- 1. 【🎞️ 38秒】ドライアイ・ドライマウスの裏に潜む病気|シェーグレン症候群の見逃せない症状とは
- 2. シェーグレン症候群とは?
- 3. シェーグレン症候群の原因
- 3.1. 遺伝的要因
- 3.2. ホルモンとの関係
- 3.3. 感染症などの環境因子
- 4. シェーグレン症候群の主な症状
- 4.1. ドライマウス
- 4.2. ドライアイ
- 4.3. 関節痛・倦怠感
- 4.4. 全身に症状が現れることもあります
- 5. シェーグレン症候群の検査
- 5.1. 問診
- 5.2. シルマー試験
- 5.3. 唾液分泌量の検査
- 5.3.1. サクソンテスト
- 5.4. 血液検査
- 5.5. 唾液腺の画像検査
- 5.5.1. アップルツリーアピアランス
- 5.6. 下唇小唾液腺生検
- 6. シェーグレン症候群の診断基準
- 7. シェーグレン症候群の治療
- 7.1. ドライアイの治療
- 7.2. ドライマウスの治療
- 7.2.1. 人工唾液・口腔保湿剤
- 7.2.2. 唾液分泌を促す治療
- 7.3. 全身症状に対する治療
- 7.4. ドライマウスに適した処方薬:サリグレンとサラジェンの使い分け
- 7.4.1. ◆ 唾液の分泌を促進する薬剤(保険適用)
- 7.4.2. ◆ 副作用
- 7.4.3. ◆ サラジェン顆粒でうがいをする方法
- 7.4.3.1. サラジェン顆粒3包をペットボトルに溶かす
- 7.4.3.2. うがいの方法
- 7.4.4. ◆ 長期服用薬には漢方薬
- 7.4.4.1. 唾液の分泌を促進する漢方薬(保険適用)
- 8. シェーグレン症候群では歯科管理が重要です
- 8.1. フッ素を活用する
- 8.2. 定期検診を受ける
- 9. 悪性リンパ腫との関係
- 10. 妊娠・出産との関係
- 11. シェーグレン症候群は何科を受診する?
- 12. 自宅でできるドライマウス対策
- 12.1. こまめに水分をとる
- 12.2. 口腔保湿剤を利用する
- 12.3. 唾液腺を刺激する
- 12.4. 室内の乾燥を防ぐ
- 13. 食事で気をつけたいこと
- 14. ドライマウスでは虫歯予防が特に重要
- 14.1. 高濃度フッ素配合歯磨剤を活用する
- 14.2. 歯科医院で定期的にチェックする
- 15. シェーグレン症候群は指定難病
- 16. シェーグレン症候群についてよくある質問
- 16.1. Q1. シェーグレン症候群は完治しますか?
- 16.2. Q2. ドライマウスだけでもシェーグレン症候群の可能性がありますか?
- 16.3. Q3. シェーグレン症候群になると虫歯が増えますか?
- 16.4. Q4. シェーグレン症候群は人にうつりますか?
- 16.5. Q5. 口の乾燥は年齢のせいではないのですか?
- 17. こんな症状があれば受診を検討しましょう
- 18. まとめ|口と目の乾燥が続くなら「年齢のせい」と決めつけない
- 18.1. 関連記事
- 19. 口の乾燥、気になっていませんか?
- 20. 筆者・院長
- 20.1. 深沢 一
- 20.1.1. メッセージ

「最近、口が乾いて話しにくい」
「水がないと食事がしにくい」
「目の乾燥も続いている」
このような症状が続いている場合、単なる加齢や一時的な乾燥ではなく、シェーグレン症候群が関係していることがあります。
シェーグレン症候群は、免疫の異常によって主に涙腺や唾液腺に炎症が起こる自己免疫疾患です。
代表的な症状はドライアイとドライマウスですが、関節、肺、腎臓、神経など全身に症状が現れることもあります。
特に口腔乾燥が続くと、虫歯や歯周病、口内炎などのリスクが高くなるため、医科での全身管理とともに歯科での継続的な口腔管理も重要です。
この記事では、シェーグレン症候群の原因、症状、検査、治療、歯科でできる対策についてわかりやすく解説します。
【🎞️ 38秒】ドライアイ・ドライマウスの裏に潜む病気|シェーグレン症候群の見逃せない症状とは
シェーグレン症候群とは?

