知らず抜歯後に腫れるのはなぜ?
- 1.1. 傷を治すための炎症反応
- 1.2. 抜歯後の感染によって腫れることもある
- 1.3. 骨を削る抜歯は腫れやすい
- 2. 親知らず抜歯後はいつから腫れる?ピークは?
- 2.1. 腫れのピークは抜歯後2~3日頃
- 2.2. 腫れは何日くらい続く?
- 3. 腫れが長引く場合に考えられるトラブル
- 3.1. 術後感染
- 3.2. ドライソケット
- 3.3. 血腫・内出血
- 4. 親知らず抜歯後の腫れをできるだけ抑えるために
- 4.1. 抜歯前は体調を整える
- 4.2. 喫煙・飲酒を控える
- 5. 親知らずの状態を事前に確認することが大切
- 6. 抜歯後に腫れたときの対処法
- 6.1. 強く冷やしすぎない
- 6.2. 処方された薬は指示通りに使用する
- 6.3. 強いうがいをしない
- 7. 抜歯後の生活で気をつけること
- 7.1. 食事
- 7.2. 就寝時
- 7.3. 運動・入浴・飲酒
- 8. こんな腫れや痛みは早めに歯科医院へ
- 9. よくある質問
- 9.1. 親知らずを抜いても腫れない人はいますか?
- 9.2. 上と下の親知らずではどちらが腫れやすいですか?
- 9.3. 抜歯前に準備しておくものはありますか?
- 10. まとめ
- 10.1. 関連記事
- 11. 親知らずの腫れや抜歯が心配な方へ
- 12. 【動画】親知らず抜歯後の穴に食べカスが詰まる
- 13. 筆者・院長
- 13.1. 深沢 一
- 13.1.1. メッセージ

親知らずを抜いた後、「頬が腫れてきた」「昨日より腫れが強くなった」と心配になる方は少なくありません。
親知らず抜歯後の腫れは、傷を治そうとする体の炎症反応によって起こることが多く、必ずしも異常ではありません。特に、横向きに埋まった下顎の親知らずなど、切開や骨の削除を伴う抜歯では腫れが強く出ることがあります。
この記事では、親知らず抜歯後に腫れる原因や腫れのピーク、一般的な経過、腫れたときの対処法、歯科医院へ相談したほうがよい症状について解説します。
親知らず抜歯後に腫れるのはなぜ?

傷を治すための炎症反応
親知らずを抜歯すると、歯ぐきや周囲の組織に外科的な刺激が加わります。
すると体は傷ついた組織を修復するために炎症反応を起こし、患部に血液や組織液が集まります。その結果として、歯ぐきや頬に腫れが生じます。
これは傷が治っていく過程でみられる反応の一つです。腫れの程度には個人差がありますが、通常は数日をピークとして、その後徐々に軽減していきます。
抜歯後の感染によって腫れることもある
抜歯した部分に細菌感染が起こると、腫れが長引いたり、一度落ち着いた腫れが再び強くなったりすることがあります。
次のような症状を伴う場合には注意が必要です。
- 腫れが徐々に強くなる
- 強い痛みが続く
- 発熱する
- 膿が出る
- 強い口臭や不快な味を感じる
- 口が開きにくくなる
このような場合は自己判断せず、抜歯を受けた歯科医院へ相談しましょう。
骨を削る抜歯は腫れやすい
横向きに生えている親知らずや、骨の中に埋まっている親知らずでは、歯ぐきを切開したり、周囲の骨を削ったり、歯を分割して取り出したりすることがあります。

処置の範囲が大きくなるほど周囲の組織への負担も増えるため、術後の腫れが強くなる傾向があります。
特に下顎の親知らずは、上顎と比較して骨が硬く、深く埋まっているケースもあるため、抜歯後に腫れや痛みが出やすい傾向があります。
親知らず抜歯後はいつから腫れる?ピークは?

