ミュータンス菌とは

  • 食器や歯ブラシなどに付いたミュータンス菌(虫歯菌)を殺菌消毒することに神経質になり過ぎないことです。
  • ミュータンス菌の弱点は、キシリトールとフッ素です。
  • 両親から子供にミュータンス菌を感染させないことが重要で、一旦感染すると、完全除去は困難です。

初めて子供を持った母親にとって、子供が虫歯になることは絶対避けたいものです。母親自身が虫歯になっている場合はなおさらですね。ミュータンス菌(虫歯菌)は、接触頻度の高いお母さんから赤ちゃんへ感染し定着します。

ミュータンス菌の感染防止対策にはミュータンス菌の量を減らしたり、殺菌する方法など様々ありますが、これらを全部実行するのは困難です。

まず、最も簡単で効率のよい方法「キシリトールガムを噛む、フッ素入り歯磨き粉を使う」ことから始めて下さい。

江戸川区篠崎駅前の歯医者・ふかさわ歯科クリニック篠崎では、母親のミュータンス菌を減らし赤ちゃんに移さないようにするためにPMTC、エアフローなど機械的方法と次亜塩素酸水、歯科3DSなど化学的方法を用いています。

子供の虫歯予防でお悩みの方はぜひ、当院に遠慮なくご相談ください。

ミュータンス菌の特徴

ミュータンス菌が虫歯菌と言われる理由

理由

ミュータンス連鎖球菌群

ミュータンス連鎖球菌にはStreptococcus mutansとStreptococcus sobrinusの2種類が存在しています。これを総称してミュータンス菌と呼んでいます。

虫歯は、口腔内の酸性度合いを示すpH が5.5以下になると作られます。口腔内には多くの細菌がいて、食後、食べカスを栄養にして酸を作り出します。

pHが次第に低くなり、5.5以下になってくるとミュータンス菌とラクトバチラス菌以外の細菌は酸を作るのを停止します。

つまり、多くの口腔内細菌は、酸性の環境下では酸を作り出す能力を失いますが、ミュータンス菌とラクトバチラス菌は酸性の環境でも平気で生き延び、更に酸を作り続けることが可能なのです。

そのためミュータンス菌(ストレプトコッカス・ミュータンス;ミュータンス・レンサ球菌)と乳酸桿菌(ラクトバチルス菌:Lactobacillus)が虫歯の原因菌と呼ばれています。

ミュータンス菌の特徴

ミュータンス菌はエナメル質のツルツルな面にも砂糖を餌にネバネバの不溶性グルカンをつくり、歯にぴったりくっつくことが出来るので、歯のどこの部位でも容易に虫歯を発生させることが出来るのが特徴です。

一方、ラクトバチラス菌は歯の表面のツルツルした所には生息出来ず、ニュータンス菌によって作られた虫歯のザラザラした部分や大臼歯の溝などに生息します。

ミュータンス菌

ミュータンス菌の完全除去は可能?

ミュータンス菌の完全除去は不可能!

ミュータンス菌はバイオフィルムというタンパクの膜で覆われているため、リステリンなどのうがい薬や他の薬剤なので殺菌しようとしても完全に除去することはすることは不可能です。

また、歯面に付着しているため、抗生物質を服用しても薬理効果はミュータンス菌まで届かないため殺菌出来ません。

ミュータンス菌を減らす事は可能

ミュータンス菌の量を減らすという方法が考えられます。口腔内の細菌の数はほぼ一定と考えられています。虫歯菌などの悪玉菌を減らし、善玉菌を増やすという手法です。家庭で出来る様々な方法で効果が高い順から下記に示します。

第1選択はキシリトールガム100%を噛むこととフッ素入り歯磨きを使いブラッシングすることです。出来ることから、少しずつ行うことが重要です。

ミュータンス菌
ミュータンス菌

ミュータンス菌の弱点

キシリトール

弱点

キシリトールガム

ミュータンス菌の最大の弱点はキシリトールです。

キシリトール100%ガムを噛むことはミュータンス菌の量を減らす最も効果が高い方法です。しかし、キシリトール100%ガムを噛んでも口腔内からミュータンス菌を完全に除去出来るわけではありません。

キシリトールガムは1日5~10gを3回以上に分けて噛むことで虫歯菌を減らす効果が期待出来ると考えられています。

キシリトール100%の粒ガムには1.3g のキシリトールが含まれているので、1日に一粒ずつ4回噛むことで目標を達成出来ます。

これよりも少ない場合でも効果が無いわけではありません。

キシリトールガムを噛む期間

ミュータンス菌が減少し撲滅出来たと実感出来るまでには少なくとも半年以上キシリトールガムを噛み続ける必要があります。キシリトールガムの摂取を止めると数ヶ月で元の菌量に戻ってしまいます。