シェーグレン症候群は、免疫システムが自分自身の組織を誤って攻撃してしまう自己免疫疾患の一つです。
特に涙をつくる「涙腺」と唾液をつくる「唾液腺」に炎症が起こりやすく、
- 目が乾く「ドライアイ」
- 口が乾く「ドライマウス」
が代表的な症状として現れます。
中高年の女性に多いことが知られていますが、年齢や性別にかかわらず発症する可能性があります。
また、乾燥症状だけにとどまらず、関節や肺、腎臓、神経などに症状が現れることもあります。
シェーグレン症候群の原因

シェーグレン症候群の原因は、現在も完全には解明されていません。
遺伝的な背景に加え、ホルモン、感染症など複数の要因が関係し、免疫反応の異常が引き起こされると考えられています。
遺伝的要因
特定のHLA(ヒト白血球抗原)など、免疫に関係する遺伝的要因との関連が研究されています。
ただし、シェーグレン症候群そのものが単純に遺伝する病気というわけではありません。
ホルモンとの関係
シェーグレン症候群は女性に多い疾患です。
そのため、女性ホルモンをはじめとするホルモン環境が免疫機能に影響している可能性が研究されています。
感染症などの環境因子
一部のウイルス感染などが免疫反応を活性化し、発症のきっかけの一つになる可能性も研究されています。
ただし、特定のウイルスだけがシェーグレン症候群の原因になることが証明されているわけではありません。
シェーグレン症候群の主な症状

ドライマウス
唾液腺の機能が低下すると、唾液の分泌量が少なくなります。
代表的な症状には、
- 口の中が乾く
- 水がないと食事がしにくい
- パンやクラッカーなどが飲み込みにくい
- 長時間話していると口が乾く
- 夜間に口の乾燥で目が覚める
- 舌や口の中がヒリヒリする
- 味を感じにくい
などがあります。
唾液には、口の中を洗い流したり、酸を中和したり、歯の再石灰化を助けたりする重要な働きがあります。
そのため唾液が減少すると、虫歯、歯周病、口内炎、口腔カンジダ症、口臭などが起こりやすくなります。
ドライアイ
涙の分泌量が低下すると、
- 目が乾く
- ゴロゴロする
- 目が疲れる
- 充血する
- 光がまぶしい
- 目がかすむ
などの症状が現れることがあります。
ドライアイの原因はシェーグレン症候群以外にも多いため、症状が続く場合には眼科での検査が重要です。
関節痛・倦怠感
シェーグレン症候群では、
- 関節痛
- 筋肉痛
- 手指のこわばり
- 慢性的な疲労感
などがみられることがあります。
関節リウマチなど、ほかの自己免疫疾患を合併する場合もあるため、関節の腫れや痛みが続く場合にはリウマチ内科・膠原病内科での評価が必要です。
全身に症状が現れることもあります
一部の患者さんでは、涙腺・唾液腺以外にも症状が現れます。
たとえば、
- 鼻や皮膚の乾燥
- 唾液腺の腫れ
- 肺の病変
- 腎臓の障害
- 末梢神経障害
- 血管炎
などです。
症状や重症度には大きな個人差があります。
シェーグレン症候群の検査

シェーグレン症候群は、一つの検査だけで診断する病気ではありません。
症状、血液検査、涙液・唾液の検査、病理検査などを組み合わせて総合的に判断します。
問診
まず、
- いつから口が乾いているか
- 目の乾燥はあるか
- 食事や会話に支障があるか
- 関節痛や倦怠感があるか
- 唾液腺が腫れることがあるか
などを確認します。
シルマー試験
涙の分泌量を調べる代表的な検査です。
下まぶたに専用のろ紙を装着し、一定時間にどの程度涙で濡れるかを測定します。
眼科では、涙液の状態や角結膜の障害についても詳しく評価します。
唾液分泌量の検査
歯科・口腔外科では、唾液の分泌量を調べることがあります。
サクソンテスト
一定時間ガーゼを噛み、増加した重量から唾液分泌量を測定する検査です。
口の乾燥を「感覚」だけではなく、客観的に評価するために役立ちます。
血液検査
シェーグレン症候群では、血液検査で自己抗体を調べます。
代表的なものに、
- 抗SS-A/Ro抗体
- 抗SS-B/La抗体
- 抗核抗体(ANA)
- リウマトイド因子(RF)
などがあります。
特に抗SS-A/Ro抗体は診断上重要な検査の一つです。
ただし、抗体が陽性だから必ずシェーグレン症候群というわけではなく、陰性でも完全には否定できません。
唾液腺の画像検査
必要に応じて超音波検査などを行い、唾液腺の状態を評価することがあります。
施設や症例によってはMRIなどの画像検査が検討される場合もあります。
アップルツリーアピアランス

