子供の虫歯予防はフッ素塗布

子供の虫歯予防は歯科医院で行う高濃度のフッ素塗布が有効です。

フッ素塗布の頻度

1ヶ月

毎月「虫歯がある」

虫歯がある場合には再石灰化を促すために毎月フッ素塗布を行うのが有効です。当院は「か強診」の認定医院のため、保険診療で毎月行うことができます。

3ヶ月

3ヶ月ごと「虫歯がない」

年4回、歯医者でのフッ素塗布と家庭でのフッ素使用を併用する事で、より効率的に虫歯予防を行うことが出来ます。

フッ素塗布はいつから始める?

フッ素塗布の開始は”乳幼児の歯が生えたら”つまり、生後6ヶ月後からというのが理想です。歯科医院としては1~2歳から行いたいのですが、現実的には難しいので3歳にいなったら行うと良いでしょう。

歯科で行うフッ素塗布の代わりとして1~2歳の赤ちゃんには、家庭で行う低濃度フッ素スプレーのレノビーゴを使うことをおすすめします。

フッ素塗布はいつまでやる?

特に第一大臼歯や第二大臼歯が虫歯になりやすいので、フッ素塗布は中学高学年くらいまで続けるのが理想的です。

それ以降は、家庭でフッ素入り歯磨き粉やフッ素洗口剤などを使って大人になってもフッ素を使い続ける必要があります。

大人のフッ素塗布

大人の永久歯の初期虫歯に対してのフッ素塗布は保険適用になっています。定期的にフッ素塗布をすることで、再石灰化が図れ、歯を削らずに治すことを期待して行います。

また、高齢者になると歯茎が下がって歯根露出が増えます。歯根の虫歯予防にフッ素は、極めて効果的であることがわかっています。

寝たきりで、歯医者に通うことが出来ない方に対して歯根の初期虫歯に対するフッ素塗布は保険適用になっています。これは訪問診療において行います。

歯医者では濃度9000ppmの高濃度フッ素を使用

薬液

NaF溶液・APF溶液

歯科医院で使う薬剤は2%フッ化ナトリウム溶液(NaF溶液)やリン酸酸性フッ化ナトリウム溶液(APF溶液)などが使われます。

器械

フッ素イオン導入器

フッ素は唾液中ではマイナスイオンになっているため、歯を電気的にプラスに帯電することで、効率よくフッ素が取り込まれます。

マウストレー内の綿にフッ素薬液を浸して口腔内に挿入します。

フッ素イオン導入器

フッ素塗布の方法

3~4歳児 

綿球塗布法

STEP

歯面の清掃

小さい子供だと機械を使っての歯面清掃は嫌がるので歯ブラシを使って磨きます。


STEP

歯面の防湿・乾燥

圧縮空気(エアーブロー)で乾燥した後、唾液が混入しないように綿(ロールワッテ)で防湿します。


STEP

フッ化ナトリウム液の塗布

脱脂綿を丸めた綿球でフッ化ナトリウム液を歯面に塗布します。できるだけ長く歯面を薬液に浸潤させると効果が高く、塗布後約30分は洗口しないで唾液だけを吐く程度にとどめます。もちろん飲食も控えます。


5歳児以上

イオン導入法

イオン導入法

イオンの性質を使いフッ素をエナメル質に浸透させています。約5分かかるのでトレーをくわえ続けることができる4歳~5歳以上からが対象となります。

フッ素は、電気を流すと耐酸性(虫歯になりにくさ)が向上することが明らかにされており、フッ素塗布の虫歯予防効果はより大きくなります。


フッ素イオン導入器の仕組み

フッ素イオン導入器の仕組み

虫歯の予防処置と使われるフッ素は、エナメル質に取り込まれにくいところが難点です。そこで、イオン導入器を用います。

イオン導入器のトレー内の綿にフッ化ナトリウム液2%をしみ込ませ口腔内に挿入します。手には握り電極を持ちます。 マイナスに帯電したフッ素はプラスに帯電したエナメル質に向かって電気的に引っ張られます。薬剤のフッ素成分をマイナスに帯電させ歯に効率よく浸透させる方法です。

歯に取り込まれたフッ素イオンはエナメル質の成分(ハイドロキシアパタイト)と結合し、う蝕に抵抗性のあるフッ化リン酸カルシウム(フルオロアパタイト)の歯質に変化します。

金属を溶かした溶液に微弱の直流電流を流すと溶けていた物質が電気をもった金属イオンに分解され、プラスの電荷を持つ金属イオンはマイナス極に、マイナスの電荷を持つ金属イオンはプラス極に移動する電気分解の仕組みを使ったものです。


フッ素塗布の費用

保険治療

初期虫歯が1歯でもあれば保険適用です。

種類金額 ※単位:保険点数
フッ素塗布フッ化物歯面塗布処置:110 or 130点
エナメル質初期う蝕管理加算:260点
※ 健康保険は「疾病に対して適用されるもの」という建付けになっています。従って、一本でも虫歯がある場合には、重症化を予防するためにフッ素塗布が保険適用されるということです。1点は10円です。その他、初診料、再診料、指導料などがかかる場合もあります。

江戸川区の子ども医療費助成制度

高校3年生相当まで(18歳到達後の最初の3月31日まで)のお子さんが医療機関等で健康保険証を使用して診療を受けたとき、保険診療の自己負担分を江戸川区が助成する制度です。保護者の所得制限はありません。

フッ素塗布の治療費は江戸川区にお住まいの方は無料です。

保険適用外

虫歯が1歯もなければ保険適用外です。

種類金額
フッ素塗布2,200円(税込み価格)
すべての歯が健康で虫歯が1本もない場合のフッ素塗布は、予防的処置にあたるため、保険適用外となります。

ふかさわ歯科クリニック篠崎では、このように虫歯や歯周病を未然に防ぐ予防歯科に力を入れ、患者様ご自身の歯が一生持つように予防主体の歯科健診や定期的な歯のクリーニングを推奨しております。予防歯科は歯の寿命だけでなく病気の予防とも関係しています。江戸川区篠崎にて、子供の虫歯予防の為のフッ素塗布ご希望の方は当院までお気軽にご相談下さい。

【動画】初期虫歯COを削らずに自分で治す方法

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
  • ヨガ

メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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