腫れのピークは抜歯後2~3日頃
抜歯直後には、それほど腫れていなくても、翌日から徐々に腫れてくることがあります。
一般的には、抜歯後2~3日頃に腫れが強くなり、その後は少しずつ落ち着いていきます。
そのため、「翌日より2日目のほうが腫れている」という場合でも、経過としては珍しくありません。
特に、
- 下顎の親知らず
- 横向き・斜め向きの親知らず
- 骨の中に深く埋まっている親知らず
- 切開や骨の削除を伴った抜歯
などでは、腫れが目立ちやすくなります。
腫れは何日くらい続く?
腫れの程度や期間には個人差がありますが、多くの場合はピークを過ぎると徐々に改善していきます。
目安としては、
- 抜歯当日:腫れが目立たないこともある
- 2~3日頃:腫れのピーク
- 3~7日頃:徐々に腫れが軽減
- 1週間以降:かなり落ち着いてくる
という経過をたどります。
難しい抜歯では、腫れや内出血が1~2週間程度残ることもあります。
大切なのは「何日腫れているか」だけではなく、ピークを過ぎてから改善傾向にあるかどうかです。
腫れが日ごとに強くなる、いったん改善した後に再び腫れてきた、といった場合には歯科医院へ相談してください。
腫れが長引く場合に考えられるトラブル
術後感染
抜歯した部分に細菌感染が起こると、腫れや痛みが強くなることがあります。
発熱、膿、悪臭、強い痛みなどを伴う場合には、感染の可能性を考えて診察を受ける必要があります。
ドライソケット
抜歯後の穴には血餅(けっぺい)と呼ばれる血の塊ができ、傷口を保護します。
この血餅が十分に形成されなかったり、早い段階で失われたりすると、抜歯した部分の骨が露出し、強い痛みが生じることがあります。これをドライソケットと呼びます。
代表的な症状は、
- 抜歯後数日してから痛みが強くなる
- ズキズキとした強い痛みが続く
- 痛み止めを服用しても十分に改善しない
- 耳や顎の周囲まで痛みが広がる
などです。
ドライソケットは「強い腫れ」が主症状とは限らず、むしろ強い痛みが特徴です。
血腫・内出血
抜歯によって周囲の血管から出血し、皮下に血液がたまると血腫や内出血が生じることがあります。
頬や顎の周囲が紫色や黄色っぽく変色することがありますが、多くの場合は時間の経過とともに薄くなっていきます。
ただし、腫れが急速に大きくなる場合や出血が止まらない場合には、早めに歯科医院へ連絡してください。
親知らず抜歯後の腫れをできるだけ抑えるために
抜歯前は体調を整える
抜歯前日は十分な睡眠を取り、できるだけ体調を整えておきましょう。
発熱や強い体調不良がある場合には、予定通り抜歯できるか歯科医師に相談してください。
また、食事については抜歯方法や麻酔の種類によって指示が異なることがあります。歯科医院から事前の指示がある場合には、それに従いましょう。
喫煙・飲酒を控える
喫煙は傷の治癒に悪影響を及ぼし、ドライソケットなどの術後トラブルのリスクを高める可能性があります。
また、抜歯当日の飲酒は血流を促し、出血が続く原因になることがあります。
抜歯前後の喫煙・飲酒については、歯科医師から指示された期間を守りましょう。
親知らずの状態を事前に確認することが大切
親知らずの抜歯の難易度は、生えている方向や深さ、周囲の骨、歯根の形などによって異なります。
特に下顎の親知らずでは、歯根と下顎管を走行する神経との位置関係を確認することが重要です。
必要に応じてCT撮影を行うことで、通常のレントゲンでは把握しにくい立体的な位置関係を確認でき、抜歯方法やリスクを検討するための重要な情報が得られます。
すべての親知らず抜歯でCTが必要になるわけではなく、診察やレントゲン所見などをもとに歯科医師が必要性を判断します。
抜歯後に腫れたときの対処法