下唇小唾液腺生検
下唇の内側にある小さな唾液腺を採取し、顕微鏡でリンパ球の浸潤などを調べる検査です。
診断の重要な材料になりますが、すべての患者さんに必要になるわけではありません。
必要性については症状やほかの検査結果を踏まえて専門医が判断します。

シェーグレン症候群の診断基準
現在は、症状だけで診断するのではなく、自己抗体、眼科検査、唾液分泌量、小唾液腺生検などの客観的な所見を組み合わせて評価します。
国際的にはACR/EULAR分類基準などが広く用いられています。
ただし、「分類基準」と実際の臨床診断は必ずしも同じものではありません。
そのため、自己判断ではなく、リウマチ内科・膠原病内科などの専門医による総合的な診断が重要です。
シェーグレン症候群の治療

現在のところ、シェーグレン症候群を完全に治す治療法は確立されていません。
そのため治療では、
乾燥症状を改善すること
虫歯などの合併症を予防すること
全身の炎症や臓器障害を適切に管理すること
が重要になります。
ドライアイの治療
症状に応じて、
- 人工涙液
- ヒアルロン酸などを含む点眼薬
- 涙液分泌や眼表面の状態を改善する点眼薬
などが使用されます。
使用する薬剤については眼科医が目の状態を確認して選択します。
ドライマウスの治療
人工唾液・口腔保湿剤
口腔保湿ジェルやスプレーなどを使用して、乾燥した粘膜を保湿します。
特に、
- 就寝前
- 起床時
- 長時間の会話前
- 外出時
などに使用すると口腔内の不快感を軽減できる場合があります。
唾液分泌を促す治療
唾液腺の機能がある程度残っている場合には、唾液分泌を促す薬剤が使用されることがあります。
代表的な薬剤として、ピロカルピンやセビメリンなどがあります。
ただし、発汗、動悸、吐き気などの副作用が現れることがあり、持病によっては使用できない場合もあります。
薬剤の適応や用量は患者さんによって異なるため、必ず医師・歯科医師の診察のもとで使用します。
全身症状に対する治療
関節炎や肺・腎臓・神経などの臓器障害を伴う場合には、症状や重症度に応じて、
- 副腎皮質ステロイド
- 免疫抑制薬
- その他の免疫調整薬
などが検討されます。
治療法は臓器障害の種類によって大きく異なるため、リウマチ内科・膠原病内科などでの専門的な管理が必要です。
新しい分子標的治療についても研究が進められています。
ドライマウスに適した処方薬:サリグレンとサラジェンの使い分け
◆ 唾液の分泌を促進する薬剤(保険適用)
| 薬剤名 | 用法・用量 | 禁忌と注意事項 |
|---|---|---|
| サラジェン錠 サラジェン顆粒 | 5mg 3T 3×食後 31日分 5mg 3包 3×食後 31日分 | シェーグレン症候群と 頭頚部の放射線治療後のドライマウスにも適用。 重篤な虚血性心疾患、喘息は禁忌。 |
| サリグレン | 30mg 3cap 3×食後 31日分 | シェーグレン症候群のみ適用。 重篤な虚血性心疾患、喘息は禁忌。 |
◆ 副作用
サラジェン錠、サラジェン顆粒、サリグレンを飲むと汗をかき、心臓がドキドキする副作用が出る患者が20~30%います。
◆ サラジェン顆粒でうがいをする方法
副作用のある方はサラジェン顆粒をペットボトルに溶いてうがいをするという方法があります。うがいをすることで粘膜に沢山存在している小唾液腺を刺激して唾液の分泌を促進することが出来ます。
サラジェン顆粒3包をペットボトルに溶かす
サラジェン顆粒0.5%3包(1日分)を約120mlのペットボトルに入れ、水を半分程度(60ml )入れて軽く振ります。
白く濁っている状態で問題ありません。ポカリスエットの様な味なので違和感なく続けられます。
うがいの方法
- 1日に数回行います。
- 口の中全体に行き渡るようにブクブクします。これを二分間続けて飲まずに吐き出します。
- うがい薬はその日のうちに使い切って下さい。余った場合は捨てて、翌日よく洗浄したペットボトルで新しいうがい液を作って下さい。
◆ 長期服用薬には漢方薬
唾液の分泌を促進する漢方薬(保険適用)
| 薬剤名 | 用法・用量 | 禁忌と注意事項 |
|---|---|---|
| ツムラ白虎加人参湯 | 9g 分3 毎食前or食後 31日分 | 主な副作用として、発疹、かゆみ、蕁麻疹、 食欲不振、胃部不快感、軟便、下痢、口中不快感。 |
| ツムラ五苓散 | 7.5g 分3 毎食前or食後 31日分 (神経性ドライマウスに有効) | 主な副作用として、胃の不快感、食欲不振 軽い吐き気、発疹、かゆみ、肝機能異常。 |
※ シェーグレン症候群でもノンシェーグレンでも保険適用。
シェーグレン症候群では歯科管理が重要です