キシリトールガム
キシリトールガム

フッ素

弱点

フッ素入り歯磨き粉やフッ素洗口液

フッ化物の水溶液中には抗菌作用を有するフッ素物イオンが発生し、ミュータンス菌の活動が抑制されます。

フッ素が配合された歯磨き粉やフッ素洗口液ミラノール顆粒などの使用がミュータンス菌を減少させるのに効果的です。

フッ素塗布

歯科医院で使うフッ素薬剤は高濃度のNaF溶液やAPF溶液などが使われます。フッ素塗布の頻度は虫歯がある人は毎月、虫歯がない人は年3回~4回が妥当です。フッ素塗布の方法は綿球塗布法、イオン導入法などがあります。

フッ素入り歯磨き粉

ミュータンス菌の母子感染を防ぐ

母親のミュータンス菌量を減らす
母親のミュータンス菌量を減らす

母親のミュータンス菌量を減らせ

多くの大学の研究によると、お母さんの口腔内のミュータンス菌量が少ないほど赤ちゃんへの感染が起こりづらいことが分かっています。

そこで、母親のミュータンス菌量を減らすことが重要になりますが、十分な効果が出るまでに最短でも1年ほどかかります。従って、遅くても出産の1年前から行う必要があります。

ミュータンス菌の殺菌消毒

消毒・殺菌・滅菌の違いを知ろう

高圧蒸気滅菌器

消毒

細菌の数を人体に影響の無い程度まで死滅・除去すること。薬事法上「医薬品」や「医薬部外品」のみに使用できます。

殺菌

殺菌は菌を殺すことですが、一部の菌を殺しても殺菌といえます。「殺菌」という言葉は薬機法上「医薬品」または「医薬部外品」や、薬用石けんなどの「医薬部外品」などで使用が可能です。

滅菌

細菌やウイルスを100万分の1以下にすることで、器具などが対象になります。歯科医院では高圧滅菌器などがそれにあたります。

ミュータンス菌を殺菌する温度と時間

煮沸消毒

ミュータンス菌は60℃のお湯なら30分で殺菌可能

ミュータンス菌は、60℃なら30分、75℃なら15分で低温殺菌でき死滅します。

ミュータンス菌以外の口腔内細菌すべてを殺菌するには75度以上で最低20分以上の加熱殺菌が必要です。

ちなみに、歯科医院で使う高圧蒸気滅菌器オートクレーブは、134℃で10分間の設定になっています。

水洗いした食器にミュータンス菌は残る?

食器を洗剤で水洗い
食器を洗剤で水洗い

洗剤を付けて食器を水洗いすれば OK

厳密に実験したわけではありませんが、食器は台所用洗剤で洗うだけで十分だと思います。もちろん多少のミュータンス菌(虫歯菌)は残る可能性は否定出来ませんが、感染するほどの菌量ではないと考えるのが妥当でしょう。また、食器洗い機を使えば、さらに、効率よく除去出来るかもしれません。

ミュータンス菌の付着した食器や歯ブラシなどを煮沸消毒するには60度に加熱したお湯で30分、75度のお湯なら15分で殺菌出来ますが、食事のたびにこれをするのは現実的ではありません。

それよりも、母親の口腔内のミュータンス菌を減らし、子供に移さないようにすることの方がはるかに重要ですし、現実的です。

ミュータンス菌のアルコール消毒は?

食器や歯ブラシなどをアルコール消毒すれば、殺菌出来る可能性がありますが、これも上記の理由で非現実的です。

では、お酒(アルコール)ではどうかという疑問に対しては、アルコール濃度が低く過ぎるため殺菌は出来ません。

歯科でミュータンス菌を減らす方法

エアフロー

エアフローの施術


アミノ酸の一種であるグリシンを主成分とした微粒子を歯面に吹き付けてミュータンス菌を除去します。

3DSセラピー

3DSセラピー


クロルヘキシジン(0.2%)配合ジェルをリテナーに注入し、ミュータンス菌を殺菌します。ただし、完全除去することは不可能です

ふかさわ歯科クリニック篠崎では、天然歯の保存にこだわります。まずは虫歯を自然治癒させることを目標とし、極力抜かない・削らない・痛みの少ない低侵襲な虫歯治療が基本です。

患者様一人ひとりの虫歯の進行程度をしっかり診査・診断し、症状にあった適切な治療法をご提案いたします。江戸川区篠崎でミュータンス菌を減らして天然歯の保存にこだわった削らない虫歯治療をご希望の方はぜひ、お気軽に当院までご相談下さい。

【動画】初期虫歯COを削らずに自分で治す方法

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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