- 1. いつまでOK?指しゃぶりが与える歯並びや発音への影響
- 1.1. 授乳行動
- 1.2. 指しゃぶりが始まる
- 1.3. 指しゃぶりは口や手指を発達させる
- 1.4. お薦め「口遊び」に安全ガード付乳歯歯ブラシ
- 1.5. 仕上げ磨き
- 1.6. おもちゃ舐め
- 1.7. 指しゃぶりは4歳の誕生日までOK
- 1.8. 指しゃぶりからおしゃぶりに変える?
- 1.9. 指の吸いだこ対策
- 2. 4歳で指しゃぶりが続く子供の特徴とその対応方法
- 2.1. 4歳で指しゃぶりする子の特徴
- 2.2. 4歳以降で治らない原因
- 2.3. 指しゃぶりをやめさせる方法
- 2.3.1. 重要ポイント
- 2.4. 指しゃぶり防止用マニキュアの是非
- 3. 大人の指しゃぶり
- 3.1. 原因
- 3.2. 歯並びへの影響は軽微
- 4. 江戸川区篠崎にて指しゃぶりを止めさせたい方へ
- 5. 【動画】指しゃぶりや指吸いを止めさせる方法
- 6. 筆者・院長
初めてお子さんを持つお母さんにとって、赤ちゃんの指しゃぶりや指吸いはいつから始まっていつまでなら大丈夫なのか疑問が湧くことでしょう。
ここでは、指しゃぶりや指吸いが歯並びに与える影響。赤ちゃんの時の指しゃぶりは、口や手指の機能、精神の成長発育に先天的に備わったものであること。
4歳を超えても指しゃぶりが止まらない場合の止めさせ方などを解説します。
いつまでOK?指しゃぶりが与える歯並びや発音への影響
生後4ヶ月の乳児が常時指しゃぶり
生後4ヶ月の乳児が、授乳以外は四六時中指しゃぶりをしています。ここまで指しゃぶりをするのは、愛情不足が原因なのか心配です。
4歳で矯正?
指しゃぶりは4歳までに終われば良いと聞いたが、その時点で歯並びが悪くなってしまっていたら矯正をするのはかなり難しいと思うのだけど!
大人の指しゃぶり?
大人になっても指しゃぶりが止められません。これは精神的に異常なのでしょうか?
授乳行動
生後1ヶ月以内(新生児期)
新生児(生後1ヶ月以内)の赤ちゃんは、手足を自分の思い通りに動かすことはできません。
一方、赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる胎児期に獲得された反射行動でおっぱいを吸うことは出来ますが、まだ、重力に逆らって手足を自由に動かすことはできません。
つまり、まだ指しゃぶりはできません。
ただし、指しゃぶりは、赤ちゃんがお母さんのお腹にいる時からしていることが超音波を使った子宮の観察からわかってきます。
指しゃぶりが始まる
生後2ヶ月~3ヶ月
新生児期を過ぎて、生後2ヶ月目に入ると手の動きが活発になり、自分の意思で手を口まで持っていくことが出来るようになります。
そして、たまたま口に触れた指をしゃぶったり吸ったりする行動が見られるようになります。 つまり、赤ちゃんの指しゃぶりが始まるのは生後2ヶ月~3ヶ月ということができます。
理由
生後2ヶ月~3ヶ月の時期に赤ちゃんが指しゃぶりや指吸いを行うのは、いたって自然な反応で、心身の健全な発育に不可欠です。従って、指しゃぶりをやめさせる必要はなく、逆に積極的にやらせる必要があります。
つまり、赤ちゃんが指しゃぶりをする理由は、もともと生体に備わった生理的機能ということができます。
指しゃぶりは口や手指を発達させる
生後4ヶ月~6ヶ月
生後4~6ヶ月になると盛んに指やおもちゃを口の中に入れる動作が始まります。これは、口の中におっぱい以外のものが入る準備だと言われています。
指をちゅぱちゅぱしゃぶったり、吸ったりする行動は、手と目と口の協調運動になるため、手が自分の体の一部であるということを徐々に認識し始めます。
唇や舌は物を認識する敏感なセンサーとして働きます。知覚・運動機能・視覚・触覚機能の発達に欠かせないのが指しゃぶりや指吸いということが出来ます。
お薦め「口遊び」に安全ガード付乳歯歯ブラシ
生後6ヶ月以降
安全ガード付乳歯歯ブラシは、のどを突く心配がなく安心して使えます。対象年齢は6ヶ月以降です。
