歯の溝や歯と歯の間に黒い点や茶色に変色した場所を見つけると、虫歯ではないかと心配になりますよね。また、歯医者さんに行って歯の表面に黒い点があるのに虫歯ではないと言われた経験がある方も多いと思います。
ここでは、歯を削って詰める必要の無い初期虫歯COの見分け方と自分で治す方法を解説します。
江戸川区篠崎駅前の歯医者・ふかさわ歯科クリニック篠崎では、出来るだけ歯の神経を抜かない治療を心掛けています。また、虫歯治療では可能な限り削らない・極力痛くない無痛治療にこだわっています。初期虫歯が出来てお悩みの方はぜひ、当院に遠慮なくご相談ください。
虫歯の見分け方
初期虫歯CO(要観察歯)の見分け方
初期虫歯「CO」(要観察歯)の模式図
エナメル質の表層のみに脱灰(虫歯)が認められ、黒や茶色に変色した部分が見られます。
或は、初期虫歯部分が黒い点として現れることもあります。
6歳臼歯が茶色に変色した初期虫歯CO
子供の第1大臼歯の溝の部分に出来た初期虫歯「CO」。エナメル質の表面が僅かに茶色に変色しています。
これを放置すると黒色に変色します。6歳臼歯は十分に石灰化されずに萌出することがあるので、溝に黒い点が現れたら出来るだけ早くシーラントやフッ素塗布などの予防処置が必要です。当然、歯を削らずに治療します。
初期虫歯COとは
「C0」の"C”はcaries(虫歯)の頭文字です。「C0」の"0”はobservation(オブザベーション)の頭文字です。
エナメル質の表層のみに脱灰(虫歯)が存在するのを「C0」(シー・オー)あるいは(シー・オブザベーション)といいます。「C0」の"O"は「ゼロ」ではなく、観察を意味するオブザベーションの頭文字から取ったものです。
従って「C0」は虫歯になってはいるが、今のところ治療の必要がない要観察歯のことです。
虫歯の進行度の分類
1
CO
エナメル質表層のみに出来た虫歯で、要観察歯とも言います。削らずに再石灰化に努めます。
2
C1
エナメル質内に限局した虫歯です。エナメル質の浅い部分のみに限局している場合、削らずに再石灰化に努めます。
3
C2
象牙質まで到達した虫歯です。削って詰める必要があります。
4
C3
歯髄(神経)まで到達した虫歯です。神経を取る根管治療が必要になります。
5
C4
歯冠が崩壊し歯根だけ残った虫歯です。通常、抜歯の対象になります。
【画像】色による初期虫歯COの見分け方
白濁した初期虫歯CO
子供の前歯の表面に帯状に白濁した所が見られます。これは初期虫歯「CO」です。
歯と歯の間には茶色に変色したC1~C2の虫歯が認められます。このくらいの小さな虫歯だと痛みは起こっていません。
C1~C2の虫歯は削ってコンポジットレジンで詰めなければいけません。
黄色に変色した初期虫歯CO
歯の白濁は次第に黄色に変色します。小臼歯の黄色の部分は初期虫歯CO(要観察歯)と診断され、削って詰める必要はなく、再石灰化をさせる処置を行い自然治癒を待ちます。
手前の犬歯の茶色に変色したところはC1と診断されます。削って詰めるか自然治癒に期待するのかの境界といったところです。
歯の表面に白濁した初期虫歯CO
2本の側切歯の歯の間に黄色く変色したところがあります。これは C1と判定します。
また歯の表面に白濁した箇所がありますが、ホワイトスポットのCOです。
多数歯の根元が黄色に変色ー歯石
歯の間部分に多数歯にわたって黄色く変色している部分があります。これは歯石で虫歯ではありません。
歯石を残したままにすると歯周病が悪化します。定期的に歯石取りが必要です。
虫歯の進行に伴う色の変化
STEP
白濁(CO)
歯の表面のエナメル質がすりガラス状に白濁し不透明になります。