強く冷やしすぎない
抜歯直後に腫れや熱感がある場合には、歯科医院からの指示に従って患部を適度に冷やすことがあります。
冷やす場合は保冷剤などを直接皮膚に当てず、タオルなどで包んで使用しましょう。
長時間にわたって強く冷やし続けることは避けてください。
処方された薬は指示通りに使用する
抜歯後に鎮痛薬や抗菌薬などが処方された場合には、歯科医師の指示に従って服用してください。
薬の種類や服用期間は患者さんの状態によって異なります。自己判断で量を増減したり、中止したりせず、不明な点があれば処方した歯科医院へ確認しましょう。
強いうがいをしない
抜歯後の穴には血餅が形成され、傷口を保護します。
抜歯直後に何度も強いうがいをすると血餅が失われ、再出血やドライソケットにつながる可能性があります。
口の中が気になる場合でも、強くブクブクとうがいをするのは避け、歯科医院から指示された方法で口腔内を清潔に保ちましょう。
抜歯後の生活で気をつけること
食事
麻酔が切れてから、患部を刺激しにくい食事を選びましょう。
抜歯直後は、
- おかゆ
- やわらかいうどん
- 豆腐
- ヨーグルト
- ゼリー
など、刺激が少なく食べやすいものが適しています。
一方、硬い食品や香辛料の強い料理、熱すぎる飲食物などは患部を刺激する可能性があるため、術後しばらくは控えたほうがよいでしょう。
また、抜歯した側ではできるだけ噛まないようにします。
就寝時
抜歯当日は安静を心がけましょう。
横になると血流の影響で患部の拍動を感じることがあります。気になる場合には、無理のない範囲で上半身を少し高くして休む方法もあります。
運動・入浴・飲酒
抜歯当日は、
- 激しい運動
- 長時間の入浴
- サウナ
- 飲酒
など、血流が大きく増える行動は控えましょう。
出血や痛みが強くなる可能性があります。
シャワーの可否などについては、抜歯の程度や全身状態によって異なるため、歯科医院から受けた指示を優先してください。
こんな腫れや痛みは早めに歯科医院へ
親知らず抜歯後の腫れは珍しいものではありませんが、次のような症状がある場合には早めに抜歯を受けた歯科医院へ連絡してください。
- ピークを過ぎても腫れが強くなっている
- 一度改善した腫れが再び悪化した
- 発熱や強い倦怠感がある
- 傷口から膿が出る
- 強い口臭や不快な味が続く
- 痛み止めを服用しても強い痛みが続く
- 出血がなかなか止まらない
- 口が開きにくくなってきた
- 飲み込みにくい、息苦しいなどの症状がある
特に、腫れが喉や首の方向まで広がる、呼吸や飲み込みに影響するといった症状がある場合には、速やかな医療機関への受診が必要です。
よくある質問
親知らずを抜いても腫れない人はいますか?
はい。ほとんど腫れない方もいます。
腫れの程度は、親知らずの生え方、抜歯の難易度、処置の範囲、体質などによって異なります。
比較的まっすぐ生えていて短時間で抜歯できた場合には、腫れが軽く済むこともあります。
上と下の親知らずではどちらが腫れやすいですか?
一般的には、下顎の親知らずのほうが腫れやすい傾向があります。
特に横向きや骨の中に深く埋まった下顎の親知らずでは、歯ぐきの切開や骨の削除、歯の分割などが必要になることがあり、術後の腫れが強くなる場合があります。
ただし、実際の腫れ方には個人差があります。
抜歯前に準備しておくものはありますか?
抜歯後すぐに買い物をしなくても済むよう、やわらかく食べやすい食品などを準備しておくと安心です。
また、服用している薬がある方は、お薬手帳や薬の情報を歯科医院へ伝えましょう。
抜歯前後の食事や服薬について指示を受けている場合には、その内容を優先してください。
まとめ
親知らず抜歯後の腫れは、傷を治そうとする体の炎症反応によって起こることが多く、通常は抜歯後2~3日頃にピークを迎え、その後徐々に軽減していきます。
特に、横向きや骨の中に埋まった下顎の親知らずなど、切開や骨の削除を伴う抜歯では腫れが強くなることがあります。
一方、ピークを過ぎても腫れが悪化する、発熱や膿を伴う、数日後から強い痛みが出るなどの場合には、感染やドライソケットなどの術後トラブルが起きている可能性があります。
抜歯後は歯科医師から受けた指示を守り、強いうがいや飲酒、激しい運動などを避けて患部を安静に保つことが大切です。
腫れや痛みの経過に不安がある場合には、自己判断で様子を見続けず、抜歯を受けた歯科医院へ相談しましょう。
関連記事
親知らずの腫れや抜歯が心配な方へ

親知らずの腫れ方や抜歯の難易度は、生え方や位置によって異なります。事前に状態を詳しく確認し、一人ひとりに適した方法を検討します。
「抜いたほうがいい?」「どのくらい腫れる?」と不安な方も、まずはご相談ください。
【動画】親知らず抜歯後の穴に食べカスが詰まる
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。





