ノンクラスプデンチャーとは

  • ノンクラスプデンチャーは金属の留め具・クラスプが無い部分入れ歯を総称する呼び名です。
  • 入れている事が他人からわからない目立たない部分入れ歯です。
  • 弾力性、強度があり薄く作れて装着感にも優れ、よく噛めます。
  • ノンクラスプデンチャーのおすすめはスマイルデンチャーです。
  • 保険適用外で、最大15万円ほどの費用がかかります

歯を失うとそのまま放置するわけにもいかず、何らかの方法で治療しなければいけないことは分かっていても、治療の選択肢が沢山ありすぎてどれにしようか判断付きませんよね。

ここでは、当院で大変好評を得ている目立たない部分入れ歯のノンクラスプデンチャーについて、利点や欠点、寿命、費用などについて解説します。

 ノンクラスプデンチャーなら奥歯で物が噛める?

奥歯を二本抜歯しないといけないことになりました。インプラントは失敗や将来的な影響が不安で踏み切れないし、健康な歯を削るブリッジには抵抗がある。ノンクラスプデンチャーなら奥歯で物が噛めるのでしょうか?

 ノンクラスプデンチャーは入れ歯だとバレる?

ノンクラスプデンチャーを前歯に使った場合、人工の歯茎が見え、入れ歯だとバレるものでしょうか?

ノンクラスプデンチャーの魅力とメリット・デメリット

ノンクラスプデンチャーを装着

当院で製作したノンクラスプデンチャーの症例写真です。左写真は装着した状態ですが入れ歯がどこに入っているかまったくといっていいほど分かりません。右写真は丸部分を拡大した写真で、入れ歯の外形を示しています。大変審美性が高い入れ歯ということが分かります。

構造

structure

床のウイング状部分で維持

入れ歯を入れて食事をした時、入れ歯が外れないようにするために右写真の赤点で示した場所(入れ歯のウイング状になった歯茎部分)が犬歯のアンダーカット部に入ることで、脱離しないように支える構造になっています。この部分が金属のクラスプに相当します。

寿命

lifespan

 経年劣化

素材の寿命が短いため(約3~5年程度)と言われていますが、当院では、10年以上経過しているケースもあります。

経年劣化で特に問題になるのが変色です。研磨すれば多少改善しますが、元の様には戻りません。しかし、咀嚼をするための機能には問題がありません。

デメリット

Demerit

 修理が困難

製品によっては入れ歯の樹脂(ピンクの部分)を削除することは出来ても、後から樹脂を足すことは出来ません。ですから、どこか1本の歯が無くなったからといって増歯(歯を追加すること)することが出来ません。

従って、修理が難しいことになります。

Demerit

 リベースが出来ない

病気をする歯茎が一気に痩せることがあります。スマイルデンチャーの材質でポリアミド樹脂はリベース(入れ歯の内側にクッション材を入れる)が出来ません。

一方、エステショットデンチャーのポリエステル共重合体ではリベースが可能です。

メリット

Merit

 高い審美性

金属のクラスプが無いので審美性に優れています。そのため、入れ歯を入れていることが他人からばれることはありません。

Merit

 咬合力

十分な咬合力を発揮するので、噛めないという心配はほぼありません。

Merit

 装着感が良い

強度があるので薄く作れて軽いため違和感や異物感が少なく、装着感が良い。

Merit

 残存歯に優しい

材料は柔らかく弾力があるので義歯の脱着に支障なく、緩い力で鉤歯にかかるので残存歯を痛めにくい。ただし、ポリエステル共重合体を使ったエステショットデンチャーの場合には若干取り外しに困難が出るケースがあります。

ノンクラスプデンチャーの種類

日本においては10種類以上あり、各技工所により呼び名、素材がそれぞれ異なります。それぞれの素材によってメリット、デメリットが異なります。

種類材料と特徴
スマイルデンチャーナイロン樹脂系のポリアミド
弾力性が極めて高く、強度があるので薄く作れ、装着した時の違和感が起こりにくいのが特徴です。修理が出来ない欠点がありますが、割れた場合には無料で再作製します。
バルプラストナイロン系素材・ポリアミド
弾力性が極めて高く割れることは殆どない。逆に、修理が出来ません。スマイルデンチャーと殆ど性能は一緒です。
エステショットポリエステル共重合体
スマイルデンチャーに比べやや硬く弾力性がやや落ちるため、義歯の取り外しが難しい。チェアサイドで即時重合レジンでの修理が可能です。
スマートデンチャーポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂
生体為害性、吸水性が低い。チェア-サイドで修理・修復が可能。
※当院では、様々なノンクラスプデンチャーを試した結果、最も成績の良いスマイルデンチャーを採用しています。

ノンクラスプデンチャーの費用

自費治療

保険適用外です。

歯数で値段が異なる

内容費用(税別)費用(税込み)
1床(1本~3本) 145,000円159,500円
1床(4本~8本)157,000円172,700円
1床(9本~)165,000円181,500円
※ 型取りや調整などの費用すべて含んだ価格です。

保険適用の部分入れ歯とノンクラスプデンチャーの見た目の違いを実感してください。

当院製作のラスプデンチャー

ラスプデンチャー

金属のクラスプが目立つ部分入れ歯

写真の症例ではクラスプを犬歯に架けて入れ歯の安定を図ります。通常の会話でも金属製のクラスプが見えるので、とても目立ちます。保険適用です。

メリット

  • 保険適用で安価。
  • 破折しても修理が効く。

メリット

  • 金属製のクラスプを使うので審美性が悪い。
  • 強度が低いので厚く作る必要があり違和感が出やすく装着感が悪い。
  • よく割れる。

ふかさわ歯科クリニック篠崎では、入れ歯が頻繁に割れるという方や、もっと噛める入れ歯が欲しい方、目立たない部分入れ歯をお求めの方など、一人一人のご要望に合った入れ歯をご提案させていただきます。

様々なお口の条件にも納得できる入れ歯をご提供するために多数の素材をご用意し、高い技術力の歯科技工士と連携しております。目立たない部分入れ歯のノンクラスプデンチャーをご希望の方がいらっしゃいましたら、ぜひ江戸川区篠崎にある当院へお気軽にご相談下さい。

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

Follow me!