下顎神経損傷のリスクと対策:親知らず抜歯による神経麻痺と出血

下顎神経の損傷による神経麻痺と出血

下顎神経の損傷による神経麻痺と出血

下顎神経損傷による後遺症

下顎骨の中には下顎管(下歯槽管)という太いトンネル状の管が通っています。その中には血管と下歯槽神経(下顎神経)が走行しています。

親知らずの歯根が下顎管と接近している場合、下顎管を損傷するリスクがあります。下顎管が損傷されれば、知覚麻痺を起こします。

神経損傷による後遺症は、神経麻痺の程度により治癒期間は様々ですが、長いケースで数年を要する場合もあります。治療にはビタミンB12製剤(メチコバールなど)の投与や高濃度ビタミンC点滴やビタミンb群を中心としたマイヤーズカクテル点滴などが有効です。

下顎神経損傷による出血

下顎管(下歯槽管)の中を走る血管を損傷した場合、大量の出血が起こります。

その場合には、止血のための適切な処置が必要です。

親知らずの上顎洞への迷入と交通:抜歯時に注意すべきリスク

親知らずの上顎洞への迷入や交通

親知らずの上顎洞への迷入や交通

親知らずの上顎洞への迷入

写真に示すように先天的に上顎洞の中に親知らずの歯根が突き出している場合があります。この様なケースで抜歯を行うと上顎洞の中に親知らずを押し込んでしまうことがあります。

上顎洞内に親知らずが落ち込んでしまった場合には、別のアプローチで摘出が必要になります。

上顎洞との交通

上顎骨には上顎洞という空洞があります。上記のように親知らずの歯根が上顎洞の中に突き出している場合、親知らずを抜歯する事で口腔内と鼻腔がつながってしまう場合があります。

術後鼻から血液が流れ出したり、鼻から空気や水が漏れるという症状が出現しますが、多くの場合、自然治癒することがほとんどです。

親知らず抜歯後の糸抜き

縫合した糸がほどけても心配いりません

骨を削ったり、歯茎を切ったりして抜歯した場合には歯茎を数か所縫っています。

糸の結び目が気になって舌で頻繁に触ってしまうと糸が取れてしまうことがあるので注意して下さい。勝手に取れた糸の本数や取れた時期にもよりますが、縫い直すことはせず様子を見ることが殆どです。

約1~2週間後に糸を抜きます

約1~2週間後に糸を抜きます。抜糸時の痛みは殆どないので心配ありません。同時に感染の有無や抜歯箇所の治りの状況を確認します。

歯茎に埋まった下の親知らずを抜歯した多くのケースで歯茎に穴が出来、なかなか塞がりませんが、心配ありません。

歯茎の縫合
歯茎の縫合

江戸川区篠崎で親知らずの抜歯についてお悩みの方は、ぜひふかさわ歯科クリニック篠崎までご相談下さい。当院では、事前の検査・診断で出来るだけ手術時間を短縮し、リスクや痛みを抑えた親知らずの抜歯を心がけております。また、親知らずの移植や歯髄バンクなどの有効活用も考慮した適切なアドバイスを行っています。ぜひお気軽にご相談ください。

【動画】親知らずを抜かなきゃよかったと後悔

筆者・院長

篠崎ふかさわ歯科クリニック院長

深沢 一


Hajime FULASAWA

  • 登山
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メッセージ

日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。

私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。

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