ドライマウスが続くと、口の不快感だけでなく虫歯のリスクが大きくなることがあります。
特に注意したいのが、
- 歯と歯ぐきの境目
- 歯と歯の間
- 歯の根元
- 被せ物の周囲
などです。
唾液による自浄作用や酸を中和する能力が低下するため、通常よりも虫歯が進行しやすい口腔環境になることがあります。
フッ素を活用する
シェーグレン症候群などによって唾液量が少ない方では、フッ素を利用した虫歯予防が特に重要です。
歯科医院では口腔内の状態に合わせて、
- フッ素配合歯磨剤
- 歯科医院でのフッ素塗布
- 定期的なクリーニング
などを組み合わせます。
定期検診を受ける
口腔乾燥が強い場合には、「痛くなってから歯科医院へ行く」のではなく、定期的に虫歯や歯周病の有無を確認することが大切です。
口腔内の状態に応じて、適切な受診間隔を歯科医師・歯科衛生士と相談しましょう。
悪性リンパ腫との関係
シェーグレン症候群では、一般人口と比較して悪性リンパ腫の発症リスクが高いことが知られています。
ただし、シェーグレン症候群の患者さん全員にリンパ腫が発症するわけではありません。
特に、
- 唾液腺の腫れが長期間続く
- 首などのリンパ節が腫れる
- 原因不明の発熱が続く
- 寝汗が増える
- 原因不明の体重減少がある
といった症状がある場合には、主治医へ相談してください。
必要に応じて血液検査や画像検査などが行われます。
妊娠・出産との関係
シェーグレン症候群があっても、適切な管理のもとで妊娠・出産することは可能です。
ただし、抗SS-A/Ro抗体や抗SS-B/La抗体が陽性の場合には、妊娠中に注意が必要になることがあります。
抗SS-A/Ro抗体などが胎盤を通過し、まれに胎児の心臓に影響して先天性心ブロックなどを起こすことがあるためです。
妊娠を希望している場合には、事前にリウマチ内科・膠原病内科と産婦人科へ相談し、使用している薬についても確認しておきましょう。
シェーグレン症候群は何科を受診する?
シェーグレン症候群は、口や目だけでなく全身に症状が現れることがあるため、症状に応じて複数の診療科が連携して診療することがあります。
| 主な症状 | 相談先の例 |
|---|---|
| 口の乾燥・虫歯・口腔トラブル | 歯科・歯科口腔外科 |
| 目の乾燥・異物感 | 眼科 |
| 関節痛・倦怠感・全身症状 | リウマチ内科・膠原病内科 |
| 唾液腺の腫れ | 歯科口腔外科・耳鼻咽喉科など |
シェーグレン症候群そのものの診断や全身管理については、リウマチ内科・膠原病内科が中心となることが一般的です。
一方、「口が乾く」「虫歯が増えた」「舌や口の粘膜がヒリヒリする」といった症状については、歯科・歯科口腔外科でも相談できます。
必要に応じて眼科やリウマチ内科などと連携しながら診断・治療を進めます。
自宅でできるドライマウス対策