赤ちゃんにガード付き歯ブラシを与え、赤ちゃんの前でお母さんお父さんが楽しそうに歯磨きをしてください。それを見た赤ちゃんは、歯磨きのまねっこを始めます。赤ちゃんの口遊びとして歯磨きのまねっこは最適です。
日常生活の中に歯磨き動作を自然に取り込むことで、歯磨き習慣を知らず知らずのうちに身に着けることが出来るはずです。
仕上げ磨き
父母相互の仕上げ磨き
赤ちゃんの口遊びとして歯磨きのまねっこをした後は、お母さんとお父さんが互いに仕上げ磨きをしてみてください。
それを見た赤ちゃんは、仕上げ磨きが当たり前のこととして、感じられるようになります。
すると、赤ちゃん自ら進んで「仕上げ磨きをして」とおねだりしてくる様になるはずです。
この様な親子の何気ない幸せな時間の中で、歯磨き習慣が身に付くのは素晴らしいことではないでしょうか。
おもちゃ舐め
積極的に
おもちゃ舐めの様な口遊びも指しゃぶりと同様に、積極的にさせてください。ただし、安全で清潔なものを用意して赤ちゃんに与えてください。
指しゃぶりは4歳の誕生日までOK
殆どの子供は4歳で指しゃぶりが止まる
3歳ぐらいになると手先が器用になり、周りの物に興味を持ち、おもちゃなので遊べるようになる為、自然と指しゃぶりをやめてしまう子供が多くなります。
また、指しゃぶりは口腔機能の発達や手指の健全な成長のために必要であることから、3歳までは積極的にすることが推奨されています。
従って、4歳の誕生日が来るまでに指しゃぶりを止めることができれば、なんの問題も無いと言う事が出来ます。むしろ、その間は自由にさせておくことが重要です。
指しゃぶりからおしゃぶりに変える?
NG
赤ちゃんに指ダコが出来、ふやけてカサカサ・ボロボロになってしまうことを心配して、指しゃぶりからおしゃぶりに変えようとする母親がいますが、適切な行動とは言えません。
前述したように指しゃぶりは赤ちゃんの成長発育に不可欠だからです。
指の吸いだこ対策
アルコール消毒のやり過ぎはNG
赤ちゃんの指は、水道水と石鹸で洗うのが1番良いと思います。上手く洗えない場合は、お湯で温めたタオルで清拭しても良いと思います。
赤ちゃんの指の吸いだこ対策にアルコール消毒しているお母さんも見受けられますが、アルコールの苦さで指しゃぶりをやめてしまう赤ちゃんもいます。
通常より早めに指しゃぶりが止まると精神的に不安定になり、四六時中抱っこをしないとぐずったり、夜に寝付けず夜泣きをするなど問題が起こりやすくなります。
4歳で指しゃぶりが続く子供の特徴とその対応方法
4歳で指しゃぶりする子の特徴
指しゃぶりの程度を知る
- 指だこができ、指がふやけている。
- いつも口をポカンと開けて口で息をしている。(口呼吸が顕著)
- くちゃくちゃと音を立てて食べ、口の周りの筋肉に力を入れて飲み込む。(オトガイ部に梅干しの様なシワが出来て嚥下する。)
- 前歯の上下に隙間(オープンバイト)が出来たり、出っ歯の歯並びになってきた。
4歳以降で治らない原因
原因
周辺環境に適応出来ない
子供が幼稚園などの周辺環境にうまく適応出来ない。
原因
親や兄弟に対する欲求不満
両親や兄弟に対する欲求不満や様々な葛藤による精神的ストレスが要因として強く関与していると思われます。
従って、4歳以降で指しゃぶりが続いても、無理やり指しゃぶりをやめさせるのはNGです。
指しゃぶりをやめさせる方法
STEP
口うるさく言わない
子供の気持ちを尊重し、「ほらまた指をしゃぶっている」「指しゃぶりをやめなさい」と口うるさく言い過ぎない。
STEP
絵本を読んであげる
写真の絵本「指しゃぶりやめられるかな」(三輪康子・わかば出版)を毎晩読んで聞かせる。
STEP
褒美にシール
「指しゃぶりをしなかった日」には褒めて、そのご褒美として1日1枚ずつシールを子供に渡してシール表に貼らせる。(台紙はカレンダー、便箋、ノート等を利用)
重要ポイント
ポイント
子供の意思を確認
子供がはっきりと「やめたくない」と意思表示した時には、数ヶ月後に子供と話し合ってみます。やめた方が良い理由を子供のレベルで納得させることが必要だからです。