画像の様に虫歯ではない歯の白濁があります。エナメル質形成不全が原因で先天的にエナメル質が白濁している場合です。これをホワイトスポット、あるいはホワイトバンドと呼びます。
エナメル質形成不全によるホワイトスポットは削らずに治すことが出来ます。
STEP
黄色( CO~C1)
白濁し部位が色素を取り込み黄色に変色します。画像は COの状態です。
STEP
茶色( C1~C2)
黄色から次第に色が濃くなり茶色に変色します。画像の様に茶色になると C2まで進行したものもあります。
STEP
黒色( C2)
茶色からさらに色が濃くなり黒くなります。画像は確実にC2になっています。
歯に黒い点
歯の表面に黒い点が出来ると虫歯なのか心配になりますよね。多くの場合、治療の必要性がないことが殆どです。
歯の溝に黒い点
小臼歯の溝に黒い点があります。これは単なる着色で初期虫歯(CO)ではありません。
自分で行うには、黒い点の部分をよくブラッシングするだけで取れるかもしれません。
歯科医院では、PMTC やエアフローで除去します。当然削る治療は必要ありません。
歯の溝と歯の間に黒い点
歯の間と咬合面の溝に黒く変色した場所があります。これはともに C1です。
C2に近い C1なので削って詰めた方が良いケースです。
歯に黒い穴
歯の間に黒い穴
このように穴が開き始めると象牙質の中で虫歯は大きく広がっています。虫歯の進行度はC2です。
当然削って詰める必要があります。
黒色に変色した虫歯
黒色に変色した虫歯の進行度はC2です。このケースでは、虫歯を削ってコンポジットレジン充填が必要です。
初期虫歯COは削らずに自力で自然治癒
初期虫歯COを削らずに自分で治す方法
自力
一旦虫歯になると、自分では絶対に治せないと思われがちですが、初期虫歯COの段階では自然治癒させることも可能です。だから、要観察歯と呼ばれるのです。
「C0」では削って詰め物はしません。しっかりと歯磨き(プラークコントロール)を行い、MIペースト、キシリトール、フッ素等を使うことで虫歯は自然と治る可能性があるからです。
虫歯の自然治癒を再石灰化といいます。
逆に「C0」の状態で予防処置を何も行わなければC1、C2と徐々に進行し、虫歯を削って詰める治療が必要となります。
虫歯を削って詰めても、治療した詰め物が取れたり、詰め物の脇から2次カリエスが発生したりと、その治療は一生持つわけではありません。
最も歯を長持ちさせるには、歯を削らないことです。
リカルデントガム
リカルデント(CPP-ACP)成分を配合し再石灰化を促進します。
使用法としてはリカルデントガムを噛んだり、 MIペーストを歯に塗ります。
フッ素を使う
フッ素入り歯磨き粉やフッ素洗口剤ミラノール顆粒などを使う。
フッ化物は虫歯菌の活動を抑制したり、再石灰化を促進する作用があります。
キシリトールを使う
キシリトールガムを長期間(最低でも3ヶ月)摂取するとプラーク中のミュータンス菌が減少していきます。また、歯の再石灰化が図れます。
江戸川区篠崎で初期虫歯COの虫歯治療は当院へ
ふかさわ歯科クリニック篠崎では、天然歯の保存にこだわります。まずは初期虫歯を自然治癒させることを目標とし、極力抜かない・削らない・痛みの少ない低侵襲な虫歯治療が基本です。
患者様一人ひとりの虫歯の進行程度をしっかり診査・診断し、症状にあった適切な治療法をご提案いたします。江戸川区篠崎で初期虫歯COは削らずに天然歯の保存にこだわった削らない虫歯治療をご希望の方はぜひ、お気軽に当院までご相談下さい。
【動画】ステイン着色汚れをクリーニングするエアフロー
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。