シェーグレン症候群による乾燥症状は、日常生活の工夫によって軽減できる場合があります。
こまめに水分をとる
一度に大量の水を飲むのではなく、口の乾燥を感じたときに少量ずつこまめに水分をとるとよいでしょう。
ただし、糖分を含む飲料を頻繁に飲むと虫歯のリスクが高くなります。
日常的な水分補給には、水や無糖のお茶などを選ぶことをおすすめします。
口腔保湿剤を利用する
口腔保湿ジェルやスプレーなどを使用すると、口腔粘膜の乾燥感を軽減できることがあります。
特に、
- 就寝前
- 起床時
- 外出時
- 長時間話す前
など、乾燥しやすいタイミングで活用すると便利です。
唾液腺を刺激する
唾液腺の機能が残っている場合には、よく噛むことやシュガーレスガムなどによって唾液の分泌が促されることがあります。
ただし、酸味の強い食品や飴を頻繁に摂取すると、歯の酸蝕や虫歯につながることがあります。
「唾液を出すために酸っぱいものを頻繁に口にする」という方法には注意が必要です。
室内の乾燥を防ぐ
エアコンを使用する季節は室内が乾燥しやすくなります。
加湿器などを利用し、エアコンの風が顔に直接当たらないようにすることも乾燥対策になります。
食事で気をつけたいこと
唾液が少なくなると、乾いた食品が食べにくくなったり、飲み込みにくくなったりすることがあります。
その場合には、
- 汁物と一緒に食べる
- ソースやあんを利用する
- 食材をやわらかく調理する
- 必要に応じてとろみをつける
などの工夫が役立ちます。
また、アルコールや香辛料などは、口腔粘膜への刺激や乾燥感を強めることがあります。
症状が強い場合には控えめにしましょう。
ドライマウスでは虫歯予防が特に重要