例えば、4歳以上の子供の指にマネキュアのような刺激物を塗って指しゃぶりを強制的やめさせようとしても、それは逆効果です。指をしゃぶるのは心理的不安を和らげようとする行動なので、お母さんのおっぱいを触りたがった、爪を噛むといった代替行動が起きるか、さらに指しゃぶりが激しくなってしまう恐れがあるからです。
ポイント
愛情不足と感じさせない
お母さんは、真剣に取り組み、あやふやな態度を子供に見せないことが重要です。また、子供の手を撫でながら今日の出来事を会話してみるなどスキンシップを図りながら、子供が努力している様子が認められれば沢山褒めてあげ、精神的な支えになってください。子供に愛情不足と感じさせないようにしましょう。
また、周りの人とコミュニケーションを取ったり、大好きな人と手を繋いでみるなども有効な方法でしょう。
指しゃぶり防止用マニキュアの是非
苦いものを指に塗るのはNG
4歳以降に続くしぶとい指しゃぶりの原因は精神的要因が強いと前述しました。
指に苦いものを塗るマニキュアや便利グッツが様々販売されていますが、指しゃぶり防止目的で、こういったグッズは使用してはいけません。
精神的なストレスの緩和に努めるのが第1選択だからです。
こういったグッツを使うと子供は心理的に抑圧され、心の健全な成長に支障を来す危険性が示唆されています。
ただし、これらの商品は小学校高学年以上の子供が爪噛みを行っている場合や大人になっても指しゃぶりが止められない場合など、自分の意思で使うなら有効であると考えられます。
大人の指しゃぶり
原因
心理的要因
大人の指しゃぶりは、過度なストレスや将来に対する不安など心理的要因によると考えられています。
もちろん1人でいる時に行うわけですが、何度もやめようと、指に苦いマネキュアやテープを貼ってやめようと試みても我慢出来ずに繰り返してしまう。 この様に指しゃぶりを止める事が出来ない大人が散見されます。 つまり、指しゃぶりは自分の不安な気持ちを抑える精神安定剤の様なものなのですね。
大人の指しゃぶりは歯科の治療範囲外なので適切なアドバイスを行うことは出来ませんが、止めたいのにどうしても止められない方は心療内科に相談してみてはいかがでしょうか。
歯並びへの影響は軽微
上顎骨の成長から少し遅れて下顎骨の急激な成長が起こります。下顎骨の成長時期は女子では9~15歳、男子では9~18歳頃です。この時期を過ぎれば骨格の成長は止まります。
骨の成長が盛んに行われる時期に、外から力が持続的に加わると容易に歯並びに影響が出てしまいます。つまり、成長期に長時間の指しゃぶりをすれば確実に出っ歯やオープンバイトになってしまうことでしょう。
しかし、成長期を過ぎた年齢からは骨の成長が止まり硬くなってくるため、指しゃぶりによる歯並びのさらなる悪化は起こりにくいと考えてもいいでしょう。
大人の指しゃぶりは、夜1人になった時、せいぜい1時間ほどでしょうから歯並びに対する影響は極めて軽微です。
江戸川区篠崎にて指しゃぶりを止めさせたい方へ
ふかさわ歯科クリニック篠崎ではお子様の現状の歯並びや咬み合わせだけに限らず、健全な成長を見据えた治療や予防に取り組んでおります。患者さまのご要望を大切にし、一人ひとりに合った小児矯正をご提案いたします。成長過程にあるお子様の口腔環境は、刻々と変化しますのでご家庭でのセルフケアをはじめ、歯科医院での定期健診も含め当院をご利用いただければと思います。江戸川区篠崎で指しゃぶりを止めさせたい方はぜひ、当院までお気軽にご相談ください。
【動画】指しゃぶりや指吸いを止めさせる方法
筆者・院長
深沢 一
Hajime FULASAWA
- 登山
- ヨガ
メッセージ
日々進化する歯科医療に対応するため、毎月必ず各種セミナーへの受講を心がけております。
私達は、日々刻々と進歩する医学を、より良い形で患者様に御提供したいと考え、「各種 歯科学会」に所属すると共に、定期的に「院内勉強会」を行う等、常に現状に甘んずる事のないよう精進致しております。 又、医療で一番大切な事は、”心のある診療”と考え、スタッフと共に「患者様の立場に立った診療」を、心がけております。