シェーグレン症候群の患者さんにとって、口の乾燥対策と同じくらい重要なのが虫歯予防です。
唾液には、
- 食べかすや細菌を洗い流す
- 虫歯菌がつくる酸を中和する
- 歯から溶け出したミネラルを補う
- 口腔内の粘膜を保護する
といった働きがあります。
唾液が減少するとこれらの働きも低下するため、一般的な口腔環境よりも虫歯が発生しやすくなることがあります。
高濃度フッ素配合歯磨剤を活用する
成人では、年齢や口腔内の状態に応じてフッ素濃度1,450ppm程度の歯磨剤を使用することが虫歯予防に役立ちます。
歯磨き後は大量の水で何度もすすがず、少量の水で軽くすすぐことで、口腔内にフッ素を残しやすくなります。
歯科医院で定期的にチェックする
口腔乾燥が強い方では、自覚症状がないまま虫歯ができていることもあります。
特に歯の根元や被せ物の周囲などは注意が必要です。
患者さんごとの虫歯リスクに応じて、歯科医院で定期的な検診やクリーニング、フッ素塗布などを受けることが大切です。
シェーグレン症候群は指定難病
シェーグレン症候群は、国の指定難病の一つです。
ただし、シェーグレン症候群と診断されたすべての患者さんが医療費助成の対象になるわけではありません。
一定の診断基準や重症度などの要件を満たした場合に、特定医療費(指定難病)助成制度の対象となる可能性があります。
申請には、指定医が作成する臨床調査個人票などの書類が必要になります。
制度や必要書類は変更されることがあるため、詳しくはお住まいの自治体や難病相談窓口、主治医に確認してください。
シェーグレン症候群についてよくある質問
Q1. シェーグレン症候群は完治しますか?
現時点では、シェーグレン症候群そのものを完全に治す治療法は確立されていません。
しかし、ドライアイやドライマウスへの治療、口腔管理、全身症状に対する治療などを組み合わせることで、症状を軽減しながら生活の質を維持することを目指します。
症状や経過には個人差があるため、定期的に状態を確認することが重要です。
Q2. ドライマウスだけでもシェーグレン症候群の可能性がありますか?
可能性はありますが、ドライマウス=シェーグレン症候群ではありません。
口の乾燥は、
- 加齢
- 薬の副作用
- 口呼吸
- 脱水
- ストレス
- 糖尿病などの全身疾患
- 頭頸部への放射線治療
など、さまざまな原因で起こります。
乾燥が長期間続いている場合や、目の乾燥、関節痛、唾液腺の腫れなども伴っている場合には、一度詳しい検査を受けることをおすすめします。
Q3. シェーグレン症候群になると虫歯が増えますか?
唾液分泌量が低下すると、虫歯のリスクが高くなることがあります。
唾液による洗浄作用や酸を中和する働き、再石灰化を助ける働きが低下するためです。
フッ素の活用と毎日の歯磨きに加え、歯科医院で定期的に口腔内を確認することが重要です。
Q4. シェーグレン症候群は人にうつりますか?
いいえ。
シェーグレン症候群は自己免疫疾患であり、感染症ではありません。
家族や周囲の人に感染することはありません。
Q5. 口の乾燥は年齢のせいではないのですか?
年齢とともに口の乾燥を感じる方はいますが、「年齢のせい」と決めつけることはおすすめできません。
服用している薬や口呼吸、全身疾患、唾液腺の病気などが関係していることもあります。
特に、
- 口の乾燥が3か月以上続く
- 水がないと食事がしにくい
- 虫歯が急に増えた
- 目も乾燥する
- 唾液腺が繰り返し腫れる
といった場合には、一度相談してみましょう。
こんな症状があれば受診を検討しましょう
次のような状態が続いている場合には、医療機関への相談をおすすめします。
- 口や目の乾燥が長期間続いている
- 水がないと食事がしにくい
- 夜中に口の乾燥で目が覚める
- 虫歯が急に増えた
- 唾液腺が繰り返し腫れる
- 関節痛や強い倦怠感を伴う
また、唾液腺やリンパ節の腫れが続く、原因不明の発熱・寝汗・体重減少などがある場合には、早めに医療機関へ相談してください。
まとめ|口と目の乾燥が続くなら「年齢のせい」と決めつけない
シェーグレン症候群は、免疫の異常によって涙腺や唾液腺などに炎症が起こる自己免疫疾患です。
代表的な症状はドライアイとドライマウスですが、関節や肺、腎臓、神経など全身に影響することもあります。
特に歯科の立場から注意したいのが、唾液の減少による虫歯や口腔トラブルの増加です。
シェーグレン症候群では全身の治療だけでなく、
「乾燥を和らげる」
「唾液の状態を確認する」
「虫歯を予防する」
という継続的な口腔管理が重要になります。
「最近、口が乾く」
「水がないと食事がしにくい」
「目の乾燥も気になる」
「以前より虫歯が増えた」
このような変化が続いている場合には、単なる加齢と決めつけず、まずは医療機関へ相談しましょう。
口腔内の乾燥については、歯科・歯科口腔外科でも唾液の状態や虫歯リスクについて相談できます。
シェーグレン症候群が疑われる場合には、必要に応じてリウマチ内科・膠原病内科、眼科などと連携しながら診断・治療を進めていきます。
| 主な症状 | 相談先の例 |
|---|---|
| 口の乾燥・虫歯・口腔トラブル | 歯科・歯科口腔外科 |
| 目の乾燥・異物感 | 眼科 |
| 関節痛・倦怠感・全身症状 | リウマチ内科・膠原 |
関連記事
口の乾燥、気になっていませんか?

「水がないと食事がしにくい」「口が乾いて話しにくい」「最近、虫歯が増えた」
このような症状が続く場合は、唾液の分泌量が低下している可能性があります。
ドライマウスはシェーグレン症候群だけでなく、薬の副作用や口呼吸、加齢、全身疾患など、さまざまな原因で起こります。
歯科では、口腔内の乾燥状態や唾液の状態を確認し、虫歯・歯周病を予防するための口腔管理を行います。
必要に応じて、リウマチ内科・膠原病内科など専門医への受診をご案内します。
口の乾燥が続いている方は、一度ご相談ください。
筆者・院長

深沢 一
Hajime FUKASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。






